明 細 書 新規な蛋白質及び該蛋白質に特異的なモノクローナル抗体 産業上の利用分野
本発明は癌細胞の有無、 癌の悪性度の診断等の癌の診断治療に関わる 研究に有用な診断手段として、 あるいはその他の医学的生理学的用途に 有用な、 新規なタンパク質及びそれをコ一ドする遺伝子に関するもので ある。 特に本発明は、 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一 種である MT— MMP— 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である新 規な膜結合型タンパク質及びそれをコードする遺伝子に関する。 さらに 詳しくは、 本発明はヒ ト癌細胞表層で特異的に発現している新規マ卜リ ックスメタ口プロテア一ゼ 〔本発明で明らかにされた新規マトリックス メ夕口プロテアーゼを MT— MM P— 3 (Memb r an e-Typ e Ma t r i x me t a l l op r o t e i n a s e-3) と命名す る〕 、 それをコードする塩基配列を含有する DNA、 該 DNAで形質転 換せしめた宿主細胞、 該宿主細胞を用いる該マトリックスメタロプロテ ァーゼの製造方法、 該マトリックスメタロプロテアーゼタンパク質に特 異的に結合するモノクローナル抗体、 さらにはそれらタンパク質及び抗 体の用途に関するものである。
背景技術
原発巣組織内に存在する癌細胞が浸潤、 転移するためには、 その周囲 に存在する細胞外マトリックスが、 癌細胞の移動の障害になる。 したが つて、 癌細胞が組織を浸潤し転移するには、 原発巣からの遊離、 周辺の 細胞外マトリックスの破壊が必要となる。 癌細胞の転移は、 その後基底
膜の破壊、 血管への侵入、 侵出、 二次臓器への生着、 増殖等の段階を経 て成立する。 癌細胞の転移の障壁となっている細胞外マトリックスは、
I V型コラーゲン、 プロテオグリカン、 エラスチン、 フイブロネクチン、 ラミニン、 へパラン硫酸等の複雑な成分から構成されているが、 この細 胞外マトリックスの分解には、 基質特異性を異にするマトリックスメタ 口プロテア一ゼ (以下 MMPと略記する) と総称される一群の酵素が関 与している。
これまでに MMPとして間質型コラゲナーゼ (MMP— 1 ) 、 72 k Da ゼラチナーゼ ( I V型コラゲナーゼあるいはゼラチナーゼ Aとも いう : MMP— 2) 、 92 kD a ゼラチナ一ゼ ( I V型コラゲナ一ゼ あるいはゼラチナーゼ Bともいう : MMP— 9) 、 ストロムライシン一 1 (MMP - 3) 、 マトリライシン (MMP— 7) 、 好中球コラゲナ一 ゼ (MMP— 8) 、 ストロムライシン一 2 (MMP - 10) 、 ストロム ライシン— 3 (MMP— 1 1 ) 等が報告されている (C r i t. Rev. Or a l. B i o l. Me d. , 4 : 1 97〜 250, 1 993) 。 こ れらの MMPはフアミ リーを形成し、 遺伝子の一次構造は既に報告され ている。 これらの MMPの c DNAデータから推定されるアミノ酸配列 には相同性が認められており、 基本的に分泌産生時に除かれる N末端の シグナルべプチドに続き、 プロべプチドドメイン、 Z n + 結合触媒ドメ イン、 5〜50アミノ酸よりなるプロリンに富んだヒンジドメイン、 C 一末端のへモぺキシン凝血酵素様ドメインから構成されている。 MMP 一 7においてはへモぺキシン凝血酵素様ドメィンはない。 MMP— 2と MMP— 9では、 この他にゼラチン結合ドメインを含んでいる。
これらの MMPのうち、 基底膜の主要構造体である I V型コラーゲン を主たる基質とする I V型コラゲナーゼ (MMP— 2と MMP— 9 ) は、 高転移性の癌細胞における高い発現が数多く報告され、 癌細胞の基底膜
浸潤への関与が提唱されてきた (Ce l l. , 64 : 327〜336, 1 991) 。 MM Pの活性発現調節は、 少なくとも転写レベル、 酵素活 性を示さなレ、潜在型酵素から活性型酵素への活性化の段階、 MM Pの特 異的阻害剤であるティシュ インヒビター ォブ メタ口プロテア一ゼ (T I MP) による活性調節などといった段階で行われていると考えら れている (Tr end s Gen e t. , 6 : 1 21〜1 25, 1 99 0) 。 全ての MM Ρは不活性な潜在型として分泌されるが、 I n V i t r oの実験では、 MMP— 1、 MMP— 9の活性化は、 プラスミン、 トリブシン、 カテブシン G等のセリンプロテアーゼによって生じること が示されており、 さらに、 MMP— 9の活性化が活性型 MMP— 3の作 用によっても引き起こされることが報告されている (J. B i o l. C hem. , 267 : 3581〜 3584, 1 992) 。 しかしながら、 MMP— 2が上述のプロテアーゼの切断部位を持たないため、 MMP— 2の活性化は、 これらによっては起こらないと考えられている (Cu r r. 〇 p i n. Ce l l B i o l. , 5 : 891〜 897, 1 993) 。 一方、 これらの MMPは、 必ずしも癌細胞だけから産生されている訳 ではなく、 周辺の線維芽細胞や炎症細胞からもそれぞれ異なる MM Pが 産生されていることも報告されている (B r e a s t Can c e r Re s. Tr e a t. , 24 : 209— 21 8, 1993. Cu r r. 0 p i n. Ce l l B i o l. , 5 : 89 1〜 897, 1 993) 。 中でも MM P— 2は、 組織構築の改変を伴うような様々な部位の線維芽 細胞で発現しているが、 正常組織と癌組織の MMP— 2を比較するとそ の活性化が癌組織で特異的に生じていることが肺癌の例等で報告されて いる (C l i n. Exp. Me t a s t a s i s, 1 1 : 1 83〜 1 8 9, 1 993 ) 。 MMP— 9では、 活性型が検出される頻度は低い。 ま た、 癌細胞の浸潤の先端 (i nvadopod i a) で活性型 MMP—
2が局在することが I n v i t r oの実験系で示され、 癌細胞浸潤に おける重要性が示唆されている (Can c e r Re s. , 53 : 3 1 59〜 3 164, 1 993. B r e a s t Can c e r Re s. Tr e a t. , 53 : 3 159〜 3 164, 1994) 。
この様な背景から、 MMP— 2の活性化機構が注目されてきたが、 前 述の様に MM P— 1、 MMP— 9の活性化がトリプシンなどのセリンプ 口テアーゼで誘導されるのに対し、 MMP— 2の活性化機構は不明であ り、 特に活性化因子は同定されていなかった。 MMP— 2の産生細胞で ある HT 1 080細胞をコンカナバリン Aや 12— 0 — t e t r ad e c anoy l pho rbo l 13— a c e t a t e (TPA) で処理 すると活性型 MMP— 2が培養上清に出現することが知られており、 こ れらの細胞では、 MMP— 2の活性化因子が誘導されていると考えられ る (J. Na t l. Can c e r I n s t. 85 : 1758〜 176 4, 1993. C l i n. Exp. Me t a s t a s i s. , 1 1 : 1 83〜1 89. 1 993 ) 。 この MM P— 2の活性化が細胞膜画分によ り誘導されること、 キレート剤ゃ T I MPによって活性化が抑制される ことから、 活性化因子は膜結合型の MM Pの 1種であることが想定され た B i o l. C h e m. , 268 : 14033〜 14039, 1 993 ) ο
本発明者らは、 先に遺伝子工学的手法により新規な MM Ρ遺伝子のク ローニングを行い、 C末端に典型的なトランスメンブレン ' ドメインを 持ち、 MMP— 2を活性化する新しい MMPをコ一ドする遺伝子をクロ 一二ングした (N a t u r e, 370 : 61〜65, l 994 ) 。 実際、 この遺伝子を培養細胞で発現させると、 その遺伝子産物は分泌されるこ となく細胞膜上に局在したことから、 本発明者らはこういつた MMPを MT-MMP (memb r an e-t yp e MMP) と命名した。
これまで述べてきたように MMPとりわけ MMP— 2は、 その活性型 が癌細胞特異的に見出されることから、 抗癌、 癌などに対する抗転移薬 の標的として益々認識されつつある。 し力、しな力《ら、 MMP— 2は正常 組織においても潜在型として比較的恒常的に存在することから、 活性発 現調節は活性化酵素への活性化の過程にあり、 その鍵を握る活性化因子 の探索、 同定は癌の診断、 悪性度の判定マーカー及び癌などに対する抗 転移薬剤の標的として極めて重要であるとすることができる。
また、 アルツハイマー病の発症に関与する ^アミロイ ドタンパク質の 切断における MMP— 2の関与が指摘されている。 /3アミロイ ドタンパ ク質はァミロイ ドタンパク質前駆体の一部であり、 /3アミロイ ドタンパ ク質領域は、 その 1Z4がアミロイ ドタンパク質前駆体の膜貫通領域に 含まれ、 残りは細胞外に出ている。 最近、 アミロイ ドタンパク質前駆体 の複数の代謝が明らかにされたが、 その一つは、 ひセクレターゼと呼ば れるプロテアーゼにより 5アミロイ ドタンパク質領域内を切断され、 細 胞外放出されるものである。 最近、 MMP— 2に αセクレターゼ様の/ 3 アミ ロイ ドタンパク質分解活性が見出され、 ΜΜΡ— 2が セクレター ゼあるいは細胞外での アミロイ ドタンパク質分解酵素として機能して いる可能性が指摘されている (Na t u r e, 3 62 : 8 3 9, 1 9 9 3 ) 。 /5アミロイ ドタンパク質は、 アルツハイマー病患者の脳で観察さ れる老人斑の主成分であり、 /3アミロイ ドタンパク質の自己凝集と沈着 により老人斑のコァを形成する。 アルッハイマ一病の患者の脳では 3ァ ミロイ ドタンパク質分解酵素の機能低下が生じている可能性もあること から MMP— 2が注目されているが、 やはりその鍵を握るのは MM P— 2の活性化の過程である。 先に本発明者らが同定した MT— MMP (新 たに、 ここで 「MT— MMP— 1」 と名付けられた) は MMP— 2の活
性化因子であると考えられるが、 MT— MMP— 1のような未知の MM Pが存在することは、 細胞外マトリックスには多様な構成成分が存在す ることからも充分に予想され、 MT— MMP— 1以外の MMP— 2の活 性化因子の存在も否定できない。 発明の開示
本発明は、 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一種であり 且つ MT— MMP— 1以外であって潜在型 MMP - 2活性化能を有する 潜在型 MMP— 2活性化因子である新規なタンパク質及びそれをコ一ド する遺伝子、 該潜在型 MMP— 2活性化因子である新規なタンパク質の 製造方法及び該夕ンパク質及び該遺伝子の用途等を提供することを目的 とする。
本発明者らは、 潜在型 MMP— 2の活性化が癌細胞膜画分により誘導 されること、 キレート剤や T I MPによって活性化が抑制されることか ら活性化因子は膜結合型の MM Pの 1種であると想定されていることに 着目し、 先に潜在型 MMP— 2活性化能を有する新規な MMPをコ一ド する遺伝子を単離したが、 これ以外にも MMP— 2の活性化因子として 作用する MM Pや生化学的に既知の MM Pと異なる MM Pが存在するの ではないかと考え、 遺伝子工学的手法を用い種々研究した結果、 新たな 潜在型 MMP— 2活性化能を有する MMPをコードする遺伝子を単離す ることに成功し、 本発明を完成させるに至った。
現在まで、 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPとして MT— MMP— 1が知られていたが、 それ以外の潜在型 MMP— 2活性化因子 については同定されていなかった。 本発明者により新規な潜在型 MM P 一 2活性化因子たる MMPの遺伝子がクローニングされ、 遺伝子塩基配 列およびアミノ酸配列の全てが明らかにされるに至った。 本発明者らは、
この新規な MMPを当初 MT— MMP— 2と命名した (平成 7年 (1 9 9 5年) 7月 1 4日に日本国に出願された特願平 7— 2 0 0 3 1 9号並 びに特願平 7— 2 0 0 3 2 0号) 力く、 ゴ一ドン リサーチ コンファレ ンス オン マトリックス メタ口プロテアーゼズ (アンド一バ一 ェ ヌェイチ 1 9 9 5年 7月 1 6— 2 1日) [Gordon Research Conferen ce on Matrix Metal loproteinases (Andover, NH July 16 - 21, 1995)〕 において、 このものは新たに 「MT— MMP— 3」 と呼ぶべきものとさ れ、 そこに於いて 「MT— MMP_ 3」 と呼称するとの合意がなされた (ザ ジャーナル ォブ バイオロジカル ケミストリー (The Journal of Biological Chemistry), Vol. 270, pp.23013-23020 (1995)) 。 し たがって、 本 MT— MMP— 3は、 特願平 7 - 2 0 0 3 1 9号並びに特 願平 7 - 2 0 0 3 2 0号に記載の MT— MMP— 2と同一のものを指し ているのである。
すなわち、 本発明は新規なタンパク質、 MT— MMP— 3.及びその類 縁体に関わるものである。 さらに本発明は新規な MT— MMP— 3の全 体又は一部をコードする DN A配列、 このような DN A配列を有するベ クタ一及びこのようなベクターで形質転換又はトランスフヱクションさ れた宿主細胞にも関する。 さらに組換え MT— MM P— 3の製造法及び その用途も包含している。 また MT— MMP_ 3に特異的に結合する抗 体にも関する。 別の観点からは上記の産物を用いた測定試薬、 その試薬 を用いた測定方法にも関する。 特には、 生体内及び生体外での MT— M MP— 3を測定する手法も提供される。
本発明は、 潜在型 MM P— 2の活性化能を有する MM Pの一種である が MT— MMP— 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の M T—MMPと実質的に同等な活性を有するタンパク質またはその塩、 そ のタンパク質の特徵的な部分べプチドまたはその塩、 それらをコードす
る遺伝子、 例えば DNA、 RNAなど、 その遺伝子を遺伝子組換え技術 で操作することが可能なように含有しているべクタ一あるいはプラスミ ド、 こうしたベクターなどで形質転換された宿主細胞、 その宿主細胞を、 培養して該タンパク質またはその塩を製造する方法、 こうして得られた 該タンパク質またはその塩やそのタンパク質の特徴的な部分べプチドま たはその塩を用いて得られた抗体、 特にはモノクローナル抗体、 その抗 体を産生するハイプリ ドーマ細胞、 該単離された遺伝子、 例えば DNA、 RNAなどをプローブとして用いたり、 あるいは該抗体を用いた測定診 断手段に関する。
特には本発明は、 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一種 であるが MT— MMP— 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天 然の MT— MMP_ 3と実質的に同等な活性を有するタンパク質または その塩、 そのタンパク質の特徴的な部分ペプチドまたはその塩、 それら をコードする遺伝子、 例えば D N A、 RNAなど、 その遺伝子を遺伝子 組換え技術で操作することが可能なように含有しているべクタ一あるい はプラスミ ド、 こうしたベクターなどで形質転換された宿主細胞、 その 宿主細胞を、 培養して該タンパク質またはその塩を製造する方法、 こう して得られた該タンパク質またはその塩やそのタンパク質の特徴的な部 分べプチドまたはその塩を用いて得られた抗体、 特にはモノクローナル 抗体、 その抗体を産生するハイプリ ドーマ細胞、 該単離された遺伝子、 例えば DNA、 RNAなどをプローブとして用いたり、 あるいは該抗体 を用いた測定診断手段に関する。
好ましくは、 本発明では、 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸 配列又はそれと実質的に同等のァミノ酸配列を有することを特徴とする MT— MMP— 3またはその塩が挙げられる。
本発明は、
( 1 ) 潜在型 MM P— 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ M T-MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT— MMPと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質また はその塩、
(2) 該タンパク質が MT— MMP— 3またはその塩と、 実質的に同等 な活性を有するか、 あるいは実質的に同等の一次構造コンフオメーショ ンを持つものであることを特徴とする上記第 (1 ) 項記載のタンパク質、
(3) C末端領域に、 配列表の配列番号: 2の A 1 a561 〜Ph e584 で表されるァミノ酸配列又はそれと実質的に同等のァミノ酸配列を有す ることを特徴とする上記第 (1 ) 又は (2) 項記載のタンパク質、
(4) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列又はそれと実質的 に同等のァミノ酸配列を有する MT— MMP— 3またはその塩であるこ とを特徴とする上記第 (1)〜 (3) 項のいずれか一記載のタンパク質、
( 5 ) 外因性 D N A配列を原核生物において発現して得たものである力、、 あるいは真核生物で発現させて得たものであることを特徴とする上記第 ( 1 )〜 (4) 項のいずれか一記載のタンパク質、
(6) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一の アミノ酸配列を有することを特徴とする上記第 (1)〜(5) 項のいず れか一記載のタンパク質、
(7) 上記第 (1 )〜 (6) 項のいずれか一記載のタンパク質の部分べ プチドまたはその塩、
(8) 上記第 (1)〜 (7) 項のいずれか一記載のタンパク質又はその 部分べプチドをコ一ドする塩基配列を有することを特徴とする核酸、
(9) 上記第 (2)〜(4) 項のいずれか一記載の MT— MMP— 3を コードする塩基配列を有する DNA遺伝子であることを特徴とする上記 第 ( 8 ) 項記載の核酸、
(1 0) 配列表の配列番号: 1で表される塩基配列のうちオープンリー ディングフレーム部分又はそれと実質的に同等な活性を有する塩基配列 を有することを特徴とする上記第 (8) 又は (9) 項記載の核酸、
(1 1) 上記第 (8) 〜 (1 0) 項のいずれか一記載の核酸を含有する ことを特徴とするベクター、
(1 2) 上記第 (8) 〜 (1 0) 項のいずれか一記載の核酸又は上記第 (1 1) 項記載のベクターを保有することを特徴とする形質転換体、
(1 3) 上記第 (1 2) 項記載の形質転換体を増殖可能な栄養培地中で 培養し、 組換えタンパク質として MT— MMP— 3またはその塩を包含 する上記第 (1) 〜 (6) 項のいずれか一記載のタンパク質又はその部 分べプチドを生成せしめることを特徴とする MT— MMP— 3またはそ の塩を包含する上記第 (1) 〜 (6) 項のいずれか一記載のタンパク質 又はその部分べプチドの製造方法、
(1 4) 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ MT-MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT 一 MM Pと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質又 はその塩あるいはその部分べプチド又はその塩に対する抗体、
(1 5) MT— MMP— 3またはその塩と、 実質的に同等な活性を有す る力、、 あるいは実質的に同等の一次構造コンフオメ一シヨンを持つもの であるタンパク質に対する抗体であることを特徴とする上記第 (1 4) 項記載の抗体、
(1 6) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列又はそれと実質 的に同等のァミノ酸配列を有する MT— MMP— 3又はその塩である夕 ンパク質に対する抗体であることを特徴とする上記第 (1 4) 又は ( 1 5) 項記載の抗体、
(1 7) 外因性 DN A配列を原核生物において発現して得たものである
力、、 あるいは真核生物で発現させて得たものであるタンパク質に対する 抗体であることを特徴とする上記第 (1 4) 〜 ( 1 6) 項のいずれか一 記載の抗体、
(1 8) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列と実質的に同一 のァミノ酸配列を有するタンパク質に対する抗体であることを特徴とす る上記第 (1 4) 〜 (1 7) 項のいずれか一記載の抗体、
(1 9) タンパク質の部分ペプチド又はその塩に対する抗体であること を特徴とする上記第 (1 4) 〜 (1 8) 項のいずれか一記載の抗体、
(2 0) 抗血清であることを特徵とする上記第 (1 4) ~ (1 9) 項の いずれか一記載の抗体、
(2 1 ) モノクローナル抗体であることを特徴とする上記第 (1 4) 〜 (1 9) 項のいずれか一記載の抗体、
(2 2) MT-MMP- 3又はその塩に対するモノクロ一ナル抗体であ ることを特徴とする上記第 (1 4) 〜 (1 9) 及び (2 1 ) 項のいずれ か一記載の抗体、
(2 3) 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一種であり且つ MT-MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT 一 MM Pと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質又 はその塩あるいはその部分べプチド又はその塩を扰原として用い、 それ に対する抗体を得ることを特徴とする潜在型 MM P— 2の活性化能を有 する MMPの一種であり且つ MT— MMP— 1以外の潜在型 MMP— 2 活性化因子である天然の MT— MMPと実質的に同等な活性を有する夕 ンパク質又はその部分べプチドに対する抗体の製造方法、
(2 4) 潜在型 MMP - 2の活性化能を有する MMPの一種であり且つ MT-MMP- 1以外の潜在型 MMP_ 2活性化因子である天然の MT 一 MMPと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質又
はその塩あるいはその部分べプチド又はその塩で免疫した動物から得ら れた、 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一種であり且つ M T-MMP- 1以外の潜在型 MM P - 2活性化因子である天然の MT— MM Pと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質又は その部分べプチドに対する抗体を産生する細胞を、 継代培養可能な細胞 と融合せしめ、 継代培養可能でかつ MT— MM P— 3を包含するタンパ ク質に対する抗体を産生するハイプリッ ド細胞を選別することを特徴と する上記第 (2 1 ) 又は (2 2) 項記載の抗体の産生方法、
(2 5) 潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ MT-MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT 一 MMPと実質的に同等な活性を有することを特徴とするタンパク質又 はその塩あるいはその部分べプチド又はその塩を試薬として用いるか、 あるいは上記第 (1 4) ~ (22) 項のいずれか一記載の抗体を試薬と して用いることを特徴とする MT— MMP— 3の検出 ·測定方法、 (2 6) 上記第 (2 5) 項の MT— MMP— 3の検出 ·測定方法に用い る標識化された MT— MMP— 3に対する抗体、
(2 7) 上記第 (2 5) 項の MT— MMP— 3の検出 '測定方法に用い る潜在型 MM P— 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ MT— MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT— MM Pと実質的に同等な活性を有するタンパク質又はその塩あるいはその部 分べプチド又はその塩であることを特徴とする標識化されたタンパク質 あるいは部分べプチド又はその塩、
(2 8) MT— MMP— 3発現細胞あるいは組織の検出 ·測定方法に用 、る潜在型 MM P一 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ M T -MMP- 1以外の潜在型 MM P— 2活性化因子である天然の MT— M MPと実質的に同等な活性を有するタンパク質又はその部分べプチドを
コードすることを特徴とする標識化された核酸、 及び
(2 9) ハイブリダィゼーション ·プローブであることを特徴とする上 記第 (2 8) 項記載の核酸を提供する。
特に本発明は、
(3 0) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列又はそれと実質 的に同一のァミノ酸配列を有することを特徴とする MT— MMP— 3ま たはその塩、
(3 1 ) 上記第 (3 0) 項記載の MT— MMP— 3の部分べプチドまた はその塩、
(3 2) 上記第 (3 0) 項記載の MT— MMP_ 3をコードする塩基配 列を有する DN A遺伝子、
(3 3) 配列表の配列番号: 1で表される塩基配列を有する上記第 (3 2) 項記載の DN A遺伝子、
(3 4) 上記第 (3 2) 項記載の遺伝子を含有するべクタ一、
(3 5) 上記第 (3 2) 項記載の遺伝子又は上記第 (34) 項記載のベ クタ一を保有する形質転換体、
(3 6) 上記第 (3 5) 項記載の形質転換体を増殖可能な栄養培地中で 培養し、 組換えタンパク質として MT— MMP— 3またはその塩を生成 せしめることを特徴とする MT— MMP— 3またはその塩の製造方法、 ( 3 7 ) 上記第 (3 0) 項記載の MT— MMP— 3又はその塩あるいは その部分べプチド又はその塩を抗原として用い、 それに対する抗体を得 ることを特徴とする MT— MMP— 3に対する抗体の製造方法、
(3 8) 上記第 (3 1) 項記載の MT— MMP— 3に対する抗体、
(3 9) 抗血清であることを特徴とする上記第 (3 8) 項記載の MT— MM P— 3に対する抗体、
(4 0) モノクローナル抗体であることを特徴とする上記第 (3 8) 項
記載の MT— MMP— 3に対する抗体、
(4 1) 上記第 (3 0) 項記載の MT— MMP— 3又はその塩あるいは その部分べプチド又はその塩で免疫した動物から得られた MT— MM P 一 3に対する抗体を産生する細胞を、 継代培養可能な細胞と融合せしめ、 継代培養可能でかつ MT— MM P— 3に対する抗体を産生するハイプリ ッ ド細胞を選別することを特徴とする上記第 (4 0) 項記載の MT— M MP- 3に対するモノクロ一ナル抗体の産生方法、
(4 2) 上記第 (3 0) 項記載の MT— MMP— 3又はその塩あるいは その部分べプチド又はその塩を試薬として用いるか、 あるいは上記第 (3 8) 項記載の MT— MMP— 3に対する抗体を試薬として用いるこ とを特徴とする MT— MMP— 3の検出 ·測定方法、
(4 3) 上記第 (4 2) 項記載の MT— MMP— 3の検出 '測定方法に 用いる標識化された MT— MMP— 3又はその塩あるいはその部分ぺプ チド又はその塩、 及び
(4 4) 上記第 (4 2) 項記載の MT— MMP— 3の検出 '測定方法に 用いる標識化された MT— MMP— 3に対する抗体を提供する。 図面の簡単な説明
図 1 A〜Eは、 本発明の MT— MMP— 3のアミノ酸配列と既知の M M Pファミ リ— (MM P— 1、 MMP - 2、 MMP— 3、 MMP— 7、 MMP— 8、 MMP- 1 0、 MMP— 1 1及び MT— MMP— 1 ) のァ ミノ酸配列との相同性を比較し、 ドメイン構造を示した図である。 アミ ノ酸の表記は一般的な一文字表記に従い、 プレ型の N末端をァミノ酸 1 位として番号を付した。
図 2は、 ノ一ザンブロッ ト分析の結果の電気泳動写真を示す。
A: ノーザンブロッ ト分析による各種ヒ ト組織中での MT— MMP—
3mRNAの発現を調べた結果を示したものである。
B : ノーザンブロッ ト分析による各種ヒ ト培養癌細胞中での MT— M MP— 3 mRNAの発現を調べた結果を示したものである。
図 3は、 MT— MMP— 3 cDNAを COS— 1細胞中で発現させ、 MT-MMP- 3タンパク質を免疫沈殿法によりセルライゼ一卜及びコ ンディション培地中より検出した結果の電気泳動写真を示したものであ る。 MT— MMP— 3タンパク質 (6 4 kD a)、 T I MP— 1タンパ ク質 (2 8 kDa) の位置をそれぞれ▲、 △で示した。
図 4は、 MT— MMP— 3の C末端の疎水性アミノ酸の連続配列がト ランスメンブレンドメインとして機能していることを、 T I MP— 1/ 疎水性ァミノ酸の連続配列の融合タンパク質を作製して検討した結果の 電気泳動写真を示す。
A :遺伝子工学的に作製した融合タンパク質を COS— 1細胞中で発 現させ、 セルライゼ一トとコンディシヨン培地中より検出した結果を電 気泳動写真で示したものである。
図 5は、 MT— MMP— 3の C末端の疎水性ァミノ酸の連続配列がト ランスメンブレンドメインとして機能していることを、 T I MP— 1 Z 疎水性ァミノ酸の連続配列の融合タンパク質を作製して検討した結果を 生物の形態を示す写真として示す。
B : C 0 S— 1細胞中で発現させた T I MP— 1 Z疎水性ァミノ酸の 連続配列の融合タンパク質を免疫蛍光染色により検出した結果を生物の 形態を示す写真で示したものである。
図 6は、 MT— MMP— 3の発現による潜在型 MMP— 2の活性化の 様子をザィモグラフィ一の結果の電気泳動写真で示す。
A: MT-MMP- 3 c D N A及び潜在型 MM P— 2 c DNAをコト ランスフヱクシヨンした COS— 1細胞中での潜在型 MM P— 2の活性
化を示した電気泳動写真である。
B: MT— MMP— 3 c DNAをトランスフエクシヨンした HT 1 0 8 0細胞中での潜在型 MMP— 2の活性化及びこの潜在型 MMP— 2 の活性化に及ぼす T I MP— 1、 T I MP— 2の影響を示した電気泳動 写真である。 発明を実施するための最良の形態
潜在型 MM P— 2の活性化能を有する MM Pの一種であるが M T— M MP— 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT— MM P (例えば、 MT— MMP— 3) と実質的に同等な活性を有するタンパク 質またはその塩、 そのタンパク質の特徴的な部分べプチドまたはその塩、 それらをコードする遺伝子、 例えば DNA、 RNAなど、 その遺伝子を 遺伝子組換え技術で操作することが可能なように含有しているベクター あるいはプラスミ ド、 こうしたベクタ一などで形質転換された宿主細胞、 その宿主細胞を、 培養して該タンパク質またはその塩を製造する方法、 こうして得られた該タンパク質またはその塩やそのタンパク質の特徴的 な部分べプチドまたはその塩を用いて得られた抗体、 特にはモノクロ一 ナル抗体、 その抗体を産生するハイプリ ドーマ細胞、 該単離された遺伝 子、 例えば DNA、 RNAなどをプローブとして用いたり、 あるいは該 抗体を用いた測定診断手段が提供される。
より具体的には、 本発明は配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸 配列を有することを特徴とする MT— MM P— 3またはその塩を提供す る。 本発明の MT— MMP— 3としては、 潜在型 MM P— 2の活性化能 を有する MM Pの一種であり且つ MT— MM P— 1以外であって潜在型 MM P— 2活性化能を有することを特徴とし潜在型 MM P一 活性化因 子でかつ新規なアミノ酸配列を有するものであればよい。 より好ましく
は本発明の MT— MMP— 3としては、 配列表の配列番号: 2で表され るアミノ酸配列と実質的に同一のァミノ酸配列を有するものがすべて挙 げられる。 さらに本発明の MT— MMP— 3としては、 プレ部分として 配列中のァミノ酸番号 1位の Me tから 2 1位の P h eまでのァミノ酸 配列の一部または全部を有していてもよく、 プロ部分としてアミノ酸番 号 2 2位の P h eから 1 1 9位の A r gまでのァミノ酸配列の一部また は全部を有していてもよい。 こうした配列を有するものはすべて包含さ れてよい。
本発明の MT— MMP— 3は、 配列表の配列番号: 1で表される塩基 配列の 1 1 3から 1 1 5位の AT Gから 1 9 2 2から 1 9 2 4位の GT Gより構成される塩基配列にコードされるもの ( 1 9 2 5から 1 9 27 位の終止コ ドン TGAは、 TAAまたは TAGでも有りうる) であるこ とができるし、 また、 該塩基配列と相同性を有するが、 MT— MMP— 1以外の配列を持ち且つ潜在型 MM P— 2の活性化能を有するといった それと同効の塩基配列を含有する DN A配列でコードされるものである ことができる。 該 MT— MMP— 3の塩基配列は、 修飾 (例えば、 付加、 除去、 置換など) されることもでき、 そうした修飾されたものも包含さ れてよい。
配列表の配列番号: 1で表される塩基配列またはそれと同効の塩基配 列を含有する本発明の DNAは、 例えば以下に示す方法によって取得し た。 なお、 遺伝子組換え技術は、 例えば T. Maniatis et al. , "Molecular Cloning", 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Ha rbor, N. T. (1989); 日本生化学会編、 「続生化学実験講座 1、 遺伝子 研究法 I I」 、 東京化学同人 ( 1 9 8 6 ) ; 日本生化学会編、 「新生化 学実験講座 2、 核酸 I I I (組換え DN A技術) 」 、 東京化学同人 (1 9 9 2 ) ; R. Wu ed. , "Methods in Enzymology, Vol. 68, Academic
Press, New York (1980) ; R. Wu et al. ed. , "Methods in Enzymology", Vol. 100 & 101, Academic Press, New York (1983) ; R. Wu et al. e d. , "Methods in Enzymology", Vol. 153, 154 & 155, Academic Press, New York (1987) などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載 の方法あるいはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことが できる。
種々のヒ ト組織 (胎盤、 口腔癌、 肺癌等) あるいは培養細胞 (ヒ ト線 維肉腫細胞 HT 1 0 8 0、 ヒ ト単球性白血病細胞 U 9 3 7等) から mR N Aを単離する。 特に好適にヒ トロ腔癌細胞より mRN Aを単離できる。 mRN Aの単離は、 当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様 な方法や改変法により行うことができるが、 T. Maniatis et al., "Mole cular Cloning", 2nd Ed. , Chapter 7, Cold Spring Harbor Laborator y, Cold Spring Harbor, N. T. (1989); L. Grossman et al. ed. , "Me thods in Enzymology", Vol. 12, Part A & B, Academic Press, New Y ork (1968); S. L. Berger et al. ed. , "Methods in Enzymology", Vo 1. 152, p.33 k p.215, Academic Press, New York (1987) (Biochemist ry, 18, 5294-5299, 1979 などに記載の方法、 例えばグァニジン一塩化 セシゥム法、 チオシァン酸グァニジン法、 フヱノール法などの方法で行 うことが出来る。 必要に応じ、 得られた全 RNAはオリゴ (dT) —セ ルロースカラムなどを使用して精製してポリ (A) · mRNAを得るこ とが出来る。 この mRNA及び逆転写酵素を用いて c DN Aを作製する。 m R N A及び逆転写酵素を用いての c D N A合成は当該分野で公知の方 法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる が、 H. Land et al. , "Nucleic Acids Res.", Vol. 9, 2251 (1981); U. Gubler et al. , "Gene", Vol. 25, 263-269 (1983); S. L. Berger et al. ed. , "Methods in Enzymology", Vol. 152, p.307, Academic
Press, New York (1987) などに記載の方法が挙げられる。
こうして作製された c DNAを基に c DNAライブラリーを構築でき る。 またファージベクターを使用する以外で、 大腸菌などの宿主細胞の 形質転換をするには、 例えばカルシウム法、 ルビジウム Zカルシウム法 など当該分野で知られた方法あるいはそれと実質的に同様な方法で行う ことができる (D. Hanahan, J. Mol. Biol., Vol. 166, p.557 (1983) など) 。 さらに市販の種々ヒ ト組織由来 c D N Aライブラリ一 (例えば、 CLONTECHなどより入手可能) を直接使用することもできる。 作 製された cDNAを铸型に PCR増幅反応を行う。 典型的な場合、 既知 の MMPファ ミ リーのアミ ノ酸配列から選択した、 高度に保存されてい るアミノ酸配列を基に、 デジヱネレイテツ ド 'プライマ一を作製する。 プライマーの作製は、 当該分野で知られた方法で行うことができ、 例え ば DNA自動合成装置を用い、 フォスフォジエステル法、 フォスフォ ト リエステル法、 フォスフォアミグイ ト法などにより合成できる。 このプ ライマーと上記作製した c DNAとを用い、 PCRを行う。 PCR反応 は、 当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法 により行うことができる力く、 例えば R. Saiki, et al. , Science, Vol. 230, pp. 1350 (1985); R. Saiki, et al. , Science, Vol. 239, pp. 487 (1985); P CRテクノロジ一 (PCR Technology) , ス トック トンプ レス (Stockton Press) などに記載された方法に従って行うことができ o
得られた P C R産物をクロ一ニングし、 得られた P C R産物の塩基配 列を決定し、 新規な MM P遺伝子配列を有する DN A断片を取得する。 塩基配列の決定は、 ダイデォキシ法、 例えば M l 3ダイデォキシ法など、 Maxam-Gilbert 法などを用いて行うことができる力 市販のシークェン シングキッ ト、 例えば Taqダイプライマーサイクルシークェンシングキ
ッ トなどを用いたり、 自動塩基配列決定装置、 例えば蛍光 DN Aシーケ ンサー装置などを用いて行うことが出来る。 特にはこの DNA断片をプ ローブに種々のヒ ト組織 (胎盤、 口腔癌、 肺癌等) あるいは培養細胞
(ヒ ト線維肉腫細胞 HT 1 08 0、 ヒ ト単球性白血病細胞 U 9 3 7等) から構築された c DN Aライブラリーをスクリーニングし、 塩基配列の 決定から目的とする DNAを単離することができる。 好ましくは胎盤 c DNAライブラリ一をスクリ一ニングし、 塩基配列の決定をして目的と する DNAを単離する。 なお、 プローブなどを放射性同位体などによつ て標識するには、 市販の標識キッ ト、 例えばランダムプライムド DNA ラベリングキッ ト (Boehringer Mannhaim)などを使用して行うことが出 朱る。
以下にさらに詳細に記述する。
本発明者らは、 既知の MMPファミリ一の触媒ドメィン中から選択し た高度に保存されているァミノ酸配列 GE AD I LV及び GDAHFD DDEを基に、 次の配列を有する 5' プライマ一、
5 P- 4 配列番号: 3
S G N V V N G C WG A Y A TMR T S A T
(配列中、 8 =(:又は0、 N = A又は C又は G又は T、 V = A又は C又 は G、 W=A又は T、 Υ二 C又は Τ、 Μ=Α又は C、 R = A又は Gのそ れぞれのミ ックス ド ·ベースを示す)
及び次の配列を有する 3' プライマ一、
3 P - 2 配列番号: 4
^TCRTSNTCRT
(配列中、 Y = C又は T、 R = A又は G、 S = C又は G、 N = A又は C 又は G又は T、 Η二 Α又は C又は Τのそれぞれのミックスドベースを示 す)
を設計、 合成した。 なお、 上記の配列のうち、 S、 N、 V、 W、 Y、 Μ、 R及び Ηはそこに複数の塩基を導入すること、 そしてその結果マルチプ ルなヌクレオチド配列を生ずることを示している。
ブライマ一は MM Pファミ リ一に特徴的な領域のァミノ酸配列に基づ いてデザインし、 合成し、 使用することが出来る。
これらのプライマーとヒ トロ腔癌細胞から調製した c DNAライブラ リ一を用い、 PCR反応を行った。 プライマーのデザインから予想され るサイズ (9 0から 1 2 0 b. p. ) を持つところの得られた P CR産 物をサブクローニングし、 塩基配列を決定した結果、 MMP— 1、 MM P— 9と同一な配列を持つ P C R産物以外に、 既知の MM Pと相同性を 有する力く、 配列が新規な 9 3 b. p. の DNA断片を得た。
同様にこれらプライマーと各種のヒ ト細胞由来の c DNAライブラリ 一を用いて、 MMP— 1、 MMP— 9と同一な配列を持つ P CR産物以 外に、 既知の MMPと相同性を有するが、 配列が新規な P CR産物を検 索することもできる。
この 9 3 b. p. DNA断片をプローブとして、 ヒ ト胎盤 cDNAラ イブラリーのスクリーニングを行い、 2. 1 k bの DNA断片が得られ た。 この断片の塩基配列の決定から配列表の配列番号: 1で表される塩 基配列が得られた。
配列表の配列番号: 1で表される塩基配列と同一の配列は、 GENE
BANK/EMBL DNA D a t a B a s e中には存在せず、 こ の塩基配列を有する D N Aは全く新規なものであることが認められた。 配列表の配列番号: 1で表される塩基配列を有する上記のクローンの 塩基配列は、 3, 非翻訳配列と共に推定 6 04個のアミノ酸残基をコー ドするオープンリ一ディングフレームを有していた。 開始コ ドンのすぐ
下流から推定されるシグナル配列が続き、 C末端のアミノ酸番号 5 6 1 から 5 8 4に 2 4個の疎水性アミノ酸の連続した膜結合型タンパク質に 特徴的な疎水性領域の存在が認められた。 こうして得られた新規 MMP を 「MT— MMP— 3」 と命名した (本発明者等は当初 MT— MMP— 2と呼称した (平成 7年 7月 1 4日日本国出願の特願平 7 - 2 0 0 3 1 9号並びに特願平 7— 2 0 0 3 2 0号) 力く、 ゴ一ドン リサーチ コン ファレンス オン マトリ ックス メタ口プロテア一ゼズ (アンドーバー ェヌェイチ 1 9 9 5年 7月 1 6— 2 1 日) [Gordon Research Conf erence on Matrix Metal loproteinases (Andover, NH July 16 - 21, 199 5)〕 の会合での合意に基づいて新たに MT— MMP— 3と呼ぶことにな つた) 。
MT— MMP— 3遺伝子産物の確認を、 MT— MMP— 3遺伝子をト ランスフエクシヨンした COS— 1細胞などの適した動物細胞などを用 いて行った。 この外来遺伝子を哺乳動物などの動物細胞に導入する方法 としては当該分野で知られた方法あるいはそれと実質的に同様な方法で 行うことができ、 例えばリン酸カルシゥム法 (例えば、 F. L. Graham et al., "Virology", Vol. 52, pp.456 (1973)など) 、 DEAE—デキ ス トラン法 (例えば、 D. Warden et al., "J. Gen. Virol.", Vol. 3, pp.371 (1968) など) 、 エレク トロポレーシヨン法 (例えば、 E. Neuma nn et al., "EMB0 J", Vol. 1, pp.841 (1982)など) 、 マイクロインジ ヱクション法、 リボソーム法、 ウイルス感染法、 ファージ粒子法などが 挙げられる。 こうして MT— MMP— 3遺伝子をトランスフヱクション された動物細胞の産生する遺伝子産物を抗 MT— MM P— 3モノクロ一 ナル抗体を用いた免疫沈降実験で解析した結果、 細胞溶解物から 6 4 k D aのタンパク質が免疫沈降されたのに対し、 培養上清からは相当する タンパク質は検出されなかった。 すなわち、 MT— MMP— 3遺伝子産
物は分泌されることなく、 細胞表層上で発現していることが示唆された。 図 1 A〜Eに示すように既知の MMPファミ リ一のァミノ酸配列との 相同性を調査した結果、 MT— MMP— 3は既知の MMPファミ リ一と 高い相同性を示した。 MMPフアミ リーで保存されている前駆体と成熟 体のプロセッシング部位近傍の配列、 および活性部位の配列は M T— M MP— 3中で最も良好に保存されていた。 また、 MMPの 1次構造上の 特徴であるプロペプチドドメイン、 Zn 結合触媒ドメイン、 プロリ ン に富んだヒンジ ドメイン、 C一末端のへモぺキシン凝血酵素様ドメイン は良好に保存されていた。
さらに MT— MMP— 3では、 MT— MMP— 1 (先に本発明者らが 単離同定した MT— MMPはその区別をなすため 「MT— MMP— 1」 と命名し直した) と同じく C末端領域に疎水性アミノ酸の連続した配列 が存在することから、 膜結合型の MMPであることが示唆された。 この ような疎水性ァミノ酸の連続した配列は、 他の MMPファミ リ一には存 在しない。 実際、 遺伝子工学的にこの疎水性アミノ酸の連続配列を分泌 タンパク質と融合させた融合タンパク質を作成し培養細胞で発現させた ところ、 融合タンパク質の分泌は抑えられ細胞膜上で発現したことから、 この疎水性ァミ ノ酸の連続配列がトランスメ ンブレン ' ドメインとして 機能していることが示された。
したがって、 MT— MMP— 3遺伝子は、 新規な MM Pタンパク質を コードしていることは明白であり、 MT— MMP— 3遺伝子を用いて作 製した組換え体プラスミ ドは全て新規な組換え体であり、 そのプラスミ ドで形質転換あるいはトランスフ ク トされ得られた形質転換体ある 、 はトランスフヱクタントも新規なものである。
MT— MMP— 3遺伝子を組込むプラスミ ドとしては遺伝子工学的に 常用される宿主細胞 (例えば、 大腸菌、 枯草菌等の原核細胞宿主、 酵母、
C HO細胞等の真核細胞宿主、 S f 2 1等の昆虫細胞宿主) 中で該 DN Aが発現できるプラスミ ドであればどのようなプラスミ ドでもよい。 こ うした配列内には、 例えば選択した宿主細胞で発現するのに好適なコ ド ンが導入されていることができるし、 制限酵素部位が設けられているこ ともできるし、 目的とする遺伝子の発現を容易にするための制御配列、 促進配列など、 目的とする遺伝子を結合するのに役立つリンカ一、 ァダ プターなど、 さらには抗生物質耐性などを制御したり、 代謝を制御した りし、 選別などに有用な配列等を含んでいることができる。
好ましくは、 適当なプロモータ一、 例えば大腸菌を宿主とするプラス ミ ドでは、 トリプトファン ( t r p) プロモータ一、 ラク ト一ス ( 1 a c ) プロモータ一、 トリプトフアン ' ラク トース (t a c) プロモータ 一、 リポプロテイン ( 1 p p) プロモータ一、 スファージ PLプロモ一 ター等を、 動物細胞を宿主とするプラスミ ドでは、 SV 4 0レートプロ モーター、 MMTV LTRプロモータ一、 RSV LTRプロモータ ―、 CMVプロモータ一、 SRaプロモーター等を、 酵母を宿主とする プラスミ ドでは、 GAL 1、 G AL 1 0プロモータ一等を使用し得る。 大腸菌を宿主とするプラスミ ドとしては、 例えば pBR 3 2 2、 pU C 1 8、 pUC 1 9、 pUC 1 1 8, pUC 1 1 9、 p S P 6 4、 p S P 6 5、 p TZ— 1 8 R ー 1 8 U、 p T Z— 1 9 R/— 1 9 U、 p G EM— 3、 pGEM - 4、 pGEM— 3 Z、 pGEM— 4 Z、 pGEM - 5 Z f (―) 、 p B l u e s c r i p t K S™ (Stratagene) など が挙げられる。 大腸菌での発現に適したプラスミ ドベクタ一としては、 pAS、 p KK 2 23 (Pharmacia), pMC 1 4 03 , pMC 9 3 Κ PKC 3 0なども挙げられる。 動物細胞を宿主とするプラスミ ドとして は、 S V 4 0ベクター、 ポリォ一マ · ウィルスベクター、 ヮクシニア · ウィルスベクタ一、 レトロウイルスベクタ一などが挙げられ、 例えば p
cD、 p cD - SRひ、 CDM8、 p CEV4、 pME 1 8 S、 p B C 1 2 B I、 p SG 5 (Stratagene) などが挙げられる。 酵母を宿主とす るプラスミ ドとしては、 Y i p型ベクター、 YEp型べクタ一、 YRp 型ベクター、 YC p型ベクターなどが挙げられ、 例えば pGPD— 2な どが挙げられる。 宿主細胞としては、 宿主細胞が大腸菌の場合、 例えば 大腸菌 K 1 2株に由来するものが挙げられ、 例えば NM 5 3 3 XL 1 一 B l u e、 C 6 0 0、 DH 1、 HB 1 0 K JM1 0 9などが挙げら れる。 宿主細胞が動物細胞の場合、 例えばアフリカミ ドリザル線維芽細 胞由来の COS 7細胞、 COS— 1細胞、 CV— 1細胞、 マウス線維芽 細胞由来の C〇P細胞、 MOP細胞、 WOP細胞、 チャイニーズ ·ハム ス夕一細胞由来の CHO細胞、 CHO DHFR 細胞、 ヒ ト He L a 細胞、 マウス細胞由来 C 1 2 7細胞、 マウス細胞由来 N I H 3 T 3細 胞などが挙げられる。 昆虫細胞としては、 カイコ核多角体病ウィルス (Bombyx mori nuclear polyhedrosis virus) をベクターとし、 カイコ 幼虫あるいはカイコ培養細胞、 例えば BM— N細胞などを用いることが 挙げられる。
本発明の遺伝子工学的手法においては、 当該分野で知られたあるいは 汎用されている制限酵素、 逆転写酵素、 DNA断片をクローン化するの に適した構造に修飾したりあるいは変換するための酵素である D N A修 飾 '分解酵素、 DNAポリメラーゼ、 末端ヌクレオチジルトランスフエ ラーゼ、 DN Aリガーゼなどを用いることが出来る。 制限酵素としては、 例えば、 R. J. Roberts, Nucleic Acids Res, Vol. 13, rl65 (1985); S. Linn et al. ed. Nucleases, p. 109, Cold Spring Harbor し ab., C old Spring Harbor, New York, 1982 などに記載のものが挙げられる。 逆転写酵素としては、 例えばマウスモロネィ白血病ウィルス (mouse Mo loney leukemia virus; MMLV) 由釆の逆転写酵素 ^reverse transcript
ase)、 ニヮ卜リ骨髓芽球症ウイノレス (avian myeloblastosis virus; AM V)由来の逆転写酵素などが挙げられ、 特には RNase H 欠損体などは好ま しく用いることが出来る。 DN Aポリメラ一ゼとしては、 例えば大腸菌 DNAポリメラ一ゼ、 その誘導体であるクレノウ · フラグメント、 大腸 菌ファージ T 4 DNAポリメラ一ゼ、 大腸菌ファージ T 7 DNAポ リメラーゼ、 耐熱菌 DN Aポリメラ一ゼなどが挙げられる。 末端ヌクレ ォチジルトランスフェラ一ゼとしては、 例えば R. Wu et al. ed. , "Met hods in Enzymology", Vol. 100, p. 96, Academic Press, New York (1983) に記載の 3' —OH末端にデォキシヌクレオチド (d NMP) を付加する T d T a s eなどが挙げられる。 DNA修飾 ·分解酵素とし ては、 ェキソヌクレア一ゼ、 エンドヌクレアーゼなどが挙げられ、 例え ばへビ毒ホスホジエステラーゼ、 脾臓ホスホジエステラーゼ、 大腸菌 D N Aェキソヌクレアーゼ I、 大腸菌 DN Aェキソヌクレア一ゼ I I I、 大腸菌 DN Aェキソヌクレア一ゼ V I I、 スェキソヌクレア一ゼ、 DN a s e I、 ヌクレア一ゼ S I、 ミクロコッカス (Mi crococcus) ヌク レアーゼなどが挙げられる。 DN Aリガーゼとしては、 例えば大腸菌 D N Aリガーゼ、 T 4 D N Aリガーゼなどが挙げられる。
DN A遺伝子をクローニングして DN Aライブラリ一を構築するのに 適したベクタ一としては、 プラスミ ド、 スファージ、 コスミ ド、 P 1フ ァージ、 F因子、 YACなどが挙げられ、 好ましくはスファージ由来の ベクタ一が挙げられ、 例えば C h a r 0 n 4 A. C h a r o n 2 1 A、 ス g t l O、 λ g t 1 K ス DA SH I I、 λ F I X I λ ΕΜ B L 3、 λ Z AP I ΓΜ (Stratagene) などが挙げられる。
さらに、 本発明に係わる MT— MMP— 3の遺伝子塩基配列を基に遺 伝子工学的に常用される方法を用いることにより、 MT— MMP— 3の アミノ酸配列中に適宜、 1個ないし複数個以上のアミノ酸の置換、 欠失、
挿入、 転移あるいは付加したごとき変異を導入した相当するタンパク質 を製造することができる。 こうした変異 ·変換 ·修飾法としては、 日本 生化学会編、 「続生化学実験講座 1、 遺伝子研究法 I I」 、 p 1 0 5 (広瀬進) 、 東京化学同人 ( 1 9 8 6 ) ; 日本生化学会編、 「新生化学 実験講座 2、 核酸 I I I (組換え DNA技術) 」 、 p 2 3 3 (広瀬進) 、 東京化学同人 ( 1 9 9 2 ) ; . Wu, L. Grossman, ed. , "Methods in E nzymology , Vol. 154, p. 350 & p. 367, Academic Press, New York (1987) ; R. Wu, L. Grossman, ed. , "Methods in Enzymology", Vol. 1 00, p. 457 & p. 468, Academic Press, New York (1983) ; J. A. Wells et al., "Gene", Vol. 34, p. 315 (1985) ; T. Grundstroem et al., "Nucleic Acids Res", Vol. 13, p. 3305 (1985) ; J. Taylor et al. , "Nucleic Acids Resノ,, Vol. 13, p. 8765 (1985) ; R. Wu ed. , "Meth ods in Enzymology, Vol. 155, p. 568, Academic Press, New York (1987) ; A. R. Oliphant et al., "Gene", Vol. 44, p. 177 (1986) などに記載の方法が挙げられる。 例えば合成ォリゴヌクレオチドなどを 利用する位置指定変異導入法 (部位特異的変異導入法) 、 Kunkel 法、 dNTP[aS]法 (Eckstein) 法、 亜硫酸や亜硝酸などを用いる領域指定変 異導入法等の方法が挙げられる。 さらに得られた本発明のタンパク質は、 化学的な手法でその含有されるアミノ酸残基を修飾することもできるし、 ぺプチグーゼ、 例えばペプシン、 キモトリブシン、 パパイン、 ブロメラ イン、 エンドべプチダーゼ、 ェキソぺプチダーゼなどの酵素を用いて修 飾したり、 部分分解したりしてその誘導体などにすることができる。 ま た遺伝子組換え法で製造する時に融合タンパク質として発現させ、 生体 内あるいは生体外で天然の MT— MMP— 3と実質的に同等の生物学的 活性を有しているものに変換 ·加工してもよい。 遺伝子工学的に常用さ れる融合産生法を用いることができるが、 こうした融合タンパク質はそ
の融合部を利用してァフィ二ティクロマトグラフィ一などで精製するこ とも可能である。 タンパク質の構造の修飾 ·改変などは、 例えば日本生 化学会編、 「新生化学実験講座 1、 タンパク質 V I I、 タンパク質工学」 、 東京化学同人 ( 1 9 9 3 ) を参考にし、 そこに記載の方法あるいはそこ で引用された文献記載の方法、 さらにはそれらと実質的に同様な方法で 行うことができる。 また下記するようにその生物学的活性のうちには、 免疫的に活性、 例えば抗原性を有するということも含まれてよい。
かく して本発明は、 1個以上のァミノ酸残基が同一性の点で天然のも のと異なるもの、 1個以上のァミノ酸残基の位置が天然のものと異なる ものであってもよい。 本発明は、 M T— MM P— 3に特有なアミノ酸残 基が 1個以上 (例えば、 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜 6 0個、 さらに好 ましくは 1〜4 0個、 さらに好ましくは 1〜 2 0個、 特には 1〜 1 0個 など) 欠けている欠失類縁体、 特有のアミノ酸残基の 1個以上 (例えば、 1〜 8 0個、 好ましくは 1〜 6 0個、 さらに好ましくは 1〜 4 0個、 さ らに好ましくは 1〜 2 0個、 特には 1〜 1 0個など) が他の残基で置換 されている置換類縁体、 1個以上 (例えば、 1〜8 0個、 好ましくは 1 〜6 0個、 さらに好ましくは 1〜4 0個、 さらに好ましくは 1〜2 0個、 特には 1〜1 0個など) のアミノ酸残基が付加されている付加類縁体も 包含する。 MM Pの共通の特徴であるドメィン構造や C末端のトランス メンブレンドメイン構造が維持されていれば、 上記のごとき変異体は、 全て本発明に包含される。 また本発明の M T— MM P— 3は天然の M T - MM P - 3と実質的に同等の一次構造コンフオメーションあるいはそ の一部を有しているものも含まれてよいと考えられ、 さらに天然の M T - MM P - 3と実質的に同等の生物学的活性を有しているものも含まれ てよいと考えられる。 さらに天然に生ずる変異体の一つであることもで きる。 こうした本発明の M T— MM P— 3は、 下記で説明するように分
離 ·'精製処理されることができる。
こうして得られた本発明の潜在型 MM P— 2の活性化能を有する MM Pの一種であり且つ MT— MM P— 1以外の潜在型 MM P— 2活性化因 子である天然の MT— MMP (特には、 MT— MMP— 3) と実質的に 同等な活性を有することを特徴とするタンパク質またはその塩、 あるい はその部分べプチドは、 それを用いて酵素阻害剤の開発や探索などの研 究、 医薬品の開発研究、 MT— MMP— 3が関与すると考えられる生物 的な現象や反応の研究を行うことができるし、 さらにはそれに対する抗 体を作成するのに用いることができるし、 特定の分析ある 、は測定対象 物を調査研究するのに使用することもできる。
一方では、 こうして本発明は上記したポリべプチドをコ一ドする DN A配列、 そして天然の特性の全部ある L、は一部を有する MT— MM P _ 3のポリべプチド、 さらにその類縁体あるいは誘導体をコードする DN A配列も包含する。
本発明の DN A配列は、 これまで知られていなかった哺乳動物のタン パク質のアミノ酸配列に関する情報を提供しているから、 こうした情報 を利用することも本発明に包含される。 こうした利用としては、 例えば MT— MMP— 3及び関連タンパク質をコードする哺乳動物、 特に好ま しくはヒ 卜の、 ゲノム DN A及び c DNAの単離及び検知のためのプロ 一ブの設計などが挙げられる。
本発明の DN A配列は、 例えば MT— MMP— 3及び関連タンパク質 をコードする哺乳動物、 特に好ましくはヒ トの、 ゲノム DNA及び cD
NAの単離及び検知のためのプローブとして有用である。 遺伝子の単離 にあたっては、 PCR法、 さらには逆転写酵素 (RT) を用いた PCR 法 (RT— PCR) を利用することが出来る。 MT— MMP— 3 c D N A及びその関連 DNAは、 クローニングされ、 配列決定された MT—
MMP— 3 c DNA配列から推定されるアミノ酸配列に基づき特徴的 な配列領域を選び、 DN Aプライマーをデザインして化学合成し、 得ら れた DN Aプライマ一を用いて、 PCR法、 RT— PCR、 その他の方 法を用いて MT— MMP— 3関連遺伝子の単離、 検出などに利用するこ とが出来る。
MT-MMP- 3が MT— MMP— 1の構造的特徴を良好に保存して いたことから、 MT— MMP— 3も潜在型 MMP— 2の活性化因子とし て作用する可能性が想定される。 そこで、 COS— 1細胞などの哺乳動 物細胞に潜在型 MMP— 2の発現プラスミ ド及び MT— MM P— 3の発 現プラスミ ドをコトランスフヱクシヨンし、 回収された培養上清を用い てザィモグラフィ一を行った。 その結果、 本来、 分子量 6 8 kDaに検 出される潜在型 MMP— 2以外に、 6 2 kD aの活性型 MMP— 2及び 6 4 k D aの活性中間体が検出され、 MT— MMP— 3の発現に依存し た潜在型 MM P— 2の活性化が観察された。
MT-MMP- 3 mRNAのヒ ト組織中での発現を各種の組織由来
P o l y (A) RNAに対するノーザンプロッ ト分析により検討した。 その結果、 ヒ ト肺、 脳、 胎盤で高い発現が認められたが、 心臓、 腎臓、 肝臓、 脖臓、 筋肉組織では検出されなかった。 本発明者らの研究では、 MT-MMP- 1 mRNAの発現は肺、 腎臓、 胎盤で顕著に高いのに 対し、 脳では最も低かった。 これらのことは、 MT— MMP— 3は、 M T-MMP- 1とは構造的にも潜在型 MMP— 2の活性化能という機能 的にも非常に類似しているが、 実際の組織中での遺伝子発現は異なる制 御を受けていることを示している。 本発明の c DNAをプローブとして 用いれば、 例えばノーザン ·ブロティング、 サザン ·ブロティング、 i n s i t uハイブリダィゼーシヨンなどによりヒ ト組織中での MT— MMP- 3 mRNAの発現や MT— MMP— 3遺伝子自体などを検出
•測定でき、 ひいては癌細胞の有無、 癌の悪性度の診断等の癌の診断治 療、 またアルツハイマー病の診断等の研究に応用できる。
以上述べた、 本発明者らの研究成果により MT— MMP— 3の遺伝子 及び組換え DNA分子を宿主に移入し、 MT— MMP— 3を発現させ、 目的とする MT— MMPを得る方法が提供される。 こうして本発明によ れば、 MT— MMP— 3の遺伝子を実質的に発現する組換え体あるいは トランスフニクタント及びその製造法、 さらにはその用途も提供される。 別の面では、 本発明は潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの 一種であり且つ MT— MMP - 1以外の潜在型 MMP - 2活性化因子で ある天然の MT— MM Pと実質的に同等な活性を有することを特徴とす るタンパク質またはその塩、 より好ましくは MT— MMP— 3またはそ の塩と、 実質的に同等な活性を有するか、 あるいは実質的に同等の一次 構造コンフオメーションを持つ該タンパク質の少なくとも一部あるいは 全部を有するポリべプチドを、 大腸菌などの原核生物あるいは哺乳動物 細胞などの真核生物で発現させることを可能にする D N Aや R N Aなど の核酸に関するとすることができる。 またこうした核酸、 特には DNA は、 (a) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列をコ一ドでき る配列あるいはそれと相補的な配列、 (b) 該 (a) の DNA配列また はその断片とハイブリダィズすることのできる配列、 及び (c) 該 (a) 又は (b) の配列にハイブリダィズすることのできる縮重コー ドを持つ た配列であることができる。 こうした核酸で形質転換され、 本発明の該 ポリべプチドを発現できる大腸菌などの原核生物あるいは哺乳動物細胞 などの真核生物も本発明の特徵をなす。
さらに、 本発明では、 本発明に係わる MT— MMP— 3と特異的に結 合するモノクローナル抗体などの抗体が提供される。 本発明に係わるモ ノクロ一ナル抗体などの抗体により、 癌の診断はもとより癌の浸潤、 転
移に係わる研究に有用な研究手段、 さらにはアルツハイマー病の発症機 作や診断方法に係わる研究に有用な研究手段が提供される。 本発明に係 わるモノクローナル抗体などの抗体は、 本発明により得られるヒ ト MT 一 MM P— 3を免疫原として公知の方法で動物を免疫したり、 当該分野 で知られたあるいは汎用されている方法、 例えばミルシュタインらの方 法 (Na t u r e, 2 5 6 : 4 9 5〜4 9 7, 1 9 7 5 ) により製造す ることができる。 この方法において、 免疫原としては天然型 MT— MM P— 3、 リコンビナントヒ ト MT— MMP— 3及び連続した少なくとも 8個のァミノ酸からなる MT— MMP— 3の一部のァミノ酸配列を有す る合成べプチド等の何れでも使用することができる。 さらに該モノク口 —ナル抗体は、 常用される方法によって適宜標識することができる。 標 識としては、 酵素、 補欠分子類、 色素物質、 蛍光物質、 化学ルミネッセ ンス化合物、 発光物質、 放射性物質等を使用することができる。 以下抗 体の作製につき詳しく説明する。
本発明で使用されるモノクローナル抗体は、 ミエロ一マ細胞を用いて の細胞融合技術を利用して得られたモノクロ一ナル抗体であってよいこ とはいうまでもない。 本発明で使用されるモノクローナル抗体は、 例え ば次のような工程で作製できる。
1. 免疫原性抗原の調製
2. 免疫原性抗原による動物の免疫
3. ミエローマ細胞 (骨髄腫細胞) の調製
4. 抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合
5. ハイプリ ドーマ (融合細胞) の選択及びモノクローン化
6. モノクローナル抗体の製造
1. 免疫原性抗原の調製
抗原としては、 例えば天然由来の M T— MM P— 3、 本発明の方法に 従い調製したリコンビナント M T— MM P— 3を用いることができる。 M T— MM P— 3は、 さらに免疫原性コンジユゲートなどにしてもよい 力 \ そのまま適当なアジュバン卜と混合して動物を免疫するのに使用で きる。 こうした抗原は、 各種原料、 例えば培養細胞、 培養組織など、 形 質転換体細胞などの抗原産生材料から従来公知の方法、 例えば硫酸ァン モニゥム沈殿法などの塩析、 セフアデックスなどによるゲルろ過法、 例 えばジェチルァミノエチル基あるいはカルボキシメチル基などを持つ担 体などを用いたイオン交換クロマトグラフィー法、 例えばブチル基、 ォ クチル基、 フユニル基など疎水性基を持つ担体などを用いた疎水性クロ マトグラフィ一法、 色素ゲルクロマトグラフィ一法、 電気泳動法、 透析、 限外ろ過法、 ァフィ二ティ · クロマトグラフィー法、 高速液体クロマト グラフィ一法などにより精製して得ることができる。 好ましくは、 ポリ ァクリルァミ ド電気泳動、 モノクローナル抗体などの抗原を特異的に認 識する抗体などを固定化したァフィ二ティー · クロマトグラフィーなど で処理し精製分離処理できる。 例えば、 ゼラチンーァガロース · ァフィ ニティ一 ' クロマトグラフィー、 へパリン一ァガロース · クロマトグラ フィ一などが挙げられる。 さらに M T— MM P— 3は、 それを断片化し たもの、 あるいはクロ一ニングされ、 配列決定された c D N A配列から 推定されるアミノ酸配列に基づき特徴的な配列領域を選び、 ポリべプチ ドをデザィンして化学合成し、 得られた合成ポリべプチド断片であって もよく、 その断片を適当な縮合剤を介して種々の担体夕ンパク質類と結 合させてハプテン一タンパク質の如き免疫原性コンジユゲートとし、 こ れを用いて特定の配列のみを認識できるモノクローナル抗体をデザィン するのに用いることもできる。 デザインされるポリペプチドには予めシ スティン残基などを付加し、 免疫原性コンジュゲートの調製を容易にで
きるようにしておくことができる。 担体タンパク質類と結合させるにあ たっては、 担体タンパク質類はまず活性化されることができる。 こうし た活性化にあたり活性化結合基を導入することが挙げられる。
活性化結合基としては、 ( 1 ) 活性化エステルあるいは活性化カルボ キシル基、 例えばニトロフヱニルエステル基、 ペン夕フルオロフヱニル エステル基、 1 一べンゾトリアゾールエステル基、 N—スクシンィ ミ ド エステル基など、 ( 2 ) 活性化ジチォ基、 例えば 2—ピリジルジチォ基 などが挙げられる。 担体タンパク質類としては、 キーホール ' リンぺッ ト 'へモシァニン (K L H ) . 牛血清アルブミ ン (B S A) 、 卵白アル ブミン、 グロブリン、 ポリ リジンなどのポリぺプタイ ド、 細菌菌体成分、 例えば B C Gなどが挙げられる。
2 . 免疫原性抗原による動物の免疫
動物を免疫するには、 例えば村松繁、 他編、 実験生物学講座 1 4、 免 疫生物学、 丸善株式会社、 昭和 6 0年、 日本生化学会編、 続生化学実験 講座 5、 免疫生化学研究法、 東京化学同人、 1 9 8 6年、 日本生化学会 編、 新生化学実験講座 1 2、 分子免疫学 Ι Π、 抗原,抗体 ·補体、 東京 化学同人、 1 9 9 2年などに記載の方法に準じて行うことができる。 抗 原と共に用いられるアジュバントとしては、 例えばフロイント完全アジ ュバント、 リ ビ (R i b i ) アジュバン卜、 百日咳ワクチン、 B C G、 リピッ ド A、 リボソーム、 水酸化アルミニゥム、 シリカなどが挙げられ る。 免疫は、 例えば B A L B Z cなどのマウスをはじめとする動物を使 用して行われる。 抗原の投与量は、 例えばマウスに対して約 1〜4 0 0 Z/ g Z動物で、 一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、 以後 1〜4 週間おきに、 好ましくは 1〜2週間ごとに腹腔内、 皮下、 静脈内あるい は筋肉内に追加免疫を 2〜1 0回程度反復して行う。 免疫用のマウスと
しては B AL B/c系マウスの他、 B AL BZc系マウスと他系マウス との F 1 マウスなどを用いることもできる。
必要に応じ、 抗体価測定系を調製し、 抗体価を測定して動物免疫の程 度を確認できる。 一方では、 本発明に従えばリコンビナント MT— MM P— 3を用い、 MT— MMP— 3に対するポリクロ一ナル抗体及びその 製造にも関する。 こうした場合、 使用される動物としては、 哺乳動物や 鳥類などが利用できる力 \ 例えばゥシ、 ゥマ、 ャギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥ サギ、 マウス、 ラッ ト、 モルモッ ト、 サル、 ィヌ、 ネコ、 ニヮ トリなど が挙げられる。 抗体は抗血清であってもよく、 より精製されたものであ つてもよく、 例えばその単離精製は下記モノ クローナル抗体と同様にし て行うことができる。
3. ミエローマ細胞 (骨髄腫細胞) の調製
細胞融合に使用される無限増殖可能株 (腫瘍細胞株) としては免疫グ ロブリンを産生しな 、細胞株から選ぶことができ、 例えば P 3— N S— 1 - A g 4 - 1 (N S - 1 , Eur. J. Immunology, 6, 511〜519, 1976)、 S P 2/0 -A l 4 (S P 2, Nature, 276, 269〜270, 1978 ) 、 マ ウスミエローマ MOP C— 2 1セルライン由来の P 3 -X 6 3 - A g 8 ― U 1 ( P 3 U 1 , Current topics in Microbiol, and Immunol. , 81, 1〜7, 1978 ) 、 P 3 -X 6 3 -A g 8 (X 6 3 , Nature, 256, 495〜 497, 1975 ) 、 P 3 - X 6 3 - A g 8— 6 5 3 (6 5 3, J. Immunol., 123, 1548〜1550, 1979) などを用いることができる。 8—ァザグァニ ン耐性のマウスミエ口一マ細胞株はダルべッコ M E M培地 ( D M E M培 地) 、 RPM I — 1 6 4 0培地などの細胞培地に、 例えばべニシリン、 アミカシンなどの抗生物質、 牛胎児血清 (F C S) などを加え、 さらに 8ーァザグァニン (例えば 5〜4 5 ii g/m 1 ) を加えた培地で継代さ
れるが、 細胞融合の 2〜5日前に正常培地で継代して所要数の細胞株を 用意することができる。 また使用細胞株は、 凍結保存株を約 3 7°Cで完 全に解凍したのち RPM I - 1 64 0培地などの正常培地で 3回以上洗 浄後、 正常培地で培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよ い。
4. 抗体産生細胞とミエロ一マ細胞との細胞融合
上記 2. の工程に従い免疫された動物、 例えばマウスは最終免疫後、 2〜5日後にその脾臓が摘出され、 それから脾細胞懸濁液を得る。 脾細 胞の他、 生体各所のリンパ節細胞を得て、 それを細胞融合に使用するこ ともできる。 こうして得られた脾細胞懸濁液と上記 3. の工程に従い得 られたミエローマ細胞株を、 例えば最小必須培地 (MEM培地) 、 DM EM培地、 RPMI— 1 64 0培地などの細胞培地中に置き、 細胞融合 剤、 例えばポリエチレングリコールを添加する。 細胞融合剤としては、 この他各種当該分野で知られたものを用いることができ、 この様なもの としては不活性化したセンダイウィルス (HVJ : Hema g g l u t
1 n a t i n g v i r u s o f J a p a n) なども挙げられる。 好ましくは、 例えば 3 0〜 6 0 %のポリエチレングリコールを 0. 5〜
2 m 1加えることができ、 分子量が 1 , 00 0〜8, 0 0 0のポリェチ レングリコールを用いることができ、 さらに分子量が 1 , 0 0 0〜4,
0 0 0のポリエチレングリコールがより好ましく使用できる。 融合培地 中でのポリエチレングリコールの濃度は、 例えば 3 0〜 6 0 %となるよ うにすることが好ましい。 必要に応じ、 例えばジメチルスルホキシドな どを少量加え、 融合を促進することもできる。 融合に使用する脾細胞 (リンパ球) : ミエローマ細胞株の割合は、 例えば 1 : 1 ~2 0 : 1と することが挙げられる力 <、 より好ましくは 4 : 1〜7 : 1とすること力く
できる。
融合反応を 1 ~ 1 0分間行い、 次に R PM I— 1 640培地などの細 胞培地を加える。 融合反応処理は複数回行うこともできる。 融合反応処 理後、 遠心などにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
5. ハイプリ ドーマ (融合細胞) の選択及びモノクローン化
選択用培地としては、 例えばヒポキサンチン、 アミノプテリ ン及びチ ミジンを含む、 F C S含有 MEM培地、 R PM I— 1640培地などの 培地、 所謂 HAT培地が挙げられる。 選択培地交換の方法は、 一般的に は培養プレー卜に分注した容量と等容量を翌日加え、 その後 1〜3日ご とに H A T培地で半量ずつ交換するというようにすることができるカ^ 適宜これに変更を加えて行うこともできる。 また融合後 8〜1 6日目に は、 アミノプテリンを除いた、 所謂 HT培地で 1〜4日ごとに培地交換 をすることができる。 フィーダ一として、 例えばマウス胸腺細胞を使用 することもでき、 それが好ましい場合がある。
ハイプリ ドーマの増殖のさかんな培養ゥエルの培養上清を、 例えば放 射免疫分析 (R I A) 、 酵素免疫分析 (EL I SA) 、 蛍光免疫分析 (F I A) などの測定系、 あるいは蛍光惹起細胞分離装置 (FACS) などで、 MT— MMP— 3あるいはその断片べプチドを抗原として用い たり、 あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的抗体を測定するなどして、 スクリ一ニングしたりする。
目的抗体を産生しているハイブリ ドーマをクロ一ニングする。 クロ一 ニングは、 寒天培地中でコロニーをピック 'アップする力、、 あるいは限 界希釈法によりなされうる。 限界希釈法でより好ましく行うことができ る。 クローニングは複数回行うことが好ましい。
6 . モノクロ一ナル抗体の製造
得られたハイプリ ドーマ株は、 F C S含有 M E M培地、 R P M I— 1 6 4 0培地などの適当な増殖用培地中で培養し、 その培地上清から所望 のモノクローナル抗体を得ることが出来る。 大量の抗体を得るためには、 ハイプリ ドーマを腹水化することが挙げられる。 この場合ミエローマ細 胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に各ハイブリ ドーマを移 植し、 増殖させる力、、 例えばヌード ·マウスなどに各ハイプリ ドーマを 移植し、 増殖させ、 該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を 回収して得ることが出来る。 動物はハイプリ ドーマの移植に先立ち、 プ リスタン (2 , 6, 1 0, 1 4 —テトラメチルペン夕デカン) などの鉱 物油を腹腔内投与しておくことができ、 その処理後、 ハイプリ ドーマを 増殖させ、 腹水を採取することもできる。 腹水液はそのまま、 あるいは 従来公知の方法、 例えば硫酸ァンモニゥム沈殿法などの塩析、 セフアデ ックスなどによるゲルろ過法、 イオン交換クロマトグラフィー法、 電気 泳動法、 透析、 限外ろ過法、 ァフィ二ティ · クロマトグラフィ一法、 高 速液体クロマトグラフィー法などにより精製してモノクロ一ナル抗体と して用いることができる。 好ましくは、 モノクローナル抗体を含有する 腹水は、 硫安分画した後、 D E A E—セファロ一スの如き、 陰イオン交 換ゲル及びプロティン Aカラムの如きァフィ二ティ一カラムなどで処理 し精製分離処理できる。 特に好ましくは抗原又は抗原断片 (例えば合成 ペプチド、 組換え抗原タンパク質あるいはペプチド、 抗体が特異的に認 識する部位など) を固定化したァフィ二ティ一 · クロマトグラフィー、 プロティン Aを固定化したァフィ二ティ一 · クロマトグラフィ一などが 挙げられる。 またこうして大量に得られた抗体の配列を決定したり、 ハイプリ ド一
マ株から得られた抗体をコードする核酸配列を利用して、 遺伝子組換え 技術により抗体を作製することも可能である。
さらにこれら抗体をトリプシン、 パパイン、 ペプシンなどの酵素によ り処理して、 場合により還元して得られる F a b、 F a b ' , F ( a b ' ) , といった抗体フラグメントにして使用してもよい。
標識物を付与する抗体としては、 I g G画分、 更にはペプシン消化後 還元して得られる特異的結合部 F a b ' を用いることができる。 これら の場合の標識物の例としては、 下記するように酵素 (ペルォキシダーゼ、 アルカリホスファターゼあるいは /S— D—ガラク トシダーゼなど) 、 化 学物質、 蛍光物質あるいは放射性同位元素などがある。
本発明での検知 ·測定は、 ィムノ染色、 例えば組織ある 、は細胞染色、 ィムノアツセィ、 例えば競合型ィムノアツセィまたは非競合型ィムノア ッセィで行うことができ、 ラジオィムノアツセィ、 E L I S Aなどを用 いることができ、 B— F分離を行つてもあるいは行わなし、でその測定を 行うことができる。 好ましくは放射免疫測定法や酵素免疫測定法であり、 さらにサンドィツチ型アツセィが挙げられる。 例えばサンドィツチ型ァ ッセィでは、 M T— MM P— 3に対する抗体の一方を検出可能に標識化 する。 同じ抗原を認識できる他の抗体を固相に固定化する。 検体と標識 化抗体及び固相化抗体を必要に応じ順次反応させるためィンキュベーシ ヨン処理し、 ここで非結合抗体を分離後、 標識物を測定する。 測定され た標識の量は抗原、 すなわち M T— MM P— 3の量と比例する。 このァ ッセィでは、 不溶化抗体や、 標識化抗体の添加の順序に応じて同時サン ドイッチ型アツセィ、 フォワード (forward)サンドイッチ型アツセィぁ るいは逆サンドイ ッチ型アツセィなどと呼ばれる。 例えば洗浄、 撹拌、 震盪、 ろ過あるいは抗原の予備抽出等は、 特定の状況のもとでそれら測 定工程の中で適宜採用される。 特定の試薬、 緩衝液等の濃度、 温度ある
いはィンキュベーション処理時間などのその他の測定条件は、 検体中の 抗原の濃度、 検体試料の性質等の要素に従い変えることができる。 当業 者は通常の実験法を用いながら各測定に対して有効な最適の条件を適宜 選定して測定を行うことが出来る。
抗原あるいは抗体を固相化できる多くの担体が知られており、 本発明 ではそれらから適宜選んで用いることができる。 担体としては、 抗原抗 体反応などに使用されるものが種々知られており、 本発明においても勿 nffij れらの公知のものの中から選んで使用できる。 特に好適に使用され るものとしては、 例えばガラス、 例えば活性化ガラス、 多孔質ガラス、 シリカゲル、 シリカ一アルミナ、 アルミナ、 磁化鉄、 磁化合金などの無 機材料、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリフッ化 ビニリデン、 ポリ酢酸ビニル、 ポリメタクリレート、 ポリスチレン、 ス チレンーブタジェン共重合体、 ポリアクリルァミ ド、 架橋ポリアクリル アミ ド、 スチレン一メタクリ レート共重合体、 ポリグリシジルメタクリ レート、 ァクロレイン一エチレングリコールジメタクリレート共重合体 など、 架橋化アルブミ ン、 コラーゲン、 ゼラチン、 デキストラン、 ァガ ロース、 架橋ァガロース、 セルロース、 微結晶セルロース、 カルボキシ メチルセルロース、 セルロースァセテ一トなどの天然または変成セル口 —ス、 架橋デキストラン、 ナイロンなどのポリアミ ド、 ポリウレタン、 ポリエポキシ樹脂などの有機高分子物質、 さらにそれらを乳化重合して 得られたもの、 細胞、 赤血球などで、 必要に応じ、 シランカップリング 剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられる。
さらに、 ろ紙、 ビーズ、 試験容器の内壁、 例えば試験管、 タイタープ レート、 タイターゥヱル、 ガラスセル、 合成樹脂製セルなどの合成材料 からなるセル、 ガラス棒、 合成材料からなる棒、 末端を太く したりある いは細く したりした棒、 末端に丸い突起をつけたりあるいは偏平な突起
をつけた棒、 薄板状にした棒などの固体物質 (物体) の表面などが挙げ られる。
これら担体へは、 抗体を結合させることができ、 好ましくは本発明で 得られる MT— MM P— 3に対し特異的に結合するモノクロ一ナル抗体 を結合させることができる。 担体とこれら抗原抗体反応に関与するもの との結合は、 吸着などの物理的な手法、 あるいは縮合剤などを用いたり、 活性化されたものなどを用いたりする化学的な方法、 さらには相互の化 学的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出来る。
標識としては、 酵素、 酵素基質、 酵素インヒビター、 補欠分子類、 補 酵素、 酵素前駆体、 アポ酵素、 蛍光物質、 色素物質、 化学ルミネッセン ス化合物、 発光物質、 発色物質、 磁気物質、 金属粒子、 例えば金コロイ ドなど、 放射性物質などを挙げることができる。 酵素としては、 脱水素 酵素、 還元酵素、 酸化酵素などの酸化還元酵素、 例えばアミノ基、 カル ボキシル基、 メチル基、 ァシル基、 リン酸基などを転移するのを触媒す る転移酵素、 例えばエステル結合、 グリコシド結合、 エーテル結合、 ぺ プチド結合などを加水分解する加水分解酵素、 リアーゼ、 イソメラーゼ、 リガーゼなどを挙げることができる。 酵素は複数の酵素を複合的に用い て検知に利用することもできる。 例えば酵素的サイクリングを利用する こともできる。
代表的な放射性物質の標識用同位体元素としては、 〔3 2 P〕 、 [ , L' 5 I〕 、 〔 I〕 、 〔 n H〕 、 〔 ' " C〕 、 C:i r' S ] などが挙げられる。
代表的な酵素標識としては、 西洋ヮサビペルォキシダ一ゼなどのペルォ キシダーゼ、 大腸菌 3— D—ガラク トシダーゼなどのガラク トシダ一ゼ、 マレエ一ト ·デヒ ドロゲナーゼ、 グルコース一 6—フォスフェート ·デ ヒ ドロゲナ一ゼ、 グルコースォキシダーゼ、 ダルコアミラーゼ、 ァセチ ルコリンエステラーゼ、 カタラーゼ、 ゥシ小腸アルカリホスファターゼ、
大腸菌アルカリホスファタ一ゼなどのアルカリ · フォスファタ一ゼなど が挙げられる。
アル力リホスファターゼを用いた場合、 4ーメチルゥンベリフヱリル フォスフエ一卜などのゥンべリフエ口ン誘導体、 二トロフエニルホスフ ヱートなどのリン酸化フヱノール誘導体、 N A D Pを利用した酵素的サ イクリング系、 ルシフヱリン誘導体、 ジォキセタン誘導体などの基質を 使用したりして、 生ずる蛍光、 発光などにより測定できる。 ルシフェリ ン、 ルシフェラーゼ系を利用したりすることもできる。
力夕ラーゼを用いた場合、 過酸化水素と反応して酸素を生成するので、 'その酸素を電極などで検知することもできる。 電極としてはガラス電極、 難溶性塩膜を用いるイオン電極、 液膜型電極、 高分子膜電極などである こともできる。
酵素標識は、 ピオチン標識体と酵素標識アビジン (ストレブトァビジ ン) に置き換えることも可能である。
標識は、 複数の異なった種類の標識を使用することもできる。 こうし た場合、 複数の測定を連続的に、 あるいは非連続的に、 そして同時にあ るいは別々に行うことを可能にすることもできる。
本発明においては、 信号の形成に 4ーヒ ドロキシフヱニル酢酸、 1, 2—フエ二レンジァミン、 テトラメチルベンジジンなどと西洋ヮサビ · ペルォキシダーゼ、 ゥンベリフヱリルガラク トシド、 ニトロフヱ二ルガ ラク トシドなどと β—ϋ -ガラク トシダ一ゼ、 グルコース一 6—リン酸 ♦デヒ ドロゲナーゼなどの酵素試薬の組合わせも利用でき、 ヒ ドロキノ ン、 ヒ ドロキシベンゾキノン、 ヒ ドロキシアントラキノンなどのキノー ル化合物、 リポ酸、 グルタチオンなどのチオール化合物、 フヱノール誘 導体、 フユ口セン誘導体などを酵素などの働きで形成しうるものが使用 できる。
蛍光物質あるいは化学ルミネッセンス化合物としては、 フルォレセィ ンイソチオシァネート、 例えばローダミン Bイソチオシァネート、 テト ラメチルローダミンィソチオシァネートなどのローダミン誘導体、 ダン シルク口リ ド、 ダンシルフルォリ ド、 フルォレス力ミン、 フィコビリプ 口ティン、 ァクリジニゥム塩、 ノレミフエリン、 ノレシフェラーゼ、 ェクオ リンなどのルミノール、 イミダゾール、 シユウ酸エステル、 希土類キレ ート化合物、 クマリン誘導体などが挙げられる。
標識するには、 チオール基とマレイミ ド基の反応、 ピリジルジスルフ ィ ド基とチオール基の反応、 ァミノ基とアルデヒ ド基の反応などを利用 して行うことができ、 公知の方法あるいは当該分野の当業者が容易にな しうる方法、 さらにはそれらを修飾した方法の中がら適宜選択して適用 できる。 また上記免疫原性複合体作製に使用されることのできる縮合剤、 . 担体との結合に使用されることのできる縮合剤などを用いることができ る o
縮合剤としては、 例えばグルタルアルデヒ ド、 へキサメチレンジイソ シァネート、 へキサメチレンジイソチオシァネート、 N, N' ーポリメ チレンビスョ一 ドアセトアミ ド、 N, Ν' 一エチレンビスマレイ ミ ド、 エチレングリコールビススクシニミジルスクシネ一卜、 ビスジァゾベン ジジン、 1 一ェチル一 3— ( 3—ジメチルァミノプロピル) カルボジィ ミ ド、 スクシンィミジル 3— ( 2 —ピリジルジチォ) プロピオネート ( S P D P ) 、 Ν—スクシンィ ミ ジル 4一 (Ν—マレイ ミ ドメチル) シクロへキサン一 1 —カルボキシレー ト (S M C C ) 、 N—スルホスク シンィミジル 4一 (N—マレイミ ドメチル) シクロへキサン一 1—力 ルボキシレート、 N—スクシンィミジル (4ーョ一ドアセチル) アミ ノベンゾエート、 N—スクシンィミジル 4— ( 1 —マレイミ ドフエ二 ル) ブチレート、 N— (£一マレイミ ドカプロィルォキシ) コハク酸ィ
ミ ド (E M C S ) , イ ミ ノチオラン、 S—ァセチルメル力プトコハク酸 無水物、 メチル— 3— ( 4 ' —ジチォピリジル) プロピオンイミデート、 メチルー 4 一メルカプトブチリルイミデート、 メチルー 3—メルカプト プロピオンィ ミデ一ト、 N—スクシンィ ミ ジルー S—ァセチルメルカプ トアセテー トなどが挙げられる。
本発明の測定法によれば、 測定すべき物質を酵素などで標識したモノ クローナル抗体などの標識抗体試薬と、 担体に結合された抗体とを順次 反応させることができるし、 同時に反応させることもできる。 試薬を加 える順序は選ばれた担体系の型により異なる。 感作されたプラスチック などのビーズを用いた場合には、 酵素などで標識したモノクローナル抗 体などの標識抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試料と共に最初適当 な試験管中に一緒に入れ、 その後該感作されたブラスチックなどのビ一 ズを加えることにより測定を行うことができる。
本発明の定量法においては、 免疫学的測定法が用いられるが、 その際 の固相担体としては、 抗体などタンパク質を良く吸着するポリスチレン 製、 ポリカーボネイ ト製、 ポリプロピレン製あるいはポリビニル製のボ —ル、 マイクロプレー ト、 スティック、 微粒子あるいは試験管などの種 々の材料および形態を任意に選択し、 使用することができる。
測定にあたっては至適 p H、 例えば p H約 4〜 9に保つように適当な 緩衝液系中で行うことができる。 特に適切な緩衝剤としては、 例えばァ セテート緩衝剤、 クェン酸塩緩衝剤、 フォスフヱ一ト緩衝剤、 卜リス緩 . 衝剤、 トリエタノールアミ ン緩衝剤、 ボレート緩衝剤、 グリ シン緩衝剤、 炭酸塩緩衝剤、 ト スー塩酸緩衝剤などが挙げられる。 緩衝剤は互いに 任意の割合で混合して用いることができる。 抗体抗原反応は約 0て〜 6 0 °Cの間の温度で行うことが好ましい。
酵素などで標識されたモノクローナル抗体などの抗体試薬及び担体に
結合せしめられた抗体試薬、 さらには測定すべき物質のィンキュベーシ ヨン処理は、 平衡に達するまで行うことができるが、 抗体抗原反応の平 銜が達成されるよりもずつと早い時点で固相と液相とを分離して限定さ れたィンキュベーション処理の後に反応を止めることができ、 液相又は 固相のいずれかにおける酵素などの標識の存在の程度を測ることができ る。 測定操作は、 自動化された測定装置を用いて行うことが可能であり、 ルミネセンス ·ディテクター、 ホト ·ディテクタ一などを使用して基質 が酵素の作用で変換されて生ずる表示シグナルを検知して測定すること もできる。
抗体抗原反応においては、 それぞれ用いられる試薬、 測定すべき物質、 さらには酵素などの標識を安定化したり、 抗体抗原反応自体を安定化す るように適切な手段を講ずることができる。 さらに、 非特異的な反応を 除去し、 阻害的に働く影響を減らしたり、 あるいは測定反応を活性化し たりするため、 タンパク質、 安定化剤、 界面活性化剤、 キレート化剤な どをインキュベーション溶液中に加えることもできる。 キレート化剤と しては、 エチレンジァミ ン四酢酸塩 (E D T A ) がより好ましい。 当該 分野で普通に採用されていたりあるいは当業者に知られた非特異的結合 反応を防ぐためのプロッキング処理を施してもよく、 例えば、 哺乳動物 などの正常血清タンパク質、 アルブミ ン、 スキムミルク、 乳発酵物質、 コラーゲン、 ゼラチンなどで処理することができる。 非特異的結合反応 を防ぐ目的である限り、 それらの方法は特に限定されず用いることが出 来る。
本発明の測定方法で測定される試料としては、 あらゆる形態の溶液や コロイ ド溶液、 非流体試料などが使用しうるが、 好ましくは生物由来の 試料、 例えば血液、 血清、 血漿、 関節液、 脳脊髄液、 唾液、 羊水、 尿、 その他の体液、 細胞培養液、 組織培養液、 組織ホモジュネート、 生検試
料、 組織、 細胞などが挙げられる。
なお、 本発明の DN Aも上記抗体と同様に処理することが出来、 それ 自体公知の方法又はそれと実質的に同様な方法で標識されたり、 測定に 用いることができることは理解されるべきである。
本発明の前述した種々の態様を利用することにより、 癌細胞の有無、 癌の悪性度の診断等の癌の診断治療に関わる研究に有用な診断手段とし て、 あるいはその他の医学的生理学的用途に適用される種々の技術手段 を提供することができる。 以下に実施例を掲げ、 本発明を具体的に説明 する力 本発明はこれら実施例に限定されず、 本明細書の思想に基づく 様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。 なお、 明細 書及び図面において、 塩基及びァミノ酸等を略号で表示する場合、 I U P A C— I UB Commission on Biochemical Nomenclatureによる力、、 あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくもの であり、 アミノ酸に光学異性体が存在する場合は、 特に断らないかぎり L一体を示す。
後述の実施例 1 (e) で得られた大腸菌 NM 533 XL 1 _B 1 u e (XL 1 -B 1 u e/MMP-X 2) は、 平成 7年 7月 5日 (原寄託 日) から茨城県つくば巿東 1丁目 1番 3号 (郵便番号 305 ) の通商産 業省工業技術院生命工学工業技術研究所 (NI BH) に寄託されており (微ェ研菌寄第 P— 15033号) 、 平成 8年 7月 1日に原寄託よりブ ダぺスト条約に基づく寄託への移管請求がなされ、 受託番号 FERM B P— 5573として N I BHに保管されている。 後述の実施例 3 ( f ) 〜 (h) で得られたマウス由来単クローン性抗ヒト膜結合型マトリック スメタ口プロテア一ゼ— 3 (MT-MMP- 3)抗体産生ハイブリ ドー マ (1 17— 4 E 1) は、 平成 7年 7月 5日 (原寄託日) から N I BH に寄託されており (微ェ研菌寄第 P— 15031号) 、 平成 8年 7月 1
日に原寄託よりブダぺスト条約に基づく寄託への移管請求がなされ、 寄 託番号 F ERM B P— 5 5 72として N I BHに保管されている。 実施例
以下に実施例を挙げ、 本発明を具体的に説明するが、 本発明は実施例 に限定されること無く様々な態様が含まれることは理解されるべきであ
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実施例 1 新規なメタ口プロテア一ゼ (MT— MMP— 3) cDNAの 単離
新規な MMP c DN Aの単離は基本的に以下の方法にしたがって行つ た。
1 ) MM Pファミ リ一で保存されている配列からデジヱネレイテツ ドプ ライマーを合成し、 ヒト組織由来 cDNAのスクリーニングを行い、 P CR産物を得る。 2) 得られた部分的クローンをプローブとして、 cD N Aライブラリ一より c DNA全長をスクリ一二ングする。
(a) c DNAライブラリ一の構築
c DN Aライブラリ一作製に用いる RN Aソースとしては、 種々ヒ ト 組織 (胎盤、 口腔癌、 肺癌等) あるいは培養細胞 (ヒ ト線維肉腫細胞 H T 1 0 8 0、 ヒ ト単球性白血病細胞 U 9 3 7等) から抽出した全 RN A を使用することができる。 本実施例では、 口腔癌組織由来 RNAを出発 材料として行った結果を示した。 組織からの全 RN Aの抽出は、 グァニ ジン一塩化セシウム法 (B i o c h em i s t r y, 1 8 : 5 29 4〜 5 2 9 9, 1 9 7 9 ) にしたがって行い、 得られた全 RN Aよりポリ (A) mRNAをオリゴ (dT) —セルロースカラムを使用して精製 した。
c DN Aの合成はガブラー &ホフマンの方法 (G e n e, 2 5 : 2 6
3〜26 9, 1 9 8 3 ) にしたがって行った。 精製したポリ (A) m RNAをテンプレート、 ランダムへキサマーあるいはオリゴ dTをブラ イマ一とし、 S u p e r s c r i p t逆転写酵素 ( S t r a t a g e n e) を用いて 1 s t s t r a n d c DNAを合成した。 これを RN a s e Hで処理し、 続いて大腸菌 DNAポリメラーゼ Iを用いて、 2 n d s t r a n d c D N Aを合成し 2本鎖 c D N Aを作製した。 cD N Aの第 1鎖の合成は、 5〃 1のポリ A mRNA画分サンプル、 2〃 1のランダム 'へキサマー (8 0 M 及び反応用緩衝液 4. 5 1の 混合物を 7 0°Cで 1 0分間インキュベーション処理した後、 氷で冷却し、 これに 5 X反応用緩衝液 4 し 0. 1 Mのジチオスレイ ト一ル (DD T) 2 1 OmM d NTP s 1〃 1及び RN a s eインヒビター 1〃 1を加え、 良く混合し、 0. 5〃 1 (約 1 0 0ユニッ ト) の Super Script reverse transcriptase (GIBCO BRL)を加え、 37°Cで 1時間ィ ンキュベ一シヨン処理した後、 70°Cで 1 0分間処理した。 c.DNAの 第 2鎖の合成は、 同様にして処理して実行できる。
c DN Aライブラリ一の構築は、 例えば; I g t 1 1を使用して行うこ とができる。 合成した 2本鎖 c DNAを T DNAポリメラ一ゼで平滑 化した後、 E c oR Iメチラーゼにより cDNA中に存在する E c oR Iサイ トをメチル化する。 さらに E c oR I リンカ一 d (p GGAAT TCC) を T, DNAリガーゼで連結し、 E c oR I消化することによ り両末端に E c oR Iサイ トを有する c DNAを構築した。 この c DN Aをス g t 1 1の E c o R Iサイ トへクローニングした。 次にこの c D NAをィンビトロパッケージングキッ トによりパッケージングし、 c D NAライブラリ一を構築する。 c DNAライブラリーとしては市販の種 々ヒ ト組織由来 c DN Aライブラリー (CLONTECH) を直接使用 することもできる。
(b) 新規な MMP c DNA断片の増幅
得られた c DNAをテンペレ一卜とし、 MMPファミ リ一で保存され ているアミノ酸配列を基に合成したデジュネレイテツ ドプライマ一及び T a q DNAポリメラーゼを用いてポリメラーゼ 'チェイン . リアクシ ヨン法 (PCR) を行った。 新規な MM P c DNA断片の PC R増幅 は、 例えば R. Saiki, et aし Science, Vol. 230, pp. 1350 (1985); R. Saiki, et al., Science, Vol. 239, pp. 487 (1985); PCRテク ノロジー (PCR Technology) , ストック トンプレス (Stockton Press) などに記載された方法に従つて行われた。
1 UL 】の上記工程の反応生成物を铸型として用い、 5 1の 1 0 X P CR緩衝液、 1〃 1の2 5]111\1 dNTP s、 1 / ]の增幅用プライマ —及び 1ュニッ 卜の Taq polymerase の混合物を無菌蒸留水で 5 0 1 とした。 この反応用混合物を 9 3 °Cで 1分間、 5 5 °Cで 1分間そして 7 2 °Cで 1分間を 1サイクルとして、 30サイクルの P CR増幅にかけた c デジヱネレイテツ ドプライマ一は、 以下のように設計、 合成した。 既 知の MMPファミ リーの触媒ドメイン中から高度に保存されているアミ ノ酸配列として、 GEAD I M I (MM P— 1の G 1 y 1 〜 I I e 1 fi ' MMP一 2の G 1 y ―' 〜 I 1 e 171 、 MMP一 3の G 1 y 15 s 〜 I 1 e 10 ' 、 MM P— 7の G 1 yし; '1 〜 I 1 e ' 6 、 MM P— 8の G l y 1 〜 I 1 e 1 " 、 MM P - 9の A r g 1 G 2 〜 I 1 e ' r' 8 、 MMP- 1 0の G 1 y 1 ; 1 〜 I 1 e 1 ' 、 MMP- 1 1の G 1 y 151 〜 I 1 e i r'T 及び MMP— 1 2の G 1 y i ' 〜 Va Γ'; ι にそれぞれ相当 する。 アミノ酸番号は図 1 Α〜Ε記載の番号にしたがった) 及び
GDAHFDDDE (ΜΜΡ - 1の G 1 y 1 !'2 ~G 1 u 201 、
MMP— 2の G 1 y 2。:: 〜G 1 u211 、 MMP— 3の A s nl fl2 〜
G】 u 2U I 、 MMP— 7の G 1 y i 'に 〜G 1 u 、 MMP— 8の G 1 y 1 〜G 1 u2。。 、 MMP— 9の G 1 n ' !M1 〜G 1 u-(U! 、 MMP - 1 0の Ty r 〜G 1 u 2 n " 、 MMP— 1 1の G 1 u ,8" 〜 G 1 u , n? 、 MMP- 1 2の G l y1"2 〜G l u2n i にそれぞれ相当す る。 アミノ酸番号は図 1 A〜Eに記載の番号にしたがった) を選択した (プライマ一部分に相当するアミノ酸配列のァミノ酸表記は一般的な 1 文字表記にしたがった) 。 このアミノ酸配列を基に、 デジヱネレイ ト · オリゴヌクレオチド ·プライマーである、 次の配列を有する 5' プライ マ一 (5' プライマ一 5 P— 4 )
〔配列番号: 3〕
5' 一 (C又は G) G (A又は C又は G又は T) (A又は C又は G) (A又は C又は G) (A又は C又は G又は T) GC (A又は T) GA (C又は T) AT (A又は C) (A又は G) T (C又は G) AT- 3' 及び次の配列を有する 3, プライマ一 (3' プライマー 3 P— 2) 〔配列番号: 4
5' - (C又は T) TC (A又は G) T (C又は G) (A又は C又は G 又は T) TC (A又は G) TC (A又は G) AA (A又は G) TG (A 又は G) (A又は G) (A又は C又は T) (A又は G) TC (C又は T) CC
を DN Aシンセサイザ Mo d e l 3 9 2 (Ap p l i e d B i o s y s t ems) を使用し、 /5—シァノエチルフォスフォアミダイ 卜法によ り合成した。
上記配列中、 括弧内に示された塩基はその複数の塩基を導入すること、 そしてその結果マルチプルなヌクレオチド配列を生ずることを示してい る。 括弧内複数の塩基は合成時に混合塩基を用いて導入した。
この時、 プライマー 5 P— 4には 5' 側に B amH Iサイ ト、 プライ
マ一 3 P— 2には 3' 側に E c oR Iサイ トを導入した。 得られたブラ イマ一 5 P— 4およびプライマ一 3 P— 2は 1 0 mM リン酸ナトリゥ ム緩衝液 P H 6. 8で平衡化した二ックカラム (Pha rma c i a) を用い精製し、 260 nmの吸光度を測定して 20〃Mに調製したもの を用いた。
得られた P C R産物を 1 0 %ァガロースゲル電気泳動で分離し、 設定 したプライマーから予想されるサイズ (90〜1 20 bp) の PCR産 物、 7種類を抽出、 精製した。 精製した各 PCR産物を B amH I及び E c 0 R Iで処理し、 適当なブラスミ ド、 例えば p B 1 u e s c r i p t TM や pUC 1 8などの B amH E c oR Iサイ 卜にサブクローニング した。 例えば、 1 0 1の P C R産物を 1 0 %ポリアクリルアミ ドゲル 電気泳動で分離して確認し、 約 1 20— 1 30 b pの P CR産物を、 プ ラスミ ド pB l u e s c r i p t I 1ベクタ一にサブクローニングした。
1〃 1の P C R産物、 1 1の 1 0 Xライゲ一ション緩衝液、 2〃 1の 再懸濁化べク夕一液及び 1〃 1の T 4 D N Aリガーゼからなる反応用混 合物を 1 2 °Cでー晚インキュベーション処理した。 得られたベクターを 適当なコンぺテント細胞 (例えば、 大腸菌 H B 1 0 1や XL l—B l u e のコンペテン ト細胞が使用できる) に TA Cloning Kit (Invitrogen) の プロ トコールに従い導入し、 サブクロ一ニングした。 そのほか pUC l 1 9, p CR'Mなどのベクタ一を用いることもできる。 クローン化した P CR産物の塩基配列を蛍光 DNAシーケンサ Mo d e 1 373 A (A pp l i e d B i o s y s t ems) Taqダイプラィマーサイク ノレシークェンシングキッ ト (App l i e d B i o s y s t ems) を使用し決定した。
決定したこれら 7種の P C R産物の塩基配列を既知 MM Pの塩基配列 と比較した結果、 2つは既に報告されている MMP— 2の塩基配列 (J.
B i o l. Ch em. , 2 6 1 : 6 6 0 0〜 6 6 0 5, 1 9 8 6 ) の一 部と、 1つは MMP— 9の塩基配列 (J. B i o l. Ch em. , 2 6 4 : 1 7 2 1 3〜 1 7 2 2 1, 1 9 8 9 ) の一部と一致した。 残りの 4 種の PCR産物の内、 2つは MMPとは無関係な塩基配列であつたが、 後の 2つは 9 3 b pで同一の配列を有しており、 MM P遺伝子と相同性 を示し推定されるアミノ酸配列も保存されていた。 この PCR産物を便 宜的に MMP— X 2フラグメントと命名した。
(c) c DNAライブラリ一からの新規 MT— MMP— 3遺伝子のスク リ一二ングと塩基配列の決定
前項 (b) で得られた MMP— X 2フラグメント (cDNA断片) 2 5 n gを、 例えばランダムプライムド DNAラベリングキッ ト (Bo e h r i n g e r Ma n n h a i m) を使用して 〔α— " P〕 d CTP (Amersham) を用いて標識し、 2~5. 0 CPMZ〃 gの比活性を持 つプローブを得た。 これを種々のヒ ト組織または細胞由来 cDNAライ ブラリ一をスクリ一ニングするためのプローブとして用いた。
(a) 項で記載したス g t 1 1中に構築したヒ ト口腔癌組織 cDNA ライブラリーを宿主菌大腸菌 Y 1 0 9 0に 4 X 1 (Γ プラーク形成単位 / 1 5 cm2 プレートの濃度で感染させ、 プラークを形成させた。 まず、 大腸菌 Y 1 0 9 0株を 0. 0 2 %マルト一スを含む L培地で 1晚培養後、 集菌し、 1 OmM M g S 0 , に懸濁した。 この細胞懸濁液とファージ 液を混合し 3 7°C 1 5分間保温し、 ファージを宿主菌に吸着させた。 こ れに軟寒天を加え、 予め作製しておいた 1 5 cm2 の Lプレート上に広 げた。 プレートを 4 2°Cで 1晚保温し、 プラークを形成させた後、 ナイ ロンフィルター (例えば、 ハイボンド (Hy b 0 n d) — N、 Ame r s h am) あるいはニトロセルロースフィルタ一 (例えば HATF、 M
i 1 1 i p o r e) をプレート上に置き、 約 3 0秒間放置した。 膜を穏 やかに剝がしアルカリ変性液 (0. 5M NaOH及び 1. 5M N a C 1 ) に 1分間浸した後、 中和液 (1. 5M Na C l含有0. 5M T r i s -HC 1緩衝液、 pH 8) に 1 5分間浸した。 このフィルター を 2 X S SPE C0. 3 6 M N a C 20 mM NaH ' PO 及 び 2mM EDTA) で洗浄した後、 風乾した。 上述のプラークのフィ ルターへの転写を繰り返し、 少なくとも 2枚のフィルターを調製する。 但し、 2枚目以降のフィルターとプレー卜の接触時間は 2分間程度に延 長した。
このフィルターを 8 0°Cで 2時間べ一キングし、 DNAを固定した。
1つのプレー卜から調製した少なくとも 2枚のフィルタ一をそれぞれ 4 2°C、 1時間洗浄液 (1M Na C l、 1 mM £0丁八及び0. 1 % S o d i um d o d e c y l s u l f a t e (S D S) 含有 5 0 mM T r i s -HC 1緩衝液、 p H 8. 0) で洗浄後、 ハイブリダイ ゼーシヨンバッグ中にフィルターを入れ、 プレハイブリダィゼーシヨン 溶液 [50% f o rmam i d e, 5 xD e n h a r d t' s溶液 ( 0. 2 %ゥシ血清アルブミ ン、 0. 2 % p o l y v i n y l p y r o l i d o n e) 、 5 xS S PE、 0. 1 % SDS、 1 0 0 / g/m 1 熱変性サケ精子 D NA] に浸し、 4 2 °Cで 6〜 8時間プレハイブリダ ィゼ一シヨンを行った。 次に 1 0 0°C、 5分間加熱変性させた (c) 項 で記載した32 P標識プローブをプレハイプリダイゼーション溶液に添加 し、 4 2 で 1晚ハイブリダイゼーションを行つた。 ハイブリダイゼー シヨン完了後、 フィルタ一を室温で多量の 0. 1 %SDS含有 2 XS S C溶液で洗浄した。 次にフィルターを 0. 1 %SDS含有の 0. 2 XS S C溶液中に 5 5°C、 3 0分間置いた。 この操作を 2回繰り返したこの フィルタ一を風乾した後、 X線フィルム (Ko d a k XR) と重ね一
8 0 で 1 2時間ォ一トラジォグラフィ一を行った。 X線フィルムを現 像し、 1枚のプレートからできた 2枚のフィルムを重ね、 重なるシグナ ルをマークする。 マークしたシグナルに相当するプラークを SM溶液 ( l O O mM N a C l及び 1 0 mM 1^280.1 含有5 01111\1 T r i s— HC 1緩衝液、 p H 7. 5 ) に懸濁した。 このファージ懸濁液を 適度に希釈して、 好ましくは 1 0〜1 0 0プラーク形成単位 Z 1 0 cm2 プレー卜の濃度に希釈して大腸菌を培養してある 1 0 cn ^ プレートに プレーティングし、 上記と同様のスクリーニングを行い、 組換え体ファ ージを得た。
(d) 新規 MT— MMP— 3遺伝子を持つ組換え体; I g t 1 1 DNA の調製
クローン化したファージをそれぞれ前 (c) 項の記載と同様にプレー ティングし 4 2 °C、 3時間保温し、 続いて 3 7 °C、 1晚保温した後 S M 溶液に数滴のクロ口ホルムを加え室温で 3 0分間放置した。 SM溶液と 共に上層の軟寒天を搔き取り、 遠心分離した。 遠心後の上清に終濃度 1 0 %になるようにポリエチレングリコール一 6 0 0 0 (P EG— 6 0 0 0) を加え攪拌した後、 4 °Cで 1時間放置した。 これを遠心分離し上清 を捨て、 ファージ粒子を回収した。 このファージ粒子を SM溶液に懸濁 し、 グリセロールグラジェント超遠心分離法 (Mo l e c u l a r c l o n i n g, a l a b o r a t o r y ma n u a l , E d. T. M a n i a s t i s , C o l d S p r i n g H a r v o u r L a b o r a t o r y, 2 n d E d. 7 8, 1 9 8 9 ) により精製した。 得られたファージを TM溶液に懸濁し、 DN a s e Iおよび RN a s e Aで処理後、 2 0 mM EDTA、 5 0 g/m 1 P r o t e i n a s e K及び 0. 5 % SD S混合液を加え 6 5 °C、 1時間保温し
た。 これをフヱノール抽出、 ジェチルエーテル抽出後、 エタノール沈殿 により DNAを沈殿させた。 得られた DN Aを 70%エタノールで洗浄後 乾燥し、 TE溶液 ( 1 OmM £0丁 含有1 01111^ Tr i s—HC l 緩衝液、 PH8) に溶解した。
(e) 挿入断片の塩基配列決定
前項 (d) で調製した λ g t 1 1 DNAを E c oR Iで分解し、 揷 入断片を分離精製後、 ベクター pB 1 u e s c r i p t™ (S t r a t a g e n e) の E c oR I部位にサブクローニングする。 この組換え体 pB l u e s c r i p tで大腸菌 NM 533 XL 1 -B 1 u eを形質 転換した。 形質転換細胞を F' 選択後、 ヘルパーファージ VCSM13 (S t r a t a g e n e) を感染させ終夜培養する。 培養液を遠心分離 し菌体を除き、 これに PEGZNaC 1を加えファージを沈殿させる。 沈殿を TE溶液に懸濁後、 1本鎖 DN Aをフヱノール抽出、 エタノール 沈殿により回収した。 この 1本鎖 DNAの塩基配列を蛍光 DNAシーケ ンサ Mo d e l 373A (App l i e d B i o s y s t ems) 、 T a qダイプライマーサイクルシークェンシングキッ ト (A p p 1 i e d B i o sy s t ems) を使用し決定した。 決定した塩基配列の全 長は 2 1 07 b pであり、 その配列は配列表の配列番号: 1に記載した。 GENBANK/EMBL DNA Da t a Ba s eを使用し、 配 列表の配列番号: 1に記載した塩基配列を検索したが、 同一の配列は存 在しなかった。 この約 2. 1 k bの DNA配列中には、 推定 604アミ ノ酸をコードするオープンリーディングフレームの存在が認められ、 そ の推定されるァミノ酸配列を配列表の配列番号: 2に記載した。 この推 定されるタンパク質を、 「MT— MMP— 3」 と名付けた。 得られた D N A断片をプラスミ ド P EX, pMEMn e o、 pKGなどのベクタ一
に組込み、 大腸菌、 CHO細胞などで発現させることができる。
上記 MT— MMP— 3をコードする塩基配列を挿入したベクター (p SG 5™ (S t r a t a g e n e) ) を保有する大腸菌 NM 5 3 3 X L 1 -B 1 u e (XL 1 -B 1 u e /MM P— X 2 ) は、 工業技術院生 命工学工業技術研究所に受託番号 F ERM B P— 5 5 7 3として寄託 保存されている (平成 7年 7月 5日 (原寄託日) に寄託された微ェ研菌 寄第 P— 1 5 0 3 3号 (原寄託) よりブダぺスト条約に基づく寄託への 移管請求が平成 8年 7月 1日にされた) 。 ( O MT— MMP— 3のアミノ酸配列解析
配列表配列番号: 1に記載の MT— MMP— 3の塩基配列から推定さ れる配列表配列番号: 2に記載したァミノ酸配列を既知の MM P sのァ ミノ酸配列と比較したァライメントを図 1 A~Eに示した。 配列表配列 番号: 2に示したアミノ酸配列は、 MMPファミ リーと高い相同性を示 し、 MMPファ ミ リ一に特徴的なドメィン構造、 すなわち、 分泌産生時 に除去されるシグナルぺプチド、 プロべプチドドメィン、 触媒ドメィン、 ヒンジ ドメイン、 へモぺキシン凝血酵素様ドメインが良好に保存されて いた。 特に、 MMPファミ リーで非常に高度に保存されているプロ体と 活性型の切断部位近傍の配列 PRCGVPDは MT - MMP— 3でも完 全に保存されており、 また活性ドメインの配列も高い保存性を示した。 Z n 2 'の結合部位を含む活性ドメインのアミノ酸配列を MT— MM P— 3と他の既知の MMPと比較したところ、 MT— MMP— 1に対する相 同性は 6 6 %と最も高く、 また他の MMPに対する相同性も MMP— 1 2に対して 5 1 %、 MMP- 2及び MM P— 9に対して 5 0 %、 MMP - 1に対して 4 9 %、 MM P— 3に対して 4 8 %、 MM P— 8に対して 4 7%、 MMP- 1 1に対して 4 6 %、 MMP- 7に対して 4 4 %の相
同性を示した。
さらに MT— MMP— 3のァミノ酸配列上で他の MM Pと比較して特 徵的な点は、 3ケ所の挿入配列が存在する点である。 すなわち、 プロべ プチドドメィンと触媒ドメィンの間に存在する G S SKFH I RRKR の配列からなる 1 1アミノ酸残基の挿入配列一 1 ( I S— 1 ;配列表の 配列番号: 2の G 1 y 'π 〜A r g' ) 、 触媒ドメィン中の P YS E LENGの配列からなる 8アミノ酸残基の挿入配列一 2 (I S— 2 ;配 列表の配列番号: 2の P r 0171 ~G 1 y '7i' ) 及びトランスメンブレ ン ドメイン様の 24個の疎水性ァミノ酸の連続配列 A I A I V I P C I LALCLLVLVYTVFQFを含む 75ァミノ酸残基の揷入配列一 3 ( I S— 3 ;配列表の配列番号: 2の A s p「'3。 〜V a 1 fi( ) が存 在する。 このような 3ケ所の挿入配列は、 MMPフアミ リー中では MT -MMP- 1においてのみ存在し、 他の MM Pには認められなかった。 MT-MMP- 3における 3ケ所の挿入配列について位置及び構成する アミノ酸残基の数は、 MT— MMP— 1におけるそれとほとんど同じで あつたが、 アミノ酸の組成は、 MT— MMP— 1のそれとは明らかに異 なっており、 I S— 3の MT— MMP— 1との相同性は 37 %であった。 なお、 全配列の相同性は 43 %であった。 最初の挿入配列 I S— 1は例 外的に MMP— 1 1にも存在している力く、 I S— 1中で保存されている 配列 R X K Rは、 ズブチリシン様プロテア一ゼの切断部位の配列であり、 了ミノ酸配列 RXKRはズブチリシン様プロテア一ゼによる多くの真核 生物分泌タンパク質の切断部位であることが知られている (J. B i o 1. Ch em. , 266 : 1 2 1 27〜 1 2 1 30, 1 99 1) 。 I S 一 3中の疎水性ァミノ酸の連続配列はトランスメンブレンドメインと考 えられ、 MT— MMP— 1の際立って特徴的な点であり (J. B i o l. C h em. : 270, 80 1〜805, 1 995 ) 、 MT— MM P— 3
の I S— 3中に存在する疎水性ァミノ酸の連続配列もトランスメンブレ ンドメインと考えられた (実施例 5参照) 。 本発明により単離された M T— MMP_3 cDNAによってコ一ドされるタンパク質のァミノ酸配 列は、 他の MMPファミ リーと相同性が高く、 先に本発明者らが見出し た MT— MMP— 1とも類似している力 詳細な点では明らかに異なり、 また分子量も異なっていた。 本発明のタンパク質は約 69 k Daの分子 量を有している。
これらの配列上の特徴は、 MT— MMP— 1及び MT— MMP— 3は、 MMPファミ リ一中のサブファミ リ一を構成していることを示唆してい る。 実施例 2 MT— MMP— 3 mRNAの発現
(a) ヒ ト組織中での発現
ヒ ト心臓、 脳、 胎盤、 肺、 肝臓、 骨格筋、 腎臓、 脖臓各組織由来の p o 1 y (A) RNAをブロッ トしてあるメンブレン Huma n Mu l t i p l e T i s s u e No r t he rn B l o t s (C l o n t e c h) を用い、 :1-'P標識した実施例 1 (e) 項に記載した 2. 1 k bの c DN Aをプローブとしてノーザンブロッティングを行った。 プ ローブの標識は実施例 1 (c) 項の記載と同様に行った。 3 XSSC (0. 45 M N a C 1 , 0. 045 M t r i s od i um c i t r a t e 2 H2 0, pH 7. 0) で湿らせた Mu l t i p l e T i s s u e No r t he rn B 1 o t sのフィルターをプレハイブリ ダイゼ一シヨン溶液 (0. 75 M NaC l、 2. 5 mM EDTA、 0. 5 xDe nh a r d t' s溶液、.50% f o rmami d e及び 1 % SDS含有20mM Tr i s— HC 1緩衝液、 pH7. 5) 1 0 m 1中で穏やかに攪拌しながら 42°Cで 2〜3時間プレハイプリダイ
ズした。 次にハイブリダイゼ一ション溶液 (プレハイブリダイゼーショ ン溶液に 1 0 % s o d i um d e x t r a ru 2 0〃 g/m 1変性 サケ精子 DN Aを加えた溶液) 1 0m lに熱変性したプローブを加えプ レハイブリダイゼーション溶液と交換し、 4 3 °Cでー晚ハイブリダイゼ ーシヨンを行った。 ハイブリダィゼーシヨン完了後、 0. 1 % SDS 含有 2 X S S C溶液で洗净した。
次にプロッ トを 0. 1 % 303含有1 ズ 33。溶液中に5 5°( 、 3 0分間置いた。 このブロッ トをバイオイメージアナライザー B AS 1 0 0 0 (富士写真フィルム株式会社) でトレースし各組織における mRN Aの発現強度を評価した。 このとき、 同じプロッ トを" P標識した G 1 y c e r a l d e h y d e— 3— p h o s p h a t e d e h y d r o g e n a s e (GAPDH) 遺伝子 (CLONTECH) を用いてプロ 一ビングし、 mRN Aの内部標準とした。
その結果を図 2 Aに示した。 MT— MMP— 3mRNAのサィズは、 何れの組織でも 1 2 k bであり、 調べた組織中、 肺、 脳、 胎盤で高い発 現を認めたが、 心臓、 腎臓、 肝臓、 滕臓、 骨格筋では検出されなかった。 一方、 同様に Hum a n Mu l t i p l e T i s s u e No r t h e r n B l o t s (C l o n t e c h) を用い、 :'2P標識した MT -MMP- 1 c DNAをプローブとしてノ一ザンブロッティングを行つ たところ、 4. 5 k bに検出された MT— MMP— 1 mRNAは、 肺、 腎臓、 胎盤で顕著に発現していたのに対し脳では最も低 L、発現であつた。 因みに、 MT— MMP— 1 と MT— MMP— 3のクロスハイブリダィゼ ーションは生じなかった。 (b) 培養癌細胞中での発現
種々ヒ ト培養癌細胞中での MT— MMP— 3 mRN Aの発現を検討し
た。 ヒ ト癌細胞として、 喉頭癌由来細胞 H e p 2、 膀胱癌由来細胞 T 2 4、 肺癌由来細胞 PC— 3、 胃癌由来細胞 KKLS、 NKPS及び MK N— 28、 骨肉腫由来細胞 SK— E S— 1及び U— 2 0 S、 扁平細胞癌 由来細胞 0 S C— 1 9及び悪性黒色腫細胞 A 3 7 5、 線維芽細胞として 胎児肺由来線維芽細胞 HE Lを使用した。
各細胞から抽出した RNA、 1検体につき 1 0〃 gを 5 0 % f 0 rm am i d e、 1 7. 5%f o rma l i n含有2%M〇PS、 pH 7. 5に溶解し、 6 5°Cで 1 0分間反応させた。 これを 1 %ァガロースで 2 %M〇P S中で電気泳動を行った。 泳動後のゲルを、 ナイロンメンブレ ン (例えば、 Hy b o n d— N, Am e r s h a m) に転写した。 転写 後のメンブレンを波長 2 5 4 nmの紫外線を 1 20 0マイクロジュール 照射し、 固定した。 このプロッ トを前項 (a) と同じく 標識した c DNAと 1 6時間ハイブリダィゼーシヨンを行い、 バイオイメージアナ ライザ一 B AS 1 0 0 0 (富士写真フィルム株式会社) でトレースし、 シグナルの検出、 強度を評価した。
MT— MMP— 3mRNAは、 T 2 4細胞及び H e p 2細胞で他の細 胞より高い発現が検出されたが、 これらの細胞における MT— MMP— 1 mRNAの発現レベルは低レベルであった。 一方、 MT— MMP— 1 mRNAの顕著な発現を認めた OS C— 1 9細胞及び H E L細胞では逆 に MT— MMP_ 3 mRNAの発現は他の細胞に比べ低レベルであった (図 2 B) 。
MT-MMP- 1及び MT— MMP— 3は、 そのァミノ酸配列の比較 から極めて類似したドメィン構造を有し、 またプロ MM P— 2の活性化 という同じ作用を有しているにも拘らず (実施例 6参照) 、 その発現は、 組織あるいは細胞レベルでは全く異なるパターンを示した。 このことは、 MT-MMP- 1と MT— MMP— 3が類似した構造及び作用を有する
にも拘らず、 異なる発現制御を受けていることを示している。 実施例 3 モノクロ一ナル抗体の調製
(a) 抗原ポリべプチドの調製
配列表の配列番号: 2に記載した MT— MMP— 3のアミノ酸配列中 より他の MMPファミ リーとの相同性が低い、 MT— MMP— 3に特徴 的な配列として、 次の 4個の配列を選択し、 合成した。
〔配列番号: 5〕
QTRGS SKFH I RRKR
(配列表配列番号: 2の G 1 n 1 "'' 〜A r g ' 1 " の配列; 「ポリぺプチ KA」 と略記する)
〔配列番号: 6 ]
EEVPYSELENGKRD
(配列表配列番号: 2の G 1 u ' 0 " 〜 A s p 1 の配列; 「ポリぺプチ KB」 と略記する)
〔配列番号: Ί )
PTS PRMSVVRSAETMQSA
(配列表配列番号: 2の P r 055〜 A 1 a 7 の配列; 「ポリペプチド C」 と略記する)
〔配列番号: 8〕
TLGNPNHDGNDLFL
(配列表配列番号: 2の T h r 22 '·' ~ L e u 2 ·' の配列; 「ポリべプチ KD」 と略記する) .
これらのポリべプチドをぺプチド合成機 (ぺプチドシンセサイザー 9 6 0 0 M i 1 1 i G e n/B i o s e r c h) を使用して、 Fmo c — b o p法で合成した。 ポリベプチドの N末端にはシスティンを導入し
た。 合成したぺプチドは〃 B 0 n d a s p h e r e, C 1 8カラム (W a t e r s ) を用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製した。
(b) 各ポリペプチドと BS Aの複合体の調製
システィン残基を介してゥシ血清アルブミ ン (BSA) と結合させ抗 原コンジュゲートとした。 2 0mgBSAを 2m lの 0. 1 Mリン酸緩 衝液 (PH 7. 5 ) に溶解したものと 1 8. 1 3mg N - ( 6 - m a 1 e i m i d o c a p r o y l oxy) s u c c i n i m i d eを 2 0 0 \ のジメチルホルムアミ ドに溶解したものと混合し、 3 0°C、 3 0 分間反応させた。 ついで、 上記の混合液を 0. 1 Mリン酸緩衝液 (pH 7. 0) で平衡化した PD— 1 0 (Ph a rma c i a) でゲルろ過し た。 マレイミ ドが結合した B S Aを分取し、 1. 5m l以下に濃縮した。 マレイミ ドが結合した BS Aに対し 5 0倍モル量の前記 (a) で合成し た各ポリぺプチドを 1 m 1の 0. 1 Mリン酸緩衝液 ( p H 7.. 0 ) に溶 解したものとそれぞれ混合し、 4°C、 20時間インキュベートし、 BS A—ポリぺプチド複合体を調製した。
( c ) 抗体産生細胞の調製
前記 (b) で調製した 4種類のポリペプチド A、 B、 C及び Dと BS Aとの複合体それぞれ 2 0 0 u gを完全フロインドアジュバントと共に 8週令 B a 1 bZc雌マウスに腹腔内投与し、 初回免疫した。 1 8日後 に 0. 1 Mリン酸緩衝液 ( p H 7. 5) に溶解した各複合体 2 0 0 ^ g をそれぞれの初回免疫したマウスに腹腔内投与し、 追加免疫した。 さら に 3 2日後に追加免疫時と同様に各複合体 1 0 を静脈内投与し、 最終免疫とした。 その 3日後に脾臓を摘出し、 脾細胞懸濁液を調製した。
(d) 細胞融合
( 1 ) 以下の材料および方法を用いた。
RPM I— 1 64 0培地: RPM I - 1 64 0 (F l ow L a b. ) に重炭酸ナトリウム (24 mM) 、 ピルビン酸ナトリウム (1 mM) 、 ペニシリ ン Gカリウム ( 5 0 UZm 1 ) 、 硫酸ァミカシン ( 1 0 0 / g /m 1 ) を加え、 ドライアイスで pHを 7. 2にし、 0. 2 m東洋メ ンブレンフィルターで除菌ろ過した。
NS- 1培地:上記 RPMI - 1 64 0培地に除菌ろ過した F C S (M. A. B i o p r o d u c t s) を l S ^ CvZv) の濃度になる ように加えた。
P E G 4 0 0 0溶液: R P M I— 1 6 4 0培地にポリエチレングリコ ール 4 0 00 (PEG 4 00 0, Me r k & Co. ) を 50% (w/w) になるように加え、 無血清溶液を調製した。
8ーァザグァニン耐性ミエローマ細胞 S P 2 (S P 2/0 - A 1 4) との融合は、 S e l e c t e d Me t h o d i n C e l l u l a r I mmu n o l o gy p p 3 5 1〜37 2 ( e d. B. B. M i s h e l l a n d S. N. S h i i g i ) , W. H. F r e ema n a n d C omp a ny ( 1 9 8 0 ) に記載の 0 iらの方法を若 干改変して行った。
(2) 以下では、 ポリペプチド A— BSA複合体で免疫したマウス由来 の有核脾細胞とミエローマ細胞 SP 2との融合に関して詳述する。
前記 (c) で調製した有核脾細胞 (生細胞率 1 0 0%) それぞれとミ エローマ細胞 (生細胞率 1 0 0 %) とを 5 : 1の比率で以下の手順で融 合した。 ポリペプチド A脾細胞懸濁液とミエローマ細胞をそれぞれ RP M I 1 6 4 0培地で洗浄した。 次に同じ培地に懸濁し、 融合させるため
に有核脾細胞 1. 1 X 1 0 " 個とミエ口一マ細胞 2. 1 X 1 0 個を混 合した。 次に遠心分離により細胞を沈殿させ、 上清を完全に吸引除去し た。 沈殿した細胞に 3 7°Cに加温した PEG 4 0 0 0溶液 〔5 0 % (w /v) ポリエチレングリコール 4 0 0 0含有 RPM 1 1 6 4 0培地〕 7. 1 m lを 1分間で滴下し、 1分間攪拌し、 細胞を再懸濁、 分散させ た。 次に 3 7 °Cに加温した R PM I 1 6 4 0培地 1 4. 2 m 1を 2分間 で滴下した後、 同培地 4 9. 7m 1を 2〜3分間で常に攪拌しながら滴 下し、 細胞を分散させた。 これを遠心分離し、 上清を完全に吸引除去し た。 次にこの沈殿した細胞に 3 7°Cに加温した NS— 1培地 〔除菌ろ過 した ] 5 % ( w/ V ) 仔牛胎児血清 (J RH B i o s c i e n c e s) 含有 RPM I 1 6 4 0培地〕 7 1 m 1を速やかに加え、 大きい細胞塊を 注意深くピぺッティ ングで分散した。 さらに同培地 1 4 2m lを加えて 希釈し、 ポリスチレン製 9 6穴マイクロウヱルにゥヱル当り 6. 0 X 1 0 個 Z 0. 1 m lの細胞を加えた。 細胞を加えた上記マイクロウヱ ルを 7 %炭酸ガス Z 9 3 %空気中で温度 3 7 °C、 湿度 1 0 0 %で培養し た。
ポリぺプチド B— B S A複合体で免疫したマウス由来脾細胞の場合で は、 脾細胞 6. 2 X 1 0 " 個とミエローマ細胞 1. 2 4 X 1 0 個を混 合し、 上記で使用した PEG 4 0 0 0溶液、 RPM I 1 6 4 0培地、 N S— 1培地をそれぞれ 4. 1 m 3 6. 9m 1、 1 2 3m l用いた。 ポリペプチド C一 B S A複合体で免疫したマウス由来の脾細胞の場合、 脾細胞 3. 6 X 1 0 " 個とミエローマ細胞 7. 5 X 1 07 個を混合し、 PEG 4 0 0 0溶液、 R P M I 1 6 4 0培地、 N S— 1培地をそれ ぞ れ 2. 5mし 2 2. 5m l、 7 5 m 1使用した。 ポリペプチド D— B S A複合体で免疫したマウス由来の脾細胞の場合、 脾細胞 6. 0 X 1 0 " 個とミエローマ細胞 1. 2 X 1 0 " 個を混合し、 P EG 4 0 0 0溶液、
RPM I 1 6 4 0培地、 N S— 1培地をそれぞれ 4. 0 m 1、 3 6. 0 m 1、 1 2 0 m 1使用した。
(e) 選択培地によるハイプリ ドーマの選択的増殖
(〗) 使用する培地は以下の通りである。
H A T培地:前記 ( d ) ( 1 ) で述べた N S一 1培地に更にヒポキサ ンチン ( 1 0 0〃Μ) 、 アミ ノプテリ ン (0. 4〃Μ) およびチミ ジン (1 6 uM) を加えた。
HT培地: アミノブテリンを除去した以外は上記 HAT培地と同一組 成のものである。
(2) 前記 (d) の培養開始後翌日 (1日目) 、 細胞にパスツールピぺ ッ トで H A T培地 2滴 (約 0 · 1 m l ) を加えた。 2、 3、 5、 8日目 に培地の半分 (約 i m l ) を新しい HAT培地で置き換え、 1 1日 目に培地の半分を新しい HT培地で置き換えた。 1 4日目にハイプリ ド 一マの生育が肉眼にて認められた全ゥエルについて固相一抗体結合テス ト法 (EL I SA) により陽性ゥエルを調べた。
すなわち、 ポリスチレン性 9 6穴プレートを抗原としたポリべプチド A、 B、 Cおよび Dそれぞれでコートし、 次に洗浄用 PBS (0. 0 5 %Tw e e n 2 0含有) を用いて洗浄して未吸着のぺプチドを除いた。 さらに各ゥエルの未コート部分を 1 %B S Aでブロックした。 この各ゥ エルにハイプリ ドーマの生育が確認されたゥェルの上清 0. 1 m 1を添 加し、 室温で約 1時間静置した。 2次抗体として西洋わさびペルォキシ ダ一ゼ (HRP) 標識ャギ抗マウス免疫グロブリン (C a p p e 1 L a b. ) を加え、 さらに室温で約 1時間静置した。 次に基質である過酸 化水素と 0 - フヱニレンジアミンを加え、 発色の程度をマイクロプレー ト用吸光度測定機 (MRP— A 4、 東ソ一) を用いて 4 9 2 nmの吸光
度で測定した。 ( f ) ハイブリ ドーマのクローニング
上記 (e) で得られた各抗原ペプチドに対する陽性ゥエル中のハイブ リ ドーマを、 限界希釈法を用いてモノクローン化した。 すなわち、 NS 一 1培地 1 m 1当りフィーダ一として 1 07 個のマウス胸腺細胞を含 むクローニング培地を調製し、 9 6穴マイクロウェルにハイブリ ドーマ をゥエル当り 5個、 1個、 0. 5個になるように希釈し、 それぞれ 3 6 穴、 3 6穴、 2 4穴に加えた。 5日目、 1 2日目に全ゥエルに約 0. 1 m 1の NS— 1培地を追加した。 クローニング開始後約 2週間で、 肉眼 的に十分なハイプリ ドーマの生育を認め、 コロニー形成陰性ゥエルが 5 0 %以上である群について (e) に記載した EL I S Aを行った。 調べ た全ゥエルが陽性でない場合、 抗体陽性ゥエル中のコロニー数が 1個の ゥエルを 4〜6個選択し、 再クロ一ニングを行った。 最終的に表 1〜表 4にまとめて示したように各ポリペプチド A、 ポリペプチド B、 ポリべ プチド Cまたはポリペプチド Dに対するモノクロ一ナル抗体を産生する ハイプリ ドーマがそれぞれ 7個、 1 6個、 1 1個、 4個得られた。
(g) ハイプリ ドーマの培養とモノクローナル抗体の精製
得られた各ハイプリ ドーマ細胞を NS— 1培地で培養し、 その上清か ら濃度 1 0〜 1 0 0〃 g/m 1のモノクロ一ナル抗体を得ることができ た。 また、 得られたハイブリ ドーマ 1 07 個を予め 1週間前にプリスタ ンを腹腔内投与したマウス (BALB/c系、 半、 6週齢) に同じく腹 腔内投与し、 1〜2週間後、 腹水中からも 4~7mgZm lのモノクロ ーナル抗体を含む腹水を得ることができた。 得られた腹水を 4 0 %飽和 硫酸アンモニゥムで塩析後、 I gGクラスの抗体をプロテイン Aァフィ
ゲル (B i o— R a d) に吸着させ、 0. 1 Mクェン酸緩衝液 ( p H 5 ) で溶出することにより精製した。
(h) モノクローナル抗体のクラス、 サブクラスの決定
前述した E L I S Aに従い、 各ポリペプチド A、 ポリペプチド B、 ポ リぺプチド Cまたはポリぺプチド Dをコートしたマイクロタイ トレーシ ヨ ンプレートに、 (f) で得られたモノクローンの上清を加えた。 次に PBSで洗浄後、 アイソタイプ特異的ゥサギ抗マウス I gG抗体 (Zy m e d Lab. ) を加えた。 PBSにより洗浄後、 西洋わさびペルォ キシダ一ゼ標識ャギ抗ゥサギ I gG (H + L) を加え、 基質として過酸 化水素および 2, 2' —アジノ一ジ (3—ェチルベンゾチアゾリン酸) を用いてクラス、 サブクラスを決定した。 最終的に表 1〜表 4に示した ように MT— MMP— 3に対するモノクロ一ナル抗体産生ハイブリ ド一 マを得た。
なお、 クローン番号 117-4E1は、 工業技術院生命工学工業技術研究所 に受託番号 FERM BP— 5 5 7 2として寄託保存されている (平成 7年 7月 5日 (原寄託日) に寄託された微ェ研菌寄第 P— 1 5 0 3 1号 (原寄託) よりブダぺスト条約に基づく寄託への移管請求が平成 8年 7 月 1日にされた) 。
( i ) 抗 MT— MM P— 3モノクローナル抗体の特異性
ヒ ト新生児線維芽細胞 (NB 1 RGB) の培養上清中からそれぞれ精 製した潜在型 MM P— 1 (C l i n. C h i m. Ac t a, 2 1 9 : 1 〜1 4, 1 9 9 3 ) 、 潜在型 MM P— 2 (C l i n. C h i m. Ac t a, 2 2 1 : 9 1〜 1 0 3, 1 9 9 3 ) 及び潜在型 MM P- 3 (C 1 i n. Ch i m. A c t a, 2 1 1 : 5 9〜 7 2, 1 9 9 2) 、 ヒ ト直腸 癌細胞 (C aR— 1) の培養上清から精製した潜在型 MMP— 7 (C a n c e r Re s. , 5 0 : 77 5 8〜 7 7 6 4, 1 9 9 0) 、 ヒ ト好 中球より精製した潜在型 MMP— 8 (B i o l . Ch em. Ho p p e
一 S e y l e r, 3 7 1 : S u p p l eme n t 2 9 5〜3 0 4, 1 9 9 0) 並びにヒ ト線維芽細胞腫株 (HT 1 0 8 0 ) の培養上清から精製 した潜在型 MMP— 9 (J. B i o l. C h em. , 2 67 : 2 1 7 1 2〜2 1 7 1 9, 1 9 9 2 ) をそれぞれ抗原として使用し、 前述の (e) に記載した固相—抗体結合テスト法 (EL I S A) によりヒ ト MT— M MP— 3ぺプチドと陽性反応を示す抗 MT— MMP— 3モノクローナル 抗体 (モノクロ一ン番号 1 1 7— 4 Eし 1 5 7— 6 F 5及び 1 5 8— 8 E 6) の交差反応性を調べた。
すなわち、 ポリスチレン製 9 6穴プレートを使用し、 各ゥヱルに精製 した各 MMP— 1、 MMP— 2、 MMP— 3、 MMP— 7、 MMP— 8 及び MMP— 9をそれぞれ 50 n g/we 1 1で加えコ一トした。 洗浄 用 PBSで洗浄し未吸着の抗原を除去した後、 各ゥエルの未コート部分 を 3 %スキムミルク含有 P B Sでブロックした。 この各ゥエルに各抗 M T一 MMPモノクローナル抗体それぞれを 1 g/we 1 1で加え、 室 温で約 1時間静置した。 プレートを洗浄後、 2次抗体としてペルォキシ ダ一ゼ標識ャギ抗マウス免疫グロプリンを加えさらに室温で約 1時間反 応させた。 次に基質である過酸化水素と 0 —フヱニレンジアミンを加え、 発色の程度をマイクロプレート用吸光度測定機 (MRP— A4、 東ソ一) を用いて 4 9 2 nmの吸光度で測定した。
その結果、 抗 MT— MMP— 3モノクローナル抗体は何れも、 供試し た MT— MMP— 3以外の精製 MM P sと反応性を示さなかった。
本実施例 3の方法を、 合成べプチド抗原の代わりにリコピナント MT 一 MM P— 3、 例えば下記実施例 4あるいは 5の方法で得られたリコビ ナント MT— MMP— 3を抗原として用いることにより繰り返し、 同様 にして抗 MT— MMP— 3モノクローナル抗体を作製する。
実施例 4 遺伝子産物の発現と同定
動物細胞を宿主として MT— MMP— 3を発現させるため、 cDNA を発現ベクターと連結した。 本実施例では、 発現用べクタ一には SV 4 0のプロモーター、 ェンハンサ一、 ポリ Aシグナル、 sma l l T an t i g e n遺伝子の介在配列を含む p S G 5 (S t r a t a gen e) を用いた。 実施例 1 (e) で構築した MT— MMP— 3遺伝子をク ローン化した組換え pB l u e s c r i p t™ (S t r a t a gen e) から E c oR I切断により 2. 1 kbの挿入断片を切り出し、 真核細胞 用発現ベクター p S G 5の E c 0 R Iサイ トにクローニングし、 発現用 プラスミ ド p S GMT 2を作製した。 ライゲーシヨン反応は、 ライゲー シヨンキッ 卜に添付のプロ トコールに従って行った。 5%ゥシ胎児血清 及び 2mM g 1 u t am i n eを含むダルべッコ改変ィ一グル培地 (Du l b e c co s mod i f i ed Eag l e' s m e d i urn ; DMEM) 中で培養したアフリカミ ドリザル腎由来細胞 COS 一 1に p S GMT 2及び p S GT 1 (T I M P— 1 c D N Aを p S G 5 にクローン化してあるもの) をリン酸カルシウム法によりコ トランスフ ェクシヨンした (V i r o l ogy, 52 : 456, 1 973) 。 対照 として、 pSG5単独で COS— 1をトランスフヱクシヨンした。
すなわち、 蒸留水に 2 a gの組換え p S G 5あるいは p S G 5単独に、 60 / 1の 0. 25M C a C 12 を加え、 次に 2 X B B S溶液 ( 2.
8 mM Na2 HP〇., 及び 28 OmM NaC l含有50mM BE S緩衝液、 pH7. 9) 62. 5〃 1をチューブの底に加えた。 これを 混合後、 室温で 30分程度放置し、 沈殿形成を十分行った。 沈殿をピぺ ッティ ングにより分散し、 COS— 1細胞に滴下した後、 C02 インキ ュべ一ター中で約 24時間インキュベートした。 次に培地を除き、 細胞 を P B Sで洗浄後、 30 C i /m 1の3 s S—メチォニンを含む新鮮な
メチォニン不含 DMEMを加えた。 培養を 5時間継続し、 細胞タンパク 質を35 Sで標識した。
遠心分離により細胞とコンディシヨン培地を分離し、 細胞を溶解緩衝 液 (0. 15M N a C K 0. 1 % Sod i um de oxy ch o l a t e、 0. 1 % SDS、 1 mM Tr i t on X— 1 00、 1 % NP— 40、 1 mM EDTA、 1 mM pheny lme t a ne s u l f ony l f l uo r i de (PMSF) 含有 1 0 mM T r i s— HC 1緩衝液、 pH 7. 5 ) 中で 4 °C、 1時間インキュベー 卜した。 細胞溶解液を遠心分離し、 上清を回収した。 上清及びコンディ ション培地を実施例 3で得られた抗 MT—MM P— 3ポリぺプチド抗体 c l one N 0 s. 1 17— 4 E 1あるいは 1 17— 1 3 B 6、 また 対照として抗 T I MP— 1抗体 c 10 n e No. 50 _ 1 H 7と 4 °C、 1 6時間反応させた。 c 1 o n e No s. 1 17— 4 E lあるいは 1 1 7 - 1 3 B 6抗体は、 抗 MT— MMP— 3モノクローナル抗体の中で も非特異的反応性の低いものとして選択した。 これらの抗原一抗体複合 体にプロティン Aを力ップリ ングさせたセファロース一 4 B (P h a r ma c i a) を加え、 4 °Cで 2時間攪拌しながらインキュベートし、 免 疫沈降を行った。 次に、 遠心分離により免疫沈降させたモノクローナル 抗体を力ップリングしたセファロースー 4 Bを沈殿させ、 細胞溶解液で 3回洗浄し、 最後に 0. 05 M T r i s— HC 1緩衝液、 pH 6. 8 で洗浄した。 この洗浄したセファロース一 4 Bに SDSポリアクリルァ ミ ド電気泳動用サンプル緩衝液 (1 0% g l y c e r o l、 2% S DS、 2 % /3-me r c ap t o e t hano 0. 1 % b r o mo p h e n o 1 b l u e含有 50 mM T r i s— H C 1緩衝液、 pH6. 5) を加え、 1 00 で 3分間加熱した後、 12 % S D Sポ リアクリルアミ ド電気泳動を行った。 バイオイメージアナライザー B A
S 1 0 00 (富士写真フィルム株式会社) を用いて泳動後のゲルのシグ ナルの検出を行い、 その結果を図 3に示した。
使用した抗 MT— MMP— 3ポリぺプチド抗体 c l o n e No s. 1 1 7— 4 E 1及び 1 1 7— 1 3 B 6はいずれも、 MT— MMP— 3遺 伝子をトランスフヱクションした細胞のセルライゼ一ト中の分子量 64 kD aのタンパク質を免疫沈降した。 対照とした MT— MMP— 3遺伝 子を含まないベクター p SG 5単独をトランスフヱク トした細胞では、 何れの抗体でも分子量 6 4 kDaタンパク質は免疫沈降されなかった。 免疫沈降で検出されたタンパク質の分子量 64 kDaは、 配列表配列番 号: 2に記載したアミノ酸配列から算出される分子量とほぼ一致した。 また、 分子量 3 0、 3 3及び 5 2 kD aに相当する 3本のバンドが M T-MMP- 3遺伝子をトランスフヱクションした細胞のセルライゼ一 ト中から検出されたが、 対照ではこれらのバンドは検出されなかった。 一方、 セルライゼートから免疫沈降されたこれらタンパク質は、 コンデ イシヨン培地中からは検出されなかった。 これに対し、 丁 11^?ー 1は 分泌タンパク質であるが、 実際、 発現した T I MP— 1は、 その殆どが コンディション培地中に検出され、 確かに細胞外に分泌されていること が確認された。
以上の結果は、 MT— MMP— 3は、 そのアミノ酸配列からシグナル ぺプチドの存在が示唆されるにも拘らず、 容易に分泌されないことを示 している。 この知見は、 MT— MMP— 1が細胞表層上で発現し培地中 では検出できなかった先の本発明者らの知見 (Na t u r e, 3 7 0 ; 6 1〜6 5, 1 9 9 4 ) と非常によく類似している。
MT— MMP— 3 cDNAは、 mRN Aから逆転写酵素により合成さ れた完全長の c D N Aであるので、 この c D N Aを適当な発現べクタ一
に移すことで、 大腸菌、 枯草菌、 酵母、 動物細胞等を宿主として MT— MMP- 3を大量生産できる。 P SGMT 2を COS— 1に導入した本 実施例では、 MT— MMP— 3の産生は短期的 ( t r a n g i e n t e x p r e s s i o n) であるが、 適当な選択マーカー (n e o遺伝子、 d e h y d r o f o l a t e r e d u c t a s e遺伝子等) を有する 発現ベクターを使用し、 C H 0細胞等に導入することにより長期間生産 可能な細胞株を得ることもできる。 実施例 5 MT— MMP— 3の C末端疎水性ァミノ酸連続配列の機能 (a) MT— MMP— 3の C末端疎水性アミノ酸連続配列と T I MP— 1 とのキメラタンパク質 (T I MP/MT- 3) 及び MT— MMP— 1 の C末端疎水性ァミノ酸連続配列と T I MP- 1とのキメラタンパク質 (T I MP/MT- 1 ) の調製
MT— MMP sの C末端疎水性ァミノ酸連続配列と T I M P— 1との キメラタンパク質の調製は、 C a 0らの MT— MMP— 1のトランスメ ンブレンドメインと T I MP— 1とのキメラタンパク質の調製法 (J. B i o l . Ch e m. , 1 3 ; 8 0 1〜8 0 5, 1 9 9 5) に準じて行 つた。
MT— MMP— 3の C末端疎水性ァミノ酸連続配列を含むァミノ酸配 列 (A 1 a 556 〜Va 1604 ) をコードする cDNA断片、 あるいは M T-MMP- 1の C末端疎水性ァミノ酸連続配列を含むァミノ酸配列 (G 1 y 53i 〜V a 1582 ) をコ一ドする c D N A断片を P C Rにより 増幅し、 断片を回収した。 PCR増幅は、 実施例 1 (b) と同様にして 行った。
得られた DNA断片それぞれを T I MP— 1 c DNAの 3' 末端側に 連結し、 p SG 5にサブクローニングすることにより T I MP— 1 /M
T- 3キメラタンパク質発現プラスミ ド p S GT 1 Μ2及び T I MP— 1 /ΜΎ- 1キメラタンパク質発現プラスミ ド p S GT 1 M 1を作製し た。 ライゲ一シヨン反応は、 ライゲ一シヨンキッ トに添付のプロトコ一 ルに従って行った。
これらのプラスミ ドの COS— 1へのトランスフエクションは実施例
4に記載と同様に行った。 5 %ゥシ胎児血清及び 2 mM 1 u t am i n eを含む DMEM中で培養した COS— 1に p S GT l M 2、 p S GT 1 M lあるいは p SGT 1それぞれをリン酸カルシウム法により ト ランスフヱクシヨンした。 対照として、 p S G 5単独で COS— 1をト ランスフエクシヨンした。 すなわち、 2 / gのプラスミ ド DNAに、 6 0〃 1の0. 2 5 M C a C を加え、 次に 2 X B B S溶液 (2. 8 mM N a 2 ΗΡΟ 及び 2 8 O mM N a C 1含有 5 0 mM BES 緩衝液、 pH 7. 9) 6 2. 5〃 1をチューブの底に加えた。 これを混 合後、 室温で 3 0分程度放置し、 沈殿形成を十分行った。 沈殿をピぺッ ティングにより分散し、 COS— 1細胞に滴下した後、 C02 インキュ ベ—ター中で約 2 4時間インキュベートした。 次に培地を除き、 細胞を P B Sで洗浄後、 35 S—メチォニンを含む新鮮なメチォニン不含 DM E Mを加えた。 培養を 5時間継続し、 細胞タンパク質を 35 Sで標識した。 遠心分離により細胞とコンディシヨン培地を分離し、 細胞は溶解緩衝 液 (0. 1 5 M N a C l、 0. 1 %S o d i urn d e o x y c h o l a t e. 0. 1 % SD S、 1 mM T r i t o n X— 1 0 0、 1 % NP— 4 0、 1 mM EDTA、 1 mM PMS F含有 l O mM T r i s— HC 1緩衝液、 pH 7. 5 ) 中で 4 ° (、 1時間インキュべ 一トした。 細胞溶解液を遠心分離し、 上清を回収した。 上清及びコンデ イ ション培地を実施例 3で得られた抗 T I MP— 1抗体 c l o n e N
o. 50— 1 H 7と 4 °Cで 1 6時間反応させた。 得られた抗原一抗体複 合体にプロティン Aを力ップリングさせたセフアロースー 4 B (P h a rma c i a) を加え、 4 °Cで 2時間攪拌しながらインキュベートし、 免疫沈降を行った。 次に、 遠心分離により免疫沈降させたモノクロ一ナ ル抗体を力ップリングしたセファロースー 4 Bを沈殿させ、 細胞溶解液 で 3回洗浄し、 最後に 0. 05 M T r i s— HC 1緩衝液、 pH 6. 8で洗浄した。 この洗浄したセファロース— 4 Bに SDSポリアク リルァミ ド電気泳動用サンプル緩衝液 (1 0% g l y c e r o l、 2 % SDS、 2 % 3-me r c ap t o e t hano 0. 1 % b r omopheno l 131リ 6含有50 1^ Tr i s—HC l緩 衝液、 pH6. 5) を加え、 100°Cで 3分間加熱した後、 12% S DSポリアクリルアミ ド電気泳動を行った。 バイオイメージアナライザ 一 BAS 1 000 (富士写真フィルム株式会社) を用いて泳動後のゲル のシグナルの検出を行った。
T IMP— 1、 T I MP- 1 /MT- 1 , T IMP— 1ZMT— 3は セルライゼート中で、 それぞれ 28、 32、 32 kD aのタンパク質と して検出された。 検出されたキメラタンパク質 T IMP- 1/MT- 1 及び T I MP- 1 ZMT— 3の分子量は、 融合遺伝子から推定される分 子量と合致した。 丁11^?ー1は、 セルライゼート中でも検出されたが、 その大半はコンディ ション培地中に検出された。 一方、 TIMP— 1Z MT— 1は、 セルライゼ一ト中からのみ検出され、 コンディ ション培地 中からは検出されなかった (J. B i 01. C h em. , 1 3 ; 80 1 〜805, 1 995 ) 。 これに対し、 T I MP— 1 /MT— 3は T I M P— 1 ZMT— 1と同様セルライゼ一卜からのみ検出され、 全く同じ局 在を示した (図 4) 。
これらの結果は、 MT— MMP— 3の C末端領域の疎水性ァミノ酸連
続配列が MT— MMP— 1の C末端領域の疎水性ァミノ酸連続配列と同 様に融合タンパク質の細胞外への分泌を抑制していることを示している
(b) 細胞表層でのキメラタンパク質の発現
MT— MMP— 3の C末端領域の疎水性ァミノ酸連続配列が実際にト ランスメンブレンドメィンとして機能しているかどうかを、 T I MP— 1 /MT— 3発現細胞の間接蛍光免疫染色により検討した。
COS— 1に pSGTlあるいは pSGT 1 M 2を実施例 4に記載の 方法と同様にリン酸カルシウム法により 卜ランスフヱクションした。 但 し、 本実施例では、 アイソ トープラベルした培地は使用せず、 細胞はス ラィ ドチャンバー上で培養した。 培養 24時間後、 細胞を 5 / gZm 1 の抗 T I MP— 1抗体 c 10 n e No. 50 - 1 H 7 3%BSA含 有 PBS中で 37 °Cで 40分間反応させた。 次に細胞を 3% BSA含 有 PBSで 3回洗浄し、 風乾後、 95% アセトンで 5分間固定した。 続いて細胞を 3% 83 含有?88に浸し、 1 500倍に希釈した f l uo r e s c en t i s o t h i o cy an a t e (F I TC) 標 識ゴート抗 (マウス I gG) I gG (Cap e 1 ) と 37 °Cで 30分間 反応させた後、 ふたたび 3 % B S A含有 P B Sで過剰な抗体を洗浄し た。 最後に g 1 y c e r i nを重層し、 蛍光顕微鏡で観察した。 その結 果、 p SGT 1 M2を発現している細胞 (キメラタンパク質 T IMP— 1ZMT— 3を発現している細胞) では、 細胞表面に蛍光が観察され、 キメラタンパク質の T I MP— 1部分が細胞表層上で発現していること が確認された。 一方 p SGT 1を発現している細胞 (キメラでない T I MP— 1を発現している細胞) では蛍光は観察されず、 細胞表層での T I MP— 1の発現は認められなかった (図 5) 。
この結果は、 MT— MMP— 3の C末端の疎水性ァミノ酸連続配列が
トランスメンブレンドメインとして機能していることを示している。 実施例 6 MT— MM P— 3の発現による潜在型 MM P— 2の活性化 実施例 4で作製した MT— MMP— 3 c DN Aをクローン化したブラ スミ ド p SG 5M2あるいは MT— MMP— 1 cDNAをクローン化し たプラスミ ド p SG 5M1あるいはベクタ一 p SG 5それぞれと、 潜在 型 MMP— 2をクローン化したプラスミ ド p SGGAを、 実施例 4に記 載したリン酸カルシウム法により COS— 1にコ トランスフヱクション した。 ただし、 : S—メチォニン含有新鮮培地の代わりに、 通常の新鮮 培地を使用した。 また、 ヒ ト線維芽細胞腫株 HT— 1 0 8 0に、 p S G T 1あるいは p SGT2あるいは p SG 5それぞれと、 p SGM2を、 同様にコ トランスフエクションした。 HT— 1 0 80は、 潜在型 MMP 一 2及び潜在型 MMP— 9を構成的に分泌しており (図 6中の 6 8 KD a及び 97. 4 kD aのバンドにそれぞれ相当) 、 また、 MT— MMP 一 3 c DNAをトランスフェクションした細胞では、 MT— MMP— 3 が発現していることを免疫沈降実験により確認した (実施例 4参照) 。 得られたトランスフヱクタントを無血清 DMEM中で 24時間培養し、 回収した培養上清をサイモグラフィーにかけた。 培養上清を S D Sポリ ァクリルァミ ド電気泳動用サンプル緩衝液 (非還元; 1 0% g 1 y c e r o l、 2 % SDS、 0. 1 % b r omo p h e n o l b 1 u e含有 50 mM T r i s— H C 1緩衝液、 p H 6. 5) と混和後 37 °Cで 2 0分間インキュベートした後、 0. 1 % g e l a t i n含有 1 0 %ポリアクリルァミ ドゲルを用い、 電流 2 0 m A、 4 °Cで電気泳動を 行った。 泳動終了後、 ゲルを 2. 5 % T r i t 0 nX- 1 0 0溶液中 で 1時間ゆっく り振盪しながら洗浄し、 次にゼラチナーゼ用緩衝液 (1
0 mM C aC " 、 0. 1 5M N a C 0. 02% N aN:< 含 有 5 0 mM T r i s— H C 1、 pH 7. 6 ) 中で 3 7 °Cで 2 4時間ゆつ く り振盪させながらインキュベードした。 緩衝液を廃棄し、 ゲルを 0. 1 % c o oma s s i e b r i 1 1 i a n t b l u e R 2 5 0 ( 5 0 %メタノ一ルー 1 0 %酢酸に溶解) で 1時間染色後、 脱色液 (5%メタノール一 7. 5 %酢酸) に浸し脱色した。 得られたザィモグ ラフィ一の結果を図 6に示した。
MT-MMP- 3 cDNAをトランスフヱクシヨンした COS— 1で は、 MT— MMP— 1 cDNAをトランスフエクシヨンした COS— 1 と同様に、 新たにそれぞれ活性中間体 MM P— 2と活性型 MM P— 2に 相当する 6 4 kDaと 6 2 kDaのバンド力く出現し、 潜在型 MM P— 2 の活性化が確認された。 一方、 ベクター p SG 5をトランスフヱクショ ンした細胞では、 潜在型 MMP— 2の 6 8 kD aのバンドのみが検出さ れ、 活性化に伴う分子量変化は観察されなかった (図 6 A) 。 .
COS— 1細胞では、 潜在型 MM P— 2発現プラスミ ド (p SGGA) をコ トランスフヱクシヨンし、 発現プラスミ ド由来の潜在型 MMP— 2 の活性化を観察したが、 潜在型 MMP— 2を構成的に発現する HT 1 0 8 0でも同様に、 MT— MMP— 3の発現に伴う潜在型 MMP— 2の活 性化が観察された。 この HT 1 0 8 0で観察された活性型 MMP— 2は、 細胞を 1 0 0 g/mlのコンカナバリン Aで処理して誘導される活性型 M MP— 2分子と同じ分子量を示し、 また抗 MMP— 2モノクローナル抗 体と特異的に反応した。 この活性化は、 ベクタ一単独をトランスフヱク シヨンしたコントロールでは観察されなかった。 一方、 潜在型 MM P— 9は、 コントロールの細胞と同様に分子量の変化は認めらず、 活性化は 認められなかった。
T I MP— 1と MT— MMP— 3、 あるいは T I MP— 2と MT— M
MP— 3をコ トランスフヱクションした細胞における潜在型 MMP— 2 の活性化は、 何れも抑制された。 その抑制の程度は T I MP— 2をコト ランスフヱクシヨンした細胞の方が、 T IMP— 1の場合よりも顕著で あり、 この傾向は MT— MMP_ 1、 MT— MMP— 3とも同様であつ た (図 6 B)。
本発明の態様のうちには、 (A) 潜在型 MMP— 2の活性化能を有す る MM Pの一種であり且つ MT— MM P— 1以外の潜在型 MM P— 2活 性化因子である天然の MT— MMPと実質的に同等な活性を有すること を特徴とするタンパク質またはその塩; (B)該タンパク質が MT— M MP— 3またはその塩と、 実質的に同等な活性を有するか、 あるいは実 質的に同等の一次構造コンフオメーションを持つものであることを特徴 とする上記 (A) 項記載のタンパク質; (C) C末端領域に、 配列表の 配列番号: 2の A l a 5fil 〜Phe5! で表されるアミノ酸配列又はそ れと実質的に同等のァミノ酸配列を有することを特徴とする上記 (A) 項又は (B) 項記載のタンパク質; (D)配列表の配列番号: 2で表さ れるァミノ酸配列又はそれと実質的に同等のァミノ酸配列を有する MT 一 MMP— 3またはその塩であることを特徴とする上記 (A)〜 (C) 項のいずれか一記載のタンパク質; (E) 外因性 DNA配列を原核生物 にお 、て発現して得たものであるか、 あるいは真核生物で発現させて得 たものであることを特徴とする上記 (A)〜(D) 項のいずれか一記載 のタンパク質; (F) 配列表の配列番号: 2で表されるアミノ酸配列又 はそれと実質的に同一のァミノ酸配列を有することを特徴とする上記 (A) 〜 (E) 項のいずれか一記載のタンパク質; (G)上記 (A)〜 (F) 項のいずれか一記載のタンパク質の部分べプチドまたはその塩; (H) 上記 (A) 〜(F) 項のいずれか一記載のタンパク質又はその部 分べプチドをコ一ドする塩基配列を有することを特徴とする核酸; ( I )
上記 (B)〜 (D) 項のいずれか一記載の MT— MMP— 3をコードす る塩基配列を有する DNA遺伝子であることを特徴とする上記 (H) 項 記載の核酸; (J) 配列表の配列番号: 1で表される塩基配列のうちォ 一プンリ一ディングフレーム部分又はそれと実質的に同等な活性を有す る塩基配列を有することを特徴とする上記 (H) 又は (I) 項記載の核 酸; (K) 上記 (H)〜(J) 項のいずれか一記載の核酸を含有するこ とを特徴とするベクター ; (L) 上記 (H) 〜 (J) 項のいずれか一記 載の核酸又は上記 (K) 項記載のベクターを保有することを特徴とする 形質転換体; (M) 上記 (L) 項記載の形質転換体を増殖可能な栄養培 地中で培養し、 組換えタンパク質として MT— MMP— 3またはその塩 を包含する上記 (A)〜(F) 項のいずれか一記載のタンパク質又はそ の部分べプチドを生成せしめることを特徴とする MT— MM P— 3また はその塩を包含する上記 (A)〜 (F) 項のいずれか一記載のタンパク 質又はその部分べプチドの製造方法にも関連する。 こうしたタンパク質 又はその部分ペプチド、 さらには核酸は標識され測定 ·検査などに用い るものであることもできる。
本発明の態様のうちには、 (a) MT— MMP— 3又はその塩を包含 する請求の範囲に記載の請求項 1〜 6のいずれか一記載のタンパク質又 はその部分べプチドを抗原として用い、 それに対する抗体を得ることを 特徴とする MT— MMP— 3を包含する請求の範囲に記載の請求項 1〜 6のいずれか一記載のタンパク質に対する抗体の製造方法; (b) MT -MMP- 3を包含する請求の範囲に記載の請求項 1〜6のいずれか一 記載のタンパク質に対する抗体; (c) 抗血清であることを特徴とする 上記 (b) 項記載の抗体; (d) モノクローナル抗体であることを特徴 とする上記 (b) 項記載の抗体; (e) MT— MMP— 3又はその塩に 対するモノクローナル抗体であることを特徴とする上記 (b) 項又は
(d) 項記載の抗体; (f ) MT— MMP— 3又はその塩を包含する請 求の範囲に記載の請求項 1〜 6のいずれか一記載のタンパク質又はその 部分べプチドまたはその塩で免疫した動物から得られた M T— MM P— 3を包含する請求の範囲に記載の請求項 1〜 6のいずれか一記載のタン パク質に対する抗体を産生する細胞を、 継代培養可能な細胞と融合せし め、 継代培養可能でかつ MT— MMP— 3を包含する請求の範囲に記載 の請求項 1〜 6の 、ずれか一記載のタンパク質に対する抗体を産生する ハイプリッ ド細胞を選別することを特徴とする上記 (d) 項又は (e) 項記載の抗体の産生方法; (g) 請求の範囲に記載の請求項 1〜 6のい ずれか一記載のタンパク質又はその部分べプチドあるいはその塩を試薬 として用いる力、、 あるいは上記 (b) 〜 (e) のいずれか一記載の抗体 を試薬として用いることを特徴とする MT— MMP— 3の検出 ·測定方 法; (h) 上記 (g) 項の MT— MMP— 3の検出 ·測定方法に用いる 標識化された MT— MMP— 3に対する抗体: ( i ) 上記 (g) 項の M T-MMP- 3の検出 ·測定方法に用いる標識化された MT— MMP— 3又はその塩あるいはその部分べプチド又はその塩を包含する請求の範 囲に記載の請求項 1〜 6のいずれか一記載の標識化されたタンパク質あ るいはその部分ペプチド又はその塩; (j ) MT— MMP— 3発現細胞 あるいは発現組織の検出 ·測定方法に用いる標識化された請求の範囲に 記載の請求項 8〜 1 0の 、ずれか一記載の核酸;及び ( k ) ハイブリダ ィゼ一シヨン 'プローブであることを特徴とする上記 (j) 項記載の核 酸なども含まれてよい。 産業上の利用可能性
潜在型 MMP— 2の活性化能を有する MMPの一種であり且つ MT—
MMP- 1以外の潜在型 MMP— 2活性化因子である天然の MT— MM
Pと実質的に同等な活性を有するタンパク質またはその塩を得ることが でき、 さらにそのタンパク質をコードする核酸が得られたことで、 癌細 胞の有無、 癌の悪性度の診断等の癌の診断治療に関わる研究に有用な診 断手段が得られることになつた。 またその他の医学的生理学的用途に有 用でもある。 本発明は特にヒ ト癌細胞表層で特異的に発現している新規 マトリックスメタロプロテアーゼ、 それをコ一ドする塩基配列を含有す る D N A、 該 D N Aで形質転換せしめた宿主細胞、 該宿主細胞を用いる 該マトリックスメタ口プロテアーゼの製造方法、 該マトリックスメタ口 プロテア一ゼタンパク質に特異的に結合するモノクロ一ナル抗体、 さら にはそれらタンパク質及び抗体の用途がそれぞれ提供され、 癌の診断、 悪性度の判定マーカ一及び癌などに対する抗転移薬剤の標的として、 細 胞表層で特異的に発現しているマトリックスメタ口プロテアーゼを研究 することが可能となった。 アルツハイマー病の研究にも資することが可 能となった。 本発明により、 有効な検知診断手段が提供される。
配 列 表
【配列番号: 1】
配列の長さ : 2107
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類: cDNA
起源
生物名: ヒト
配列
GGCTCCTTAC CCACCCGGAG ACTTTTTTTT GAAAGGAAAC TAGGGAGGGA GGGAGAGGGA 60 GAGAGGGAGA AAACGAAGGG GAGCTCGTCC ATCCATTGAA GCACAGTTCA CT ATG 115
Met
1
ATC TTA CTC ACA TTC AGC ACT GGA AGA CGG TTG GAT TTC GTG CAT CAT 163 l ie Leu Leu Thr Phe Ser Thr Gly Arg Arg Leu Asp Phe Val Hi s Hi s
5 10 15
TCG GGG GTG TTT TTC TTG CAA ACC TTG CTT TGG ATT TTA TGT GCT ACA 211 Ser Gly Val Phe Phe Leu Gin Thr Leu Leu Trp He Leu Cys Ala Thr
20 25 30
GTC TGC GGA ACG GAG CAG TAT TTC AAT GTG GAG GTT TGG TTA CAA AAG 259 Val Cys Gly Thr Glu Gin Tyr Phe Asn Val Glu Val Trp Leu Gin Lys
35 40 45
TAC GGC TAC CTT CCA CCG ACT AGC CCC AGA ATG TCA GTC GTG CGC TCT 307 Tyr Gly Tyr Leu Pro Pro Thr Ser Pro Arg Met Ser Val Val Arg Ser
50 55 60 65
GCA GAG ACC ATG CAG TCT GCC CTA GCT GCC ATG CAG CAG TTC TAT GGC 355 Ala Glu Thr Met Gin Ser Ala Leu Ala Ala Met Gin Gin Phe Tyr Gly
70 75 80
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85 90 95
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100 105 110
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115 120 125
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580 585 590
CTG TAC TGT AAA CGC TCT ATG CAA GAG TGG GTG TGATGTAGGG TTTTTTCTTC 1944 Leu Tyr Cys Lys Arg Ser Met Gin Glu Trp Val
595 600 604
TTTCTTTCTT TTGCAGGAGT TTGTGGTAAC TTGAGATTCA AGACAAGAGC TGTTATGCTG 2004
TTTCCTAGCT AGGAGCAGGC TTGTGGCAGC CTGATTCGGG GCTGACCTTT CAAACCAGAG 2064
GGTTGCTTGG TCCTGCACAT GAGTGGAAAT ACACTCATGG GGA 2107
【配列番号: 2】
配列の長さ : 604
配列の型:アミノ酸
配列の種類: タンパク質
起源
生物名: ヒ ト
配列
Met lie Leu Leu Thr Phe Ser Thr Gly Arg Arg Leu Asp Phe Val His
1 5 10 15
His Ser Gly Val Phe Phe Leu Gin Thr Leu Leu Trp lie Leu Cys Ala
20 25 30
Thr Val Cys Gly Thr Glu Gin Tyr Phe Asn Val Glu Val Trp Leu Gin
35 40 45
Lys Tyr Gly Tyr Leu Pro Pro Thr Ser Pro Arg Met Ser Val Val Arg
50 55 60
Ser Ala Glu Thr Met Gin Ser Ala Leu Ala Ala Met Gin Gin Phe Tyr
65 70 75 80
Gly lie Asn Met Thr Gly Lys Val Asp Arg Asn Thr lie Asp Trp Met
85 90 95
Lys Lys Pro Arg Cys Gly Val Pro Asp Gin Thr Arg Gly Ser Ser Lys
100 105 110
Phe His lie Arg Arg Lys Arg Tyr Ala Leu Thr Gly Gin Lys Trp Gin
115 120 125
His Lys His lie Thr Tyr Ser lie Lys Asn Val Thr Pro Lys Val Gly
130 135 140
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Thr Met Asp Pro Gly Tyr Pro Lys Pro lie Thr Val Trp Lys Gly lie 455 470 475 480
Pro Glu Ser Pro Gin Gly Ala Phe Val His Lys Glu Asn Gly Phe Thr
485 490 495
Tyr Phe Tyr Lys Glu Gly Val Leu Glu lie Gin Thr Thr Arg Tyr Ser
500 505 510
Arg Leu Glu Pro Gly His Pro Arg Ser lie leu Lys Asp Leu Ser Gly
515 520 525
Cys Asp Gly Pro Thr Asp Arg Val Lys Glu Gly His Ser Pro Pro Asp 530 535 540
Asp Val Asp lie Val lie Lys Leu Asp Asn Thr Ala Ser Thr Val Lys 545 550 555 560
Ala lie Ala lie Val lie Pro Cys lie Leu Ala Leu Cys Leu Leu Val
565 570 575 Leu Val Tyr Thr Val Phe Gin Phe Lys Arg Lys Gly Thr Pro Arg His
580 585 590 lie Leu Tyr Cys Lys Arg Ser Met Gin Glu Trp Val
595 600 604
【配列番号: 3】
配列の長さ : 20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成 DNA
配列
SGNVVNGCWG AYATMRTSAT 20
【配列番号: 4】
配列の長さ : 27
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成 DNA
配列
YTCRTSNTCR TCRAARTGRR HRTCYCC 27
【配列番号: 5】
配列の長さ : 14
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ぺプチド
配列
Gin Thr Arg Gly Ser Ser Lys Phe His lie Arg Arg Lys Arg
1 5 10 14
【配列番号: 6】
配列の長さ : 14
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ぺプチド
配列
Glu Glu Val Pro Tyr Ser Glu Leu Glu Asn Gly Lys Arg Asp
1 5 10 14
【配列番号: Ί】
配列の長さ : 18
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ぺプチド
配列
Pro Thr Ser Pro Arg Met Ser Val Val Arg Ser Ala Glu Thr Met Gin 1 5 10 15
Ser Ala
18
【配列番号: 8】
配列の長さ : 14
配列の型: アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ぺプチド
配列
Thr Leu Gly Asn Pro Asn His Asp Gly Asn Asp Leu Phe Leu 1 5 10 14