明 細 書 車両用周辺表示装置 <技術分野 >
本発明は、 車両に搭載したカメラで車両の周辺を撮像して、 この撮像した車両 の周辺の映像をモニタ表示部に画面表示する車両用周辺表示装置に関する。
<背景技術 >
従来、 このような車両用周辺表示装置としては車両の周辺を撮像するために複 数のカメラを搭載し、 これら複数のカメラにて撮像された、 異なるビュー角度の 映像デ一夕を合成することで、 車両の周辺を車両内部のモニタ表示部に画面表示 するようにしていた。
しかしながら、 上記従来の車両用周辺表示装置によれば、 車両の周辺をモニタ 表示する為には、 車両の周辺を全て撮像するための複数のカメラを搭載する必要 があるといった問題点があった。
また、 上記従来の車両用周辺表示装置によれば、 車両の周辺をリアルタイムに モニタ表示することはできても、 例えば車両の車体下部の路面を撮像するカメラ の搭載位置を考えると、その車体下部の路面までもモニタ表示することはできず、 さらには過去における車両の周辺を再びモニタ表示することもできないといった 問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、 車両の周辺を全て撮像する複数のカメラを搭載しなくても、 車両の車体下部の路 面はもちろんのこと、 過去における車両の周辺をもモニタ表示することができる 車両用周辺表示装置を提供することにある。 ぐ発明の開示 >
上記目的を達成するために本発明の車両用周辺表示装置は、 車両の周辺を撮像
する撮像手段と、 前記車両の自車位置を位置情報として検出する位置情報検出手 段と、 前記撮像手段にて撮像された車両の周辺の映像データ及び、 前記撮像され た車両の位置情報を記憶するデータ記憶手段と、 前記位置情報検出手段にて検出 された位置情報に対応する映像データを、 前記データ記憶手段から読み出して、 前記映像データに前記車両の形を表した映像データを合成する映像合成手段と、 前記映像合成手段にて合成した映像データを表示手段に表示させる表示制御手段 とを有するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 撮像された車両の周辺の映像 デ一夕及び、 その撮像時における車両の位置情報をデータ記憶手段に順次記憶し ておき、前記位置情報検出手段にて検出された位置情報に対応する映像データを、 前記データ記憶手段から読み出して、 この映像データに前記車両の形を表した映 像データを合成し、 この合成した映像データを表示手段に表示するようにしたの で、 車両の周辺を全て撮像する複数のカメラを搭載しなくても、 車両の車体下部 の路面はもちろんのこと、 過去における車両の周辺をもモニタ表示することがで ぎる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記撮像手段にて撮像された車両の周辺の現 在の映像データと、 前記撮像された車両の位置情報に対応した、 前記データ記憶 手段に記憶されている映像データとを比較する映像データ比較手段を有し、 前記 位置情報検出手段は、 前記映像データ比較手段の比較結果に基づいて、 検出され た現在の位置情報を補正するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 撮像された車両の周辺の現在 の映像データと、 前記撮像された車両の位置情報に対応した、 前期デ一夕記憶手 段に記憶されている映像データとを比較し、 この比較結果に基づいて、 現在の位 置情報を補正するようにしたので、 その車両の現在位置情報の精度を上げること ができる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記位置情報検出手段が、 前記車両の操舵角 に相当する操舵量を検出する操舵量検出手段と、 前記車両の走行距離に相当する 走行量を検出する走行距離検出手段と、 前記操舵量検出手段にて検出された操舵
量及び前記走行距離検出手段にて検出された走行量に積分処理を施すことで、 前 記車両の自車位置を位置情報として算出する積分処理手段とを有するようにした c 従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 前記車両の操舵量及び走行量 に積分処理を施すことで、 簡単に車両の自車位置を位置情報として算出すること ができる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記撮像手段にて撮像された車両の周辺の現 在の映像データと、 前記撮像された車両の位置情報に対応した、 前記データ記憶 手段に記憶されている過去の映像データとを比較する映像データ比較手段と、 前 記映像データ比較手段にて現在の映像デ一夕と過去の映像デ一夕と重複する部分 の誤差に基づいて、 現在の位置情報を補正すべく、 前記積分処理手段による積分 処理の補正係数を算出する補正係数算出手段とを有するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 前記撮像された車両の周辺の 現在の映像データと過去の映像データとを比較し、 これら現在の映像データと過 去の映像データとが重複する部分の誤差に基づいて積分処理の補正係数を算出す るようにしたので、 前記積分処理手段による位置情報の算出精度を大幅に向上さ せることができる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記映像合成手段が、 現在の位置情報に対応 する映像データ及び、 その現在の位置情報に隣接する位置情報に対応する映像デ 一夕に基づいて三次元映像デ一夕を生成し、 この三次元映像デ一夕に車両の映像 データを合成するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 現在の位置情報及び、 その隣 接する位置情報に対応した複数の映像デ一夕に基づいて三次元映像データを生成 し、 この三次元映像デ一夕に車両の映像デ一夕を合成するようにしたので、 立体 映像でモニタ表示することができる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記データ記憶手段に記憶された複数の位置 情報及び、 各位置情報に対応した過去の映像データに基づいて映像地図を生成す る映像地図生成手段を有し、 前記表示制御手段が、 前記映像地図生成手段にて生 成された映像地図を前記表示手段に表示するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 データ記憶手段に記憶された 複数の位置情報及び、 各位置情報に対応した過去の映像データに基づいて映像地 図を生成し、 この映像地図を表示手段に表示するようにしたので、 従来の地図で は得られないような現実の映像を地図として用いることで、 ユーザーの利便性を 大幅に図ることができる。
本発明の車両用周辺表示装置は、 前記撮像手段が、 前記車両後方を撮像する後 方撮像手段と、 前記車両前方を撮像する前方撮像手段とを備え、 前記車両の進行 方向を検出する進行方向検出手段と、 前記進行方向検出手段にて前記車両の前進 を検出すると、 前記前方撮像手段のみによる撮像動作を実行し、 前記進行方向検 出手段にて前記車両の後進を検出すると、 前記後方撮像手段のみによる撮像動作 を実行する制御手段とを有するようにした。
従って、 本発明の車両用周辺表示装置によれば、 進行方向検出手段にて車両の 前進を検出すると、 前方撮像手段のみによる撮像動作を実行し、 前記進行方向検 出手段にて車両の後進を検出すると、 後方撮像手段のみによる撮像動作を実行す るようにしたので、 ユーザーによる後方撮像手段及び前方撮像手段の切替操作を 行わなくても、 より多くの映像デ一夕を採り込むことで、 さらに一層の効果を上 げることができる。 ぐ図面の簡単な説明 >
図 1は、 本発明の実施の形態に示す車両用周辺表示装置内部の概略構成を示す ブロック図である。
図 2は、 本実施の形態に示す車両用周辺表示装置を採用した車両の使用状況を 示す説明図である。
図 3は、 本実施の形態に示す車両用周辺表示装置の周辺表示処理に関わる C P Uの処理動作を示すフロー図である。
図 4は、 本実施の形態における周辺表示処理における平面表示を立体化表示す る場合の C P Uの処理動作を示すフロー図である。
なお、 図中の符号、 1は車両用周辺表示装置、 1 1はカメラ (撮像手段)、 1 2
は車両センサ (位置情報検出手段)、 1 2 aは操舵センサ (操舵量検出手段)、 1 2 bは車輪回転センサ (走行距離検出手段)、 1 5はメモリ (データ記憶手段)、 1 5 aは映像メモリ領域(データ記憶手段)、 1 5 bは車両位置情報メモリ領域(デ —夕記憶手段)、 1 6はモニタ表示部 (表示手段)、 2 0は C P U、 2 1は積分処 理部 (積分処理手段)、 2 4はメモリ制御部 (映像合成手段)、 2 5は映像合成処 理部 (映像合成手段)、 2 6は表示制御部 (表示制御手段)、 2 7は映像データ比 較処理部 (映像データ比較手段)、 2 8は補正係数算出部 (補正係数算出手段)、 2 9は映像立体視化処理部(映像合成手段)、 3 0は映像地図生成部(映像地図生 成手段) である。
<発明を実施するための最良の形態 >
以下、 図面に基づいて本発明の実施の形態を示す車両用周辺装置について説明 する。 図 1は本実施の形態に示す車両用周辺装置内部の概略構成を示すプロック 図、 図 2は本実施の形態に示す車両用周辺装置を採用した車両の概略構成を示す 説明図である。
図 1に示す車両用周辺表示装置 1は、 車両 2の周辺を撮像する撮像手段である カメラ 1 1と、 車両 2の自車位置を位置情報として検出するための車両センサ 1 2と、 カメラ 1 1にて撮像された車両 2の周辺の映像データを採り込むカメラ映 像バッファ 1 3と、 このカメラ映像バッファ 1 3に採りこまれた映像デ一夕をデ ィジタル変換する A/Dコンパ一夕 1 4と、 ディジ夕ル変換された映像データを 順次記憶すると共に、 様々なデータを記憶するデータ記憶手段であるメモリ 1 5 と、 様々な映像デ一夕を画面表示する表示手段であるモニタ表示部 1 6と、 警告 等を表示する警告表示部 1 7と、 C P Uバス 1 8を通じて車両用周辺表示装置 1 全体を制御する C P U 2 0とを有している。
車両センサ 1 2は、 車両 2の操舵角に相当する操舵量を検出する操舵量検出手 段である操舵センサ 1 2 aと、 車両 2の走行距離に相当する走行量を検出する走 行距離検出手段である車輪回転センサ 1 2 bとを有している。
C P U 2 0は、 操舵センサ 1 2 aにて検出された操舵量及び車輪回転センサ 1
2 bにて検出された走行量に積分処理を施すことで、 車両 2の自車位置を位置情 報として算出する積分処理手段である積分処理部 2 1と、 算出された位置情報を 取り込む積分バッファ 2 2と、 メモリ 1 5に記憶された映像データにカメラビュ —角の変更処理等を施す映像加工処理部 2 3と、 メモリ 1 5に映像データ及び、 この映像データを撮像した位置情報を対応づけて記憶制御する映像合成手段であ るメモリ制御部 2 4と、 メモリ制御部 2 4にて現在の位置情報に対応した過去の 映像データをメモリ 1 5から読み出して、 この過去の映像デ一夕に、 図 2 (b )に 示すような車両形状データ Xを合成する映像合成手段である映像合成処理部 2 5 と、 この映像合成処理部 2 5にて合成した映像データをモニタ表示部 1 6に表示 させる表示制御手段である表示制御部 2 6と、 カメラ 1 1にて撮像された車両 2 の周辺の現在の映像デ一夕と、 撮像された車両 2の周辺の現在の位置情報に対応 した過去の映像データとを比較する映像データ比較手段である映像データ比較処 理部 2 7と、 この映像デ一夕比較処理部 2 7にて現在の映像データと過去の映像 データとで重複する部分の誤差に基づいて、 現在の位置情報を補正すべく、 積分 処理部 2 1による積分処理の補正係数を算出する補正係数算出手段である補正係 数算出部 2 8とを有している。
さらに、 C P U 2 0は、 隣接する位置情報にかかわる二枚の映像データから同 一撮像対象物に関わる同一対象点の画面上の位置変化を求め、 車両 2の移動距離 と画面上の位置変化から対象点の三次元座標を求めることで、 三次元映像データ を生成する映像合成手段である映像立体視化処理部 2 9と、 メモリ 1 5に記憶さ れた複数の位置情報及び、 各位置情報に対応した過去の映像データに基づいて映 像地図を生成する映像地図生成手段である映像地図生成部 3 0とを有している。 メモリ 1 5には、 カメラ 1 1にて撮像された映像デ一夕を順次記憶する映像メ モリ領域 1 5 aと、 映像データと対応づけて、 その映像データを撮像したときの 車両 2の位置情報を記憶する位置情報メモリ領域 1 5 bと、 映像合成処理部 2 5 にて合成される車両 2の自車形状データ Xを記憶した自車形状データメモリ領域 1 5 cと、 カメラ 1 1の設置位置、 カメラ 1 1のビュー角、 カメラ 1 1の歪仕様、 自動/手動や車速方向に依存したモニタ表示部 1 6の表示範囲仕様等の初期設定
値を記憶した初期設定値メモリ領域 1 5 dとを有している。
図 2は本実施の形態に示す車両用周辺表示装置 1を採用した車両 2の外親構成 を示す説明図である。
図 2 ( a ) に示すように車両 2の後部には、 その車両 2の後方範囲 Zを撮像す るカメラ 1 1を設置し、 車両運転席内部にはモニタ表示部 1 6を備え、 カメラ 1 1にて撮像した映像をモニタ表示部 1 6に表示させるようにしている。
次に本実施の形態に示す車両用周辺表示装置 1の動作について説明する。 図 3 は本実施の形態に示す車両用周辺表示装置 1の周辺表示処理に関わる C P U 2 0 の処理動作を示すフロー図である。
図 3に示す周辺表示処理とは、 通常、 カメラ 1 1にて撮像された車両 2の周辺 の映像データ及び、 その車両 2の周辺の撮像位置である車両 2の位置情報を対応 づけてメモリ 1 5に記憶し、 さらに、 現在の位置情報に対応する過去の映像デー 夕がメモリ 1 5に記憶されていると判定されると、 この過去の映像データに自車 形状の映像データ Xを合成することで、 この合成した映像デ一夕をモニタ表示す る処理である。
図 3に示す C P U 2 0は、 初期設定値メモリ領域 1 5 dに記憶中の初期設定値 を読み出し、 例えばモニタ表示部 1 6の表示範囲仕様を設定することでモニタ表 示部 1 6の表示範囲を設定したり、 例えばカメラ画角、 歪仕様、 カメラ設置位置 や方向等を設定することでカメラ仕様を設定したりする、初期設定を実行する(ス テツプ S 1 1 )。
C P U 2 0は、 初期設定を実行した後、 現在のモードがモニタ表示部 1 6に車 両 2の周辺をモニタ表示させる表示モードであるか否かを判定する(ステツプ S 1 2 )。 尚、 表示モード等のモード設定は、 モニタ表示部 1 6に準備した操作キ一 によって設定可能である。
現在モードが表示モードではないと判定されると、 モニタ表示は行わずに車両 2の周辺の映像を取得するだけの映像取得モードであると判定し、 カメラ 1 1に て順次撮像される映像デ一夕を取得してカメラ映像バッファ 1 3に採り込む(ス テヅプ S 1 3 )。
さらに、 C P U 2 0の積分処理部 2 1は、 このカメラ 1 1にて撮像された車両 位置を検出するために、 操舵センサ 1 2 aからの操舵量及び車輪回転センサ 1 2 bからの走行量に積分処理を施すことで、車両の現在位置情報を検出する(ステツ プ S 1 4 )。
C P U 2 0のメモリ制御部 2 4は、 検出された車両の現在位置情報に対応する 過去の映像デ一夕が映像メモリ領域 1 5 a内に記憶されているか否かを判定する (ステップ S 1 5 )o
メモリ制御部 2 4は、 映像メモリ領域 1 5 a内に現在位置情報に対応した映像 データが記憶されていると判定すると、 ステップ S 1 3にてカメラ映像バッファ
1 3に採りこまれた映像データをディジ夕ル変換して、 この映像データを映像メ モリ領域 1 5 a内に記憶すると共に、 この映像データと対応づけて、 ステップ S
1 4にて検出した車両の位置情報を車両位置情報メモリ領域 1 5 bに記憶する (ステツプ S 1 6 )。
さらに、 映像デ一夕比較処理部 2 7は、 この車両位置情報に対応する現在の映 像デ一夕と過去の映像デ一夕とを比較することで、 現在の映像データと過去の映 像データとで重複する部分の誤差を検出する(ステップ S 1 7 )。
補正係数算出部 2 8は、 映像デ一夕比較処理部 2 7にて検出した誤差に基づい て、 現在の位置情報を補正すべく、 積分処理部 2 1による積分処理の補正係数を 算出し(ステップ S 1 8 )、 この算出した補正係数を積分処理部 2 1に設定し(ステ ップ S 1 9 )、 さらなる映像を取得すべく、 図中の M lに移行する。
また、 メモリ制御部 2 4が、 ステップ S 1 5にて現在の車両位置に対応する過 去の映像データが記憶されていないと判定すると、 ステップ S 1 3にて取得した 映像デ一夕を映像メモリ領域 1 5 aに記憶すると共に、 この映像データと対応づ けて、 ステップ S 1 4にて検出した車両の現在位置情報を車両位置情報メモリ領 域 1 5 bに記憶して (ステップ S 2 0 )、 さらなる映像を取得すべく、 図中の M 1 に移行する。
また、 ステップ S 1 2にて現在モードが表示モードであると判定されると、 力 メラ 1 1にて撮像した映像データをカメラ映像バッファ 1 3に採り込み(ステツ
プ S 2 1 )、 さらに積分処理部 2 1を通じて車両の現在位置情報を検出する(ステ ップ S 2 2 )。
メモリ制御部 2 4は、 現在の車両位置情報に対応する過去の映像デ一夕が映像 メモリ領域 1 5 aに記憶されているか否かを判定する(ステップ S 2 3 )。
メモリ制御部 2 4は、 現在の車両位置情報に対応する過去の映像データが映像 メモリ領域 1 5 a内に記憶されているものと判定されると、 ステップ S 2 0にて 取得された映像デ一夕を映像メモリ領域 1 5 aに記憶すると共に、 この映像デ一 夕と対応づけて、 ステップ S 2 1にて検出した現在位置情報を車両位置倩報メモ リ領域 1 5 bに記憶する(ステップ S 2 4 )。
さらに、 映像デ一夕比較処理部 2 7は、 この車両位置情報に対応する現在の映 像デ一夕と過去の映像データとを比較することで、 現在の映像データと過去の映 像デ一夕とで重複する部分の誤差を検出する(ステップ S 2 5 )。
補正係数算出部 2 8は、 映像データ比較処理部 2 7にて検出した誤差に基づい て、 現在の位置情報を補正すべく、 積分処理部 2 1による積分処理の補正係数を 算出し(ステップ S 2 6 )、 この算出した補正係数を積分処理部 2 1に設定する(ス テツプ S 2 7 )。
さらに映像合成処理部 2 5は、 過去の映像データと現在の映像デ一夕とで合成 の映像データを生成し、 過去の映像デ一夕と現在の映像データとで重複する範囲 については新しい映像側を選択することで、 モニタ表示部 1 6に表示する車両 2 の周辺の映像データを生成する(ステップ S 2 8 )。
さらに、 映像合成処理部 2 5は、 自車形状データメモリ領域 1 5 cに記憶中の 自車形状データ Xを読み出し、 この自車形状デ一夕 Xをステップ S 2 8にて生成 された映像データと合成する(ステップ S 2 9 )。
表示制御部 2 6は、 ステップ S 2 9にて合成した映像デ一夕をモニタ表示部 2 6にモニタ表示させ (ステップ S 3 0 )、 さらなる映像を取得すべく、 図中の M 2 に移行する。 尚、 このように従来においては、 リアルタイムで取得した映像デー 夕ではモニタ表示できないような車両 2の下部の映像をも、 過去の映像デ一夕を 利用することでモニタ表示することができる。
メモリ制御部 2 4は、 ステップ S 2 3にて現在位置情報に対応する過去の映像 デ一夕が映像メモリ領域 1 5 a内に記憶されていないと判定されると、 ステップ S 2 1にて取得された映像データを映像メモリ領域 1 5 aに記憶すると共に、 こ の映像データと対応づけて、 ステップ S 2 2にて検出された車両位置情報を車両 位置情報メモリ領域 1 5 bに記憶する(ステップ S 3 l ) o
さらに映像合成処理部 2 5は、 自車形状デ一夕メモリ領域 1 5 cに記憶中の自 車形状データ Xを読み出し、 この自車形状データ Xを現在の車両位置情報に対応 した映像データと合成する(ステップ S 3 2 )。
表示制御部 2 6は、 ステップ S 3 2にて合成した映像データをモニタ表示部 2 6にモニタ表示させ(ステップ S 3 3 )、 さらなる映像を取得すべく、 図中の M 2 に移行する。
尚、 図 3に示す周辺表示処理によれば、 モニタ表示部 1 6に表示される映像は 平面表示であるが、 図 3に示す処理動作 Aを図 4に示すような処理動作に置き換 えることで、 その映像を立体的に表示することもできる。 図 4は立体表示に関わ る C P U 2 0の処理動作を示すフロー図である。
この立体表示処理は、 例えばモニタ表示部 1 6の操作キーに準備した立体表示 起動キーの入力によって、 立体表示処理を起動するものである。
図 4に示すようにステップ S 2 3, 2 4 , 2 5, 2 6, 2 7の処理動作を行つ た後、 映像立体視化処理部 2 9は、 映像メモリ領域 1 5 aに記憶中の現在の位置 情報に対応する映像データと、 その現在の位置情報に隣接する位置情報に対応す る映像データとを比較し、 この二枚の映像データから同一撮像対象物に関わる同 一対象点の画面上の位置変化を求め、 車両 2の移動距離と画面上の位置変化から 対象点の三次元座標を求めることで、三次元映像データを生成する(ステップ S 4 さらに映像立体視化処理部 2 9は、 その撮像対象物と車両との間隔を算出する (ステップ S 4 2 )。 映像合成処理部 2 5は、 映像立体視化処理部 2 9にて算出さ れた撮像対象物及び車両間の間隔に基づいて、 自車形状データメモリ領域 1 5 c から読み出した自車形状データ Xを、生成した三次元映像デ一夕と合成する(ステ
ッブ S 4 3 )。
そして、 映像合成処理部 2 5は、 この合成した三次元映像データをモニタ表示 部 1 6に立体表示して(ステップ S 4 4 )、 図 3に示す M 2に移行する。
また、 ステップ S 2 3, 3 1の処理動作を行った後、 映像立体視化処理部 2 9 は、 映像メモリ領域 1 5 aに記憶中の現在の位置情報に対応する映像デ一夕と、 その現在の位置情報に隣接する位置情報に対応する映像データとを比較し、 この 二枚の映像データから同一撮像対象物に関わる同一対象点の画面上の位置変化を 求め、 車両 2の移動距離と画面上の位置変化から対象点の三次元座標を求めるこ とで、 三次元映像データを生成する(ステップ S 4 5 )。
さらに映像立体視化処理部 2 9は、 その撮像対象物と車両 2との間隔を算出す る(ステップ S 4 6 )。 映像合成処理部 2 5は、 映像立体化視処理部 2 9にて算出 された撮像対象物及び車両間の間隔に基づいて、 自車形状データメモリ領域 1 5 cから読み出した自車形状データ Xを、生成した三次元映像データと合成する(ス テツブ S 4 7 )o
そして、 映像合成処理部 2 5は、 この合成した三次元映像データをモニタ表示 部 1 6に立体表示して(ステップ S 4 8 )、 図 3に示す M 2に移行する。
尚、 自車形状データ Xを三次元映像データに合成するために、 ステップ S 4 2, 4 6にて撮像対象物及び車両間の間隔を算出するようにしたが、 さらに、 このよ うに間隔を算出することで、 その後、 C P U 2 0は、 車両 2が当該撮像対象物に 所定距離まで接近したことを検知すると、 車両が撮像対象物に衝突するおそれが ある旨の警告を、 警告表示部 1 7を通じてユーザーに通知すると共に、 その衝突 を避ける為の操舵ガイ ドを、 警告表示部 1 7を通じて回避策表示をユーザーに通 知するようにもしている。
また、 本実施の形態においては、 このように映像メモリ領域 1 5 a及び車両位 置情報メモリ領域 1 5 bに記憶した映像デ一夕及び車両位置情報を利用すること で、 次に説明するような映像地図も作成することができる。
C P U 2 0の映像地図生成部 3 0は、 映像メモリ領域 1 5 a及び車両位置情報 メモリ領域 1 5 bに記憶した位置情報及び、 各位置情報に対応した過去の映像デ
一夕に基づいて映像地図を生成する。
表示制御部 2 6は、 映像地図生成部 3 0にて生成した映像地図をモニタ表示部 1 6に表示する。
本実施の形態によれば、 車両 2の周辺の映像デ一夕及び、 その撮像時における 車両の位置情報を映像メモリ領域 1 5 a及び車両位置情報メモリ領域 1 5 bに順 次記憶しておき、 現在の車両 2の位置情報に対応する過去の映像デ一夕を、 映像 メモリ領域 1 5 aから読み出して、 この過去の映像データに自車形状データ Xを 合成し、この合成した映像デ一夕をモニタ表示部 1 6に表示するようにしたので、 車両 2の周辺を全て撮像する複数のカメラ 1 1を搭載しなくても、 車両 2の車体 下部の路面はもちろんのこと、 過去における車両 2の周辺をもモニタ表示するこ とができる。
このように車両 2の車体下部の路面をモニタ表示することができるようにした ので、 例えば車両 2を車庫入れするような場合には、 そのモニタ表示によって、 その車庫入れ作業を良好にすることができる。
また、 本実施の形態によれば、 現在の車両 2の位置情報に関わる、 現在の映像 データと過去の映像データとを比較し、 これら現在の映像データと過去の映像デ —夕とが重複する部分の誤差に基づいて積分処理の補正係数を算出するようにし たので、 積分処理部 2 1による位置情報の算出精度を大幅に向上させることがで ぎる。
また、 本実施の形態によれば、 現在の位置情報及び、 その隣接する位置情報に 対応した複数の映像データに基づいて三次元映像デ一夕を生成し、 この三次元映 像デ一夕に自車形状データ Xを合成するようにしたので、 立体映像でモニタ表示 することができる。
また、 本実施の形態によれば、 映像メモリ領域 1 5 a及び車両位置情報メモリ 領域 1 5 bに記憶された複数の位置情報及び、 各位置情報に対応した過去の映像 データに基づいて映像地図を生成し、 この映像地図をモニタ表示部 1 6に表示す るようにしたので、 従来の地図では得られないような現実の映像を地図として用 いることで、 ユーザーの利便性を大幅に図ることができる。
尚、 上記実施の形態においては、 車両 2の後部にカメラ 1 1を設置した例をあ げて説明したが、 車両 2の後方範囲を撮像するカメラとしての後方撮像手段と、 車両 2の前方範囲を撮像するカメラとしての前方撮像手段とを備え、 さらに C P U 2 0に、 例えば車両 2のギアレンジを検出することで、 車両 2の進行方向を検 出する進行方向検出手段と、 進行方向検出手段にて車両 2の前進を検出すると、 前方撮像手段のみによる撮像動作を実行し、 進行方向検出手段にて車両 2の後進 を検出すると、 後方撮像手段のみによる撮像動作を実行する制御手段とを設ける ようにすれば、 ユーザーによる後方撮像手段及び前方撮像手段の切替操作を行わ なくても、 より多くの映像データを採り込むことで、 さらに一層の効果を上げる ことができる。
また、 上記実施の形態においては、 走行中の車両 2の周辺を映像データとして 映像メモリ領域 1 5 aに記憶するようにしたので、 車両走行停止後、 所定操作に 応じて、 その映像メモリ領域 1 5 aの内容をモニタ表示部 1 6で再生表示可能と することで、 例えば自動車教習所で使用される車両に使用した場合、 その教習者 は、 そのモニタ表示部 1 6に表示される映像を見ることで、 自分の運転状況を客 観的に認識することができる。
<産業上の利用可能性 >
上記のように構成された本発明の車両用周辺表示装置によれば、 撮像された車 両の周辺の映像デ一夕及び、 その撮像時における車両の位置情報をデータ記憶手 段に順次記憶しておき、 現在の車両の位置情報に対応する映像データを、 前記デ 一夕記憶手段から読み出して、 この映像デ一夕に前記車両の形を表した映像デー 夕を合成し、 この合成した映像データを表示手段に表示するようにしたので、 車 両の周辺を全て撮像する複数のカメラを搭載しなくても、 車両の車体下部の路面 はもちろんのこと、 過去における車両の周辺をもモニタ表示することができる。