WO2003008019A1 - Wing-like needle protector - Google Patents

Description

明 細 書 翼状針用プロテクター 技術分野

本発明は、 インシュリンの筋肉注射等に用いられる翼状釙用のプロテ クタ一に関するものである。 背景技術

インシユリンの筋肉注射等の医療行為に用いられる針として、 中空針 を備えると共に、 該中空針の後端を保持する保持筒と一体に形成された 1対の翼片を備える翼状針が知られている。 前記保持筒と翼状針とは、 .. 例えば軟質ポリ塩化ビニル等の軟質樹脂により形成されている。

前記翼状針を用いる場合、 医師、 看護婦等の医療行為者は、 まず前記 中空針に嵌着されているプロテクターを外して、 前記軟質樹脂からなる

1対の翼片を重ね合わせて把持し、 次いで前記中空針を患者の腹部等の 筋肉に穿刺する。 そして、 前記 1対の翼片を、 前記保持筒を中心として その左右に開いて粘着テープで患者の腹部等に止めることにより、 前記 筋肉注射の間、 前記中空針を固定する。

前記翼状針は、 前記筋肉注射が終了したならば、 患者の体内から抜去 されて廃棄されるが、 このとき前記中空針が露出していると、 前記医療 関係者や廃棄に従事する者が誤って該中空釙を自己の手指等に穿刺する (以下、 誤穿刺と略記する） ことがある。 ここで、 前記患者が H I V、 急性肝炎等の感染症に罹患していると、 前記感染症が前記中空針を介し て前記医療関係者や廃棄に従事する者に感染する虞がある。

そこで、 従来、 前記誤穿刺を防止するために、 使用前に外した前記プ ロテク夕一を使用済の中空針に再び嵌着すること （リキャップ） が行わ れている。 前記従来のプロテクターは、 前記中空針に相当する長さを備 える中空の円筒状体であり、 前記リキャップは、 該プロテクターと前記 中空針とを該中空針の延長方向に相互に近接させて、 該中空針をその先 端から該プロテクターの開口端部に挿入することにより行われる。

しかしながら、 前記プロテクターでは、 該プロテクターを把持してい る手指が該中空針の先端部の移動方向に位置するため、 前記リキヤップ の際に該中空針の先端部が該手指に誤穿刺されることがあるとの不都合 がある。 発明の開示

本発明は、 かかる不都合を解消して、 誤穿刺を確実に防止して、 安全 に中空針に嵌着することができる翼状針用のプロテクターを提供するこ とを目的とする。

かかる目的を達成するために、 本発明の翼状針用のプロテク夕一の第 1の態様は、 中空針と、 該中空針の後端を保持する保持筒と、 該保持筒 と一体に形成された重ね合わせ自在の 1対の翼片とを備える翼状針を収 容するプロテク夕一において、 該中空針と保持筒と重ね合わされた状態 の翼片とを収容する樋状部材と、 該樋状部材の底面から外方に突出して 形成された把持部とを備え、 前記樋状部材は、 該中空針を収容する部分 の先端部が閉塞されていると共に、 該保持筒を収容する部分の後端部が 開放されていて、 底部に該保持筒が嵌合されるように該樋状部材の側壁 の間隔が狭められた狭窄部を備え、 該保持筒が該狭窄部に嵌合されて係 合することを特徴とする。

本発明のプロテクターの第 1の態様によれば、 前記翼状針の中空針、 保持筒と共に、 前記翼片が重ね合わされた状態で、 前記樋状部材に収容 される。 そこで、 医師、 看護婦等の医療関係者は、 前記重ね合わされた 状態で収容されている翼片を把持して前記プロテクターから前記翼状針 を引き出し、 そのまま使用することができる。 従って、 医療関係者は、 使用に当たって展開状態の 1対の翼片を重ね合わせる動作を省略するこ とができる。

また、 使用前に外した前記プロテク夕一を使用済の前記翼状針に再び 嵌着する際には、 一方の手で前記翼片を重ね合わせた状態で該翼状針を 把持すると共に、 他方の手で該プロテクターの把持部を把持する。 次い で、 前記翼状針とプロテクターとを相互に近接せしめることにより前記 樋状部材に該翼状釙を収容する。 このとき、 前記プロテクターの把持部 は、 前記樋状部材の底面から外方に突出して形成されているので、 前記 翼状針とプロテクターとは、 前記中空針の延長方向と交差する方向に移 動されることになる。 このようにするときには、 前記プロテクターの把 持部を把持する手指は、 移動する際に前記中空針の先端部が指向する方 向から外れた位置にあり、 しかも前記樋状部材の背面側に位置して該樋 状部材により保護されることになる。 従って、 本発明のプロテクターの 第 1の態様によれば、 該中空針の先端部による誤穿刺を確実に防止する ことができる。

また、 前記樋状部材は前記中空針を収容する部分の先端部が閉塞され ているので、 前記のようにして前記樋状部材に収容された中空針の先端 部が該樋状部材から突出することがない。 さらに、 前記樋状部材は底部 に該保持筒が嵌合されるように該樋状部材の側壁の間隔が狭められた狭 窄部を備えているので、 前記翼状針が前記樋状部材に収容されたときに, 前記保持筒が前記狭窄部に嵌合して係合する。

このとき、 前記保持筒は、 前記狭窄部に嵌合されることにより撓めら れ、 原形に復帰しょうとする復元力が作用する。 従って、 前記保持筒は 前記復元力により、 前記狭窄部に対して弹発的に係合し、 前記翼状針が 樋状部材から脱落することを防止することができる。

本発明の翼状釙用のプロテクターの第 1の態様において、 前記狭窄部 は前記樋状部材の底部の全長に亘つて設けられていなくてもよく、 前記 翼状針が樋状部材から脱落することを防止する効果が得られる長さであ れば、 前記樋状部材の底部に部分的に備えられていてもよい。

また、 本発明の翼状釙用のプロテクターの第 2の態様は、 中空針と、 該中空針の後端を保持する保持筒と、 該保持筒と一体に形成された重ね 合わせ自在の 1対の翼片とを備える翼状針を収容するプロテクターにお いて、 該中空針と保持筒と重ね合わされた状態の翼片とを収容する樋状 部材と、 該樋状部材の底面から外方に突出して形成された把持部とを備 え、 該樋状部材は、 該中空針を収容する部分の先端部が閉塞されている と共に、 該保持筒を収容する部分の後端部が開放されていて、 翼片が、 該翼片を収容する部分に収容されて係合することを特徴とする。

本発明の翼状針用のプロテクターの第 2の態様によれば、 前記第 1の 態様と同様に、 前記プロテクターから前記翼状針を引き出してそのまま 使用することができ、 該プロテク夕一を使用済の前記翼状針に再び嵌着 する際には、 該中空針の先端部による誤穿刺を確実に防止することがで さる。

また、 前記翼状針において前記翼片は、 前記のように重ね合わされた 状態で前記樋状部材に収容されると、 展開しょうとする力が働く。 従つ て、 前記翼片は前記展開力により前記樋状部材の前記翼片を収容する部 分と弾発的に係合し、 前記翼状針が樋状部材から脱落することを防止す ることができる。

ところで、 前記翼状針は、 インシュリ ンの筋肉注射等に用いられる場 合、 前記中空針が前記保持筒の先端部から斜め下方に向けて取着されて いる。

そこで、 本発明の該プロテクターの各態様において、 前記樋状部材は. 前記中空針を収容する部分が、 前記保持筒を収容する部分から前記把持 部の方向に傾斜して備えられていることを特徴とする。 この結果、 前記 樋状部材が前記翼状針の前記中空針と保持筒との形状に対応するものと なるので、 前記プロテク夕一を該翼状針に嵌着する操作を円滑且つ容易 に行うことができる。

また、 本発明の該プロテクターの各態様において、 前記把持部は、 前 記樋状部材の底面の幅よりも狭い幅に形成されていることを特徴とする, この結果、 前記把持部と前記樋状部材との間には段差が形成されること になり、 該把持部を把持する手指が該段差により前記樋状部材の陰に隠 れて保護されるので、 前記誤穿刺をさらに確実に防止することができる, 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明に係る翼状針の一例を示す斜視図である。

図 2は、 本発明に係る翼状針用プロテクターの一例を示す斜視図であ る。

図 3は、 図 2の HI— IE線断面図である。

図 4は、 図 2に示す翼状釙用プロテク夕一に対する翼状針の収容方法 を示す斜視図である。

図 5は、 図 2に示す翼状針用プロテクターの平面図である。 発明を実施するための最良の形態

次に、 添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに 詳しく説明する。

本実施形態の翼状針 1は、 図 1示のように、 鋭利な先端部を備える中 空針 2と、 中空釙 2の後端を保持する中空の保持筒 3 と、 保持筒 3 と一 体かつ展開状態に形成された 1対の翼片 4， 4とを備え、 保持筒 3の後 端には薬液を中空針 2に導くチューブ 5が取着されている。 保持筒 3と- 翼片 4， 4とは、 例えば、 軟質ポリ塩化ビニル （S _ P V C )、 ポリエ チレン （P E )、 ポリプロピレン （P P ) のような軟質樹脂により形成 されており、 翼片 4， 4は弹性的に変形して重ね合わせ自在とされてい る。 翼状針 1は、 インシュリン等の筋肉注射に用いられるものであり、 中空針 2は保持筒 3の先端から斜め下方に向けて取着されている。

一方、 本実施形態のプロテクター 6は、 図 2示のように、 中空針 2と 保持筒 3と重ね合わされた状態の翼片 4とを収容する樋状部材 7と、 樋 状部材 7の底面から外方に突出して形成された把持部 8とを備えている, 樋状部材 7は、 翼状針 1の中空針 2が保持筒 3の先端から斜め下方に向 けて取着されている構成に対応して、 中空釙 2を収容する部分 9が保持 筒 3を収容する部分 1 0から把持部 8方向に傾斜して形成されている。 また、 中空針 2を収容する部分 9の先端部 9 aが閉塞されて中空釙 2が 突出しないように係止されると共に、 保持筒 3を収容する部分 1 0の後 端部 1 0 aが開放されてチューブ 5が外部に導出されるようになってい る。 . .

また、 樋状部材 7は、 図 3及び図 4に示すように、 底部に保持筒 3が 嵌合されるように樋状部材 7の側壁の間隔が狭められた狭窄部 7 aを備 えている。 狭窄部 7 aは、 断面視 U字状で保持筒 3の外径よりも僅かに 狭い幅に形成されており、 狭窄部 7 aに嵌合されて撓められた保持筒 3 が原形に復帰しょうとする復元力により弾発的に係合して、 翼状釙 1が 樋状部材 7から脱落することを防止するようになっている。

さらに、 保持筒 3を収容する部分 1 0の上方は、 翼片 4， 4を収容す る部分 1 1 となっており、 翼片 4 , 4はその展開力によりこの部分 1 1 と弹発的に係合するようになつている。 翼片 4， 4を収容する部分 1 1 は、 この部分 1 1から露出する翼片 4， 4を手指により把持できるよう にするために、 翼片 4， 4の全体を覆う大きさとする必要は無く、 前述 のように翼片 4 , 4の展開力により翼片 4 , 4と弹発的に係合する大き さがあればよい。

一方、 把持部 8は、 図 3に示すように、 樋状部材 7の底面の裏側中央 部に、 該底面の幅よりも狭い幅に形成されており、 樋状部材 7との間に 段差 8 aが形成されている。 この結果、 把持部 8を把持する手指が樋状 部材 7の陰に隠れて保護されるようになつている。

本実施形態のプロテクター 6は、 例えば、 ポリプロピレン （P P )、 アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂 （A B S )、 ポリスチ レン （P S ) 等の硬質榭脂または半硬質樹脂により成形されていること が好ましい。 プロテク夕一 6は前記樹脂からなることにより、 狭窄部 7 aが保持筒 3の復元力に抗して保持筒 3との係合を保持し、 或いは翼片 4 , 4を収容する部分 1 1が翼片 4， 4の展開力に抗して翼片 4 , 4と の係合を保持することができる。 また、 プロテクター 6は前記樹脂から なることにより、 包装されたときに外力に抗することができ、 ブリス夕 一包装ばかりでなく、 ピールオープン式の包装も可能になる.。

本実施形態のプロテクター 6によれば、 まず、 使用するときには図 2 に示す状態で、 一方の手でプロテクター 6から露出している翼片 4， 4 を把持すると共に、 他方の手でプロテクター 6の把持部 8を把持して、 相互に離間する方向に移動させることにより、 プロテクター 6から翼状 釙 1を引き出す。 このとき、 翼片 4， 4は既に重ね合わされた状態にあ るので、 翼状釙 1はプロテク夕一 6から引き出された後、 直ちに使用に 供することができる。

次に、 使用前に外したプロテクター 6を使用済の翼状釙 1に再び嵌着 する （リキャップ） ときには、 一方の手で翼片 4， 4を把持すると共に、 他方の手でプロテクター 6の把持部 8を把持して、 図 3に矢示するよう に、 中空針 2と保持筒 3とが樋状部材 7の開口部に沿うように、 翼状針 1とプロテクター 6とを移動する。 このとき、 翼状針 1は中空針 2の延 長方向と交差する方向に移動するので、 プロテクター 6の把持部 8を把 持する手指は、 移動する際に中空針 2の先端部が指向する方向から外れ た位置にある。 また、 把持部 8を把持する手指は、 前述のように段差 8 aにより樋状部材 7の陰に隠れているので、 プロテクター 6に近接する 翼状針 1から樋状部材 7により保護されている。

従って、 プロテクター 6によれば、 中空針 2の先端部により、 把持部 8を把持する手指を誤穿刺することを確実に防止することができる。 ま た、 プロテクター 6によれば、 保持筒 3が狭窄部 7 aと弾発的に係合す ると共に、 翼片 4 , 4が翼片 4， 4を収容する部分 1 1 と弹発的に係合 するので、 一旦収容された翼状針 1が脱落することを確実に防止するこ とができる。

尚、 本実施形態では、 保持筒 3が狭窄部 7 aと弹発的に係合すると共 に、 翼片 4 , 4が翼片 4， 4を収容する部分 1 1 と弹発的に係合する構 成となっているが、 保持筒 3が弹発的に係合する狭窄部 7 aのみを設け, 翼片 4， 4を収容する部分 1 1の幅を大きくして翼片 4， 4がこの部分 1 1と弹発的に係合しない構成としてもよい。 前記のように翼片 4， 4 を収容する部分 1 1の幅を大きくするときには、 この部分 1 1を保持筒 3の案内部として、 保持筒 3の挿入を容易に行うことができる。

また、 翼片 4， 4が翼片 4 , 4を収容する部分 1 1 と弹発的に係合す る構成として、 保持筒 3が弹発的に係合する狭窄部 7 aを設けない構成 としてもよい。'

また、 本実施形態では、 図 5 ( a ) に示すように狭窄部 7 aを樋状部 材 7の底面の全長に亘つて設けているが、 狭窄部 7 aは保持筒 3との係 合を保持して、 翼状針 1の脱落を防止する効果が得られる長さであれば よく、 樋状部材 7の底部に部分的に備えられていてもよい。 狭窄部 7 a を樋状部材 7の底部に部分的に備える場合、 例えば、 図 5 ( b ) に示す ように樋状部材 7の底部の 1ケ所だけに狭窄部 7 aを設けてもよく、 図 5 ( c ) に示すように複数ケ所に設けるようにしてもよい。

また、 狭窄部 7 aを樋状部材 7の底部に部分的に備える場合には、 例 えば樋状部材 7の側壁の一部を内側に突出させた 1対の突出部を相対向 して設けることにより狭窄部 7 aを形成するようにしてもよい。

さらに、 本実施形態では、 インシュリン等の筋肉注射に用いるために. 中空針 2が保持筒 3の先端から斜め下方に向けて取着されている翼状針 1について説明しているが、 翼状釙 1は中空針 2が保持筒 3の先端に水 平に取着されているものであってもよい。 この場合には、 プロテクター 6は、 中空針 2を収容する部分 9が保持筒 3を収容する部分 1 0に対し て水平に形成される。 産業上の利用可能性

本発明は、 医療器具等として用いられる翼状針に利用することができ る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 中空針と、 該中空針の後端を保持する保持筒と、 該保持筒と一体に 形成された重ね合わせ自在の 1対の翼片とを備える翼状針を収容するプ ロテクターにおいて、

該中空針と保持筒と重ね合わされた状態の翼片とを収容する樋状部材 と、 該樋状部材の底面から外方に突出して形成された把持部とを備え、 前記樋状部材は、 該中空針を収容する部分の先端部が閉塞されている と共に、 該保持筒を収容する部分の後端部が開放されていて、 底部に該 保持筒が嵌合されるように該樋状部材の側壁の間隔が狭められた狭窄部 を備え、 該保持筒が該狭窄部に嵌合されて係合することを特徴とする翼 状針用プロテクター。

2 . 前記狭窄部は、 前記樋状部材の底部に部分的に備えられていること を特徴とする請求項 1記載の翼状針用プロテクター。

3 . 前記樋状部材は、 前記中空針を収容する部分が、 前記保持筒を収容 する部分から前記把持部の方向に傾斜して備えられていることを特徴と する請求項 1または請求項 2記載の翼状釙用プロテクター。

4 . 前記把持部は、 前記樋状部材の底面の幅よりも狭い幅に形成されて いることを特徴とする請求項 1乃至請求項 3のいずれか 1項記載の翼状 釙用プロテク夕一。

5 . 中空針と、 該中空針の後端を保持する保持筒と、 該保持筒と一体に 形成された重ね合わせ自在の 1対の翼片とを備える翼状針を収容するプ ロテクターにおいて、 該中空針と保持筒と重ね合わされた状態の翼片とを収容する樋状部材 と、 該樋状部材の底面から外方に突出して形成された把持部とを備え、 該樋状部材は、 該中空針を収容する部分の先端部が閉塞されていると 共に、 該保持筒を収容する部分の後端部が開放されていて、 翼片が、 該 翼片を収容する部分に収容されて係合することを特徴とする翼状針用プ ロテク夕一。

6 . 前記樋状部材は、 前記中空針を収容する部分が、 前記保持筒を収容 する部分から前記把持部の方向に傾斜して備えられていることを特徴と する請求項 5記載の翼状針用プロテクター。

7 . 前記把持部は、 前記樋状部材の底面の幅よりも狭い幅に形成されて いることを特徴とする請求項 5または請求項 6記載の翼状針用プロテク ター。