WO2004010871A1

WO2004010871A1 - 穿刺用ユニット、穿刺用部材の取り外し具および穿刺装置

Info

Publication number: WO2004010871A1
Application number: PCT/JP2003/009582
Authority: WO
Inventors: Daisuke Matsumoto
Original assignee: Arkray, Inc.
Priority date: 2002-07-29
Filing date: 2003-07-28
Publication date: 2004-02-05
Also published as: CN101116614A; CN101116614B; EP1541088B1; JP4257943B2; EP1541088A4; EP1541088A1; US8123771B2; JP2004057489A; CN1671322A; US20050288698A1; AU2003252285A1; CN100348155C

Abstract

　穿刺用ユニット（Ｕ）の支持部材（１）には、穿刺用部材（２）が穿刺装置（Ａ）の可動部材（５）に装着されているときにハウジング（４）内に挿入されることにより、穿刺用部材（２）の係合用の面（２４ａ）に係合する係合手段（１９Ａ）が設けられている。穿刺用部材（２）を可動部材（５）に装着させた後にこの穿刺用部材（２）を可動部材（５）から取り外す作業は、係合手段（１９Ａ）をハウジング（４）内に進入させて穿刺用部材（２）に係合させてから、ハウジング（４）の外部に引き抜くことにより行なえ、その作業は簡単かつ確実となる。

Description

糸田 ¾ 穿刺用ュニット、穿刺用部材の取り外し具および穿刺装置技術分野

本発明は、血液などの試料を採取する用途に用いられる穿刺装置、穿刺装置に装着して使用される交換部品をュニット化した穿刺用ュ-ット、および穿刺装置に装着された穿刺用部材を取り外すのに用いられる穿刺用部材の取り外し具に関する。背景技術

糖尿病患者が血糖値を測定しようとして血液採取を行なう場合、穿刺装置が用いられている。この穿刺装置は、一般的には、先端が開口した筒状のハウジング内に、ランセットホルダが往復動可能に設けられた構造を有している。上記穿刺装置を使用するには、まず上記ランセットホルダに使い捨てタイプのランセットを装着する。次いで、上記ハウジングの先端部を人体の皮膚に当接させてから、上記ランセットホルダおよび上記ランセットを上記ハゥジングの先端部に向けて前進させる。すると、上記ランセットの針が人体の皮膚に突き刺さる。このことにより、皮膚に出血が生じ、血液採取を行なうことができる。

ランセットの従来例としては、たとえば実開平 6 - 3 8 9 0 9号公報に所載のものがあり、これを図 2 6 A, 図 2 6 Bおよび図 2 7 A，図 2 7 Bに示す。

図 2 6 Aに示すランセット 9 Aは、ネジ部 9 4と針 9 1とを備えており、このランセット 9 Aには、針 9 1を覆うキャップ 9 O Aが繋がって設けられている。ネジ部 9 4は、穿刺装置 8のハウジング 8 0内に挿入して回転させることにより、ランセットホルダ 8 1 Aの先端のネジ穴 8 2に螺合可能である。この操作によりランセット 9 Aをランセットホルダ 8 1 Aに装着し、その後はキャップ 9 O Aをランセット 9 Aから分離させることが可能である。穿刺作業を終えた後には、図 2 6 Bに示すように、キャップ 9 O Aを反対向きにして、ハウジング 8 0内に揷入し、キャップ 9 O Aに形成されている六角穴 9 2をランセット 9 Aの六角形状の部分に嵌合させて回転させる。この操作により、ランセット 9 Aとランセットホルダ 8 1 Aとの螺合状態を解除し、ランセット 9 Aをランセットホルダ 8 1 A から取り外すことが可能となる。

このような構成によれば、ランセット 9 Aを穿刺装置 8に装着する際、および穿刺装置 8から取り外す際に、ユーザがランセット 9 Aの針 9 1に直接触れる必要はない。したがって、針 9 1がユーザの手に刺さったり、あるいは穿刺によつて針 9 1に付着した血液がユーザの手に付くといった虞れを無くすことが可能となる。

図 2 7 Aに示すランセット 9 Bは、その周面部に突起 9 3が形成されたものである。この突起 9 3を穿刺装置のランセットホルダ 8 1 Bに形成された略 L字状の溝 8 3に係入させると、ランセット 9 Bはランセットホルダ 8 1 Bに対して抜け止め状態に保持される。ランセット 9 Bをランセットホルダ 8 1 Bに保持させた後には、図 2 7 Bに示すように、ランセット 9 Bからキャップ 9 0 Bを分離させることができる。このキャップ 9 0 Bをランセット 9 Bの断面略十字状の部分に外嵌させて回転させると、溝 8 3から突起 9 3を脱出させて、ランセット 9 B をランセットホルダ 8 1 Bから取り外すことができる。このような構成においても、ユーザが針 9 1に直接触れる必要はなく、図 2 6 A，図 2 6 Bに示したものと同様な利点が得られる。

しかしながら、上記した従来技術においては、次のような問題点があった。図 2 6 A, 図 2 6 Bに示した従来技術においては、ランセットホルダ 8 1 Aに装着されたランセット 9 Aを取り外すときに、キャップ 9 O Aを利用してランセット 9 Aを回転させなければならない。このため、この回転操作がユーザにとつて面倒であった。

キャップ 9 O Aは、ランセット 9 Aを回転させるためのツールとしての役割は果たすものの、ランセット 9 Aを積極的に、かつ確実に保持する機能は有していない。したがって、たとえばランセット 9 Aとランセットホルダ 8 1 Aとのネジの締め付けを緩めても、ランセット 9 Aをネジ孔 8 2から脱出させることができない場合があった。また、キャップ 9 O Aの一端にランセット 9 Aを嵌合させた状態でランセット 9 Aの取り出しを行なっている最中に、ランセット 9 Aがキヤップ 9 O Aから外れる場合もあった。このため、キャップ 9 O Aを利用するだけでは、ランセット 9 Aをハウジング 8 0の外部に適切に取り出すことができない場合があった。

上記したような問題点は、図 2 7 A, 図 2 7 Bに示したランセット 9 Bにおいても、同様に生じていた。発明の開示

本発明の目的は、上記した問題点を解消し、または抑制することが可能な穿刺用ュ-ット、穿刺用部材の取り外し具および穿刺装置を提供することにある。本発明の第 1の側面によって提供される穿刺用ュニットは、先端に開口部を有するハウジング内に可動部材が往復動可能に設けられている穿刺装置に装着して使用するための穿刺用部材と、上記穿刺用部材を分離可能に支持する支持部材と、を備えている、穿刺用ユニットであって、上記穿刺用部材は、上記可動部材から上記ハウジングの先端寄りに引き抜くことが可能に上記可動部材に嵌合して装着可能であるとともに、上記可動部材に装着されたときには、上記ハウジングの後部方向を向く係合用の面を有する構成とされており、上記支持部材には、上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されているときに上記開口部から上記ハウジング内に挿入されることによって、上記係合用の面に係合する係合手段が設けられていることを特 i としている。

好ましくは、上記穿刺用部材は、針と、この針を支持するボディ部とを有している。

好ましくは、上記ボディ部の外周面に凹状または凸状の段部が形成されていることにより、上記係合用の面が設けられている。

好ましくは、上記係合手段は、上記穿刺用部材の針が延びる第 1の方向に延び、かっこの第 1の方向と交差する第 2の方向に突出する爪部が先端部に形成された少なくとも 1つの係合用突起を含んでいる。

好ましくは、本発明に係る穿刺用ユニットは、複数の係合用突起を備え、かつこれら複数の係合用突起は、上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されているときに、この穿刺用部材を挟むようにして上記係合用の面に係合可能な構成とされている。

好ましくは、上記ボディ部の段部は、フランジ状であるとともに、上記複数の係合用突起のそれぞれの爪どうしの間隔は、上記段部の外径または幅よりも小さくされており、上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されている状態において、上記各係合用突起が上記ハウジング内に挿入されたときには上記各係合用突起が上記段部との接触によつて上記第 2の方向に弾性変形することによつて上記各爪が上記段部を乗り越えるように構成されている。

好ましくは、上記支持部材は、上記穿刺用部材の針を覆い、かつ上記穿刺用部材を分離可能に支持するキヤップを含んでいる。

好ましくは、上記ボディ部と上記キャップとの境界部分は、上記ボディ部および上記キヤップの他の部分と比べて応力が集中し易い構造とされている。

好ましくは、上記支持部材は、上記ハウジングの先端部にスライド嵌合可能な筒状部を有しており、この筒状部内に、上記穿刺用部材および上記係合手段が配されている。ここで、「筒状部」は、円筒状に限らず、たとえば角筒状であってもかまわない（以下、同様である）。

好ましくは、本発明に係る穿刺用ユニットは、分析用部品と、追加の係合手段と、をさらに備えており、上記分析用部品は、上記穿刺用部材を上記可動部材に装着させるときにこの分析用部品を上記穿刺装置の所定箇所に装着することができるように、上記支持部材に離脱可能に支持されているとともに、上記所定箇所に装着されたときには上記ハウジングの後部方向を向く係合用の面を有する構成とされており、上記追加の係合手段は、上記分析用部品が上記支持部材から分離されて上記穿刺装置の所定箇所に装着されている状態において、上記ハウジング内に上記開口部から揷入されたときに、上記分析用部品の上記係合用の面に係合する構成とされている。 '

好ましくは、上記追加の係合手段は、上記穿刺用部材の針が延びる第 1の方向に延び、かっこの第 1の方向と交差する第 2の方向に突出する爪部が先端部に形成された追加の係合用突起を含んでいる。

好ましくは、上記支持部材は、上記ハウジングの先端部にスライド嵌合可能な筒状部を有しており、かつ上記穿刺用部材、上記分析用部品、上記係合手段、および上記追加の係合手段は、上記筒状部内に配されている。

好ましくは、上記係合手段および上記追加の係合手段は、上記筒状部が上記ハゥジングの先端部にスライド嵌合されることによつて上記ハゥジング内にともに進入するように設けられている。

好ましくは、上記支持部材は、上記筒状部内をこの筒状部の軸長方向において隣り合う第 1および第 2の室に区画する区画壁を備えており、かつ上記キャップ、上記穿刺用部材および上記分析用部品は、上記第 1の室内に位置するとともに、上記第 1および第 2の係合手段は、上記第 2の室内に位置している。

好ましくは、本発明に係る穿刺用ユニットは、上記第 1の室を密閉する蓋材を備えている。

好ましくは、上記支持部材は、上記キャップ、上記穿刺用部材、上記分析用部品を収容する室を有しており、かっこの室内に上記係合手段おょぴ上記追加の係合手段がさらに設けられている。

本発明の第 2の側面によって提供される穿刺用部材の取り外し具は、先端に開口部を有するハウジング内に可動部材が往復動可能に設けられている穿刺装置の上記可動部材に嵌合装着された穿刺用部材を取り外すのに用いられる穿刺用部材の取り外し具であつて、上記開口部から上記ハゥジング内に挿入されることにより上記穿刺用部材の上記ハゥジングの後部方向を向く係合用の面に係合する係合手段を備えていることを特徴としている。

好ましくは、本発明に係る穿刺用部材の取り外し具は、筒状部を有するとともに、上記係合手段を支持している支持部材をさらに備えており、上記筒状部が上記ハウジングの先端部にスライド嵌合されることにより、上記係合手段が上記穿刺用部材の上記係合用の面に係合する構成とされている。

好ましくは、本発明に係る穿刺用部材の取り外し具は、上記支持部材に設けられた追加の係合手段を備えており、この追加の係合手段は、上記穿刺装置の所定箇所に分析用部品が装着されている状態において、上記筒状部が上記ハウジングの先端部にスライド嵌合されたときに上記開口部から上記ハゥジング内に進入して上記分析用部品の上記ハウジングの後部方向を向く係合用の面に係合する構成とされてレヽる。本発明の第 3の側面によって提供される穿刺装置は、先端に開口部を有するハウジングと、このハウジング内に往復動可能に設けられ、かつ先端部に穿刺用部材を嵌合装着可能に構成された可動部材と、この可動部材を上記ハゥジングの先端に向けて付勢するための付勢力付与手段と、上記可動部材が上記付勢力付与手段の付勢力に抗して上記ハゥジングの奥部に所定寸法以上押し込まれたときに上記可動部材をラッチするラッチ手段と、一定の操作がなされることにより上記ラツチ手段による上記可動部材のラツチ状態を解除させるラッチ解除手段と、を有している、穿刺装置であって、上記可動部材が上記ハウジングの奥部に上記所定寸法以上押し込まれることを阻止可能なストツパを備えていることを特徴としてレヽる。

好ましくは、上記ストッパは、上記可動部材または上記可動部材に連動する連動部材の移動経路に出没可能であり、かつ上記移動経路に位置することにより、上記可動部材の後退を規制するように上記可動部材または上記連動部材に当接可能である。

好ましくは、上記ハウジング内には、分析用部品を取り外し可能に装着可能な保持部が設けられている。

本発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る穿刺用ュニットの一例を示す一部破断斜視図である。図 2は、図 1の側面断面図である。

図 3 Aは、図 1の穿刺用ュニットの構成部品であるキヤップ付きのランセットの一例を示す斜視図であり、図 3 Bは、その断面図である。

図 4は、図 1の穿刺用ュニットの構成部品であるセンサホルダの一例を示す斜視図である。

図 5 Aは、図 4のセンサホルダに保持されているセンサの一例を示す斜視図であり、図 5 Bは、その分解斜視図である。

図 6は、図 1の穿刺用ュニットの分解一部断面図である。図 7は、本発明に係る穿刺装置の一例を示す断面図である。

図 8は、図 7の要部拡大断面図である。

図 9は、図 7の穿刺装置のランセットホルダおよびこれをガイドするスリ一プを示す説明図である。

図 1 0 A〜図 1 0 Eは、ランセットホルダの突起がガイドされる動作を示す説明図である。

図 1 1は、穿刺装置にランセットおよびセンサホルダを装着する動作を示す要部断面図である。

図 1 2は、穿刺装置にランセットおよびセンサホルダを装着する動作を示す要部断面図である。

図 1 3は、図 1 2の要部拡大断面図である。

図 1 4は、穿刺装置へのランセットおよびセンサホルダの装着が完了した状態を示す要部断面図である。

図 1 5は、穿刺装置の使用例を示す断面図である。

図 1 6は、穿刺装置の使用例を示す断面図である。

図 1 7は、穿刺装置からランセットおよびセンサホルダを取り外すときの動作を示す要部断面図である。

図 1 8は、穿刺装置からランセットおよびセンサホルダを取り外すときの動作を示す要部断面図である。

図 1 9は、穿刺装置からランセットおよびセンサホルダを取り外す動作が完了した状態を示す要部断面図である。

図 2 O Aは、本発明に係る穿刺用ユニットの他の例を示す断面図であり、図 2 O Bは、その底面図である。

図 2 1は、本発明に係る穿刺用ュニットの他の例を示す断面図である。

図 2 2 Aは、本発明に係る穿刺用ユニットの他の例を示す断面図であり、図 2 2 Bは、その使用状態を示す断面図である。

図 2 3 Aは、本発明に係る穿刺用部材の取り外し具の一例を示す断面図であり、図 2 3 Bは、その取り外し具に対応して用いられる穿刺用ュニットの一例を示す断面図である。図 2 4 A〜図 2 4 Cは、穿刺用部材に設けられる係合用段部およびこれに係合する係合用突起の他の例を示す要部説明図である。

図 2 5は、穿刺用部材の嵌合装着構造の他の例を示す要部断面図である。

図 2 6 A, 2 6 Bは、従来技術の一例を示す説明図である。

図 2 7 A, 2 7 Bは、従来技術の他の例を示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。

図 1〜図 6は、本発明に係る穿刺用ユニットの一例を示している。

図 1および図 2によく表われているように、本実施形態の穿刺用ュニット Uは、ケース 1、ランセット 2、キャップ 2 9、センサホルダ 3、一対の第 1の係合用突起 1 9 A、およぴ第 2の係合用突起 1 9 Bを備えている。

ケース 1は、たとえば合成樹脂製であり、第 1および第 2の端部 1 0 a , 1 0 bに開口部 1 2 A, 1 2 Bがそれぞれ形成された略円筒状の筒状部 1 0と、この筒状部 1 0内に設けられた区画壁 1 1とを有している。ケース 1の内部は、区画壁 1 1によって第 1および第 2の室 1 8 A, 1 8 Bに区画されている。第 1の室 1 8 Aには、ランセット 2、キャップ 2 9、およびセンサホルダ 3が配されている。第 2の室 1 8 Bには、一対の第 1の係合用突起 1 9 Aと第 2の係合用突起 1 9 Bとが設けられている。

ケース 1の第 1および第 2の端部 1 0 a , 1 0 bの内周には、後述するように、このケース 1を穿刺装置 Aのハウジング 4の先端部に外嵌する際にこのケース 1 の回転止めの役割を果たす凸部 1 3 A, 1 3 Bが形成されている。開口部 1 2 A は蓋材としてのフィルム 1 4によって塞がれており、第 1の室 1 8 Aは密閉されている。フィルム 1 4としては、たとえばアルミ箔またはアルミ箔と合成樹脂製フィルムとをラミネ一トしたものが用いられている。

図 3 A, 図 3 Bによく表われているように、ランセット 2は、合成樹脂製のボディ部 2 0と、このボディ部 2 0に保持された金属製の針 2 1とを有しており、針 2 1の先端部はボディ部 2 0から突出している。ボディ部 2 0は、後述する穿刺装置 Aのランセットホルダ 5への装着を適切に行なうことが可能な形状に形成されており、このボディ部 2 0の外周面には、凹部 2 3や針 2 1と同方向に延びる複数条のリブ 2 2が形成されている。ボディ部 2 0の下部外周には、フランジ状の係合用段部 2 4も形成されている。この係合用段部 2 4は、ランセット 2をランセットホルダ 5から取り外すときに利用される部分であり、図 3 A，図 3 B に示すようにランセット 2が起立した姿勢において、上向きの略水平な面 2 4 a と、下向きの傾斜した面 2 4 bとを有している。面 2 4 aは、本発明でいう係合用の面の一例に相当する。

キャップ 2 9は、針 2 1を覆うようにボディ部 2 0と一体的に樹脂成形され、かつボディ部 2 0の先端側（下端側）において針 2 1と同方向に延びている。キヤップ 2 9とボディ部 2 0との境界部分 2 8は、これらを比較的容易に分離することができるように括れており、ランセット 2やキャップ 2 9の他の部分よりも小径とされている。後述するように、ランセット 2からのキャップ 2 9の離脱は、境界部分 2 8が捩じられて破断することによりなされる。

キャップ 2 9の下端部には、孔部 2 9 aが形成されている。図 6に示すように、孔部 2 9 aは、ケース 1の区画壁 1 1に突設されている突起 1 5に嵌合可能である。この嵌合により、キャップ 2 9はケース 1内において起立保持されている。ただし、本発明においては、上記構造とは反対に、ケース 1の区画壁 1 1に凹部を形成し、かつキャップ 2 9の底部には突起を形成することにより、これらを嵌合させるようにした構成とすることもできる。キャップ 2 9は、接着剤などを用いてケース 1に接着されている。このキャップ 2 9およびケース 1は、ランセット 2を支持しており、これらキャップ 2 9やケース 1は、本発明でいう支持部材の具体例に相当している。キャップ 2 9とケース 1とを一体に樹脂成形することも可能である。ランセット 2の針 2 1は、ケース 1内に組み込む前の段階において、 γ線照射などによって滅菌処理されている。好ましくは、第 1の室 1 8 Aには、後述するセンサ Sの品質保護を図るのに役立つ乾燥剤（図示略）も収容されている。

センサホルダ 3は、本発明でいう分析用部品の一例に相当するものである。このセンサホルダ 3は、合成樹脂製であり、図 4によく表われているように、本体壁部 3 2と、これに繋がつた断面円弧状の側壁部 3 1とを有している。側壁部 3 1には、このセンサホルダ 3が後述する穿刺装置 Aに装着されているときにこのセンサホルダ 3を取り外すのに利用される係合用段部 3 4が形成されている。この係合用段部 3 4は、図 4に示したセンサホルダ 3の姿勢において、上向きの略水平な面 3 4 aと、下向きの傾斜した面 3 4 bとを有している。センサホルダ 3 の本体壁部 3 2の底面部分は、たとえば傾斜状に形成されており、この部分にセンサ Sが接着されている。

センサ Sは、チップ状であり、たとえば図 5 A, 図 5 Bに示すような構成を有している。このセンサ Sは、基板 3 9 0の表面に、血液中のグルコースと一定の反応（たとえば酸ィヒ反応）を生じる酵素を含有する試薬 3 9 aと、その反応度合いを電気的に検出するための一対の電極 3 9 bとが設けられた構成を有している。基板 3 9 0上には、間隔を隔てて並んだ一対のスぺーサ 3 9 1およびこれら一対のスぺーサ 3 9 1を覆うカバー 3 9 2も積層して設けられており、これらによつてキヤビラリ 3 9 3が形成されている。基板 3 9 0、各スぺーサ 3 9 1、およびカバー 3 9 2には、血液の導入口となる凹部 3 9 4がー連に形成されている。この凹部 3 9 4内に血液が付着すると、この血液は毛細管現象によってキヤビラリ 3 9 3内を進行し、試薬 3 9 aに導力れるようになっている。

図 4に示すように、センサホルダ 3の本体壁部 3 2には、一対の貫通孔 3 2 a と、一対の保持用壁部 3 2 bとが形成されている。一対の貫通孔 3 2 aは、後述する穿刺装置 Aの一対の測定プローブ 6 2を揷通させることによってこれらの測定プローブ 6 2をセンサ Sの一対の電極 3 9 bに接触させるための部分である。一対の保持用壁部 3 2 bは、キヤップ 2 9の下部 2 9 bに対してその両側から挟み付けるように嵌合可能である。キヤップ 2 9の下部 2 9 bは、たとえば円柱状であるのに対し、一対の保持用壁部 3 2 bは、その外周面に対応した略円弧状に湾曲した形状を有している。図 1およぴ図 2に示すように、センサホルダ 3は、一対の保持用壁部 3 2 bがキャップ 2 9の下部に嵌合していることにより、キヤップ 2 9を介してケース 1内に組み付けられている。ただし、このセンサホルダ 3は、キャップ 2 9の上方にスライドしてキャップ 2 9から離脱可能となっている。一対の第 1の係合用突起 1 9 Aと第 2の係合用突起 1 9 Bとは、いずれも区画壁 1 1に繋がるようにしてケース 1と一体的に樹脂成形されており、筒状部 1 0 の軸長方向に延びている。ただし、これらは筒状部 1 0の軸長方向と交差する方向に弾性復元力をもって撓み変形可能である。また、それらの先端部には、上記軸長方向と交差する方向に突出した爪部 1 9 a , 1 9 bが形成されている。第 1の係合用突起 1 9 Aは、図 1 8を参照して後述するように、ケース 1を穿刺装置 Aの所定部分に嵌合させたときには、穿刺装置 Aに保持されているランセット 2の係合用段部 2 4の面 2 4 aに爪部 1 9 aが当接して係合する配置およびサイズとされている。一対の第 1の係合用突起 1 9 Aのそれぞれの爪部 1 9 aどうしの間隔は、ランセット 2の係合用段部 2 4の外径よりもやや小さい寸法である。第 2の係合用突起 1 9 Bは、ケース 1を穿刺装置 Aの所定部分に嵌合させた • ときに、穿刺装置 Aに保持されているセンサホルダ 3の係合用段部 3 4の面 3 4 aに爪部 1 9 bが当接して係合する配置およびサイズとされている。

図 7および図 8は、本発明に係る穿刺装置の一例を示している。

図 7によく表われているように、本実施形態の穿刺装置 Aは、ハウジング 4、このハウジング 4内に配されたランセットホルダ 5、ラツチ用部材 5 9、およびストッノ機構部 7 9を備えている。

ハウジング 4は、 3つのスリーブ 4 0 a〜4 0 cを一連に連結することにより構成されており、外部ケース 7 0に固定されている。スリーブ 4 0 aの先端部 (下端部）は、人体の皮膚に当接させるための部分であり、開口部 4 1を形成している。このスリープ 4 0 aには、穿刺用ユニット Uのケース 1を第 1および第 2の端部 1 0 a , 1 0 bのいずれの側からもスライド嵌合させることが可能となつている。スリーブ 4 0 aの外面には、ケース 1の凸部 1 3 A、 1 3 Bが嵌入可能な凹溝 4 2がこのスリーブ 4 0 aの軸長方向に延びて形成されており、ケース 1をスリーブ 4 0 aに外嵌させるときにはケース 1が回転しないようにされている。この穿刺装置 Aにおいては、穿刺用ュュット Uのランセット 2およびセンサホルダ 3をこの穿刺装置 Aに装着するとき、およびこれら装着されたランセット 2およびセンサホルダ 3を取り外すときには、ケース 1をスリープ 4 0 aにスラィド嵌合させるようになつている。図 8によく表われているように、スリーブ 4 0 a内には、保持部 6が設けられている。この保持部 6は、穿刺用ユニット Uのセンサホルダ 3を保持するための部分であり、合成樹脂製のアタッチメント 6 0をスリーブ 4 0 aの内面に固定して取り付けることにより構成されている。アタッチメント 6 0は、空隙部 6 0 a を形成する第 1および第 2の壁部 6 0 b， 6 0 cを有している。空隙部 6 0 aは、図 1 2および図 1 3に示すように、センサホルダ 3の側壁部 3 1をその下方から進入させるための部分である。保持部 6には、パネ 6 1が設けられており、空隙咅 6 0 a内にセンサホルダ 3の側壁部 3 1が進入したときにはこのバネ 6 1が側壁部 3 1を第 2の壁部 6 0 c寄り、すなわちスリーブ 4 0 aの中心寄りに向けて押圧する弾発力 Fを発揮し、このことによりセンサホルダ 3を保持できるようになっている。

図 1 3によく表われているように、空隙部 6 0 aの幅 s iは、センサホルダ 3 の側壁部 3 1の厚み t 1よりも大きくされている。このことにより、センサホルダ 3がケース 1内に組み付けられたまま側壁部 3 1が空隙部 6 0 a内に進入したときには、側壁部 3 1と第 2の壁部 6 0 cとの間に隙間 6 0 a'が発生するようになっている。その一方、図 1 4に示すように、センサホルダ 3とキャップ 2 9とが分離した状態では、バネ 6 1の弾発力 Fによってセンサホルダ 3の側壁部 3 1 が第 2の壁部 6 0 cの一側面に押し当てられるようになつている。

図 7および図 8において、第 2の壁部 6 0 cには、一対の測定プローブ 6 2が保持されている。これら一対の測定プローブ 6 2は、センサ Sの一対の電極 3 9 bに接触させるためのものであり、ハウジング 4の軸長方向に延びている。各測定プローブ 6 2の先端部 6 2 aは、伸縮自在であり、センサホルダ 3が穿刺装置 Aに装着されていないときには適当なパネ（図示略）の弾発力によって下方に伸びている。これに対し、図 1 2〜図 1 4に示すように、保持部 6にセンサホルダ 3が装着されるときには、先端部 6 2 aは、センサ Sによって上方に押されて収縮するようになっている。外部ケース 7 0内には、一対の測定プローブ 6 2と電気的に接続された制御回路 7 8が設けられている。この制御回路 7 8は、たとえば C P Uとこれに付属するメモリなどから構成されており、一対の測定プローブ 6 2を介して検出される電流値に基づいて試薬 3 9 aに導入された血液中のダルコース濃度の算出を行なうことが可能である。

ランセットホルダ 5は、ランセット 2を保持して往復動する部材であり、本発明でいう可動部材の一例に相当する。このランセットホルダ 5は、スリーブ 4 0 bに対し、回転可能かつその軸長方向にスライド可能に嵌入している。このランセットホルダ 5の下端部には、凹部 5 0が形成されており、この凹部 5 0にランセット 2のボディ部 2 0を押し込むことによりこのランセットホルダ 5にランセット 2を嵌合保持可能である。ランセット 2の嵌合保持を確実に行なわせるための手段としては、たとえばランセットホルダ 5の下端部にその軸長方向に延びる 1または複数のスリットを形成することにより、ランセットホルダ 5の下端部をその半径方向に拡縮変形可能とし、凹部 5 0にボディ部 2 0が嵌入されたときにはこのボディ部 2 0をランセットホルダ 5の下端部が適度な弾発力をもって締めつけるようにする手段を用いることができる。これとは異なる手段として、ランセットホノレダ 5に、ボディ部 2 0の凹部 2 3に係入して引っ掛かりを生じる部分を設けておき、その引っ掛かり作用によってボディ部 2 0が凹部 5 0から容易に抜け外れないようにする手段を採用することもできる。

ランセットホルダ 5の凹部 5 0内には、ボディ部 2 0の複数のリブ 2 2が嵌入可能な複数の凹溝が形成されている。このことにより、凹部 5 0内にランセット 2のボディ部 2 0が嵌入したときには、このボディ部 2 0とランセットホルダ 5 との相対回転が規制されるようになっている。図 9に示すように、ランセットホルダ 5の頭部 5 1の周面には複数の突起 5 2が等角度間隔で設けられており、これらの突起 5 2は、スリーブ 4 0 bの内壁面に形成された複数条ずつの第 1および第 2のガイド溝 4 3 A， 4 3 Bに嵌入してガイドされるようになつている。第 1のガイド溝 4 3 Aは、このランセットホルダ 5が穿刺用ュニット Uのランセット 2によって上方に押し込まれるときにこのランセットホルダ 5を回転させるための溝であり、スリーブ 4 0 bの軸長方向に対して傾斜している。これに対し、第 2のガイド溝 4 3 Bは、ランセット 2を人体の皮膚に突き刺すようにランセット 2およびランセットホルダ 5をハウジング 4の先端部に向けて前進させるときにこれらの直進ガイドを行なうための溝であり、スリープ 4 O bの軸長方向に直線状に延びている。これら複数ずつの第 1および第 2のガイド溝 4 3 A, 4 3 Bの一部分を平面的に展開すると、図 1 0 A〜図 1 0 Eに示すような形状であり、これらは互いに繋がっている（同図においては、第 1およぴ第 2のガイド溝 4 3 A, 4 3 Bの周辺部分にハッチングを入れている) 。ランセットホルダ 5がハウジング 4の軸長方向に移動するときには、突起 5 2が第 1および第 2のガイド溝 4 3 A, 4 3 Bに沿って移動するが、その具体的な動作内容については後述する。

図 7および図 8に示すように、ラッチ用部材 5 9は、ランセットホルダ 5の上部に連結され、かつハウジング 4内にスライド可能に収容されている。ラッチ用部材 5 9の下端部にはプッシュ 5 8が回転不能に嵌入しているとともに、このブッシュ 5 8内には、ランセットホルダ 5の上面部に突設された複数の突起 5 3が回転可能に挿通している。このことにより、ランセッ.トホルダ 5は回転可能であるのに対し、ラッチ用部材 5 9はそれに伴って回転しないようになっている。各突起 5 3の上端は、ブッシュ 5 8の上端部に対して抜け止め状態に係止しており、このことによりランセットホルダ 5とラッチ用部材 5 9との連結が図られている。ラッチ用部材 5 9の上部には、一対の爪 5 9 aが形成されている。これら一対の爪 5 9 aは、スリーブ 4 0 cに設けられた一対の切り欠き孔 4 4の各一端縁に係止させるためのものであり、後述するように、ランセットホルダ 5およぴラッチ用部材 5 9が穿刺用ュ-ット Uのランセット 2によって上方に押し込まれると、上記係止がなされる。スリーブ 4 0 cの上部には、ラツチ解除用のプッシャ 7 1 と、これに連結された操作用キャップ 7 2とが装着されている。プッシャ 7 1とラッチ用部材 5 9の中間壁部 5 9 bとの間には、パネ 7 3が設けられている。このバネ 7 3は、たとえば圧縮コイルバネである。操作用キャップ 7 2は、スリーブ 4 0 cに対してその軸長方向にスライド可能であり、バネ 7 3を圧縮させながらこの操作用キャップ 7 2を押し下げると、これに伴ってプッシャ 7 1も下降し、爪 5 9 aを押圧するようになつている。このことにより、図 1 6に示すように、切り欠き孔 4 4の一端縁から爪 5 9 aを強制的に外し、圧縮されたパネ 7 3の弾発力によってラッチ用部材 5 9およびランセットホルダ 5を下方に前進させることができる。ハウジング 4内にはランセットホルダ 5およびラッチ用部材 5 9力 S 前進した直後に、これらを後退させるためのリターン用バネ 7 4も設けられている。

図 7において、ストッパ機構部 7 9は、ピン状またはプレート状のストッパ 7 9 aと、このストッノ 7 9 aをハウジング 4の軸長方向と交差する矢印 N 6方向に往復動させる駆動部 7 9 bとを備えている。駆動部 7 9 bは、たとえば電磁力などを利用した比較的小型のァクチュータを利用して構成されている。ストッノ 7 9 aは、その先端部がハウジング 4の周壁に設けられた孔部 4 9を通過してハゥジング 4の外部からその内部に前進することによりハウジング 4内のラッチ用部材 5 9の往復移動経路途中に出現する動作と、ハウジング 4の外部寄りに移動して上記往復移動経路から退避する動作とが可能である。ストッパ 7 9 aが上記往復移動経路に出現する位置は、図 7に示したようにラツチ用部材 5 9およびランセットホルダ 5が下降前進している場合に、ラッチ用部材 5 9の上端よりも上方であって、かつハウジング 4の一対の切り欠き孔 4 4の下端縁よりも下方の位置である。このストッパ 7 9 aにラッチ用部材 5 9の上端が当接すると、このラツチ用部材 5 9のそれ以上の上昇が阻止される。

次に、上記した穿刺用ユニット Uおよび穿刺装置 Aの使用例ならびに作用について説明する。

穿刺用ユニット Uは、図 1および図 2に示したように、その使用前においてはフィルム 1 4によって第 1の室 1 8 Aが密閉された状態にあるために、センサ S の試薬 3 9 aが湿気に晒されることはなく、短期間で品質劣化をきたすような不具合はない。ランセット 2の針 2 1は、キャップ 2 9によって覆われており、しかもこのキャップ 2 9はランセット 2のボディ部 2 0と一体形成されたものであるから、優れた密封性が得られ、ランセット 2をケース 1に組み込む以前の段階力^、その滅菌状態を適切に維持することができる。

穿刺用ュニット Uは、ケース 1内にキャップ 2 9を備えたランセット 2を糸且み付けた後に、センサホルダ 3をキヤップ 2 9に組み付け、その後フィルム 1 4によってケース 1の開口部 1 2 Aを塞ぐことにより、容易に製造することができる。とくに、ランセット 2の組み付けは、キャップ 2 9の孔部 2 9 aをケース 1の突起 1 5に嵌合させることにより行なえ、またセンサホルダ 3の組み付けは、一対の保持用壁部 3 2 bをキャップ 2 9に外嵌させることにより行なえるために、穿刺用ュニット uの製造は一層容易となり、製造コストを廉価にすることができる。さらに、この穿刺用ユニット Uにおいては、ランセット 2やセンサホルダ 3をケース 1内にお！/、て支持させるための特殊な専用部品を用いるといつた必要もないため、全体の構造が簡素となり、このことによつても穿刺用ユニット Uの製造コストを廉価にすることができる。

穿刺用ュニット Uを使用するには、フィルム 1 4を破断または剥離するなどしてケース 1の開口部 1 2 Aを開放させた後に、図 1 1に示すように、ケース 1の第 1の端部 1 0 a寄りの部分を穿刺装置 Aのスリーブ 4 0 aに外嵌させる。この操作により、ランセット 2のボディ部 2 0をランセットホルダ 5の凹部 5 0に嵌入させてランセットホルダ 5に保持させることができる。このランセット 2の装着時においては、ストッパ 7 9 aをハウジング 4内から退避させておく。ケース 1を矢印 N 1に示す上方に押し上げていくと、ランセット 2がパネ 7 3の弾発力に抗してランセットホルダ 5を上方に押し上げる。その際、ランセットホルダ 5 とランセット 2のボディ部 2 0とが矢印 N 2方向に回転し、この回転作用によつてランセット 2とキャップ 2 9との境界部分 2 8が捩じられて破断する。

より具体的には、図 1 0 Aに示すように、ランセットホルダ 5の突起 5 2は、当初は第 2のガイド溝 4 3 B内に位置している。ランセット 2のボディ部 2 0を凹部 5 0に嵌入させると、突起 5 2は、まず図 1 0 Bの矢印 N 3に示すように、第 1のガイド溝 4 3 A寄りに変移する。この変移は、たとえばボディ部 2 0の各リプ 2 2の先端部分と凹部 5 0内の各凹溝とのいずれか一方を螺旋状に傾斜させておき、凹部 5 0内にボディ部 2 0が嵌入したときに、ボディ部 2 0がランセットホルダ 5を上記矢印 N 3方向に回転させる力が発生するように構成しておくことにより実現可能である。

次いで、ランセットホルダ 5がランセット 2によって上方へ押し上げられていくと、突起 5 2は、図 1 0 C , 図 1 0 Dに示すように、第 1のガイド溝 4 3 A内を移動する。この作用により、ランセットホルダ 5が回転し、またこれに伴ってランセット 2のボディ部 2 0も回転する。一方、穿刺用ユニット Uのキャップ 2 9は、ケース 1に固定されているため回転しない。したがって、ランセット 2のボディ部 2 0とキャップ 2 9との境界部分 2 8は捩じられて破断する。ケース 1を適当量だけ上方に押し上げると、図 1 2に示すように、ラッチ用部材 5 9も上昇し、各爪 5 9 aが各切り欠き孔 4 4の一端縁に係止する。これにより、ラッチ用部材 5 9は、パネ 7 3を圧縮させた状態でラッチされる。また、ケース 1が上方に押し上げられると、図 1 3に示したように、センサホルダ 3の側壁部 3 1が保持部 6の空隙部 6 0 a内に進入する。本実施形態においては、ケース 1をスリーブ 4 0 aに対して回転止め状態でスライド嵌合させているために、穿刺用ュ-ット Uの各部と穿刺装置 Aの所定部分との位置合わせ精度を高くすることができる。したがって、空隙部 6 0 aの開口幅が比較的小さくても、この空隙部 6 0 aに側壁部 3 1を正確に導くことが可能である。既述したランセットホルダ 5の凹部 5 0にランセット 2が嵌入する動作も正確に行なわれることとなる。空隙部 6 0 a内に側壁部 3 1が進入すると、この側壁部 3 1は、バネ 6 1の弹発力 Fを受ける。センサホルダ 3は、キャップ 2 9に支持されている状態では弾発力 Fに対して突っ張った姿勢を維持するため、第 2の壁部 6 0 cと側壁部 3 1 との間には隙間 6 O a'が形成されたままとなる。各測定プローブ 6 2の先端部 6 2 aは、センサ Sによって上方へ押し上げられるが、その押し上げに対する反発力を発揮しつつセンサ Sの電極 3 9 bに接触する。したがって、各測定プローブ 6 2と各電極 3 9 bとの電気的な接続は確実化される。

上記したケース 1の押し上げ動作が完了した後には、図 1 4に示すように、ケース 1をスリーブ 4 0 aから下方に抜く。既述したとおり、ランセット 2のボディ部 2 0とキャップ 2 9との境界部分 2 8は捩じりにより破断しているために、ランセット 2とキャップ 2 9とは適切に分離することとなる。この分離により、ランセット 2は、針 2 1を露出させてランセットホルダ 5に装着された状態となる。キャップ 2 9は、ケース 1の下降に伴ってセンサホルダ 3に対してスライドし、センサホルダ 3の下方に引き抜かれる。したがって、センサホルダ 3は、キヤップ 2 9とは分離した状態で保持部 6に装着される。

このように、この穿刺用ュニット Uおよび穿刺装置 Aによれば、ケース 1をスリーブ 4 0 aに適当量だけスライド外嵌させてから抜き外す操作を行なうだけで、ランセットホ/レダ 5へのランセット 2の装着、ランセット 2からのキャップ 2 9 の分離、保持部 6へのセンサホルダ 3の装着、センサホルダ 3からのキャップ 2 9の分離、およびラツチ用部材 5 9のラツチが行なわれることとなり、便利となる。ケース 1には、キャップ 2 9が固定されたままとなる。

センサホルダ 3からキャップ 2 9が分離すると、このセンサホルダ 3の側壁部 3 1は、パネ 6 1の弹発カ Fによって第 2の壁部 6 0 cに押し付けられる。すなわち、センサホルダ 3は、図 1 3に示した隙間 6 0 a'の寸法分だけスリーブ 4 0 aの中心寄り（図 1 4の矢印 N 4方向）に変移する。このようにセンサホルダ 3 が変移すると、その分だけセンサ Sをランセット 2による穿刺位置に接近させることが可能となり、後述するような利点が得られる。

上記のようにして、ランセット 2およびセンサホルダ 3を穿刺装置 Aに装着すると、穿刺が可能となる。穿刺を行なうには、まず図 1 5に示すように、穿刺装置 Aのスリーブ 4 0 aの先端部分を、穿刺対象となる人体の皮膚 9 9に当接させる。次いで、操作用キャップ 7 2を押圧し、プッシャ 7 1を前進させる。すると、図 1 6に示すように、各爪 5 9 aが各切り欠き孔 4 4の一端縁から外れ、パネ 7 3の弾発力によってラッチ用部材 5 9およびランセットホルダ 5が下降前進し、ランセット 2の針 2 1が皮膚 9 9に突き刺さる。その際、ランセット 2のボディ部 2 0の一部をセンサホルダ 3の本体壁部 3 2に当接させることにより、針 2 1 が皮膚 9 9に対して必要以上に深く突き刺さらないようにすることができる。ランセットホルダ 5の下降前進時には、図 1 0 Eに示すように、突起 5 2が第 2のガイド溝 4 3 Bに沿って移動するために、ランセットホルダ 5を適切に直進させることが可能である。この直進動作により、突起 5 2は、図 1 O Aに示した初期のポジションと同様なポジションに復帰し、その後上記したのと同様な動作を繰り返し可能となる。

針 2 1が皮膚 9 9に突き刺さった直後には、リターン用パネ 7 4の弾発力によつてラッチ用部材 5 9やランセットホルダ 5は即座に適当量だけ上方へ後退し、針 2 1は皮膚 9 9から抜き去られる。好ましくは、穿刺装置 Aには、ポンプまたはポンプ機構を具備させておき、穿刺を行なうときにスリーブ 4 0 a内に負圧を生じさせるように構成しておく。このようにすると、皮膚 9 9からの出血を負圧により促進することができるために、ランセット 2の針 2 1の突き刺し量を少なくし、皮膚⁹ 9のダメージを少なくするのに有利となる。皮膚 9 9から出た血液は、センサ Sに付着し、センサ Sの試薬 3 9 aに導かれる。図 1 4を参照して説明したとおり、センサホルダ 3については、スリーブ 4 0 aの中心寄り、すなわち穿刺位置に接近させているために、血液をセンサ Sの所定箇所に付着させることが確実化される。

センサホルダ 3をスリーブ 4 0 aの中心寄りに配置させる手段としては、たとえば図 1および図 2に示した穿刺用ュニット Uの構成において、当初からセンサホルダ 3をケース 1の中心寄りに装着しておくことが考えられる。ところ力穿刺用ュニット Uはセンサホルダ 3をキャップ 2 9に支持させた構造を有しているために、センサホルダ 3をケース 1の中心寄りに配置しょうとすれば、キャップ 2 9を薄肉にする必要がある。その一方、キャップ 2 9を余りに薄肉にすると、その機械的強度が不足するなどして、キャップ 2 9にセンサホルダ 3を確実に支持させることが困難となる虞れがある。これに対し、本実施形態のように、センサホルダ 3が穿刺装置 Aに装着されたときにスリーブ 4 0 aの中心寄りに変移する構成であれば、上記した虞れを適切に解消することができる。

上記した穿刺作業がなされると、制御回路 7 8によって血液中のグルコース濃度が算出される。穿刺装置 Aは、その算出値をたとえば液晶表示器を用いて構成された画像表示部（図示略）に表示させるようになつている。

その後は、使用済みとなったランセット 2およびセンサホルダ 3を穿刺装置 A から取り外す。この取り外し作業においては、まず図 1 7に示すように、ケース 1をランセット 2の装着時とは反対向きにして、ケース 1の第 2の端部 1 0 b寄りの部分をスリーブ 4 0 aに外嵌させる。すると、第 1および第 2の係合用突起 1 9 A, 1 9 Bがスリーブ 4 0 a内に進入する。この進入時において、それら第 1および第 2の係合用突起 1 9 A， 1 9 Bの先端部が係合用段部 2 4 , 3 4の下向きの面 2 4 b , 3 4 bに接触したときには、これらの係合用突起 1 9 A， 1 9 Bは弾"生力をもって橈み、それらの面 2 4 b , 3 4 bを簡単に乗り越える。このため、図 1 8に示すように、爪部 1 9 a， 1 9 bを係合用段部 2 4 , 3 4よりも高い位置まで到達させて、それら係合用段部 2 4， 3 4に係合させることができる。面 2 4 b , 3 4 bが傾斜面であることにより、上記係合動作をより円滑に行なわせることができる。また、第 1および第 2の係合用突起 1 9 A， 1 9 Bの上端を図示されているように傾斜面にしておけば、上記係合を円滑にするのにより好ましいものとなる。

上記した係合を行なわせる際には、ランセットホルダ 5が第 1の係合用突起 1 9 Aから上向きの押圧力を一時的に受ける。これに対し、図 1 7に示すように、上記係合を行なわせる前には、ストツノ、° 7 9 aをハウング 4の内部に突出させておく。このようにしておけば、ラッチ用部材 5 9の上昇が阻止されるために、ラッチ用部材 5 9が不必要にラッチされないようにすることができる。また、このようにラツチ用部材 5 9の上昇を阻止しておけば、第 1の係合用突起 1 9 Aを上昇させていくときにランセットホルダ 5を一定の高さに維持させておくことができるために、係合用段部 2 4に対する第 1の係合用突起 1 9 Aの係合動作が確実化される。

次いで、図 1 9に示すように、ケース 1をハウジング 4からその下方に抜き外す。その際、第 1および第 2の係合用突起 1 9 A, 1 9 Bは、ランセット 2およびセンサホルダ 3に係合しているために、ケース 1を下方に移動させることにより、それらランセット 2およぴセンサホルダ 3をランセットホルダ 5および保持部 6から取り外すことができる。

本実施形態の穿刺用ュ-ット Uにおいては、次のような効果が得られる。まず、ランセット 2をランセットホルダ 5から引き抜く場合、その引き抜き方向は下方向であるのに対し、第 1の係合用突起 1 9 Aの爪部 1 9 aは、係合用段咅 15 2 4の上向きの面 2 4 aに係合している。したがって、爪部 1 9 aと面 2 4 a との係合は確実となり、上記した従来技術とは異なり、ランセット 2を第 1の係合用突起 1 9 Aによって確実に捕捉することができ、ランセット 2の取り外しの確実ィ匕が図られる。一対の係合用突起 1 9 Aは、ランセット 2をその両側方から挟む配置となるため、上記係合はより確実なものとなる。

上記したように、第 1の係合用突起 1 9 Aとランセット 2との係合が確実化されると、ランセット 2をランセットホルダ 5から引き抜く際に、ランセット 2に強い引き抜き力を作用させることが可能となる。このことは、ランセット 2をランセットホルダ 5に対して強レ、保持力が発揮されるように装着させている場合であっても、ランセット 2の適切な取り外しが実現できることを意味する。したがつて、ランセット 2をランセットホルダ 5に対して容易に抜け外れないように保持させる手段としては、ランセット 2をランセットホノレダ 5の凹部 5 0に密に嵌合させる手段を採用すればよい。本実施形態によれば、上記した従来技術とは異なり、ランセット 2とランセットホルダ 5とにネジを形成してこれらを螺合させるといった必要はなく、それらの構造を簡単にすることができる。

センサホルダ 3については、 1つの第 2の係合用突起 1 9 Bを用いるだけであるが、この第 2の係合用突起 1 9 Bの爪部 1 9 bとセンサホルダ 3の係合用段部 3 4の上向きの面 3 4 aとの係合も、第 1の係合用突起 1 9 Aとランセット 2との係合の場合と同様に、確実なものとなる。したがって、センサホルダ 3を保持部 6から取り外す作業も適切に行なうことができる。

上記したランセット 2およびセンサホルダ 3の取り外し作業は、ランセット 2 およびセンサホルダ 3の装着作業と同様に、ケース 1をハウジング 4の先端部に嵌脱させるだけのいわゆるワンタツチ操作で行なえることとなる。したがって、その作業は容易である。使用済みのランセット 2およびセンサホルダ 3は、ケース 1内に収容することができるために、ユーザがこれらランセット 2やセンサホルダ 3に手を触れる必要は無い。したがって、それらの廃棄処理を衛生的に行なうこともできる。ケース 1内には、キャップ 2 9も収容されたままであるから、これらを一括して簡単に廃棄処分に付すことができる。本実施形態の穿刺用ュニット Uは、ランセット 2およびセンサホルダ 3を穿刺装置 Aに装着させる用途と、穿刺装置 Aからそれらランセット 2およびセンサホルダ 3を取り外す用途とのいずれにも用いることができ、この点においても便利である。

図 2 0〜図 2 5は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付してレヽる。

図 2 O Aに示す穿刺用ユニット U aにおいては、ケース 1 Aが一端開口状に形成されており、このケース 1 Aの内部を区画することなく、ランセット 2、キヤップ 2 9、センサホルダ 3、一対の第 1の係合用突起 1 9 A、および第 2の係合用突起 1 9 Bがケース 1 A内に設けられている。ただし、ケース 1 Aは、図 2 0 Bに示すように、たとえば略長円形状に形成されており、ランセット 2、キヤップ 2 9、およびセンサホルダ 3は、ケース 1 Aの中央部よりも長手方向一端寄りに設けられている。第 1およぴ第 2の係合用突起 1 9 A, 1 9 Bは、それとは反対に、ケース 1 Aの中央部よりも長手方向他端寄りに設けられている。ケース 1 Aの長手方向両端の円弧状部分の内面には、凸状部 1 3 A, 1 3 Bが形成されている。

このような構成によれば、図 7に示した穿刺装置 Aのスリーブ 4 0 aに対し、ケース 1 Aの長手方向一端寄り部分を嵌合させてから引き抜くと、ランセット 2 およびセンサホルダ 3を穿刺装置 Aに装着することができる。また、ケース 1 A の長手方向他端寄り部分を、穿刺装置 Aのスリーブ 4 0 aに嵌合させてから引き抜くと、ランセット 2およびセンサホルダ 3を穿刺装置 Aから取り外すことができる。ケース 1 Aをスリーブ 4 0 aに嵌合させるときには、凸状部 1 3 A, 1 3 Bのいずれか一方を上記スリーブ 4 0 aに形成された凹溝 4 2に嵌合させることによってケース 1 Aが回転しないようにすることもできる。したがって、ケース 1 A内の各部をそれに対応する穿刺装置の所定部分に正確に導くことが可能である。本発明においては、本実施形態の穿刺用ユニット U aのように、ケースの 1 つの室内に所定の部品または部分を設けた構成にしてもかまわない。このようにすれば、ランセットの装着後において、穿刺装置からランセットを取り外すときに、ケースを反転させる必要がない。

図 2 1に示す穿刺用ュニット U bにおいては、先の実施形態のセンサホルダ 3 および第 2の係合用突起 1 9 Bに相当する部品または部分が設けられておらず、ケース 1内には、ランセット 2、キャップ 2 9、および一対の第 1の係合用突起 1 9 Aが設けられている。穿刺装置としては、穿刺用部材の針をたとえば人体の皮膚に突き刺すことによって出血を生じさせる機能のみを有するシンプルな構造のものに製作されたものがある。したがって、本発明においては、そのような構成を有する穿刺装置に対応すべく、本実施形態の穿刺用ュニット U bのようにセンサホルダ 3などの分析用部品や、その着脱機能を有しないものとして構成することもできる。

図 2 2 Aに示す穿刺用ュニット U cにおいては、一対の第 1の係合用突起 1 9 Aがキャップ 2 9を挟むようにしてキャップ 2 9の近傍に設けられている。ランセット 2を穿刺装置に装着した後に、このランセット 2を取り外すときには、図 2 2 Bに示すように、凸部 1 5を破断させるなどしてキャップ 2 9をケース 1力ら離脱させる。このようにすれば、第 1の係合用突起 1 9 Aの周囲にキャップ 2 9が存在しない構成に設定することができるために、第 1の係合用突起 1 9 Aを利用して穿刺装置からキャップ 2 9を取り外す作業を適切に行なうことが可能となる。このような構成の穿刺用ユエット U cによれば、キャップ 2 9およびランセット 2に対して第 1の係合用突起 1 9 Aを接近させて設けることができる分だけ、先に説明した穿刺用ユニット U， U a , U bと比較して、ケースのサイズを小さくすることができる。

図 2 3 Aに示す穿刺用部材の取り外し具 Bは、凸状部 1 3 Aを有するケース 1 B内に、一対の第 1の係合用突起 1 9 Aと第 2の係合用突起 1 9 Bとが設けられた構成を有している。ケース 1 B内には、ランセット 2やセンサホルダ 3に相当する部材は組み込まれていない。このような構成の取り外し具 Bは、たとえば図 2 3 Bに示すような穿刺用ュニット U dとは別個に準備され、穿刺用ュニット U dを用いて穿刺装置に装着されたランセット 2およびセンサホルダ 3を穿刺装置から取り外すのに好適に利用することができる。その取り外しの際には、図 1および図 2に示した穿刺用ュニット Uについて説明したのと同様な効果が得られる。このように、本発明においては、穿刺装置から所定の部品を取り外すためにのみ用いられる取り外し具として構成することもできる。また、取り外し具として構成する場合、第 2の係合用突起を具備しないものとして、穿刺用部材の取り外し機能のみを有する構成とすることもできる。

図 2 4 A〜図 2 4 Cは、ランセット 2に設けられる係合用段部 2 4とこれに係合させるための一対の第 1の係合用突起 1 9 Aの他の構成例を示している。図 2 4 Aにおいては、ランセット 2の係合用段部 2 4が凹状に形成されており、かつ第 1の係合用突起 1 9 Aの爪部 1 9 aはその凹状部分に係入可能な構成とされている。図 2 4 Bにおいては、ランセット 2の係合用段部 2 4が凸状とされ、かつ第 1の係合用突起 1 9 Aの先端部には、その凸状部分に嵌合可能な凹状部 1 9 a が形成された構成とされている。図 2 4 Cにおいては、ランセット 2の係合用段部 2 4が複数の凹凸部を備えた形状とされ、かつ第 1の係合用突起 1 9 Aの先端部はそれに対応した複数の凹凸部を備えた構成とされている。

このように、本発明においては、穿刺用部材に設けられる係合用段部の具体的な形状や数、ならびにその係合用段部に係合させるための係合用突起の具体的な形状は、適宜に変更することができる。本発明でいう係合手段は、穿刺装置のハウジング内にその開口部から挿入されたときに、穿刺用部材のうち、上記ハウジングの後部方向を向く面に係合可能な構成を有していればよい。係合用突起によつて係合手段を構成する場合、係合用突起を必ずしも対で設ける必要はなく、それ以上の数で設けたり、あるいは 1つのみ設けた構成とすることもできる。

図 2 5に示すランセットホルダ 5は、複数の係合用突起 5 7を備えており、これら複数の係合用突起 5 7の内方にランセット 2が保持されるように構成されている。ボディ部 2 0の外周面には、各係合用突起 5 7の先端部を係合させるための凹部 2 5が形成されており、この係合によりランセット 2がランセットホルダ 5の先端部から不用意に抜け外れないようになつている。本発明においては、ランセットをランセットホルダに保持させる場合に、このような係合構造を採用してもよレ、。本発明においては、穿刺用部材が可動部材に嵌合装着可能とされるが、上記したように複数の係合用突起の中にランセットの一部を配置させた状態も本発明でいう「嵌合」に含まれる。図 2 5に示した構成において、ランセット 2を抜き外すための係合用突起 1 9 Aとしては、たとえばその先端の爪部 1 9 aをランセット 2の凹部 2 5に係入させるようにすればよい。

本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る穿刺用ュニット、穿刺用部材の取り外し具、および穿刺装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。

本発明に係る穿刺用ュニットの支持部材は、穿刺用部材の針を覆うキヤップを有しないものとして、あるいは一端または両端が開口したケース状の形態を有しないものとして構成することもできる。穿刺用部材としては、上記実施形態のランセットとは異なる構造のものを用いることができる。

本発明に係る穿刺装置や穿刺用ュニットは、血液中のグルコース濃度の測定に用いられるものに限定されない。それ以外の種々の測定、分析用途に利用することが可能である。本発明でレヽう分析用部品とは、少なくとも穿刺により得られる試料をサンプリング可能な機能を有していればよく、試薬を備えたセンサが装着されたセンサホルダに限らない。たとえば、適当な基板上に試薬が具備されたセンサ単品、試験紙そのもの、あるいは単なる試料サンプリング用の小片状の部材を分析用部品とすることもできる。

本発明に係る穿刺装置においては、ストツパを動作させるための専用の駆動部を有しない構成にしてもよレ、。たとえば、ストッパをユーザが手で動力すことができるようにし、ストツバのポジションの切り替えをユーザが行なうようにしてもかまわない。本発明においては、穿刺用部材が装着される可動部材（ランセットホルダ）に対してストッパを直接当接させることによってその後退動作を阻止する構成にすることもできる。

Claims

請求の範囲

1 . 先端に開口部を有するハウジング内に可動部材が往復動可能に設けられている穿刺装置に装着して使用するための穿刺用部材と、

上記穿刺用部材を分離可能に支持する支持部材と、

を備えている、穿刺用ユニットであって、

上記穿刺用部材は、上記可動部材から上記ハウジングの先端寄りに引き抜くことが可能に上記可動部材に嵌合して装着可能であるとともに、上記可動部材に装着されたときには、上記ハゥジングの後部方向を向く係合用の面を有する構成とされており、

上記支持部材には、上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されているときに上記開口部から上記ハゥジング内に揷入されることによって、上記係合用の面に係合する係合手段が設けられていることを特徴とする、穿刺用ュ-ット。

2 . 上記穿刺用部材は、針と、この針を支持するボディ部とを有している、請求項 1に記載の穿刺用ュニット。

3 . 上記ボディ部の外周面に凹状または凸状の段部が形成されていることにより、上記係合用の面が設けられている、請求項 2に記載の穿刺用ュニット。

4 . 上記係合手段は、上記穿刺用部材の針が延びる第 1の方向に延び、かっこの第 1の方向と交差する第 2の方向に突出する爪部が先端部に形成された少なくとも 1つの係合用突起を含んでいる、請求項 3に記載の穿刺用ュニット。

5 . 複数の係合用突起があり、力つこれら複数の係合用突起は、上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されているときに、この穿刺用部材を挟むようにして上記係合用の面に係合可能な構成とされている、請求項 4に記載の穿刺用ュニット。

6 . 上記ボディ部の段部は、フランジ状であるとともに、上記複数の係合用突起のそれぞれの爪どうしの間隔は、上記段部の外径または幅よりも小さくされており、

上記穿刺用部材が上記可動部材に装着されている状態において、上記各係合用突起が上記ハゥジング内に揷入されたときには上記各係合用突起が上記段部との接触によって上記第 2の方向に弾性変形することによって上記各爪が上記段部を乗り越えるように構成されている、請求項 5に記載の穿刺用ュニット。

7 . 上記支持部材は、上記穿刺用部材の針を覆い、かつ上記穿刺用部材を分離可能に支持するキャップを含んでいる、請求項 2に記載の穿刺用ュュット。

8 . 上記ボディ部と上記キャップとの境界部分は、上記ボディ部および上記キヤップの他の部分と比べて応力が集中し易い構造とされている、請求項 7に記載の穿刺用ュニット。

9 . 上記支持部材は、上記ハウジングの先端部にスライド嵌合可能な筒状部を有しており、

この筒状部内に、上記穿刺用部材および上記係合手段が配されている、請求項 1に記載の穿刺用ュニット。

10. 分析用部品と、追加の係合手段と、をさらに備えており、

上記分析用部品は、上記穿刺用部材を上記可動部材に装着させるときにこの分析用部品を上記穿刺装置の所定箇所に装着することができるように、上記支持部材に離脱可能に支持されているとともに、上記所定箇所に装着されたときには上記ハゥジングの後部方向を向く係合用の面を有する構成とされており、

上記追加の係合手段は、上記分析用部品が上記支持部材から分離されて上記穿刺装置の所定箇所に装着されている状態において、上記ハウジング内に上記開口部から揷入されたときに、上記分析用部品の上記係合用の面に係合する構成とされている、請求項 2に記載の穿刺用ユニット。

11. 上記追加の係合手段は、上記穿刺用部材の針が延びる第 1の方向に延び、つこの第 1の方向と交差する第 2の方向に突出する爪部が先端部に形成された追加の係合用突起を含んでいる、請求項 1 0に記載の穿刺用ュニット。

12. 上記支持部材は、上記ハウジングの先端部にスライド嵌合可能な筒状部を有しており、かつ上記穿刺用部材、上記分析用部品、上記係合手段、および上記追加の係合手段は、上記筒状部内に配されている、請求項 1 0に記載の穿刺用ュニッ卜。

13. 上記係合手段および上記追加の係合手段は、上記筒状部が上記ハウジングの先端部にスライド嵌合されることによつて上記ハウジング内にともに進入するように設けられている、請求項 1 2に記載の穿刺用ュニット。

14. 上記支持部材は、上記筒状部内をこの筒状部の軸長方向において隣り合う第 1および第 2の室に区画する区画壁を備えており、かつ、

上記キャップ、上記穿刺用部材および上記分析用部品は、上記第 1の室内に位置するとともに、上記第 1および第 2の係合手段は、上記第 2の室内に位置している、請求項 1 3に記載の穿刺用ユニット。

15. 上記第 1の室を密閉する蓋材を備えている、請求項 1 4に記載の穿刺用ュニッ卜。

16. 上記支持部材は、上記キャップ、上記穿刺用部材、上記分析用部品を収容する室を有しており、かっこの室内に上記係合手段および上記追加の係合手段がさらに設けられている、請求項 1 2に記載の穿刺用ユニット。

17. 先端に開口部を有するハウジング内に可動部材が往復動可能に設けられている穿刺装置の上記可動部材に嵌合装着された穿刺用部材を取り外すのに用いられる穿刺用部材の取り外し具であって、上記開口部から上記ハゥジング内に挿入されることにより上記穿刺用部材の上記ハウジングの後部方向を向く係合用の面に係合する係合手段を備えていることを特徴とする、穿刺用部材の取り外し具。

18. 筒状部を有するとともに、上記係合手段を支持している支持部材をさらに備えており、

上記筒状部が上記ハウジングの先端部にスライド嵌合されることにより、上記係合手段が上記穿刺用部材の上記係合用の面に係合する構成とされている、請求項 1 7に記載の穿刺用部材の取り外し具。

19. 上記支持部材に設けられた追加の係合手段を備えており、

この追加の係合手段は、上記穿刺装置の所定箇所に分析用部品が装着されている状態において、上記筒状部が上記ハウジングの先端部にスライド嵌合されたときに上記開口部から上記ハゥジング内に進入して上記分析用部品の上記ハゥジングの後部方向を向く係合用の面に係合する構成とされている、請求項 1 8に記載の穿刺用部材の取り外し具。

20. 先端に開口部を有するハ'

このハウジング内に往復動可能に設けられ、かつ先端部に穿刺用部材を嵌合装着可能に構成された可動部材と、

この可動部材を上記ハウジングの先端に向けて付勢するための付勢力付与手段と、

上記可動部材が上記付勢力付与手段の付勢力に抗して上記ハゥジングの奥部に所定寸法以上押し込まれたときに上記可動部材をラッチするラッチ手段と、一定の操作がなされることにより上記ラッチ手段による上記可動部材のラッチ状態を解除させるラッチ解除手段と、

を有している、穿刺装置であって、

上記可動部材が上記ハゥジングの奥部に上記所定寸法以上押し込まれることを阻止可能なストッパを備えていることを特徴とする、穿刺装置。

21. 上記ストッパは、上記可動部材または上記可動部材に連動する連動部材の移動経路に出没可能であり、かつ上記移動経路に位置することにより、上記可動部材の後退を規制するように上記可動部材または上記連動部材に当接可能である、請求項 2 0に記載の穿刺装置。

22. 上記ハゥジング内には、分析用部品を取り外し可能に装着可能な保持部が設けられている、請求項 2 0に記載の穿刺装置。