WO2004049997A1

WO2004049997A1 - 縦長の吸収性物品

Info

Publication number: WO2004049997A1
Application number: PCT/JP2003/015391
Authority: WO
Inventors: Jun Kudo; Kenichiro Kuroda; Takuya Miyama; Masataka Kinoshita
Original assignee: Uni-Charm Corporation
Priority date: 2002-12-05
Filing date: 2003-12-02
Publication date: 2004-06-17
Also published as: KR101078109B1; JP2004181085A; EP1568341A4; EP1568341B1; TW200503656A; EP1568341A1; CN1329010C; AU2003284532A1; TWI235052B; MY134516A; KR20050086479A; US20050124951A1; US7078583B2; CN1711061A; JP4390445B2

Description

明細書縦長の吸収性物品関連出願の表示

本出願は、 2 0 0 2年 1 2月 5日出願の日本国特許出願第 2 0 0 2 - 3 5 4 1 7 8号に基づく優先権を主張して出願されている。上記日本国特許出願の開示内容は、本明細書の開示の一部として援用する。技術分野

本発明は、女性性器から排泄される経血などの吸収に適した吸収性物品に係り、特に、着用者の身体を膣口から臀部までを覆う縦長の吸収性物品に関する。背景技術

女性性器から排泄される経血を吸収する吸収性物品の一般的な構造は、肌側表面に位置する液透過性の表面シートと、着衣側表面に位置する液不透過性の裏面シートと、前記表面シ一トと裏面シートの間に介在する液吸収層とを有するものであり、通常は下着のクロツチ布の内面に前記裏面シートが感圧接着層を介して接着された状態で着用される。前記吸収性物品では、肌側表面に与えられる絰血を確実に捕捉して、吸収性物品からの液の横洩れ及び液の後洩れを防止する機能が要求される。

特に生理中の女性が就寝時に着用する吸収性物品では、吸収性物品の横方向からの経血の洩れを防止すると共に、身体を伝わって肛門から臀部の溝に向かって流れ出ようとする経血、または吸収性物品の肌側表面に沿って後方へ流れようとする経血を外に漏らすことなく確実に吸収することが求められる。そのため、就寝時に使用される吸収性物品は、日中に使用するものよりも縦方向に長く形成され、その肌側表面で膣口の前方の恥丘から肛門よりも後方の臀部までの広い範囲を覆うことができるようにしている。

この種の吸収性物品において、液吸収層に圧縮溝を形成し、この圧縮溝を可撓軸として変形させることで肌側表面が女性の股間部に密着しやすくしたものが存在している。

特開平 1 0— 3 2 8 2 3 3号公報（特許文献 1 ) には、後部が着用者の臀部を覆うことのできる縦長の吸収性物品が開示されている。この吸収性物品は、前部において肌側表面に縦方向に延びる一対の表溝が形成され、後部において着衣側表面に縦方向に延びる後方溝が形成されている。前記表溝と前記後方溝は、横方向から見たときに重複しないように前後に離れて形成されている。この吸収性物品は、前部に位置する表溝を可撓軸として、表溝で挟まれた中央部が着用者の身体に向けてアーチ状に変形して排泄部に密着しやすくなるとともに、後部では後方溝の部分でナプキンが着用者の身体に向けて凸形状に変形しやすく、この凸状部分が臀部の溝内に密着しやすくなるというものである。

次に、実開平 3— 3 3 6 2 2号公報（特許文献 2 ) に記載の生理用ナプキンは、ナプキンの肌側表面に縦方向に延びる一対の第 1の圧搾条溝が形成され、ナプキンの着衣側表面に、前記一対の第 1の圧搾条溝の中間に位置して縦方向に延びる第 2の圧搾条溝が形成されている。この生理用ナプキンは、第 2の圧搾条溝の部分でナプキンの中央部が着用者の肌側へ凸が向けられるように変形し、第 1の圧搾条溝の部分でナプキンの両側部が着衣側に凸が向くように変形させられることにより、断面が W形状に変形しやすくなり、ナプキンの中央部が着用者の身体の排泄局部に密着しやすくなるというものである。

特許文献 1に記載の生理用ナプキンは、後部に後方溝が形成され、この後方溝を有する部分が臀部の溝にフィツトできるようになつている。しかし、前記後部では、後方溝以外は平坦な構造であるため、例えば生理用ショーツの後身頃の中央に設けられた弾性部材により、前記後方溝の部分が臀部の溝内に押し付けられたときに、後方溝に与えられる押圧力の反力によって後方溝の両側に位置する部分が臀部から離れる向きに変形しょうとする。そのため、臀部の表面と生理用ナプキンとの後部との間に隙間が形成されやすい。

次に、前記特許文献 2に記載のものは、大腿部からの側圧を受けたときに生理用ナプキンの断面が W形状に変形しやすく、肌側表面の中央部分が膣口に密着しやすい。しかし、仮に生理用ナプキンの臀部に当たる後方部分に特許文献 2に記載の構造を採用した場合、生理用ナプキンの後方部分を臀部の曲面に沿って確実にフィットさせることができない。すなわち臀部は肛門の後方に溝を有し、且つ溝の両側で三次元的な凸曲面であるため、断面が W形状に変形した生理用ナプキンの後方部分を、前記三次元的な凸曲面に合わせることは難しい。そのため、臀部の表面と、生理用ナプキンの後方部分との間に隙間が形成されるのを避けることができない。

本発明は、上記従来の欠点に鑑み成されたものである。よって本発明の目的は、後方部分が臀部の溝内に入りやすく、しかも溝内に入る部分以外では、臀部の形状に応じて≡次元的な凹曲面となるように変形しやすい吸収性物品を提供することである。発明の開示

本発明では、肌側表面に位置する液透過性の表面シートと、着衣側表面に位置する裏面シ一トと、前記表面シートと前記裏面シ一トとの間に位置する液吸収層を備え、前記表面シートと共に前記液吸収層が圧縮され前記肌側表面が前記着衣側表面に向けて凹状となった圧縮溝が形成された吸収性物品が供せられ、

前記圧縮溝は、吸収性物品の後半分に配置され吸収性物品の縦方向中心線に関して対称に延びる後方内側圧縮溝を有し、その間に後方中央領域を規定し、且つ、前記後方内側圧縮溝の後端を連結する後方連結圧縮溝を有し、これにより前記後方中央領域の後端を規定しており、

前記後方中央領域内において、前記液吸収層が着衣側表面から肌側表面に向けて凹状とされ縦方向中心線に沿って延びる裏側圧縮部が形成されて、前記裏側圧縮部の後端は、前記後方連結圧縮溝よりも前方に位置しているものである。

この吸収性物品では、後方中央領域が下着の緊迫力によって臀部の溝内に押し付けられたときに、裏側圧縮部を有する後方中央領域が臀部の溝内に入り込むように変形できる。裏側圧縮部を有する後方中央領域は、後方内側圧縮溝と後方連結圧縮溝で囲まれているため、臀部の溝内に向けて凸状に変形した後方中央領域の外側の部分が前記後方内側圧縮溝および後方連結圧縮溝を起点として三次元的な凹状に湾曲しやすくなる。よって、後方中央領域が臀部の溝内に入るとともに、その周囲が臀部の曲面に沿うように変形しやすく、臀部と吸収性物品との密着性が良好になる。

本発明において、前記後方内側圧縮溝は、その対向間隔が吸収性物品の後方に向けて徐々に狭くなるように形成されていてもよい。

この構造の場合、後方中央領域が臀部の溝内に入りやすくなる。

本発明では、前記後方内側圧縮溝の左右両外側に、吸収性物品の縦方向に延びる後方外側圧縮溝が設けられていてもよい。この構造の場合、後方中央領域よりも外側部分が三次元の凹曲面形状に変形しやすくなる。

前記後方外側圧縮溝は、前記後方連結圧縮溝よりも後方に離れた位置で連結されていることが好ましい。

このように構成すると、吸収性物品の後方部分で圧縮溝が二重となるため、後方部分において吸収性物品が三次元の凹状に湾曲しやすくなる。本発明では、前記後方中央領域でよりも、前記後方内側圧縮溝と前記後方外側圧縮溝とで挟まれた領域での方が液吸収層の密度が高いものとできる。

このように後方内側圧縮溝の周囲で液吸収層の密度を高くしておくと、後方中央領域の外側で三次元の凹曲面の状態に維持でき、着用者の身体からの圧力により変形したり蹉れが生じるのを防止できるようになる。

また本発明は、前記圧縮溝がさらに、前記後方内側圧縮溝から途絶することなく前方に延びる前方内側圧縮溝と、前記前方内側圧縮溝の左右両外側に配置され吸収性物品の縦方向に延びる前方外側圧縮溝とを有しており、

前記後方内側圧縮溝前記前方内側圧縮溝との境界部には、横方向に対向する圧縮溝間の間隔を広げる変曲部が設けられており、前記変曲部の左右両外側において、前記後方外側圧縮溝と前記前方外側圧縮溝とが離間しているものとして構成できる。

このような構成の吸収性物品では、前記変曲部で挟まれた幅広の部分が、前後に位置する前方外側圧縮溝と後方外側圧縮溝とで 4方向から集中して押圧力を受けることにより、前記変曲部で挟まれた幅広の部分が、着用者の会陰部に向けて膨らみを呈し前記会陰部に密着しやすくなる。この会陰部への密着と、前記後方中央領域の臀部の溝への密着、さらには前記三次元の凹曲面への変形とによって、経血が吸収性物品の後方からさらに臀部方向へ洩れるのを有効に防止できるようになる。

本発明では、肌側表面に縦方向に向けて弾性収縮力を与える弾性伸縮部材が設けられ、この弾性伸縮部材の後方での作用端が、前記後方外側圧縮溝の前端よりも前方、あるいはその近傍に設けられているものであつてもよい。

前記弾性伸縮部材を設けることにより、吸収性物品の前部と後部とが引かれ合い、吸収性物品は着用者の身体の形状に合わせて凹状に変形しやすくなる。ただし、後方外側圧縮溝は、前記弾性伸縮部材の作用端よりも後方に位置しているため、後方中央領域の外周に位置している後方内側圧縮溝および後方外側圧縮溝には、弾性伸縮部材の弾性収縮力が作用せず、よって、後方中央領域の外周部分は、凹状に湾曲した状態を確実に維持できるようになる。

また本発明では、裏面シ一卜が液吸収層の前記裏側圧縮部に接合されており、前記裏面シ一トが前記裏側圧縮部の凹みに入り込んでいることが好ましい。

バックシ一トが裏側圧縮部の凹みに入り込んでいると、バックシ一トの素材が裏側圧縮部の形状を保つ補強機能を発揮し、裏側 IK'J /圧 i縮mtj部 IJ Ϊに沿つて液吸収層が凸状に変形した状態を保ちやすくなる。

また、前記裏面シートの外面には、前記裏側圧縮部を覆う位置で、吸収性物品の縦方向に延びる細長い範囲に感圧接着剤層が設けられていることが好ましい。

この構造の場合、裏側圧縮部を覆う細長の範囲で裏面シートが下着にしっかり固定されるため、前記裏側圧縮部が下着の中央部分から位置ずれすることがなく、裏側圧縮部を有する部分が下着の緊迫力によって臀部の溝内に確実に押し込まれるようになる。図面の簡単な説明

本発明は以下の詳細な説明及び添付の本発明の好適な実施の形態の図面からより詳しく理解されるものであるが、しかしながらこれらは本発明を限定するものではなく、単に説明及び理解のためのものである。図面において、

図 1は本発明の吸収性物品の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図であり、主に圧縮溝のパターンを示す、

図 2は本発明の吸収性物品の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図であり、主に表面シートの形状を示す、

図 3は本発明の吸収性物品の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図であり、主に裏面圧縮部と感圧接着剤層の配置を示す、

図 4は生理用ナプキンがクロツチ布に取り付けられた状態の I V— I V線の断面図、

図 5は図 1の生理用ナプキンの V— V線の半断面図、

図 6は生理用ナプキンの後部の変形状態を示す斜視図、

図 7は図 6の V I I - V I I線による生理用ナプキンの断面図

図 8は生理用ナプキンが女性の股間部に取り付けられた状態を示す断面説明図、

図 9は本発明の他の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、図 1 0は本発明の他の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図、図 1 1は本発明の他の実施の形態の生理用ナプキンを示す平面図。発明を実施するための最良の形態

以下、添付の図面を参照し、本発明に準じた好ましい実施の形態において本発明を詳述する。以下の記載においては本発明を完全にご理解頂く為に幾多の具体的細部が挙げられている。しかしながら、こうした具体的細部無しであっても本発明が為し得ることは当業者には自明なことである。また、本発明が無意味に不明瞭なものとなることを避けるため、公知な構造について詳細に示すことはしていない。

本発明の吸収性物品は、女性の膣口から排泄される絰血を吸収することを主な目的とする生理用ナプキンとして使用される。また吸収性物品の 2つの表面のうち着用者の股間部に向けられる表面を肌側表面とし、反対側の表面は、その外側に着衣が着用されるか否かに拘らず着衣側表面と表現する。

ここで用いられる縦方向中心線との用語は、吸収性物品を横方向に二分して縦方向に延びる線を意味する。一方、横方向基準線との用語は、必ずしも吸収性物品を縦方.向に二分して横方向に延びる線を意味せず、着用中に膣口に当たることになっている部分でその縦方向の中心を横切って横方向に延びる線を意味している。

圧縮溝及び裏側圧縮部は、凹部が連続線状に延びるように形成されているものであってもよいし、離れ離れの圧縮部が一列に並ぶように形成されているものであってもよい。前方中央領域は、膣口に当たる部分を意味し、後方中央領域は、着用者の身体のうちで、膣口よりも後方で、肛門及び臀部の溝を含む部分に対向する部分を意味する。前記前方中央領域と後方中央領域との境界部分は膣口と肛門との間に位置する会陰部に対向する。

図 1ないし図 3は、本発明の吸収性物品の実施の形態として生理用ナプキン 1を肌側表面を上向きにして示した平面図である。図 1ないし図 3は同じ生理用ナプキン 1を示しているが、個々の構成要素を説明しやすくするために便宜上別々の図としている。図 1は主に圧縮溝のパ夕一ンを示し、図 2は表面シートの形状を示し、図 3は裏側圧縮部と感圧接着剤層の配置を示している。

図 4は、前記生理用ナプキン 1が下着のクロッチ布に取り付けられた状態を示すものであり、 IV— IV線（横方向基準線）の断面図、図 5 は前記生理用ナプキン 1の後部を示す V— V線の半断面図である。

図 1ないし図 3に示す生理用ナプキン 1は、生理中の女性が就寝時などに着用するのに適した縦長のものであり、縦方向の全長寸法は、ほぼ 200〜450 mmである。

生理用ナプキン 1は、縦方向中心線 0 y— 0 yから横方向に等距離を開けて縦方向に延びる右側縁部 1 aと左側縁部 1 bを有し、横方向基準線 Ox— Oxから前後に間隔を開けた凸曲線形状の前縁部 1 cおよび後縁部 1 dを有している。横方向基準線 Ox— Oxから前縁部 1 cまでの距離よりも、横方向基準線 Ox— Oxから後縁部 1 dまでの距離の方が長くなつている。

前記右側縁部 1 aと左側縁部 1 bは、横方向基準線 Ox— Oxを含む縦方向の所定の長さ範囲において左右両側に突出して、この突出部分でウィング部 1A, 1 Aが形成されている。さらにウィング部 1 A, 1 A よりも後方では、前記右側縁部 1 aと左側縁部 1 bは横方向の対向間隔が後方に向かって徐々に広がるように曲線形状に形成されており、この広がり部分で後方フラップ 1B， IBが形成されている。

図 4の断面図に示すように、この生理用ナプキン 1は、着衣側表面に現れる液不透過性の裏面シ一ト 2と、肌側表面に現れる液透過性の表面シート 3を有している。前記裏面シ一ト 2と前記表面シ一ト 3との間には液吸収層 4が介在し、表面シート 3と液吸収層 4との間にセカンド層 5が設けられている。図 1において点線で示すように、この液吸収層 4 は、前縁部 1 Cの内側から後縁部 1 dの内側にかけて、また前記ウィング部 1A, 1Aと後方フラップ I B, 1 Bを除く広い範囲に設けられている。

生理用ナプキン 1は、少なくとも表面シート 3と前記液吸収層 4とが局部的に加圧され且つ加熱されて、肌側表面に現れる圧縮溝 1 0が形成されている。すなわち、この圧縮溝 1 0は、加熱口一ラを用いたェンボス加工によって形成される。前液吸収層 4と表面シート 3が重ねられた状態で、液吸収層 4の外面に表面がフラットなロールが当てられ、表面シート 3の表面にエンボスパターンの凸部を有する加熱ロールが当てられて、加圧され且つ加熱されて圧縮溝 1 0が形成される。

前記圧縮溝 1 0は、前記液吸収層 4および表面シート 3がほぼフィルム状に圧着された高密度圧縮部 1 0 aと、フィルム状にはなっていないが圧縮溝 1 0以外の領域よりも液吸収層 4が高密度となった中密度圧縮部 1 0 bとを有している。この高密度圧縮部 1 0 aと中密度圧縮部 1 0 bは交互し、生理用ナプキン 1の肌側表面が裏面シート 2側へ窪んだ、連続的な凹溝となっている。

図 1に示すように、前記圧縮溝 1 0は符号 1 1ないし 1 7で示す各圧縮溝に区分される。

縦方向中心線 0 y— 0 yに関して対称に、縦方向に延びる前方内側圧縮溝 1 1 A， 1 1 Aが形成されている。前方内側圧縮溝 1 1 A , 1 1 A は、横方向基準線 O x— O xの部分でその対向間隔が狭くなるように、縦方向中心線 0 y— 0 yに凸側が向けられる円弧曲線となっている。前方内側圧縮溝 1 1 A , 1 1 Aの対向間隔は、横方向基準線 O x— O xから後方（後縁部 1 dの方向）に向かうにしたがって徐々に広くなる。また、前方内側圧縮溝 1 1 A , 1 1 Aの後部には後方に向かうにしたがつてその対向間隔が徐々に狭くなる後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 I Dが形成されている。前方内側圧縮溝 1 1 A， 1 1 Aと後方内側圧縮溝 1 1 D , 1 1 Dは、同じ圧縮溝である変曲部 1 1 B， 1 1 Bにより連結されている。この変曲部 1 1 B, 1 1 Bの対向間隔は、その前後に位置する圧縮溝よりも広くなっている。

前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aは、その前端が前方連結圧縮溝 12により連結されている。この前方連結圧縮溝 12は、前縁部 1 cに凸側が向けられる曲線形状である。前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aと前方連結圧縮溝 12との境界から、前縁部 1 cに向けて延長圧縮溝 13， 13がさらに延び出している。この延長圧縮溝 13， 13は、縦方向中心線 0 y— 0 yに関して対称に配置されている。

前記後方内側圧縮溝 1 I D, 1 1Dの後端は後方連結圧縮溝 14により連結されている。後方連結圧縮溝 14は、後縁部 I dに凸側が向けられる曲線形状である。

このように、前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 A、変曲部 1 I B, 1 1 B、後方内側圧縮溝 1 I D, 1 ID、前方連結圧縮溝 12、延長圧縮溝 13, 13、および後方連結圧縮溝 14は、全て連続して形成されている。また、前方内側圧縮溝 1 1 A， 1 1 Aと後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 1 D、前方連結圧縮溝 12、および後方連結圧縮溝 14により、生理用ナプキン 1の肌側表面の所定範囲が囲まれて、この囲まれた範囲が中央領域 2 0となっている。この中央領域 20は、縦方向中心線 0 y— 0 yに対して左右対称であり、横方向基準線 Ox— Oxよりも前方の部分が、横方向基準線 Ox— Oxよりも後方の部分より短い縦長形状である。

前記中央領域 20は、前方中央領域 2 OAと後方中央領域 20Dとからなる。図 8は、生理用ナプキン 1が女性の股間部に装着された状態を示しているが、膣口（N) に当たる部分が前方中央領域 20 Aであり、肛門（P) から臀部の溝（Q) を含む部分に当たる部分が後方中央領域 20 Dである。また、中央領域 20は前記変曲部 1 1 B, 1 1 Bで挟まれた部分で幅広となっている。図 1ないし図 3に示す実施の形態では、前方中央領域 2 OAが前記変曲部 1 1 B, 1 1 Bを結ぶ直線 20 Eの前方であり、後方中央領域 20 Dが前記直線 20 Eの後方である。また、前記変曲部 1 1 B, 1 1 Bの間の幅広部は 20Bで示され、この幅広部 20Bは前方中央領域 2 OA と後方中央領域 20Dの双方に渡る範囲となっている。

前方内側圧縮溝 1 1A, 1 1 Aの左右両外側には、前方外側圧縮溝 1 5, 15が形成されている。この前方外側圧縮溝 15， 15は、前記横方向基準線 0 X - 0 Xを中心として縦方向の前後の所定長の範囲に形成されている。前記俞方外側圧縮溝 15 , 15は、前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aと相似の曲線形状である。

後方内側圧縮溝 1 1D， 1 I Dの左右両外側には、後方外側圧縮溝 1 6 , 16が設けられている。前記後方外側圧縮溝 16 , 16は、後縁部 1 dに向かうにしたがって間隔が徐々に狭くなるように傾斜し、左右の後方外側圧縮溝 1 6と 1 6が外側後方連結圧縮溝 1 7で連結されている。前記後方外側圧縮溝 16， 16と外側後方連結圧縮溝 17は連続して形成されており、外側後方連結圧縮溝 17は、後縁部 1 dに凸側が向けられた曲線形状である。

前記変曲部 1 1 B， 1 1 B間に規定された幅広部 20Bの左右両外側では、前方外側圧縮溝 15， 1 5の後端と、後方外側圧縮溝 1 6， 16 の前端 1 6 D , 1 6 Dとが不連続である。よって、前記変曲部 1 1 B , 1 1 Bの左右両外側には、前記前方外側圧縮溝 1 5， 15と後方外側圧縮溝 16 , 16の双方が形成されていない領域が形成されている。前記前方外側圧縮溝 1 5， 15の後端と後方外側圧縮溝 16， 16の前端 1 6 D, 16Dとの縦方向の間隔は 20〜6 Omm程度である。

図 3、図 5および図 7に示すように、前記後方中央領域 20Dでは、液吸収層 4に着衣側表面から肌側表面に向けて窪む裏側圧縮部 1 8が形成されている。この裏側圧縮部 1 8は、液吸収層 4を着衣側表面から圧縮することで形成されており、縦方向中心線 0 y—◦ yに沿って延びている。この裏側圧縮部 1 8は直線状の溝であってもよいし、縦方向に間欠的に並んだドット状の圧縮部の列や、縦方向に間欠的に並んだ短い直線状の圧縮部の列であってもよい。図 3に示すように、裏側圧縮部 1 8の前端 1 8 aは、前記直線 2 0 Eよりも後方に位置し、後端 1 8 bは、後方連結圧縮溝 1 4よりも前方に位置している。

前記裏側圧縮部 1 8に沿って、液吸収層 4と裏面シ一ト 2とがホットメルト接着剤などで接着固定されている。あるいは前記液吸収層 4と前記裏面シート 2とが熱接着されていてもよい。このように、前記裏面シート 2は前記裏側圧縮部 1 8の凹みに入り込んでいる。

図 2に示すように、前記セカンド層 5は、縦方向に前記中央領域 2 0 を横切るよう細長い帯状であり、左右両側縁部 5 a， 5 aは、前方内側圧縮溝 1 1 A , 1 1 Aおよび後方内側圧縮溝 1 1 D , 1 1 Dよりも内側に位置している。また、セカンド層 5の前端は、生理用ナプキン 1の前縁部 1 cまで延びており、後端が後縁部 1 dまで延びている。よって、前方連結圧縮溝 1 2、後方連結圧縮溝 1 4および外側後方連結圧縮溝 1 7では、表面シート 3とセカンド層 5および液吸収層 4がー緒に圧縮されている。また、中央領域 2 0の少なくとも前方中央領域 2 O Aにおいて、前記セカンド層 5と液吸収層 4との間に、パルプなどの親水性繊維と合成繊維とをバインダ一で接合してシ一ト化したエア一レイド不織布（エア一レイドパルプ）などの吸水性シートで形成された液獲得層を設けてもよい。

前方中央領域 2 O Aには、多数の液透過孔 2 5が規則的に配列して設けられている。この液透過孔 2 5は、円形であるが、長円形やスリットであってもよい。各液透過孔 2 5の開孔面積は 0 . 2〜8 mm ²であり、円形の場合は直径が 0 . 5〜3 . 2 mmである。隣接する液透過孔 2 5 の中心間距離は 1 . 5〜8 mmである。図 4に示すように、液透過孔 2 5は、表面シート 3を貫通してセカンド層 5に至るように形成されており、好ましくは前記液透過孔 2 5が、表面シ一ト 3からセカンド層 5を貫通して形成されている。前記液透過孔 2 5は、変曲部 1 1 Bと 1 1 B とを結ぶ直線 2 0 Eと前方連結圧縮溝 1 2とで挟まれた前方中央領域 2 0 Aに均一に分布している。

図 2および図 5に示すように、後方中央領域 2 0 Dでは、表面シート 3が変形させられて畝溝部 2 8が形成されている。すなわちこの畝溝部 2 8では、畝部と溝部が物品の縦方向に平行に延び且つ物品の横方向に交互するように、表面シート 3が波状断面とされている。この畝溝部 2 8は、後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 1 D、直'線 2 0 E、及び後方連結圧縮溝 1 4とで挟まれた後方中央領域 2 0 Dの全域を覆っている。

前記畝溝部 2 8を有する表面シート 3は、横方向に向けて伸縮性を有するため、後方中央領域 2 0 Dが図 7に示すように着用者の身体に向けて凸状に変形したときに、表面シ一ト 3が横方向に自由に伸長できる。前記表面シート 3は熱融着が可能な熱可塑性繊維を含んでおり、前記セカンド層 5も熱融着が可能な熱可塑性繊維を含んでいる。ここで表面シート 3及びセカンド層 5は、このような熱可塑性繊維のみで形成されたシート/層に限定されて解釈されるべきものではなく、熱可塑性繊維に加え天然繊維や再生セルロース繊維のような非熱融着性繊維を含むものであってもよい。

前記液透過孔 2 5は加熱した針またはピンにより形成される。すなわち、表面シ一ト 3とセカンド層 5が重ねられた状態で、表面シ一ト 3からセカンド層 5に向けて前記針またはピンを差し込んで、抜き取ることにより液透過孔 2 5が形成される。このとき、液透過孔 2 5の内面およびその周囲では、表面シート 3に含まれる熱可塑性繊維と、セカンド層 5に含まれる熱可塑性繊維とが互いに融着される。これにより、液透過孔 2 5の開孔形状を維持できるとともに、セカンド層 5によって液透過孔 2 5の閧孔周囲が補強される。また表面シート 3とセカンド層 5 とが熱融着されるため、表面シート 3とセカンド層 5 とを接着剤で接着する必要が無くなり、接着剤によって液の透過が阻害されることがない。前記畝溝部 2 8は、表面シート 3のみを熱エンボス成形することで形成されたものであり、例えば高さが 1 . 8 mmでピッチが 1 . 8 mmの凸条部を有するエンボスロールと、前記凸条部が嵌まることになる溝を有するエンボスロールとが 1 0◦ ~ 1 2 5 °Cに加熱され、両ロール間に表面シート 3が挟まれて畝部と溝部が形成される。表面シ一ト 3は熱可塑性繊維を含んでいるため、外力が与えられていない状態で前記畝部と溝部の形状を維持しょうとするため、表面シート 3は横方向に伸縮性を有するものとなる。

前記表面シート 3は、エア一スルー不織布で形成される。このエア一スルー不織布は、芯部が酸化チタンを含んだポリエチレンテレフタレ一ト（P E T ) で、鞘部がポリエチレン（P E ) の芯鞘型複合合成繊維を用い、この繊維を熱風によって接合したものであり、目付けは 1 5〜 6 0 g /m ²程度である。また表面シ一ト 3を構成している前記複合合成繊維のうちいくらかは親水性油剤がコーティングされたもの、残りは撥水性油剤がコーティングされたもので、これらは混合され、撥水性油剤がコーティングされた繊維の混合率は 1 0〜 3 0質量％が好ましい。表面シート 3に撥水性油剤がコーティングされた繊維を前記範囲の混合率となるように均一に含ませることで、表面シート 3に与えられた経血が表面シ一ト 3内で拡散しすぎるのを抑制でき経血が主に液透過孔 2 5を透過して液吸収層 4に与えられるようになる。ただし、前記表面シート 3は液透過孔 25以外の領域でも経血をセカンド層 5に向けて透過できる。このような液透過性を表面シ一ト 3 (こ付与するためには、密度が 0. 12 g/cm³以下であることが好ましく、その下限は 0. 025 g/cm³程度である。

セカンド層 5は、芯部がポリプロピレン（PP) で鞘部がポリェチレン（PE) の断面が偏芯形状の芯鞘型複合合成繊維で形成されたエア一スル一不織布で形成される。セカンド層 5のエア一スル一不織布では、すべての繊維が親水性油剤でコーティングされている。すなわち、撥水性油剤がコーティングされた繊維は含まれていない。この実施の形態では、セカンド層 5は前記エアースル一不織布を複数枚重ねて構成されており、例えば 1枚のエア一スルー不織布が 3枚重ねとなるように折り畳まれたものが使用される。 1枚のエースル一不織布の目付けは 15〜5 0 g/m²程度であり、セカンド層 5の目付けは 35〜1 5 O g/m²程度であり、好ましくは 50〜： L 00 g/m²である。

セカンド層 5の目付けを表面シート 3の目付けよりも大きくすることにより、目付けおよび密度の低い表面シ一ト 3を補強でき、表面シート 3に過大な皺が生じたり液透過孔 25の部分から破れを生じることなどを防止できる。

例えば、表面シート 3は繊度が 2. 2 d t e xの繊維で構成され、セカンド層 5は繊度が 4. 4 d t e xの繊維で構成されて、セカンド層 5 の繊維密度が表面シート 3の繊維密度よりも低くなつている。セカンド層 5の繊維密度は 0. 08~0. 016 g/cm³である。

セカンド層 5を繊度の大きい繊維で形成することにより、セカンド層 5に三次元方向に延びる繊維の網状構造を形成して内部に広い空隙を多く形成することができる。これにより、表面シ一ト 3を透過した経血を前記空隙内を自重で透過させることができ、ナプキンに瞬時に多く与えられた経血を速やかに液吸収層 4に移行させることができる。

なお、表面シ一ト 3とセカンド層 5が前記エアースルー不織布以外の不織布で形成されてもよい。例えば、表面シート 3を、再生セルロース繊維と熱融着性の熱可塑性繊維とさらに必要であればパルプとからなるスパンレース不織布とし、セカンド層 5を、パルプと熱可塑性繊維とを空気中で積層した後にバインダ一で接合し、加熱ロール間で加圧したエア一レイド不織布（エア一レイドパルプ）としてもよい。

前記液吸収層 4は、粉砕パルプ、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどのパルプめ集合体に、ポリァクリル酸塩、ポリアクリルアミド、無水マレイン酸などの合成吸水ポリマ一や、デンプン、セル口一スなどの天然系の吸収ポリマ一が含まれているものであり、パルプおよび前記合成吸水ポリマ一などが、親水性のティシユーべ一パで包まれたものが使用される。

前記裏面シート 2は、液不透過性で且つ通気性のシートであり、微細な通気孔が形成されたポリエチレン（P E ) フィルム、あるいはポリプロピレン（P P ) フィルムなどである。例えば、プラスチヅクシ一卜に C a C 0 ₃、 B a S 0 ₄等の無機フィラーを混合させて延伸処理することにより、微細な通気孔がフィルムに適切に分散して形成され、通気性が向上する。フィルムは厚みが 1 5〜 5 0 m程度である。

前記セカンド層 5 と液吸収層 4は、液の透過を妨げないように部分的に配されたホットメルト接着剤で接着される。また、液吸収層 4と裏面シート 2もホットメルト接着剤で接着される。よって、前述のように、裏側圧縮部 1 8の凹部内に裏面シート 2が入り込めるようになる。

この生理用ナプキン 1の製造工程は、予め畝溝部 2 8が形成されている表面シート 3とセカンド層 5を重ねて、液透過孔 2 5を形成し、その後に液吸収層 4とセカンド層 5 とを接着して前記圧縮溝 1 0および裏側圧縮部 1 8を形成する。その後に、液吸収層 4の表面に裏面シート 2 を接着する。なお、液吸収層 4の表面に裏面シート 2を接着した後に、裏側圧縮部 1 8において、裏面シ一卜 2と液吸収層 4を一緒に加圧し且つ加熱して、裏側圧縮部 1 8内で、液吸収層 4と裏面シ一ト 2とを熱融着させてもよい。

液吸収層 4の目付けは、中央領域 2 0において最も大きい。前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aと前方外側圧縮溝 1 5 , 1 5とで挟まれた前方側方領域 2 1 , 2 1と、後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 I Dと後方外側圧縮溝 1 6， 1 6とで挟まれた後方側方領域 2 4， 24および後方連結圧縮溝 1 4と外側後方連結圧縮溝 1 7とで挟まれた後方領域 2 6のそれそれは、目付けが前記中央領域 2 0よりも小さくなっている。それ以外の部分の液吸収層 4の目付けは、前方側方領域 2 1 , 2 1、後方側方領域 2 4 , 24および後方領域 2 6と同等かあるいは少し小さくなつている。中央領域 2 0での液吸収層 4の好ましい目付けは、 400 ~ 1 2 00 gZm²であり、さらに好ましくは、 5 00〜； L 00 0 g/m²である。前方側方領域 2 1， 2 1、後方側方領域 24, 24、および後方領域 2 6のそれそれの好ましい目付けは、 3 0 0〜9 0 0 gZm²であり、さらに好ましくは 3 5 0〜 6 00 g/m²である。またその他の部分の液吸収層 4の好ましい目付けは、 200〜700 g/m²である。

その結果、図 4および図 5に示すように前方中央領域 20 Aおよび後方中央領域 2 0 Dで厚みが大きくなり、これら領域が、肌側表面が着用者の身体に向けて大きく膨らんだ形状となる。

各圧縮溝 1 1ないし 1 7は、前記加熱ロールを用いた熱エンボス加工により一緒に形成される。前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aと前方外側圧縮溝 1 5， 1 5において、表面シート 3と液吸収層 4とが一緒に加圧される際に、前方側方領域 2 1 , 2 1を覆う表面シート 3の部分に張力が作用するため、前方側方領域 2 1， 2 1では、液吸収層 4の密度が高くなる。

さらに、加熱ロール表面のエンボスパターンの凸部を工夫して、前方内側圧縮溝 1 1 A， 1 1 Aを形成する凸部と前方外側圧縮溝 15 , 15 を形成する凸部との中間に位置する溝の深さを浅くしておくことにより、前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aと前方外側圧縮溝 1 5， 15を加圧形成する際に、前方側方領域 2 1 , 2 1に位置する液吸収層 4が前記浅溝で加圧される。よってこの場合、前方側方領域 2 1, 2 1において液吸収層 4の密度をさらに高くできる。同様にして、後方内側圧縮溝 1 1 D, 1 1 Dと後方外側圧縮溝 16 , 16とで挟まれている後方側方領域 24， 24においても液吸収層 4の密度を高くすることができる。また後方領域' 26も中央領域 20よりも密度が高くなる。

前方側方領域 2 1， 2 1および後方側方領域 24， 24および後方領域 26での、液吸収層 4の密度の好ましい範囲は、 0. 08〜0. 2 g Zcm³である。また、中央領域 20での液吸収層 4の密度の好ましい範囲は、 0. 05〜0. 18 gZc m³である。その他の領域での液吸収層 4の好ましい範囲は、 0. 05〜0. 13 g/cm³である。なお前方側方領域 2 1， 21と後方側方領域 24, 24での液吸収層 4の密度は、中央領域 20での液吸収層 4の密度に対して、 0. 0 1 g/cm ³以上大きいことが好ましく、さらには 0. 02 g/ cm³以上大きいことが好ましい。

また、高密度圧縮部 10 aおよび中密度圧縮部 10 bの密度は、 0. 4〜1. 5 g/c m³の範囲であることが好ましい。

中央領域 20の縦方向の寸法、すなわち前方連結圧縮溝 12と後方連結圧縮溝 14との縦方向の間隔は、 130〜35 Omm程度である。図 4に示す横方向基準線 Ox— Ox上での前方中央領域 20 Aの幅寸法 Wlは、女性の性器の幅に応じて決められる。女性の股間部の幅の平均は 30 mm程度であるため、前方中央領域 20 Aの幅寸法 W1は、 15 〜 50 mmの範囲が好ましく、さらに 20〜 40 mmの範囲が好ましい。また、後方中央領域 20Dは、図 8に示す女性の身体の臀部の溝（Q) に入りやすい大きさであり、その長さ、すなわち変曲部 1 1 B, 1 1 B を結ぶ直線 20 Eから後方連結圧縮溝 14までの長さ寸法は、 60〜 1 50mm程度である。また、後方中央領域 20 Dを縦方向に二分する位置での後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 IDの間隔 W 2は、 15〜50mmの範囲である。

図 4および図 5に示すように、左右両側縁部 1 a、 l bに隣接する前記液吸収層 4が設けられていない領域では、裏面シート 2と表面シート 3とが接着されており、さらに表面シート 3及び裏面シート 2に不透液性シート 30, 30が重ねられて、ホットメルト接着剤で接着されている。前記ウィング部 1 A， 1 Aおよび後方フラップ 1 B， I Bは、主に前記裏面シート 2と不透液性シ一ト 30とで構成されている。

前記不透液性シート 30は、内側に複数の弾性伸縮部材 32を挟んだ状態で 2枚重ねに折り畳まれて、不透液性シート 30の折畳み対向面どうしが接着されている。さらに前方固定領域 33 , 33において 2枚重ねの不透液性シート 30が折り畳まれ、折り畳まれた状態で肌側表面に接着固定されている。また後方固定領域 34 , 34においても、前記不透液性シ一ト 30が折り畳まれた状態で肌側表面に接着されて固定されている。図 1では、前記前方固定領域 33, 33と後方固定領域 34， 34をハッチングを付して示している。また図 5には、後方固定領域 3 4が断面図で示されている。

前記前方固定領域 33, 33と後方固定領域 34, 34との中間では、前記不透液性シート 30， 30が所定幅にて自由状態であり、不透液性シ一ト 3 0， 3 0によって防漏壁 3 1， 3 1が形成されている。この防漏壁 3 1 , 3 1には弾性伸縮部材 3 2の縦方向の弾性収縮力が作用している。この弾性収縮力の前方の作用端 3 5は、前記前方固定領域 3 3の後端であり、弾性収縮力の後方の作用端 3 6は、後方固定領域 3 4の前端である。前記弾性収縮力により、前記作用端 3 5と作用端 3 6とが互いに接近しようとし、生理用ナプキン 1は、前記作用端 3 5と作用端 3 5との間の距離 L 1の範囲で肌側表面が凹側となるように変形する。その結果、図 4に示すように、前記作用端 3 5と 3 6との中間で、前記防漏壁 3 1， 3 1が肌側表面から立ち上がる。

図 1に示すように、前方の前記作用端 3 5は、前方内側圧縮溝 1 1 A と前方連結圧縮溝 1 2との境界部と縦方向に一致する位置またはその近傍に設けられている。また後方の前記作用端 3 6は、後方外側圧縮溝 1 6の前端 1 6 Dの近傍またはそれよりもやや前方に位置している。

したがって、延長圧縮溝 1 3， 1 3が設けられている前方部分には、前記弾性収縮力が作用せず、よって前方部分は弾性収縮力の影響を受けることなく自由に変形しやすい。同様に、後方外側圧縮溝 1 6， 1 6および外側後方連結圧縮溝 1 7が設けられている後方部分にも前記弾性収縮力が作用しないため、後に説明するように、生理用ナプキン 1の後部が三次元的な凹曲面となるように変形しやすくなつている。

図 3に示すように、裏面シート 2の外面には、感圧接着剤層 4 1一 4 4が設けられている。感圧接着剤層 4 1は、前記裏側圧縮部 1 8を覆うように縦方向に細長い帯状の領域に配置されている。感圧接着剤層 4 2 , 4 2は生理用ナプキン 1の後方部分に、縦方向中心線 O y— O yに関して対称に配置され、一方の感圧接着剤層 4 2がー方の前方内側圧縮溝 1 1 Aとそれに隣接する前方外側圧縮溝 1 5を覆うよう縦方向に細長い領域にあり、他方の感圧接着剤層 4 2が他方の前方内側圧縮溝 1 1 Aとそれに隣接する前方外側圧縮溝 1 5を覆うよう縦方向に細長い領域にある。また、感圧接着剤層 43 , 43はウィング部 1 A， 1 Aに配置され、感圧接着剤層 44, 44は後方フラップ I B, I Bに配置されている

この生理用ナプキン 1を着用者の身体に装着するときには、裏面シ一ト 2の外面に設けられた感圧接着剤層 41および感圧接着剤層 42 , 4 2を、図 4に示すクロッチ布 5 1の内面に接着し、このとき後方フラヅプ 1B， I Bも感圧接着剤層 44, 44を介して下着の内面に接着する。またウィング部 1 A, 1 Aを、クロッチ布 5 1の両側縁部を巻き込むようにして、下着の外面に向けて曲げ、ウィング部 1A， 1 Aの着衣側表面に設けられた感圧接着剤層 43, 43をクロッチ布 5 1の外面に接着する。

図 8に示すように、クロッチ布 5 1に生理用ナプキン 1を装着した状態でこの下着を着用すると、生理用ナプキン 1の肌側表面によって、女性の股間部の恥丘（M)から臀部の溝（Q)にかけての領域が覆われる。着用状態では、大腿部から前方外側圧縮溝 15 , 15に対して縦方向中心線◦ y— O yに向かう圧縮力が作用する。この圧縮力は、前方外側圧縮溝 1 5， 15を介して密度が高く剛性の高い前方側方領域 2 1， 2 1に伝わり、さらに前方内側圧縮溝 1 1 A， 1 1 Aに伝わる。前方外側圧縮溝 15, 1 5および前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aは、前方中央領域 2 OAの厚み寸法の中点より.も充分に下側に位置しているため、前記圧縮力が作用すると、前方外側圧縮溝 15， 1 5と前方側方領域 2 1, 2 1、および前方内側圧縮溝 1 1 A, 1 1 Aが前方中央領域 2 OAの下に入り込もうとし、剛性の高い前方側方領域 2 1 , 2 1によって下側から支えられるようにして、前方中央領域 2 OAが着用者の身体に向けて持上げられて膣口（N) に密着する。物品の左右両側に位置する前方内側圧縮溝 1 1 A、前方側方領域 2 1 および前方外側圧縮溝 1 5は、その下に位置する感圧接着剤層 4 2によつてクロッチ布 5 1の内面に固定されている。前方内側圧縮溝 1 1 Aの間、前方側方領域 2 1の間および前方外側圧縮溝 1 5の間の間隔を維持したまま生理用ナプキン 1がクロッチ布 5 1に接着されていることにより、大腿部からクロッチ布 5 1に圧縮力が作用したときに、前方内側圧縮溝 1 1 A、前方側方領域 2 1および前方外側圧縮溝 1 5と、クロッチ布 5 1との間に位置ずれが生じることがなく、生理用ナプキン 1はクロッチ布 5 1の変形に追従して一緒に変形できるようになる。よって、着用者の身体に向けて凸状に変形すべき前方中央領域 2 O Aは、常にクロッチ布 5 1の中央に位置でき、前方中央領域 2 O Aは膣口（N ) に密着しやすい。

さらに、通常の生理用ショーヅでは、後身頃の中央部分において臀部の溝（Q ) に沿う弾性伸縮部材が設けられ、着用者の身体に着用したときに、前記弾性伸縮部材の弾性収縮力がクロッチ布 5 1に対して吊り上げカとして作用している。

前記後方中央領域 2 0 Dでは、液吸収層 4の着衣側表面が凹んでいる裏側圧縮部 1 8が縦方向に延びて形成されている。図 7に示すように、前記弾性収縮力によって、前記裏側圧縮部 1 8を着用者の身体に向けて押し上げる押圧力 F 1が与えられると、後方中央領域 2 0 Dは凸状に変形し、肛門（P ) に密着しやすく、また臀部の溝（Q ) 内に入り込みやすくなる。

図 3に示すように、裏側圧縮部 1 8下に感圧接着剤層 4 1が設けられているため、裏側圧縮部 1 8が形成されている部分が下着にしっかり固定されるようになる。また、感圧接着剤層 4 1が配置されている裏面シート 2の部分が、液吸収層 4の裏側圧縮部 1 8接着されているために、下着の吊り上げ力が裏面シート 2を介して液吸収層 4の裏側圧縮部 1 8に確実に作用できるようになり、裏側圧縮部 1 8により凸状に変形させられる部分が下着の中央部分から位置ずれするのを防止できる。

前記裏側圧縮部 1 8は、前記後方中央領域 2 0 Dに位置し後方連結圧縮溝 1 4よりも前方に位置しているため、前記裏側圧縮部 1 8を可撓軸とする凸状の変形は後方中央領域 2 0 Dにおいてのみ発生する。

後方中央領域 2 0 Dは、後方に向けて間隔が徐々に狭くなる後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 1 Dで挟まれ、さらに後部が後方連結圧縮溝 1 4で囲まれているため、後方中央領域 2 0 Dが着用者の身体に向けて凸状に変形すると、後方内側圧縮溝 1 1 D , 1 1 Dに対して互いに接近する力 F 2 , F 2が作用する。この状態で、後方中央領域 2 0 Dよりも外側の部分が下着で着用者の身体に押し付けられると、後方中央領域 2 0 Dよりも左右両外側部分および後方中央領域 2 0 1»よりも後方部分は、後方内側圧縮溝 1 I D , 1 I Dと後方連結圧縮溝 1 4を可撓軸として、図 6に示す凹曲線 X 1および凹曲線 Y 1に沿う曲面に沿って変形しやすくなすなわち、後方中央領域 2 0 Dが臀部の溝（Q ) に向けて凸状に変形した状態で、前記後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 1 Dと後方連結圧縮溝 1 4 から成る可撓軸は凹状に湾曲した肌側表面において最も低い部分となり、生理用ナプキン 1の右側縁部 1 aと左側縁部 1 bおよび後縁部 1 d が、前記可撓軸よりも着用者の身体に向けられるようになる。その結果、前記可撓軸から右側縁部 1 a、左側縁部 1 bおよび後縁部 1 dまで外方向に広がる部分が三次元の凹曲面をもたらすよう変形する。

この実施の形態では、後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 I Dと後方連結圧縮溝 1 4のさらに外側に、後方に向けて間隔が狭くなる後方外側圧縮溝 1 6 , 1 6と外側後方連結圧縮溝 1 7が形成されて、後方中央領域 2 0 D の左右側方および後方が二重の圧縮溝で囲まれた構造である。よって、後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 I Dと後方連結圧縮溝 1 4が内側の可撓軸となり、後方外側圧縮溝 1 6 , 1 6と外側後方連結圧縮溝 1 7が外側の可橈軸となって、生理用ナプキン 1の後部はさらに前記三次元の凹曲面をもたらすよう変形しやすくなる。

また、後方側方領域 24 , 24と後方領域 2 6では、液吸収層 4の密度が後方中央領域 2 0 Dでの液吸収層 4の密度よりも高く剛性が高くなっており、この剛性の高い領域が、後方中央領域 2 0 Dの左右両側から後方部を囲んでいる。よって生理用ナプキン 1の後部は、前記の凹曲面の状態を維持しやすく、凹状に湾曲した後部が捩れたり皺が寄ったりしないようにしている。また、防漏壁 3 1， 3 1を立ち上がらせている前記弾性伸縮部材 3 2の弾性収縮力は、後方中央領域 2 0 Dおよびその周辺部分に作用していないため、生理用ナプキン 1の後方部分の凹曲面が弾性伸縮部材 3 2の弾性収縮力によって影響を受けることがない。また、変曲部 1 1 B , 1 1 B間に規定された幅広部 2 0 Bに着目すると、前記変曲部 1 1 B , 1 1 Bよりも前方の前方中央領域 2 0 Aに対しては、前方外側圧縮溝 1 5， 1 5と前方側方領域 2 1， 2 1とから縦方向中心線 O y— O yに向かう圧縮力が作用し、前記変曲部 1 1 B， 1 1 Bよりも後方の後方中央領域 2 0 Dに対しては、後方外側圧縮溝 1 6 , 1 6と後方側方領域 2 4 , 2 4とから縦方向中心線 O y— O yに向かう圧縮力が作用する。さらに、生理用ナプキン 1が着用者の身体の形状に合わせて凹状に変形する際の変形の力、および防漏壁 3 1を立ち上がらせるための弾性伸縮部材 3 2の弾性収縮力により、前記後方外側圧縮溝 1 6， 1 6の前端 1 6 D, 1 6 Dから、前記幅広部 2 0 Bに対して前方へ向かう圧縮力が作用する。

その結果、変曲部 1 1 B , 1 1 B間に規定された幅広部 2 0 Bには、その左右両外側において前後の 4方向から圧縮力が作用し、前記幅広部 20 Bはあたかも 4方向から摘み上げられるようにして、着用者の肌に向かい凸状に変形する。したがって、幅広部 20 Bは、図 8に示す会陰部（0) に密着する。

この生理用ナプキン 1は、前方中央領域 2 OAが凸状に変形して膣口 (N) に密着し、前述のように.変曲部 1 I B, 1 1 Bで挟まれた幅広部 20Bが会陰部（0) に密着しやすく、また後方中央領域 20Dが臀部の溝（Q) に入りやすく、また後部は臀部の曲面にフィットしゃすくなつている。よって、膣口（N) から排泄される経血の大半は前方中央領域 20 Aにおいて、液透過孔 25を透過し液吸収層 4により吸収されるが、後方へ移行しょうとする経血は、会陰部（0) から臀部の溝（Q) に密着する後方中央領域 20 Dにおいて確実に捕捉されるようになる。また図 6に示すように、生理用ナプキン 1の後部は Ξ次元の凹曲面となつて臀部に密着できるため、就寝時などに後部から外部への経血の洩れを防止しやすい。

図 9ないし図 1 1は、本発明の生理用ナプキンの他の実施の形態を示す平面図である。

以下では図 9ないし図 1 1に示す実施の形態において、図 1以下に示す第 1の実施の形態と相違する部分のみを説明し、前記第 1の実施の形態と同じ部分には同じ符号を付して、その詳しい説明を省略する。

図 9に示す生理用ナプキン 100では、前記後方中央領域 20Dにおいて、内側圧縮溝 1 1 D, 1 1 Dの内側に短圧縮溝 19， 1 9が形成されている。この短圧縮溝 19, 1 9は、前記各圧縮溝 1 1ないし 17と同様に形成されている。よって短圧縮溝 1 9, 1 9では、表面シ一ト 3 と共に液吸収層 4が圧縮されて肌側表面が着衣側表面に向けて凹状とされている。この短圧縮溝 19, 19は比較的短く、前記後方内側圧縮溝 1 I D , 1 1 Dから内側にほぼ等距離だけ離れたものである。

前記後方中央領域 2 0 Dの裏側圧縮部 1 8が形成されている部分が、下着の吊り上げ力により着用者の身体に向けて持ち上げられると、前記短圧縮溝 1 9， 1 9が折り起点となり、特に短圧縮溝 1 9 , 1 9の後端 1 9 a , 1 9 aが折り起点となって、後方中央領域 2 0 Dの前記後端 1

9 a , 1 9 aと後方連結圧縮溝 1 4とで挟まれた領域が、図 7に示すように着用者の身体に向く凸形状に変形しやすくなる。

図 1 0は生理用ナプキン 1 0 0 Aを示す。生理用ナプキン 1 0 0 Aの後方では、感圧接着剤層 4 5， 4 5が裏面シート 2の外面に設けられている。前記感圧接着剤層 4 5， 4 5は縦方向中心線 O y— O yに関して対称に配置されている。前記感圧接着剤層 4 5， 4 5は、生理用ナプキン 1 0 0 Aの前方に設けられた感圧接着剤層 4 2 , 4 2と形状が似ているが、別個のものである。

前記感圧接着剤層 4 5 , 4 5は、後方内側圧縮溝 1 1 Dと後方側方領域 2 4および後方外側圧縮溝 1 6を覆うよう形成されている。ただし、変曲部 1 1 B， 1 I Bの左右両外側では、裏面シート 2に感圧接着剤層が設けられていない。

この生理用ナプキン 1 0 O Aの前方では、前方内側圧縮溝 1 1 Aと前方側方領域 2 1および前方外側圧縮溝 1 5が感圧接着剤 4 2 , 4 2により下着にしっかり固定されるため、着用時の下着の変形により前方中央領域 2 O Aが左右両側からしっかり圧縮されて着用者の肌に向けて隆起する。一方後方では、後方内側圧縮溝 1 1 Dと後方側方領域 2 4および後方外側圧縮溝 1 6とが感圧接着剤層 4 5 , 4 5により下着の内側にしっかり固定されているため、着用時の下着の変形により、後方中央領域 2 0 Dが左右両側から確実に圧縮されて、後方中央領域 2 0 Dが着用者の身体に向けて凸状に変形するようになる。また、前方に感圧接着剤層 4 2 , 4 2が後方に感圧接着剤層 4 5 , 4 5が互いに独立して設けられているため、前方中央領域 2 O Aと後方中央領域 2 0 Dが下着の動きに追従して独立して挙動できるようになる。図 1 1に示す生理用ナプキン 1 0 0 Bでは、感圧接着剤層 4 6 , 4 6 が縦方向中心線 O y— O yに関して対称に配置されている。それそれの感圧接着剤層 4 6 , 4 6は、隣接する感圧接着剤層 4 2と 4 5を縦方向に一体化させてできる縦長の帯形状である。この生理用ナプキン 1 0 0 Bにおいても、前方中央領域 2 0 Aの左右両側と後方中央領域 2 0 Dの左右両側が下着にしっかり固定されて、前方中央領域 2 O Aと後方中央領域 2 0 Dが左右からの圧縮力により、着用者の身体に向けて確実に凸状に変形できるようになる。

本発明をその実施例に関して図示及び説明を行ったが、前述のそしてその他の様々な変更、省略、追加が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく成し得ることは当業者には当然理解されよう。例えば、本発明では、後方内側圧縮溝 1 1 D， 1 I Dと後方連結圧縮溝 1 4が形成されていることにより、それよりも外側の領域が三次元の凹曲面に変形しやすくなる。よって後方外側圧縮溝 1 6と外側後方連結圧縮溝 1 7は必ずしも必要ではない。よって本発明は、ここに述べた特定の実施例に限定されるものと理解さるべきではなく、添付のクレームに記載の特徴に関し、それの取り巻く範囲内及び均等な範囲内において具体化され得る全ての可能な実施の形態を包含するものである。産業上の利用の可能性

以上のように本発明では、圧縮溝で挟まれた後方中央領域が肛門から臀部の溝内に密着しやすいとともに、後部が三次元の凹曲面となるように変形して臀部に確実にフィットできるようになる。よって吸収性物品の後方からの経血の洩れを防止しやすくなる。

Claims

請求の範囲

1. 肌側表面に位置する液透過性の表面シート（3) と、着衣側表面に位置する裏面シート（2) と、前記表面シート（3) と前記裏面シート（2) との間に位置する液吸収層（4) を備え、前記表面シート（3) と共に前記液吸収層（4) が圧縮され前記肌側表面が前記着衣側表面に向けて凹状となった圧縮溝（ 10) が形成された吸収性物品において、前記圧縮溝（ 10) は、吸収性物品の後半分に配置され吸収性物品の縦方向中心線（Oy— Oy) に関して対称に延びる後方内側圧縮溝（ 1 1 D, 11 D) を有し、その間に後方中央領域（ 20 D) を規定し、且つ、前記後方内側圧縮溝（ 1 I D, 1 1 D) の後端を連結する後方連結圧縮溝（14) を有し、これにより前記後方中央領域（20) の後端を規定しており、

前記後方中央領域（20D) 内において、前記液吸収層（4) が着衣側表面から肌側表面に向けて凹状とされ縦方向中心線（Oy— Oy) に沿って延びる裏側圧縮部（ 18)が形成されて、前記裏側圧縮部（ 18) の後端（18 b) は、前記後方連結圧縮溝（ 14) よりも前方に位置しているものである吸収性物品。

2. 前記後方内側圧縮溝（ 1 ID, 1 1 D) は、その対向間隔が吸収性物品の後方に向けて徐々に狭くなるように形成されている請求項 1 記載の縦長の吸収性物品。

3. 前記後方内側圧縮溝（ 1 I D, 1 1 D) の左右両外側に、吸収性物品の縦方向に延びる後方外側圧縮溝（ 16 , 16) が設けられている請求項 1記載の縦長の吸収性物品。

4. 前記後方外側圧縮溝（ 16, 16 ) は、前記後方連結圧縮溝（ 1 4)よりも後方に離れた位置で連結されている請求項 3記載の縦長の吸収性物品。

5. 前記後方中央領域（20D) でよりも、前記後方内側圧縮溝（ 1 1 D, 1 1 D) と前記後方外側圧縮溝（ 16， 16) とで挟まれた領域 (24) での方が液吸収層（4) の密度が高い請求項 3記載の縦長の吸収性物 £3.

ΒΠο

6. 前記圧縮溝（ 10) はさらに、前記後方内側圧縮溝（ 1 1 D , 1 1 D) から途絶することなく前方に延びる前方内側圧縮溝（ 1 1 Α， 1 1 Α) と、前記前方内側圧縮溝（ 1 1A, 1 1 A) の左右両外側に配置され吸収性物品の縦方向に延びる前方外側圧縮溝（ 15, 15) とを有しており、

前記後方内側圧縮溝（ 1 1 D， 1 1 D) と前記前方内側圧縮溝（ 1 1 A， 1 1 A) との境界部には、横方向に対向する圧縮溝間の間隔を広げる変曲部（ 1 1 B， 1 I B) が設けられており、前記変曲部（1 1 B， 1 IB) の左右両外側において、前記後方外側圧縮溝（ 16， 16) と前記前方外側圧縮溝（ 15 , 15) とが離間している請求項 3記載の縦長の吸収性物品。

7. 肌側表面に縦方向に向けて弾性収縮力を与える弾性伸縮部材（3 2) が設けられ、この弾性伸縮部材（32) の後方での作用端（36) が、前記後方外側圧縮溝（ 16, 16) の前端（ 1 6 D , 16 D ) よりも前方、あるいはその近傍に設けられている請求項 1記載の縦長の吸収性物品。

8. 裏面シート（ 2 ) が液吸収層（ 4 ) の前記裏側圧縮部（ 18) に接合されており、前記裏面シート（2) が前記裏側圧縮部（ 18) の凹みに入り込んでいる請求項 1記載の縦長の吸収性物品。

9. 前記裏面シート（2) の外面には、前記裏側圧縮部（ 18) を覆う位置で、吸収性物品の縦方向に延びる細長い範囲に感圧接着剤層（4 1 ) が設けられている請求項 1記載の縦長の吸収性物品。