WO2004082478A1

WO2004082478A1 - 穿刺装置

Info

Publication number: WO2004082478A1
Application number: PCT/JP2004/003608
Authority: WO
Inventors: Tetsuya Sakata; Daisuke Matsumoto; Hidefumi Komuro
Original assignee: Arkray Inc.
Priority date: 2003-03-17
Filing date: 2004-03-17
Publication date: 2004-09-30
Also published as: JP4423475B2; CN1761427A; ATE447361T1; DE602004023920D1; EP1604611A1; JPWO2004082478A1; EP2052684A1; US20060224171A1; CN100360088C; EP1604611A4; EP1604611B1

Abstract

　本発明は、待機位置から穿刺位置に向けた前進方向(N1)に針部(20b)を移動させるための移動体(4)と、穿刺対象部位(S)に接触させるための接触部(36)と、を備えた穿刺装置(1A)に関する。この穿刺装置(1A)は、移動体(4)を待機位置に保持するときに、移動体(4)に吸引力を作用させ、後退方向に移動体(4)を移動させるように構成されている。穿刺装置(1A)は、移動体(4)に吸引力を作用させるために減圧される減圧空間(35)をさらに備えており、減圧空間(35)の圧力を、大気圧よりも一定値以上小さくすることにより、移動体(4)を後退方向に移動させるように構成するのが好ましい。

Description

明糸田書

穿刺装置技術分野

本発明は、血液などの体液あるいは組織を採取する場合に、針を皮膚に突き刺すのに用いられる穿刺装置に関する。背景技術

皮膚から血液を採取するための穿刺装置としては、針を保持させた移動体をハウジングの内部に収容しておき、所定の操作により、移動体とともに針を前進させて皮膚を穿刺するものがある（たとえば日本国特開平 11一 206742号公報および日本国特表 2001— 515377号公報参照）。穿刺装置においては、穿刺後における出液を促進すべく、皮膚を鬱血させるとともに、穿刺により生じた傷口をひろげるために皮膚に負圧を作用させる方法も採用されている（たとえば日本国特表 2001— 515377号公報参照) 。

日本国特開平 11—206742号公報に開示された穿刺装置は、本願の図 8に示したように、パネ力を利用して、移動体 90に保持させた針 91を前進させるように構成されたものである。この穿刺装置 9Aでは、移動体 90が待機状態にあるときには、移動体 90がハウジング 92に係止されて、コイルバネ 93が圧縮状態とされている。一方、移動体 90を前進させる場合には、ハウジング 92に対する移動体 90の係止状態が解除され、このときに移動体 90に対してコィルバネ 93の弾発力が作用して移動体 90および針 ⁹1が前進させられる。

穿刺装置 9Aでは、移動体 90を待機位置に保持させるためには、使用者が移動体 90をハウジング 92に係止させる必要がある。そのため、使用者は、煩わしい操作を強いられ、操作負担が大きい。

一方、日本国特表 2001— 515377号公報に開示された穿刺装置は、図 9Aに示したように、圧力差を利用して、移動体 94に保持させた針 95を前進させるように構成されたものである。この穿刺装置 9Bでは、移動体 94の待機状態においては、移動体 94を保持した空間 92が減圧状態とされ、移動体 94がコィルバネ 97 (あるいはべ口ーズ (図示略)）の付勢力によって保持されている。穿刺装置 9Bはさらに、皮膚 Sに接触部 98を接触させた状態として接触部 98の内部を減圧し、皮膚 Sに負圧を作用させることができる。一方、移動体 94および針 95を前進させる場合には、図 9Bに示したように、空間 96に対して外部から大気を導入して空間 96の内部を昇圧する。そうすれば、空間 96の内部と接触部 94の内部との間に圧力差が生じ、この圧力差に応じた押圧力が移動体 94の端部に付与される。この押圧力により、移動体 94および針 95が前進させられる。

穿刺装置 9Bでは、使用者が移動体 94を操作することなく移動体 94の待機状態が達成されるために、使用者の操作負担が軽減される。しかしながら、穿刺装置 9B では、皮膚 Sに対する接触部 98の密着の程度が不十分であれば、接触部 98の内部に、皮膚 Sと接触部 98の先端との間から空気が流入する。この場合、接触部 98の内部と空間 96の内部との間の圧力差が小さくなつて、移動体 94に付与される押圧力も小さくなる。その結果、穿刺時において、移動体 94ひいては金†95の移動速度が小さくなる。また、皮膚 Sにおける体毛の多い部分と少ない部分とでは、皮膚 Sと接触部 98の先端との間の密着性が異なるため、接触部 98の内部に流入する空気の量も異なったものとなる。その結果、穿刺を行うべき部位によって、あるいは接触部 98の内部における空気の流入量の如何では、穿刺時の痛みが大きくなることがある。発明の開示

本発明は、採取者の操作負担を軽減しつつも、体液や組織を採取する際の被採取者の痛みを軽減すること目的としている。

本発明の第 1の側面により提供される穿刺装置は、待機位置から穿刺位置に向けた前進方向に針部を移動させるための移動体と、上記前進方向および上記前進方向とは反対方向である後退方向への上記移動体の移動を許容するハゥジングとを備えた穿刺装置であって、上記移動体は、上記ハウジングに対して密着動するように構成されており、上記ハウジングは、上記移動体の密着部分よりも上記後退方向に存在する第 1空間と、上記密着部分よりも上記前進方向に存在する第 2 空間と、を有しており、かつ、上記移動体を上記待機位置に保持するときに、上記第 1空間と上記第 2空間との間に圧力差を生じさせて、上記移動体を上記後退方向に移動させるように構成されている。

本発明の穿刺装置は、たとえば前進方向に向けた付勢力を作用させた状態で、待機位置において移動体をハウジングに固定するための固定手段と、移動体の固定状態を解除するための解除手段と、をさらに備えたものとして構成される。この場合、上記穿刺装置は、付勢力に基づいて、待機位置から前進方向に移動体を移動させるように構成するのが好ましい。

付勢力は、たとえば弾性体によって移動体に作用させられる。弾性体としては、典型的には、コイルバネあるいはべローズを使用することができ、発泡体やゴムなどを使用することもできる。

本発明の穿刺装置は、たとえば圧力差により、移動体を待機位置に移動させるときに、移動体に対して後退方向に向けた吸引力を作用させるように構成される。吸引力は、たとえば第 1空間の圧力を第 2空間の圧力よりも一定値以上小さくすることにより、移動体に作用させられる。この場合、第 1空間の圧力は、大気圧よりも一定値以上小さ、値に設定するのが好ましい。

本発明の穿刺装置は、第 2空間に負圧を発生させるための負圧発生手段をさらに備えたものとして構成するのが好ましい。

上記穿刺装置は、たとえば負圧発生手段によって、第 1および第 2空間に対して、個別に負圧を発生させることができるように構成される。より具体的には、たとえば負圧発生手段によって第 1空間に負圧を発生させることにより、移動体に対して、この移動体を待機位置に移動させるための吸引力を作用させるように構成される。

負圧発生手段としては、典型的には、電動ポンプが使用される。負圧発生手段としては、手動ポンプを用いることもできる。

本発明の穿刺装置は、解除手段によって移動体の固定状態を解除する前または解除すると同時に、第 1空間に気体を流入させることができるように構成することもできる。より具体的には、たとえば解除手段によつて移動体の固定状態を解除する動作と連動し、第 1空間に気体を流入させるように構成される。

解除手段は、たとえば当該解除手段を固定手段に作用させる際に操作される操作部を有するものとして構成される。この場合、上記穿刺装置は、操作部の位置を選択することにより、第 1空間が外部に連通する状態と外部に連通しない状態とを選択できるように構成される。

操作部は、たとえばハゥジングから一部が突出した状態で、前進方向および後退方向に移動可能に保持されているとともに、ハウジングの内部に収容された係合部を有するものとして構成される。これに対して、ハウジングは、たとえば前進方向および後退方向に対する操作部の移動を許容するための貫通孔を有するものとして構成される。この場合、上記穿刺装置は、係合部によって貫通孔を封鎖する状態と封鎖しなレ、状態とを選択できるように構成するのが好ましい。

本発明の穿刺装置は、穿刺位置に移動させられた針部を後退方向に移動させるための後退手段が第 2空間に設けられたものとして構成することもできる。

本発明の第 2の側面においては、待機位置から穿刺位置に向けた前進方向に針部を移動させるための移動体と、上記前進方向および上記前進方向とは反対方向である後退方向への上記移動体の移動を許容するハウジングと、を備えた穿刺装置であって、上記ハウジングの内部を、上記後退方向側に存在する第 1空間と上記前進方向側に存在する第 2空間とに区画するための隔壁を備えており、かつ、上記移動体を上記待機位置に保持するときに、上記第 1空間と上記第 2空間との間に圧力差を生じさせて、上記移動体を上記後退方向に移動させるように構成されている。

隔壁は、たとえばべローズを含んだものとして構成される。

本発明の穿刺装置は、たとえば前進方向に向けた付勢力を作用させた状態で、待機位置において移動体をハウジングに固定するための固定手段をさらに備えたものとして構成される。この場合、上記穿刺装置は、付勢力に基づいて、待機位置から前進方向に移動体が移動させられるように構成するのが好ましい。

付勢力は、たとえば 1以上の弾性体によって移動体に作用させられる。

1以上の弾性体は、たとえば上記べローズを含んでおり、このべローズに加えて、コイルパネをさらに含んでいてもよい。すなわち、本発明の穿刺装置は、隔壁としてのベローズによつて移動体に付勢力を作用させるように構成してもよレ、。もちろん、ベローズを隔壁として機能させる場合には、必ずしもべローズによつて移動体に付勢力を作用させるように構成する必要はなく、専らべローズを隔壁として機能させようにしてもよい。図面の簡単な説明

図 1は、本発明に係る穿刺装置の一例を示す断面図である。

図 2Aはランセットホルダをラッチさせる作業を説明するための断面図であり、図 2Bはランセットを装着する作業を説明するための断面図である。

図 3は、皮膚を盛り上げる作業を説明するための断面図である。

図 4Aおよび図 4Bは、ラッチ状態を解除する動作および減圧空間に空気を流入させる動作を説明するための断面図である。

図 5は、穿刺動作を説明するための断面図である。

図 6は、本発明に係る穿刺装置の他の例を示す断面図である。

図 7は、本発明に係る穿刺装置のさらに他の例を示す断面図である。

図 8は、従来の穿刺装置を説明するための要部断面図である。

図 9Aおよぴ図 9Bは、従来の穿刺装置の他の例を説明するための断面図である。発明を実施するための最良の形態

図 1に示した穿刺装置 1Aは、ランセット 2を装着して使用するものである。ランセット 2は、本体部 20aから針部 20bが突出した形態を有している。針部 20bは、たとえば金属製であり、本体部 20aは、たとえば合成樹脂製である。針部 20bは、たとえば本体部 20aを成形する際に、ィンサート成形により本体部 20aに一体化される。

穿刺装置 1Aは、ハウジング 3、ランセットホルダ 4、操作キャップ 5、ケース 6、および電動ポンプ 7を備えている。

ハウジング 3は、ランセットホルダ 4を内部に収容するためのものである。このハウジング 3は、貫通孔 30， 31， 32、膨出部 33, 34、減圧空間 35、および接触部 36を有してレ、る。貫通孔 30は、図 2Aに示したように減圧空間 35の内部の空気を排出する際に利用されるものである。貫通孔 31は、図 3に示したように接触部 36の内部の空気を排出する際に利用されるものである。貫通孔 32は、図 1および図 4A, 図 4Bから分かるように、操作キヤップ 5の移動を許容し、かつ減圧空間 35に空気を流入させる際に利用されるものである。この貫通孔 32は、ハウジング 3の上壁 37に設けられている。

膨出部 33は、図 1に示したように、ランセットホルダ 4およびコイルバネ 80, 81 を係合させるためのものである。膨出部 34は、コイルバネ 82を係合させるためのものであり、接触部 36に設けられている。

減圧空間 35は、図 2Aに示したように、ランセットホルダ 4を膨出部 33に係合させる際に減圧される空間である。この減圧空間 35の減圧状態は、貫通孔 30を介して空気を排出することにより達成される。

接触部 36は、図 3に示したように穿刺時において皮膚 Sに接触させるための部位である。この接触部 36の内部は、穿刺時において負圧状態とされ、これによつて皮膚 Sが盛り上げられる。この負圧状態は、貫通孔 31を介して、接触部 36の内部の空気を排出することにより達成される。

ランセットホルダ 4は、図 1および図 5に示したようにランセット 2を保持するためのものであり、操作キャップ 5の押圧操作によってハウジング 3の先端方向（N1 方向）に向けて前進するものである。ランセットホルタ' 4には、一対の係合爪 40、凹部 41、およびフランジ部 42， 43が設けられている。

一対の係合爪 40は、図 1および図 4Aに示したようにハウジング 3における膨出部 33の上面 33aに係合可能であり、互いに近接離間可能な弾性を有している。凹部 41 は、図 1に示したようにランセット 2を保持するためのものである。フランジ部 42 とハウジング 3の膨出部 33との間には、コイルバネ 80が配置され、フランジ部 42 と膨出部 34との間には、コイルバネ 82が配置されている。コイルバネ 80は、一対の係合爪 40を膨出部 33に係合させた状態では、圧縮状態となるようになされている。したがって、膨出部 33に一対の係合爪 40が係合した状態が解除された場合には、コイルバネ 80の弾発力によってランセットホルダ 4を前進させることができる, コイルバネ 82は、ランセットホルダ 4を前進させたときに圧縮され、そのときの弾発力によってランセットホルダ 4を後退させるためのものである。ただし、コイルバネ 82は省略してもよい。フランジ部 43は、ランセットホルダ 4をハウジング 3の内面 (膨出部 33の内面 33b)に密着させて移動させるための部分である。このフランジ部 43には、 Oリング 44が保持されている。

操作キャップ 5は、図 1、図 4A, 図 4Bおよび図 5に示したようにランセットホルダ 4の前進動作を行わせるためのものであり、ハウジング 3の貫通孔 32からその一部が突出するようにしてハウジング 3に保持されている。操作キャップ 5は、フランジ部 50および一対の押圧部 51を有している。

フランジ部 50はノ、ゥジング 3の減圧空間 35が貫通孔 32を介して外部と連通する状態と減圧空間 35が外部と連通しない状態とを選択させるための役割を有している。フランジ部 50の下面には、コイルバネ 81の上端部が当接している。コイルバネ 81の下端部は、ハウジング 3の膨出部 33の上面 33aに当接している。すなわち、コイルバネ 81は、フランジ部 50と膨出部 33との間に配置されている。これにより、操作キャップ 5は、図 1に示したように自然状態ではコイルバネ 81の弾発力によつて、フランジ部 50においてハウジング 3の上壁 37に押し付けられ、貫通孔 32を封鎖している。この状態において、操作キャップ 5を矢印 N1方向に力を作用させた場合には、図 4Aに示したようにフランジ部 50はコイルパネ 81を圧縮させながら前進する。これに対して、操作キャップ 5を前進させる力が取り除かれた場合には、図 1 に示したようにコイルバネ 81の弾発力によって操作キヤップ 5が元の位置に復帰する。

各押圧部 51は、操作キャップ 5が矢印 N1方向に一定距離以上前進させられた場合に一対の係合爪 40を押圧し、それらの端部どうしが互いに近接するように各係合爪 40を変位させるものである。このような変位により、一対の係合爪 40が膨出部 33と係合した状態（ラッチ状態）が解除され、上述したように、コイルバネ 80の弾発力によってランセットホルダ 4が前進させられる。

ケース 6は、図 1に示したようにハウジング 3や電動ポンプ 7を保持するためのものである。このケース 6は、電動ポンプ 7をハウジング 3の減圧空間 35および接触部 36の内部に連通させるための流路 60, 61を有している。

電動ポンプ 7は、図外の制御手段により駆動が制御されるものであり、減圧空間 35および接触部 36の内部の空気を、貫通孔 30, 31および流路 60, 61を介して外部に排出する際に利用されるものである。電動ポンプ 7は、図面上には表れていないが、貫通孔 30および流路 61を介して減圧空間 35の空気を吸引するための吸引口 70と、貫通孔 31および流路 60を介して接触部 36の内部の空気を吸引するための吸引口 71 と、を備えている。そして、電動ポンプ 7では、各吸引口 70, 71において空気を吸弓ける状態と空気を吸引しない状態とは、制御手段によって個別に選択される。穿刺装置 1Aを用いて皮膚 Sを穿刺する場合、まず図 2Aに示したようにランセットホルダ 4の一対の係合爪 40を、ノヽウジング 3における膨出部 33の上面 33aに係合させてラッチ状態を達成する。このラッチ状態は、減圧空間 35の空気を、貫通孔 30および流路 61を介して電動ポンプ 7の吸引口 70から吸引し、減圧空間 35を減圧することにより行われる。すなわち、接触部 36の端部が開放されていれば、接触部 36の内部圧力が大気圧と同じとなるが、減圧空間 35が減圧されれば、接触部 36の内部と減圧空間 35との間に圧力差が生じる。この圧力差は，減圧空間 35の減圧の程度を大きくするほど大きくなるとともに、ランセットホルダ 4を上方 (矢印 N2方向）に移動させる吸引力として作用する。したがって、ランセットホルダ 4に作用する吸引力が、コイルバネ 80の抗力とハウジング 3に対するランセットホルダ 4の移動抵抗の合計よりも大きくなれば、ランセットホルダ 4を上方 (矢印 N2方向）に向けて移動させることができる。このとき、コイルバネ 82の弹発力がランセットホルダ 4 の上動を助ける。そして、ランセットホルダ 4が一定距離だけ矢印 N2方向に移動した場合には、係合爪 40がハウジング 3における膨出部 33の上面 33aに係合され、ランセットホルダ 4のラッチ状態が達成される。

次いで、図 2Bに示したように、ランセットホルダ 4にランセット 2を装着する。ランセット 2の装着は、ランセットホルダ 4の凹部 41に対して、ランセット 2の本体部 20aを、針部 20bとは反対の側から嵌め込むことにより行われる。

続いて、図 3に示したように、穿刺装置 1Aの接触部 36を皮膚 Sに密着させた後、接触部 36の内部に負圧を発生させて皮膚 Sを盛り上げる。負圧の発生は、接触部 36 の内部の空気を、貫通孔 31および流路 60を介して、電動ポンプ 7の吸引口 71から吸引することにより行われる。

次いで、図 4A, 図 4 Bおよび図 5に示したように、ランセット 2を矢印 N1方向に前進させて針部 20bを皮膚 Sに突き刺す。針部 20bを皮膚 Sに突き刺すには、図 4Aおよび図 4Bに示すように、操作キャップ 5を矢印 N1方向に押し下げて、ランセットホルダ 4のラッチ状態を解除させればよレ、。操作キヤップ 5を矢印 N1方向に押し下げた場合には、操作キヤップ 5のフランジ部 50がハウジング 3の上壁 37から離間して隙間が形成され、ハウジング 3の貫通孔 32を介して減圧空間 35の内部に空気が流入する。これにより、減圧空間 35の圧力が大きくなって、減圧空間 35と接触部 36の内部の圧力との差が小さくなるとともにランセットホルダ 4に作用する吸引力が小さくなる。これにより、操作キャップ 5の下動をスムーズに行うことができるようになる。

一方、操作キャップ 5を一定距離以上、矢印 N1方向に移動させた場合には、図 4A に示したように、一対の係合爪 40が相互に内方側に変位して係合爪 40が膨出部 33 の上面 33aに係合した状態が解除される。これにより、図 5に示したようにコイルバネ 80の弾発力によりランセットホルダ 4が N1方向に前進し、ランセット 2の金十部 20bが皮膚 Sを突き刺す。針部 20bが皮膚 Sに突き刺さった後には、コイルバネ 80, 82 の弾発力によってランセットホルダ 4が N2方向に後退するため、針部 20bは皮膚 S カら即座に引き抜かれる。皮膚 Sには負圧が作用しているために、針部 20bが突き刺された部分からの出血が促進される。

穿刺装置 1Aでは、ランセットホルダ 4のラッチ状態を、電動ポンプ 7を利用してランセットホルダ 4に対して吸引力を作用させることにより達成することができ 'る。したがって、たとえば穿刺装置 1Aに設けられた操作ボタンを操作するといつた簡易な操作によってランセットホルダ 4のラッチ状態を達成することが可能となる。これにより、ランセットホルダ 4をラッチさせる際の煩わしさが改善される。また、穿刺装置 1Aでは、ランセットホルダ 4がコイルバネ 80の弾発力により矢印 N1 方向に前進させられる。したがって、接触部 ³6の内部の圧力に依存することなく、ランセットホルダ 4の移動速度を一定化することができる。このため、接触部 36 の内部に空気が流入して接触部 36の内部の圧力が大きくなったとしても、目的通りにランセットホルダ 4、ひいては針部 20bを前進させることができるようになる。上記した使用例においては、接触部 36の内部の負圧に発生させた後に針部 20b を皮膚 Sに突き刺しているが、針部 20bを皮膚 Sに突き刺した後に、皮膚 Sに負圧を作用させるようにしてもょレ、。また、減圧空間 35および接触部 36の内部の減圧は、電動ポンプ 7に限らず、手動式のポンプを利用して行うようにしてもよレ、。減圧空間 35に対する空気の流入は、必ずしも操作キャップ 5の動作に連動して行う必要はなく、操作キヤップ 5とは別の操作ボタンを操作することにより減圧空間 35への空気流入を行うようにしてもよい。ランセットホルダ 4のラッチ状態は、接触部 36 の内部の圧力を大きくし、接触部 36の内部から上方 (N1方向）に向けて、ランセトホルダ 4に押圧力を作用させることにより達成してもよい。

本実施の形態の穿刺装置は、コィルバネの弾性力を利用してランセットホルダを前進させるように構成されていた力 ^s、図 6に示した穿刺装置 IBのように、コイルパネに代えてベローズ 8( を使用してもよく、図 7に示した穿刺装置 1Cのように、コイルバネ 80Aとべローズ 80Bとを併用してもよい。穿刺装置 1Cでは、先の穿刺装置 1A, 1B (図 1および図 6参照）とは異なり、ランセットホルダ 4がハウジング 3に対して密着動せず、隔壁を構成するべローズ 80Bにより減圧空間 35が規定されている。もちろん、コイルパネに代えてベローズ 80' を使用する穿刺装置 1B (図 6参照）においても、ランセットホルダ 4がハウジング 3に対して密着動せず、ベローズ 80' を隔壁として機能させて減圧空間 35を規定してもよい。

本発明は、穿刺機能に加えて、測定機能を備えた穿刺装置に対しても適用することができる。このような穿刺装置としては、たとえばバイォセンサなどの測定用具を保持させたものが挙げられる。より具体的には、本発明の適用対象となる穿刺装置としては、皮膚から血液を出液させると同時に、測定用具に血液を供給し、血液中のグルコース、コレステロールあるいは乳酸の濃度を測定できるように構成されたものを例示することができる。

Claims

請求の範囲

1 .待機位置から穿刺位置に向けた前進方向に針部を移動させるための移動体と、上記前進方向および上記前進方向とは反対方向である後退方向への上記移動体の移動を許容するハウジングと、を備えた穿刺装置であって、

上記移動体は、上記ハウジングに対して密着動するように構成されており、上記ハウジングは、上記移動体の密着部分よりも上記後退方向に存在する第 1空間と、上記密着部分よりも上記前進方向に存在する第 2空間と、を有しており、かつ、

上記移動体を上記待機位置に保持するときに、上記第 1空間と上記第 2空間との間に圧力差を生じさせて、上記移動体を上記後退方向に移動させるように構成されている、穿刺装置。

2 . 上記前進方向に向けた付勢力を作用させた状態で、上記待機位置において、上記移動体を上記ハウジングに固定するための固定手段と、上記移動体の固定状態を解除するための解除手段と、をさらに備え、かつ、

上記移動体は、上記付勢力に基づいて、上記待機位置から上記前進方向に移動させられるように構成されている、請求項 1に記載の穿刺装置。

3 . 上記付勢力は、弾性体によって上記移動体に作用させられる、請求項 2に記載の穿刺装置。

4 . 上記弾性体は、コイルバネあるいはべローズである、請求項 3に記載の穿刺装置。

5 . 上記圧力差により、上記移動体に対して上記後退方向に向けた吸引力を作用させるように構成されている、請求項 1に記載の穿刺装置。

6 . 上記第 1空間の圧力を、上記第 2空間の圧力よりも一定値以上小さくすることにより、上記移動体が上記後退方向に移動するように構成されている、請求項

5に記載の穿刺装置。

Ί . 上記第 1空間の圧力を、大気圧よりも一定値以上小さくすることにより、上記移動体を上記後退方向に移動させるように構成されている、請求項 6に記載の穿刺装置。

8 . 上記第 2空間に負圧を発生させるための負圧発生手段をさらに備えている、請求項 5に記載の穿刺装置。

9 . 上記負圧発生手段によって、上記第 1および第 2空間に対して、個別に負圧を発生させることができるように構成されている、請求項 8に記載の穿刺装置。

10. 上記負圧発生手段によって上記第 1空間に負圧を発生させることにより、上記移動体に対して、この移動体を上記待機位置に移動させるための吸引力を作用させるように構成されている、請求項 8に記載の穿刺装置。

11. 上記負圧発生手段は、電動ポンプである、請求項 8に記載の穿刺装置。

12. 上記解除手段によって上記移動体の固定状態を解除する前または解除すると同時に、上記第 1空間に気体を流入させることができるように構成されている、請求項 2に記載の穿刺装置。

13. 上記解除手段によって上記移動体の固定状態を解除する動作と連動し、上記第 1空間に気体を流入させるように構成されている、請求項 12に記載の穿刺装置。

14. 上記解除手段は、この解除手段を上記固定手段に作用させる際に操作される操作部を有しており、

この操作部の位置を選択することにより、上記第 1空間が外部に連通する状態と外部に連通しない状態とを選択できるように構成されている、請求項 13に記載の穿刺装置。

15. 上記操作部は、上記ハウジングから一部が突出した状態で、上記前進方向および後退方向に移動可能に保持されているとともに、上記ハウジングの内部に収容された係合部を有しており、

上記ハゥジングは、上記前進方向および上記後退方向に対する上記操作部の移動を許容するための貫通孔を有しており、かつ、

上記係合部は、上記係合部によつて上記貫通孔を封鎖する状態と封鎖しない状態とを選択できるように構成されている、請求項 14に記載の穿刺装置。

16. 上記第 2空間には、上記穿刺位置に移動させられた針部を上記後退方向に移動させるための後退手段が設けられている、請求項 1に記載の穿刺装置。

17.待機位置から穿刺位置に向けた前進方向に針部を移動させるための移動体と、上記前進方向および上記前進方向とは反対方向である後退方向への上記移動体の移動を許容するハウジングと、を備えた穿刺装置であって、

上記ハウジングの内部を、上記後退方向側に存在する第 1空間と上記前進方向側に存在する第 2空間とに区画するための隔壁を備えており、かつ、

18. 上記隔壁は、ベローズを含んでいる、請求項 17に記載の穿刺装置。

19. 上記前進方向に向けた付勢力を作用させた状態で、上記待機位置において、上記移動体を上記ハウジングに固定するための固定手段をさらに備え、かつ、上記移動体は、上記付勢力に基づいて、上記待機位置から上記前進方向に移動させられるように構成されている、請求項 18に記載の穿刺装置。

20. 上記付勢力は、 1以上の弾性体によって上記移動体に作用させられるように構成されている、請求項 19に記載の穿刺装置。

21. 上記 1以上の弾性体は、上記べローズを含んでいる、請求項 20に記載の穿刺装置。

22. 上記 1以上の弾性体は、コイルパネをさらに含んでいる、請求項 21に記載の穿刺装置。