WO2005055886A1

WO2005055886A1 - 骨補填材

Info

Publication number: WO2005055886A1
Application number: PCT/JP2004/018359
Authority: WO
Inventors: Hiromi Matsuzaki; Yoshie Tominaga
Original assignee: Pentax Corporation
Priority date: 2003-12-09
Filing date: 2004-12-09
Publication date: 2005-06-23
Also published as: CN100571654C; CN1889901A; DE602004020115D1; KR20060113940A; EP1714622B1; US8034117B2; EP1714622A1; JP2005168670A; AU2004296674A1; EP1714622A4; JP4199653B2; US20070156247A1; AU2004296674B2

Abstract

　本発明は、骨欠損部に対して、充填操作を円滑、確実、安全に行うことが可能な骨補填材を提供することを課題とする。本発明の骨補填材１は、１つの骨欠損部に複数個を充填して使用されるものであり、各骨補填材１は、それぞれペレット状をなしている。骨補填材１は、複数の面で囲まれた立体で構成されており、複数の面のうち、少なくとも対向する一対において、一方の面１２に対し、他方の面１１が所定角度θだけ傾斜している。角度θは、１０～６０°であるのが好ましい。このような骨補填材１は、空孔率が７５％以下、圧潰強度が１５ＭＰａ以上なる条件のいずれか一方を満足するのが好ましく、双方を満足するのがより好ましい。骨補填材１は、１個あたりの大きさが１３～２３９ｍｍ３である。また、骨補填材１は、Ｃａ／Ｐ比が１．０～２．０のリン酸カルシウム系化合物で構成されている。

Description

明細書

骨補填材

技術分野

[0001] 本発明は、骨補填材に関するものである。

背景技術

[0002] 外傷や骨粗鬆症等により椎体が潰れる、いわゆる椎体圧迫骨折の治療法の一つとして、圧潰した椎体内に、経椎弓根的に (椎弓を介して)充填材 (骨補填材)を充填する治療法がある。

[0003] この治療法では、まず、圧潰した椎体をほぼ元の形状に戻すこと、すなわち、椎体に整復操作を施した後、カゝかる操作により椎体内に形成された空洞 (骨欠損部）に骨補填材を充填することが行われる。もしくは、椎体内に骨補填材を充填することで脆弱な海綿骨を押しやり、最終的には椎体内部を補強するということが行われる。

[0004] 従来、このような治療法では、椎体に開けた孔カも直接、顆粒状の骨補填材を圧潰した椎体内に充填していた (例えば、特開 2003— 169811号公報参照。；)。

[0005] し力しながら、大量の不定形顆粒を充填するのは非常に手間がかかる。また筒体を用いて充填する場合も不定形な顆粒では、前記筒体の中空部内に詰まり易ぐ手術を円滑に行うのが困難になることがあった。また、従来の骨補填材 (不定形顆粒)を用いた場合、椎体内の空洞に導入された骨補填材は、前記筒体の開口部付近に、留まり易ぐ前記空洞内に十分な量の骨補填材を詰め込むのが困難であった。また、空洞内に可能な限り多量の骨補填材を充填した場合であっても、充填率を十分に高めるのが困難であるため（空隙が多いため）、また、不定形であることから突起部を有しており、負荷力 Sかかると破損が起こりやすい。このため、術後、比較的短期間で、椎体の体積が小さくなり、手術の効果を長期間にわたって保持するのが困難である。

[0006] また、その他にも、充填時には流動性を有し硬化をする材料を椎体内に補填する場合もある。しかし、このような材料を用いた場合、当該材料の椎体外への漏れ出しによる神経損傷や血流阻害が危惧され、安全性には疑問が残る。

発明の開示 [0007] 本発明の目的は、骨欠損部に対して、充填操作を円滑、確実、安全に行うことが可能な骨補填材を提供することにある。

[0008] このような目的は、下記（1)一（21)の本発明により達成される。

[0009] (1) 骨欠損部に充填して使用されるペレット状の骨補填材であって、

複数の面で囲まれた立体で構成され、空孔率が 75%以下および圧潰強度が 15M

Pa以上の少なくともいずれか一方の条件を満たすものであるであることを特徴とする骨補填材。

これにより、充填操作を円滑、確実、安全に行うことが可能な骨補填材を得ることができる。

また、骨補填材を定形とすることで、中空部を有する筒体を用いた充填が特に容易なものとなる。

また、十分な強度を有することにより、外部応力が力かる骨欠損部に適用した場合でも、長期に渡って、安定した形状を維持することができる。

[0010] (2) 略柱状をなす上記（1)に記載の骨補填材。

これにより、骨補填材の骨欠損部への充填操作をさらに円滑、確実、安全に行うことができるとともに、骨欠損部への充填率を特に高いものとすることができ、手術の効果をより長期間にわたって発揮することができる。

[0011] (3) 略六面体の形状をなす上記（1)に記載の骨補填材。

これにより、骨欠損部への充填率を特に高いものとすることができ、手術の効果をより長期間にわたって発揮することができる。

[0012] (4) 直方体の一部を除去した形状をなす上記 (53)に記載の骨補填材。

[0013] (5) 略五面体の形状をなす上記（1)に記載の骨補填材。

[0014] (6) 三角柱の一部を除去した形状をなす上記（5)に記載の骨補填材。これにより、骨補填材の骨欠損部への充填操作をさらに円滑、確実、安全に行うことができるとともに、骨欠損部への充填率を特に高いものとすることができ、手術の効果をより長期間にわたって発揮することができる。

[0015] (7) 略三面体の形状をなす上記（1)に記載の骨補填材。

[0016] (8) 円柱の一部を除去した形状をなす上記 (7)に記載の骨補填材。

[0017] (9) 前記立体を構成する複数の面のうち、少なくとも対向する一対において、一方の面に対し、他方の面が所定角度傾斜している上記（1)に記載の骨補填材。

[0018] (10) 前記角度が 10— 60° である上記（9)に記載の骨補填材。

[0019] (11) 前記立体の最も長い辺の長さが 5— 10mmである上記（1)に記載の骨補填材。

[0020] (12) 前記立体の最も短い辺の長さが 2— 5mmである上記（1)に記載の骨補填材。

[0021] (13) 1個当たりの体積が 13— 239mm³である上記（1)に記載の骨補填材。

これにより、骨補填材を骨欠損部に充填する際の操作性を十分に確保しつつ、骨欠損部への充填率を特に高いものとすることができ、手術の効果をより長期間にわたつて発揮することができる。

[0022] (14) 面取り加工の施された上記（1)に記載の骨補填材。

これにより、骨欠損部への充填時等に、生体組織を不本意に傷つけてしまうのを防止することができる。

[0023] (15) 1つの前記骨欠損部に、複数個の前記骨補填材が充填され、これらが集合した状態で使用される上記（1)に記載の骨補填材。

[0024] (16) 中空部を有する筒体を用いて、前記骨欠損部に充填される上記（1)に記載の骨補填材。

[0025] (17) 主としてセラミックスで構成された上記（1)に記載の骨補填材。

これにより、生体に対する親和性をさらに向上させることができる。

[0026] (18) 前記セラミックスは、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されたものである上記（17)に記載の骨補填材。

[0027] (19) 前記リン酸カルシウム系化合物の CaZP比力 1. 0-2. 0である上記（18) に記載の骨補填材。

[0028] (20) 椎体、腸骨、肩甲骨、上腕骨、尺骨、橈骨、大腿骨、けい骨および腓骨からなる群より選択される少なくとも 1種の骨の前記骨欠損部に充填される上記（1)に記載の骨補填材。

これらの骨は、比較的大きいサイズの骨である力このような骨の骨欠損部に本発明の骨補填材は、効率よくかつ高い充填率で充填することができる。

[0029] (21) 前記ペレット状の骨補填材は、それぞれ、一対の対向する面を含む複数の面により規定される略多面体形状をなしており、前記一対の対向する面の一方の面は他方の面に対して所定角度傾いており、前記骨補填材が骨欠損部に用いられる場合、中空の内腔を有する器具を用いて前記複数のペレット状の骨補填材が骨欠損部の空洞内に導入されて該空洞内に充填されるようになって、るものにぉ、て、前記ペレット状の骨補填材のそれぞれは前記中空の内腔にその傾斜面が隣接する骨補填材に向かい合うように入れられ、それによつてそれらの骨補填剤が前記中空の内腔力様々な方向に押出されるようになって、る上記（1)に記載の骨補填材。これにより、複数個の骨補填材を連続して骨欠損部の空洞内に導入する場合、骨欠損部の空洞内に導入された骨補填材 1が各方向へと拡散 (分散)し、空洞に均一に充填することができる。また、空洞に導入された骨補填材が、器具の開口部付近へ留まることが無くなり、空洞に十分な量の骨補填材を充填することができる。

図面の簡単な説明

[0030] [図 1]図 1は、本発明の骨補填材の好適な実施形態を示す斜視図である。

[図 2]図 2は、本発明の骨補填材の他の構成例を示す斜視図である。

[図 3]図 3は、本発明の骨補填材の他の構成例を示す斜視図である。

[図 4]図 4は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 5]図 5は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 6]図 6は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 7]図 7は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 8]図 8は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 9]図 9は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 10]図 10は、骨補填材の椎体内への充填方法を説明するための図である。

[図 11]図 11は、椎体圧迫骨折整復術が施された椎骨を模式的に示す図である。

[図 12]図 12は、ガイド棒の構成例を示す斜視図である。

[図 13]図 13は、バーチカルエレベーターの構成例を示す斜視図である。

[図 14]図 14は、ホリゾンタルエレベーターの構成例を示す斜視図である。 [図 15]図 15は、インサーターの構成例を示す斜視図である。

[図 16]図 16は、インパクターの構成例を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0031] 以下、本発明の骨補填材の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

[0032] 図 1は、本発明の骨補填材の好適な実施形態を示す斜視図である。

本発明の骨補填材は、骨欠損部に充填して使用されるものである。

[0033] ここで、骨欠損部とは、外傷による喪失、腫瘍等の除去手術による除去、骨粗鬆症等による骨密度の低下等、または、これらの複合的な要因により生じた骨の空洞部のことを言う。

[0034] 本発明の骨補填材は、椎体、腸骨、肩甲骨、上腕骨、尺骨、橈骨、大腿骨、けい骨および腓骨力なる群より選択される少なくとも 1種の骨の骨欠損部への充填に、好適に使用される。これらの骨は、比較的大きいサイズ (寸法)の骨である力このような骨の骨欠損部に本発明の骨補填材は、効率よくかつ高い充填率で充填することができる。

[0035] 以下では、椎体が圧潰した際に、この椎体の修復を行う手技 (椎体圧迫骨折整復術)に、本発明の骨補填材を適用する場合を代表に説明する。

[0036] 図 1に示すように、本発明の骨補填材 1 (1A、 1B、 1C、 ID)は、ペレット状 (小塊状 )をなすものであり、複数の面で囲まれた立体で構成されている。

[0037] 従来、椎体圧迫骨折整復術にお!ヽては、略球状 (顆粒状)の骨補填材が用いられていた。このような従来の骨補填材は、その形状のため、椎体内に充填された状態において、粒子同士の接触面積が小さいものであった。このため、従来の骨補填材は、充填された椎体内で安定せず、荷重によるずれ (移動）が起こりやす力つた。このようなずれを生じると、椎体内の各部位で骨補填材の密度のばらつきが大きくなる。すなわち、椎体内に、骨補填材の量が不十分な部位を生じる。その結果、当該椎体の体積が、荷重により小さくなり、手術の効果が十分に得られない場合があった。

[0038] これに対し、本発明の骨補填材 1は、複数の面で囲まれた立体で構成され、略多面体形状をなしている。このため、前述のような問題を生じ難い。すなわち、本発明では、個々の骨補填材 1同士が面同士で接触するため、固定されて安定になる。これにより耐荷重性を有し、荷重のカゝかる部位に使用した場合でも、ずれたりせずに椎体内で良好な充填状態を、長期間にわたって保つことができる。

[0039] また、骨補填材 1を複数の面で囲まれた立体形状 (略多面体形状)をなすものとすることで、椎体内への充填率を十分に高める (空隙を少なくする）ことができる。これにより、術後、椎体の体積の減少を抑え、手術の効果を長期間にわたって保持することができる。

[0040] また、骨補填材 1がこのような形状をなすことにより、椎体内の空洞に導入する際に、骨補填材 1が、後述する筒体 51の開口部付近に留まるのを効果的に防止することができ、椎体内 (空洞）に十分な量の骨補填材 1を容易に充填することができる。また、筒体 51の内腔での骨補填材 1の詰まりも無くなり、これにより充填操作を円滑かつ確実に行うことが可能となる。

[0041] さらに、本発明の骨補填材 1は、次のような条件 Iおよび IIのいずれか一方を満足するのが好ましぐ双方を満足するのがより好ましい。

[0042] I：骨補填材 1の空孔率は、 75%以下であるのが好ましぐ 50%以下であるのがより好ましぐ 30%以下であるのがさらに好ましい。骨補填材 1の空孔率をこのような範囲とすることにより、骨補填材 1の耐荷重を、十分に大きいものとすることができる。したがって、力かる骨補填材 1は、荷重が力かる骨欠損部への適用に適する。

[0043] また、骨補填材 1の空孔率を前記範囲において、比較的大きく（例えば、 50%以上 )なるように設定することにより、骨芽細胞 (骨細胞）の骨補填材 1の内部への侵入が容易となる。そして、骨補填材 1が骨芽細胞の足場となり、その増殖が促進される。その結果、骨新生が促進され、早期の骨形成に寄与する。したがって、かかる骨補填材 1は、骨癒合を優先させた!、骨欠損部への適用に適する。

[0044] なお、骨補填材 1の空孔率を前記上限値を超えて大きくすると、骨補填材 1の構成材料等によっては、その強度が低下するおそれがある。

[0045] II：骨補填材 1の圧潰強度は、 15MPa以上であるのが好ましぐ 30MPa以上であるのがより好ましぐ 150MPa以上であるのがさらに好ましい。これにより、骨補填材 1の耐荷重を、十分に大きいものとすることができる。 [0046] なお、骨補填材 1の圧潰強度が前記下限値未満の場合、例えば椎体のように強、押圧力（外部応力）がかかる部位に充填した場合には、骨補填材 1自体が早期に圧潰してしま!/、、手術の効果が十分に得られな、おそれがある。

[0047] 骨補填材 1は、複数の面で囲まれた立体形状 (略多面体形状)をなすものであればいかなる形状のものであってもよいが、略柱状をなすもの（一部を除去した形状のものを含む)であるのが好ましく、略六面体形状をなすもの（一部を除去した形状のものを含む)であるのがより好ましぐ直方体形状をなすもの（一部を除去した形状のものを含む)であるのがさらに好ましい。このような形状をなすことにより、前述した効果はより顕著なものとなる。

[0048] また、本発明の骨補填材 1は、図 1に示すように、前記立体 (多面体)を構成する複数の面のうち、少なくとも対向する一対において、一方の面に対し、他方の面が所定角度 Θだけ傾斜しているのが好ましい。後に詳述するが、骨補填材 1がこのような傾斜形状をなすことにより、椎体内 (骨欠損部)への充填時に、骨補填材 1が効率良く分散するため、骨補填材 1の充填密度をさらに高めることが可能となる。本実施形態では、直方体の一部を除去することで、面 11が該面 11と対向する面 12に対して角度 Θだけ傾斜した形状の骨補填材 1を例に挙げて示している。

[0049] 前記角度 0は、 10— 60° であるのが好ましぐ 20— 40° であるのがより好ましい。

角度 Θが前記下限値よりも小さいと、傾斜形状をなすことによる効果が十分に発揮されない場合がある。一方、角度 Θが前記上限値よりも大きいと、鋭利な突起部が生じ、負荷によりカケなどが生じやすくなる。

[0050] 本発明の骨補填材 1は、最も長い辺の長さ L力一 10mmであるのが好ましぐ 5— 7mmであるのがより好ましい。最も長い辺の長さ Lが前記下限値よりも短いと、骨補填材料 1つ 1つの体積が小さくなり、耐荷重が小さくなる。一方、最も長い辺の長さ L が前記上限値よりも長いと、椎体内部での分散が起こり難くなる。

[0051] また、本発明の骨補填材 1は、最も短い辺 Lの長さが 2— 5mmであるのが好ましく

2

、 3— 4mmであるのがより好ましい。最も短い辺の長さ Lが前記下限値よりも短いと、

2

骨補填材料 1つ 1つの体積力、さくなり、耐荷重が小さくなる。一方、最も短い辺の長さしが前記上限値よりも長いと、経椎弓根力もの充填が困難となる。 [0052] また、本発明の骨補填材 1は、 1個当たりの体積が 13— 239mm³であるのが好ましぐ 40— 100mm³であるのがより好ましい。 1個当たりの体積が前記下限値よりも小さいと、骨補填材料 1つ 1つの体積が小さくなり、耐荷重が小さくなる。一方、 1個当たりの体積が前記上限値よりも大きいと、椎体内部 (骨欠損部)での分散が起こり難くなる

[0053] そして、このような本発明の骨補填材 1は、症例（患者の体形）に応じて、寸法の違うものを数種類用意してもよい。

[0054] さらに、本発明の骨補填材 1は、面取り加工が施されたものであるのが好ましい。面取り加工を施すことで、椎体内（骨欠損部）への充填操作において、あるいは椎体内に充填された状態で、骨補填材 1が生体組織を不本意に傷つけてしまうのを防止することがでさる。

[0055] 本発明の骨補填材 1は、生体材料として用いられる材料で構成されたものであるのが好ましい。

[0056] 生体材料として用いられる材料としては、例えば、ァノレミナ、ジルコユア、リン酸力ノレシゥム系化合物等の各種セラミックスが挙げられる力それらの中でも、リン酸カルシゥム系化合物が好ましい。リン酸カルシウム系化合物は、生体内で長期間安定に存在することができ、生体材料として特に優れて、る。

[0057] リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト（Ca (PO ) (

10 4 6

OH) )、 TCP (Ca (PO ) )、 Ca P O、 Ca (PO ) 、 Ca (PO ) F、 Ca (PO )

2 3 4 2 2 2 7 3 2 10 4 6 2 10 4 6

CI、 DCPD (CaHPO - 2H O)、 Ca 0 (PO )等が挙げられ、これらのうち 1種また

2 4 2 4 4 2

は 2種以上を混合して用いることができる。

[0058] 特に、 CaZP比力 1. 0-2. 0であるようなリン酸カルシウム系化合物を用いることが好ましい。 CaZP比を 1. 0-2. 0とすることで、生体骨組織の CaZP比に近いものとなり、生体内でより長期間安定に存在することができる。

[0059] 次に、本発明の骨補填材 1の他の構成例について説明する。

図 2および図 3は、それぞれ、本発明の骨補填材の他の構成例を示す斜視図である。

[0060] 以下、図 2および図 3に示す骨補填材 1について、図 1に示す骨補填材 1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。

[0061] 図 2に示す骨補填材 1は、その全体形状が略五面体形状、特に、三角柱形状をなし、一部が除去された形状となっている。

[0062] 図 2に示す骨補填材 1によっても、図 1に示す骨補填材 1と同様の作用 ·効果が得られる。特に、図 2に示す骨補填材 1は、三角柱形状 (一部を除去した形状のものを含む)をなすことにより、定形であるため筒体を使用した充填が可能であるという効果も得られる。

[0063] 図 3に示す骨補填材 1は、その全体形状が略三面体形状、特に、円柱形状をなし、一部が除去された形状となっている。

[0064] 図 3に示す骨補填材 1によっても、図 1に示す骨補填材 1と同様の作用 ·効果が得られる。特に、図 3に示す骨補填材 1は、側面が連続した曲面で構成されている（角張つていない）ので、椎体内（骨欠損部）への充填操作において、あるいは椎体内に充填された状態で、骨補填材 1が生体組織を不本意に傷つけてしまうのを、より確実に防止することちでさる。

[0065] このような骨補填材 1の製造方法は、特に限定されないが、例えばセラミックス材料で骨補填材 1を構成する場合には、次のようにして製造することができる。

[0066] すなわち、まず、公知の方法により、セラミックススラリーを得る。

[0067] 次に、セラミックススラリーに水溶性高分子を添加し、攪拌することによりセラミックススラリー中に気泡を生じさせる。

[0068] このセラミックススラリーを所定形状の型に供給し、乾燥させて成形体を得る。

[0069] 次に、得られた成形体を、目的とする骨補填材 1の形状に、汎用加工機械により加ェした後、力かる成形体を焼結 (焼成)する。これにより、所望の骨補填材 1が得られる。

[0070] このような骨補填材 1の製造方法において、例えば、原料粉体合成の条件（1次粒子径、 1次粒子分散状態等)、原料粉体の条件 (平均粒径、仮焼成の有無、粉砕処理の有無等)、攪拌起泡の条件 (界面活性剤の種類、スラリーを攪拌する攪拌力等）、焼成条件 (焼成雰囲気、焼成温度等)等を適宜設定することにより、空孔率を所望のものに設定することができる。 [0071] 次に、本発明の骨補填材 1を椎体内に充填する方法の一例について説明する。図 4一図 10は、それぞれ、本発明の骨補填材 1を椎体内に充填する方法を説明するための図であり、図 11は、椎体圧迫骨折整復術が施された椎骨を模式的に示す図である。また、図 12—図 16は、骨補填材 1の充填操作を含む椎体圧迫骨折整復術に用いる各手術器具の一例を示す図である。用いる手術器具はこれらの例に限定されるものではない。

[0072] なお、図 4一図 8および図 10には、上側に椎骨を斜め下から見た図（椎体の一部を切り欠いて示す)を示し、下側に椎骨を平面視した図を示す。また、以下、図 4一図 8 および図 10中、左側を「先端」、右側を「基端」と言う。また、以下、図 4一図 8および図 10の上側の図、および図 11中、上側を「上部 (頭側）」、下側を「下部 (脚側）」、左側を「前方 (腹側) J、右側を「後方 (背側) Jとする。

[0073] [1] まず、 X線透視下に、図 4に示すように、椎体圧迫骨折整復術を施す椎骨 9の椎弓 92、 92から、椎体 91に向けてプロ一べ（処置具） 7を穿刺する。これにより、椎骨 9の左右両側には、各椎弓 92から椎体 91内にかけて、細径の孔 93、 93が形成される。

[0074] [2] 次に、ガイド棒 2を用いて、孔 93を拡径する。

このガイド棒 2は、例えば図 12に示すように、横断面がほぼ円形をなす棒状体 21と

、棒状体 21の基端部に設けられた把持部 22とを有している。

[0075] ガイド棒 2の把持部 22を把持して、図 5に示すように、その先端側を、一方の孔 93 に挿入する。これにより、一方の孔 93が拡径される。

[0076] なお、ガイド棒 2は、その棒状体 21の外径が異なるもの（例えば、 φ :4mm, 5mm、

6mmの 3種類）が用意されている。そして、これらを細径のものから、順次、使用することにより、孔 93を徐々に拡径することができる。

[0077] このような孔 93の拡径操作を、左右の孔 93に対して行う。

[0078] [3] 次に、バーチカルエレベーター 3を用いて、椎体 91の上部、特に、前方上部をほぼ正常位置に整復する。

[0079] このバーチカルエレベーター 3は、図 13に示すように、棒状の本体 31と、本体 31の先端部に設けられた押圧部 32と、本体 31の基端部に設けられた把持部 33とを有している。

[0080] バーチカルエレベーター 3の把持部 33を把持して、図 6に示すように、その先端側

(押圧部 32および本体 31の先端側）を、一方の孔 93を介して椎体 91内に挿入し、押圧部 32を前方部分に位置させる。また、このとき、押圧部 32の先端面 321を上方に向けた状態としておく。

[0081] そして、本体 31の基端側を押し下げる。これにより、押圧部 32は、その先端面 321 が椎体 91の前方上部内面に当接するとともに、椎体 91の前方上部を押圧し、上方に持ち上げることができる。

[0082] 次いで、バーチカルエレベーター 3の先端側を、椎骨 9から引き抜き、他方の孔 93 を介して、再度、椎体 91内に挿入し、前記と同様の操作を行う。

[0083] [4] 次に、ホリゾンタルエレベーター 4を用いて、椎体 91の上部、特に、中央上部をほぼ正常位置に整復する。

[0084] このホリゾンタルエレベーター 4は、例えば図 14に示すように、棒状の本体 41と、本体 41の先端部に設けられた押圧部 42と、本体 41の基端部に設けられた把持部 43 とを有している。

[0085] ホリゾンタルエレベーター 4の把持部 43を把持して、図 7に示すように、その先端側

(押圧部 42および本体 41の先端側）を、一方の孔 93を介して椎体 91内に挿入し、押圧部 42を中央部分に位置させる。また、このとき、押圧部 42の一方の側面 421を上方に向けた状態としておく。

[0086] そして、本体 41の基端側を押し下げる。これにより、押圧部 42は、その側面 421が椎体 91の前方上部内面に当接するとともに、椎体 91の中央上部を押圧し、上方に持ち上げることができる。

[0087] また、押圧部 42を、本体 41の軸を中心に所定角度回転させ、前記と同様の操作を行う。これにより、椎体 91の中央上部のより広い範囲に対して、整復操作を施すことができる。

[0088] 次いで、ホリゾンタルエレベーター 4の先端側を、椎骨 9から引き抜き、他方の孔 93 を介して、再度、椎体 91内に挿入し、前記と同様の操作を行う。

[0089] このような椎体 91の整復操作 [3]および [4]を、それぞれ、複数回繰り返して行うようにして、椎体 91をほぼ元の形状に整復するようにする。

[0090] なお、このとき、椎体 91を整復することにより、その内部には、空洞 911 (骨欠損部）が形成される。

[0091] [5] 次に、インサーター（充填器具) 5を用いて、形状の整復が施された椎体 91内

(整復により椎体 91内に形成された空洞 911)に、骨補填材 1を充填する。

[0092] このインサーター 5は、例えば図 15に示すように筒体 51と、筒体 51の内腔に揷通される押出棒 53と、筒体 51の基端部に設けられた筒体用把持部 52と、押出棒 53の基端部に設けられた押出棒用把持部 54とを有している。

[0093] 筒体 51の筒体用把持部 52を片手で把持して、図 8に示すように、その先端側を、一方の孔 93を介して椎体 91内に挿入する。そして、筒体 51の先端を、空洞 911の所望の箇所に位置させる。

[0094] この状態を維持しつつ、筒体用把持部 52の基端から、骨補填材 1を筒体 51の内腔に装填する。

[0095] 次いで、他方の手で押出棒 53の押出棒用把持部 54を把持して、押出棒 53を筒体用把持部 52の基端より、筒体 51の内腔に挿入し、先端方向へ移動する。これにより、筒体 51の内腔にある骨補填材 1は、押出棒 53の先端部に押圧され、筒体 51内を先端方向へ移送される。

[0096] さらに、押出棒 53を先端方向へ進めると、その先端部が筒体 51の先端力突出し、骨補填材 1が空洞 911に供給され、充填される。

[0097] ここで、本発明の骨補填材 1は、上述したような形状を有しているので、椎体内への充填操作を円滑、確実、安全に行うことができる。特に、本実施形態では、上述したような傾斜形状をなしているので、図 9に示すように、筒体 51を用いて骨補填材 1を空洞 911へと充填する際に、押出棒 53で骨補填材 1を押し込んでいくと、骨補填材 1 は、隣接する他の骨補填材 1の傾斜形状部分に沿って所定方向に押し出されることになる。

[0098] より詳しく説明するに、前記ペレット状の骨補填材 1は、それぞれ、一対の対向する面を含む複数の面により規定される略多面体形状をなしており、前記一対の対向する面の一方の面は他方の面に対して所定角度傾いており、前記骨補填材 1が骨欠損部に用いられる場合、中空の内腔を有する筒体 (器具) 51を用いて前記複数のぺレット状の骨補填材 1が骨欠損部の空洞 911内に導入されて該空洞 911内に充填されるようになっている。その場合、ペレット状の骨補填材 1のそれぞれは前記筒体 51 の中空の内腔にその傾斜面が隣接する骨補填材に向かい合うように入れられ (好ましくは、隣接する骨補填材の傾斜面に向かい合うように入れられ)、それによつて図 9 に示すようにそれらの骨補填剤が前記中空の内腔力様々な方向に押出されるようになっている。

[0099] すなわち、図 9に示す例では、骨補填材 1Aは、骨補填材 1Bの傾斜形状部分によつて図中上方に押し出される。また、骨補填材 1Bは、骨補填材 1Cによって、筒体 51 に対して略平行方向に押し出される。また、骨補填材 1Cは、骨補填材 1Dによって、図中下方に押し出される。

[0100] また、骨補填材 1が上述したような形状をなすため、例えば、複数個の骨補填材 1を連続して椎体内に導入した場合であっても、椎体内に導入された骨補填材 1が各方向へと拡散 (分散)し、空洞 911に均一に充填することができる。また、空洞 911に導入された骨補填材 1が、筒体 51の開口部付近へ留まることが無くなり、空洞 911に十分な量の骨補填材 1を充填することができる。

[0101] また、骨補填材 1が筒体 51の内腔で詰まることも効果的に防止され、これにより充填操作を円滑かつ確実に行うことが可能となる。

[0102] なお、骨補填材 1の充填操作を行うのに際しては、押出棒用把持部 54の筒体用把持部 52への当接により、押出棒 53の筒体 51の先端力もの最大突出長さが規制されるため、椎体 91の不要な箇所を押圧することが防止され、安全性が高い。

[0103] [6] 次に、インパクター 6を用いて、整復が施された椎体 91内に充填された骨補填材 1の密度を高める。これにより、椎体 91内では、複数の骨補填材 1が集合した状態となる。

[0104] このインパクター 6は、例えば図 10および図 16に示すように、棒状の本体 61と、本体 61の先端部に設けられた押圧部 62と、本体 61の基端部に設けられた把持部 63 とを有している。

[0105] インパクター 6の把持部 63を把持して、図 10に示すように、その先端側（押圧部 62 および本体 61の先端側）を、一方の孔 93を介して椎体 91内に挿入する。

[0106] そして、前記操作 [5]で空洞 911に充填された骨補填材 1を、押圧部 62で押圧する。これにより、骨補填材 1の密度（充填密度）を高めることができる。

[0107] このような骨補填材 1の充填操作 [5]、および、骨補填材 1の緻密化操作 [6]を、それぞれ、左右の孔 93を介して、複数回繰り返して行うようにして、椎体 91の空洞 911 に骨補填材 1を充填するとともに、その密度を高める。この緻密化操作は、骨補填材 1が傾斜する面 11 (傾斜面)を有する場合、より効率良くなされる。つまり、骨補填材 1 をインパクター 6で押圧する際、複数の骨補填材 1は、傾斜する面 11において互いが摺動するように空洞 911の未充填個所に押し込まれ、その結果、空洞 911は密に充填される。

[0108] また、このような操作 [5]および [6]を行うことにより、椎体 91の更なる整復も期待できる。

[0109] [7] 次に、左右の孔 93を、それぞれ、図 11に示すように、例えばノヽイドロキシァパタイト等の生体材料で構成される栓体 8で封止する。これにより、各孔 93を介して、骨補填材 1が椎体 91内（空洞 911)から流出するのを防止（阻止)することができる。このため、椎体 91が、再度、圧潰するのをより確実に防止することができる。

[0110] なお、各孔 93は、栓体 8に代わり、例えば骨セメント等により封止するようにしてもよい。

[0111] 以上のようにして、椎体 91に対する椎体圧迫骨折整復術が終了したら、術部 (切開部）に対し縫合、結紮等を行い、手術を終了する。

[0112] 以上のような手技によれば、低侵襲での椎体圧迫骨折整復術が可能である。

[0113] 椎体内に充填された本発明の骨補填材 1は、上述したように複数の面で囲まれた立体形状 (略多面体形状)をなしているので、骨補填材 1同士が面同士で接触し固定されて安定になる。これにより耐荷重性を有し、荷重のカゝかる部位に使用した場合でも、ずれたりせずに椎体内で良好な充填状態を保つことができる。

[0114] また、空隙が少なく椎体内へ十分に充填されるため、術後、椎体の体積の減少を抑え、手術の効果を長期間にわたって保持することができる。

[0115] 以上、本発明の骨補填材を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。

産業上の利用可能性

[0116] 本発明によれば、骨補填材の充填操作を円滑、確実、安全に行うことができる。

[0117] また、本発明によれば、骨補填材を、骨欠損部の各部位 (部分)に、均一かつ十分に充填することができる。

[0118] さらに、本発明によれば、骨欠損部で良好な充填状態を保ち、手術の効果を長期間にわたって保持することができる。

[0119] また、中空部を有する筒体を用いて骨欠損部に充填する構成とすることにより、皮膚の切開を最少限に抑えることができ、低侵襲での手術が可能となる。

[0120] 本件出願は、平成 15年 12月 9日提出の特願 2003-410873に基づくものであり、ここに該特許出願の番号を引用することにより、その内容が組み込まれたものとする。

Claims

請求の範囲

[I] 骨欠損部に充填して使用されるペレット状の骨補填材であって、

複数の面で囲まれた立体で構成され、空孔率が 75%以下および圧潰強度が 15M Pa以上の少なくともいずれか一方の条件を満たすものであることを特徴とする骨補填材。

[2] 略柱状をなす請求項 1に記載の骨補填材。

[3] 略六面体の形状をなす請求項 1に記載の骨補填材。

[4] 直方体の一部を除去した形状をなす請求項 3に記載の骨補填材。

[5] 略五面体の形状をなす請求項 1に記載の骨補填材。

[6] 三角柱の一部を除去した形状をなす請求項 5に記載の骨補填材。

[7] 略三面体の形状をなす請求項 1に記載の骨補填材。

[8] 円柱の一部を除去した形状をなす請求項 7に記載の骨補填材。

[9] 前記立体を構成する複数の面のうち、少なくとも対向する一対において、一方の面に対し、他方の面が所定角度傾斜している請求項 1に記載の骨補填材。

[10] 前記角度が 10— 60° である請求項 9に記載の骨補填材。

[II] 前記立体の最も長い辺の長さが 5— 10mmである請求項 1に記載の骨補填材。

[12] 前記立体の最も短、辺の長さが 2— 5mmである請求項 1に記載の骨補填材。

[13] 1個当たりの体積が 13— 239mm³である請求項 1に記載の骨補填材。

[14] 面取り加工の施された請求項 1に記載の骨補填材。

[15] 1つの前記骨欠損部に、複数個の前記骨補填材が充填され、これらが集合した状態で使用される請求項 1に記載の骨補填材。

[16] 中空部を有する筒体を用いて、前記骨欠損部に充填される請求項 1に記載の骨補填材。

[17] 主としてセラミックスで構成された請求項 1に記載の骨補填材。

[18] 前記セラミックスは、主としてリン酸カルシウム系化合物で構成されたものである請求項 17に記載の骨補填材。

[19] 前記リン酸カルシウム系化合物の CaZP比力 1. 0-2. 0である請求項 18に記載の骨補填材。

[20] 椎体、腸骨、肩甲骨、上腕骨、尺骨、橈骨、大腿骨、けい骨および腓骨からなる群より選択される少なくとも 1種の骨の前記骨欠損部に充填される請求項 1に記載の骨補填材。

[21] 前記ペレット状の骨補填材は、それぞれ、一対の対向する面を含む複数の面により規定される略多面体形状をなしており、前記一対の対向する面の一方の面は他方の面に対して所定角度傾いており、前記骨補填材が骨欠損部に用いられる場合、中空の内腔を有する器具を用いて前記複数のペレット状の骨補填材が骨欠損部の空洞内に導入されて該空洞内に充填されるようになって、るものにぉ、て、前記ペレット状の骨補填材のそれぞれは前記中空の内腔にその傾斜面が隣接する骨補填材に向かい合うように入れられ、それによつてそれらの骨補填剤が前記中空の内腔力様々な方向に押出されるようになって!/、る請求項 1に記載の骨補填材。