明 細 書
テレビ受信システム
技術分野
[0001] 本発明は、無線を介して、テレビ放送などの放送信号を受信して利用できるように するテレビ受信システムに関する。
背景技術
[0002] 従来、選局装置 (チューナ)と表示装置を別個として構成し、選局装置で受信した 放送信号を無線伝送により表示装置へ送信し、表示装置において放送信号を表示 するシステムが、特開 2001— 358966号公報で開示されている。
[0003] 従来のテレビ受信システムは、 1台の選局装置が受信した放送信号を 1台または複 数台の表示装置に無線送信して!/、る。その無線送信における設定パラメータは単一 であり、設置場所の異なる全ての表示装置に対して必ずしも最適な状態で無線送信 できているとはいえな力つた。例えば、選局装置に近い場所に設置された表示装置 は放送信号を確実に受信できるが、選局装置力 遠い場所に設置された表示装置 の受信状態は不安定であり、しばしば電波状況の悪ィヒ等により放送信号を受信でき なかった。
発明の開示
[0004] 本発明に係るテレビ受信システムは、放送信号を受信するアンテナと、アンテナで 受信された放送信号を選局する選局部と、選局部で選局された放送信号を符号ィ匕 する符号化部と、符号化部で符号化された放送信号を無線信号として送信する第 1 の無線通信部と、選局部の選局状態を制御する第 1の制御部とを備えた選局装置と 、第 1の無線通信部から無線信号を受信する第 2の無線通信部と、第 2の無線通信 部で受信された無線信号を放送信号として復号化する復号化部と、復号化部で復号 化された放送信号を画像として表示する画像表示部と、使用者の指示を入力する入 力部と、入力された指示に基づいて選局装置の設置情報を生成する設置情報生成 部と、生成された設置情報を記憶する第 2の記憶部と、第 2の記憶部から設置情報を 取り出し、第 2の無線通信部及び第 1の無線通信部を介して設置情報を第 1の制御
部へ送る第 2の制御部とを備えた表示装置とを有し、第 1の制御部は、第 2の制御部 により送られた設置情報に基づいて選局部の選局状態を制御するものである。
[0005] 本発明に係るテレビ受信システムによれば、表示装置が無線送信における設定パ ラメータを含む設置情報を複数備え、表示装置の設置場所に応じて受信状態が最 適となる設置情報を使用者が選択して選局装置に与えることができる。その結果、表 示装置がどの場所に設置されても、安定した受信環境をつくることができる。
図面の簡単な説明
[0006] [図 1]図 1は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムが家屋内に導入 された場合の選局装置及び表示装置の配置の一例を示す図である。
[図 2]図 2は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムのブロック構成図 である。
[図 3]図 3は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムを構成する選局 装置 1の設置情報の設定パラメータの一例を示す図である。
[図 4]図 4は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの表示装置に設 けられたコントロールパネルの一例を示す図である。
[図 5]図 5は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの選局装置に設 けられた LED表示部の一例を示す図である。
[図 6]図 6は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの表示装置内で 実行される設置情報に関するフローチャートである。
[図 7]図 7は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの選局装置内で 実行される設置情報に関するフローチャートである。
[図 8]図 8は本発明に係る実施の形態 2におけるテレビ受信システムのブロック構成図 である。
[図 9]図 9は本発明に係る実施の形態 2におけるテレビ受信システムの表示装置内で 実行される設置位置検出処理に関するフローチャートである。
[図 10]図 10は本発明に係る実施の形態 3におけるテレビ受信システムのブロック構 成図である。
[図 11]図 11は本発明に係る実施の形態 3におけるテレビ受信システムの表示装置内
及び選局装置内で実行される無線通信の復旧に関するフローチャートである。 符号の説明
[0007] 1, 13 選局装置
2, 22 表示装置
3 設置情報
101 第 1の無線通信部
102 選局部
103 符号化部
104 LED表示部
105 第 1の制御部
106 第 1の記憶部
109 アンテナ
201 第 2の無線通信部
202 復号化部
203 入力部
204 設置情報生成部
205 第 2の記憶部
206 第の制御部
207 設置位置検出部
209 画像表示部
発明を実施するための最良の形態
[0008] (実施の形態 1)
図 1は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムが家屋内に導入され た場合の選局装置及び表示装置の配置の一例を示す図である。図 1において、選 局装置 la、 lb、 lc、 ld、 leは各部屋に設置され、 5台ある。表示装置 2は 1台リピン グに設置されている。この場合、表示装置 2は最も近い場所にあるリビング内の選局 装置 lbと無線通信を行う。なお、表示装置 2は複数台あってもよい。
[0009] 図 2は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムのブロック構成図で
ある。本実施の形態 1におけるテレビ受信システムは、無線通信により接続される選 局装置 1と、表示装置 2とにより構成される。図 2において、選局装置 1は図 1における 選局装置 lbに該当する。
[0010] 選局装置 1は、第 1の無線通信部 101、選局部 102、符号化部 103、 LED表示部 1 04、第 1の制御部 105、アンテナ 109で構成される。アンテナ 109は、屋外から伝播 する放送信号を受信する。選局部 102は、アンテナ 109で受信された放送信号を選 局する。符号化部 103は、選局部 102で選局された放送信号を符号化する。第 1の 無線通信部 101は、符号化部 103で符号化された放送信号を無線信号として送信 する。
[0011] このように、放送信号は符号化された無線信号となって表示装置 2へ送られる。
[0012] 第 1の制御部 105は、この一連の流れを制御する他、選局部 102の選局状態を制 御する。なお、選局状態は、選局装置 1の設置場所によって異なる。また、第 1の制 御部 105は、第 1の無線通信部 101の通信状態を制御する。この通信状態の制御は 、後述する表示装置 1に記憶された設置情報に基づいて行われる。また、 LED表示 部 104は、選局装置 1の設置情報のうち設置場所情報を LEDの点灯により表示する
[0013] 表示装置 2は、第 2の無線通信部 201、復号化部 202、入力部 203、設置情報生 成部 204、第 2の記憶部 205、第 2の制御部 206、画像表示部 209から構成される。 第 2の無線通信部 201は、選局装置 1の第 1の無線通信部 101からの無線信号を受 信する。復号ィ匕部 202は、第 2の無線通信部 201で受信された無線信号を放送信号 として復号化する。画像表示部 209は、復号化部 202で復号化された放送信号を画 像として表示する。入力部 203は、表示装置 2の使用者が入力する指示を受け付け る。設置情報生成部 204は、入力部 203から入力された指示に基づいて設置情報を 生成する。第 2の記憶部 205は、設置情報生成部 204で生成された設置情報を記憶 する。第 2の制御部 206は、第 2の記憶部 205から設置情報を取り出し、第 2の無線 通信部 201及び選局装置 1の第 1の無線通信部 101を介してその取り出した設置情 報を選局装置 1の第 1の制御部 105へ送る。
[0014] 次に、設置情報について説明する。
[0015] 設置情報とは、選局装置 1と表示装置 2とが無線信号を最適な状態で送受信できる ための設定パラメータである。
[0016] 図 3は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムを構成する設置情報 の設定パラメータの一例を示す図である。図 3において、設置情報 3の設定パラメ一 タは、設置場所情報 301、使用無線チャンネル情報 302、使用帯域情報 303、送受 信電力情報 304で構成されている。設置場所情報 301は表示装置 2が配置される位 置を示す。例えば、ダイニング、リビング、寝室、書斎、和室等が該当する。使用無線 チャンネル情報 302は、選局装置 1の第 1の無線通信部 101と表示装置 2の第 2の無 線通信部 201との間で使用される無線チャンネルを示す。例えば、その無線チャン ネル力 S4つあれば、チャンネル 1、 2、 3、 4が該当する。使用帯域情報 303は、無線チ ヤンネルで実際に使用される帯域を示す。例えば、チャンネル 1における使用帯域が 広い場合 (WIDE)と狭い場合(STANDARD,以下「STD」という。)が該当する。送 受信電力情報 304は、無線チャンネルで消費される送受信電力を示す。例えば、無 線通信状態が良好な場合は送受信電力を少なくし(「LOW」と表示する)、無線通信 状態が悪化して ヽる場合は送受信電力を多くする(「HIGH」と表示する)ことが考え られる。
[0017] 図 4は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの表示装置 2に設け られた入力部 203の一例を示す図である。入力部 203であるコントロールパネルには 、図 3に示す設定パラメータが表示される。表示部分はタツチパネルになっており、使 用者が指先にて設定情報をそのまま入力できる。図 4において、設置場所はリビング 、使用する無線チャンネルは 1チャンネル、使用帯域は「WIDE」、送受信電力は「L OW」と設定されている。なお、使用帯域は映像品質に大きく依存するので、設定パ ラメータとしては「映像品質」と表示している。また、設置場所は左右にある三角表示 に触ることで切替わる。
[0018] 図 5は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの選局装置 1に設け られた LED表示部 104の一例を示す図である。設置情報 3の一つである設置場所 情報 301が LEDにより表示される。図 5では、 LED2が点灯し、表示装置 2がリビング に設置されて ヽることがわかる。
[0019] このように、表示装置 2は選局装置 1から最適な状態で無線信号を受信し鮮明な画 像を表示するために、使用者が最適な設置情報 3を設定する。表示装置 2からは選 局装置 1へその設定された最適な設置情報が無線信号で送られる。
[0020] 次にこの動作を、フローチャートを用いて説明する。
[0021] 図 6は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの表示装置内で実 行される設置情報に関するフローチャートである。表示装置 2が今までに記憶された 設置情報では適用できな!、場合 (例えば、表示装置 2が新たな設置場所へ移動した 場合等)、以下の手順で新しい設置情報 3を設定する。
[0022] [1]表示装置 2の設置情報 3を更新する力否力確認する(S200)。更新しない場合 は処理ループを抜け、ステップ S206〖こ進む。
[0023] [2]設置情報を更新する場合、表示装置 2のコントロールパネルから使用者が指示 した設置場所情報 301を新たに設定するか否かを確認する(S201)。表示装置 2の 設置場所情報 301を新たに設定しない場合、ステップ S203に進む。
[0024] [3]表示装置 2の設置場所情報 301を新たに設定する場合、使用者は新たな設置 場所情報 301を第 2の記憶部 205に記憶させる(S202)。
[0025] [4]さらに、設置情報 3のうち無線信号制御に関する設定パラメータを更新するか 否かを確認する(S203)。無線信号制御に関する設定パラメータを更新しない場合 ίま、ステップ S205に進む。
[0026] [5]無線信号制御に関する設定パラメータを更新する場合、使用者は使用無線チ ヤンネル情報 302、使用帯域情報 303、送受信電力情報 304を第 2の記憶部 205に 記憶させる(S204)。
[0027] [6]ステップ S202で記憶させた設置場所情報 301及びステップ S204で記憶させ た使用無線チャンネル情報 302、使用帯域情報 303、送受信電力情報 304を第 2の 記憶部 205から読み出す (S205)。
[0028] [7]ステップ S205で読み出された全ての設置情報を選局装置 1に送信する(S206
) o
[0029] 上記一連の処理により選局装置 1に送信された設置情報は、選局装置 1の第 1の 制御部 105によって各部に設定される。
[0030] 次にこの動作を、フローチャートを用いて説明する。
[0031] 図 7は本発明に係る実施の形態 1におけるテレビ受信システムの選局装置内で実 行される設置情報に関するフローチャートである。
[0032] [1]選局装置 1の設置情報 3を更新する力否力確認する(S101)。更新しない場合 は処理ループを抜ける。
[0033] [2]設置情報を更新する場合、表示装置 2から送信された設置場所情報 301が新 たに設定されたもの力否かを確認する(S102)。設置場所情報 301が新たに設定さ れたものではない場合、ステップ S104に進む。
[0034] [3]表示装置 2から送信された設置場所情報 301が新たに設定されるものである場 合、その設置場所情報 301が LED表示部 104に反映される。例えば、新しい設置場 所を示す LEDが点灯する(S103)。
[0035] [4]さらに、表示装置 2から送信された設置情報 3のうち無線信号制御に関する設 定パラメータを更新するカゝ否かを確認する(S104)。無線信号制御に関する設定パ ラメータを更新しない場合は、処理ループを抜ける。
[0036] [5]無線信号制御に関する設定パラメータを更新する場合、使用無線チャンネル 情報 302、使用帯域情報 303、送受信電力情報 304が第 1の制御部 105により各部 に設定される(S 105)。
[0037] 以上の処理を実行させることにより、複数の設置情報 3を持ち、それを使用者が設 定できるようにすることで最適の無線設定を行うことが可能なテレビ受信システムを提 供することができる。
[0038] (実施の形態 2)
図 8は本発明に係る実施の形態 2におけるテレビ受信システムのブロック構成図で ある。図 8において、図 2の実施の形態 1と異なる点は、表示装置 22に表示装置 22 の設置位置の検出を行う設置位置検出部 207が設けられたことである。設置位置検 出部 207は第 2の無線通信部 201の通信状態を監視し、あら力じめ設定されたパラメ ータの変化を現在情報として検出する。例えば、現在情報の一つである第 2の無線 通信部 201で消費される送受信電力が設定パラメータよりも大きくなつていることを検 出する。検出値が一定の値を超えた場合、設定位置検出部 207はその旨を第 2の制
御部 206に伝える。これを受けて、第 2の制御部 206は設置情報 3の最適値を選択 する。
[0039] 次に、この動作を、フローチャートを用いて説明する。
[0040] 図 9は本発明に係る実施の形態 2におけるテレビ受信システムの表示装置内で実 行される設置位置検出処理に関するフローチャートである。
[0041] [1]設定位置検出部 207では常時表示装置 22の設定位置の検出を実行する(S3
01)。具体的には、現在情報の一つである実際に消費されている送受信電力量を算 出する。
[0042] [2]現在設定されている設置情報 3の一つである送受信電力情報 304を読み出す
(S302)。
[0043] [3]読み出された送受信電力量 304と実際の送受信電力量とを比較する(S303)
。その差が一定の値より小さい場合、処理ループを抜ける。
[0044] [4]その差が一定の値以上である場合、使用者に対して現在設定されている設置 情報を更新するよう要求する(S304)。具体的には、表示装置 22のコントロールパネ ルの表示を変化させて知らせる(例えば、図 4において、全表示を点滅させる)。
[0045] このように、表示装置 22に設置位置検出部 207を設け、上記の処理を実行させる ことにより、使用者は表示装置 22の無線状態を知ることができ、速やかに最適な設置 情報を再設定することができる。
[0046] (実施の形態 3)
図 10は本発明に係る実施の形態 3におけるテレビ受信システムのブロック構成図 である。図 10において、図 2の実施の形態 1と異なる点は、選局装置 13に第 1の記憶 部 106が設けられたことである。
[0047] 第 1の記憶部 106は、表示装置 2から送信された設置情報 3を記憶する。設置情報
3が更新された場合でも、更新前の設置情報 3が削除されず残るので、過去に設定さ れた複数の設置情報 3をその後も利用することができる。
[0048] 具体的には、表示装置 2と選局装置 13との無線通信が途絶えた場合、表示装置 2 及び選局装置 13は、各異なる周期で既に記憶されている設置情報 3を変更し、途絶 えて 、た通信が復帰し確立した時点でその設置情報 3を恒久的に設定する。この動
作により、途絶えた無線通信の自動復旧が可能となる。
[0049] 次に、この動作を、フローチャートを用いて説明する。
[0050] 図 11は本発明に係る実施の形態 3におけるテレビ受信システムの表示装置内及び 選局装置内で実行される無線通信の復旧に関するフローチャートである。図 11の処 理は、異なる周期で表示装置 2と選局装置 13の双方で同時に実行される。
[0051] [1]表示装置 2と選局装置 13との無線通信が途絶したか否か確認する(S401)。
無線通信が途絶して 、な 、場合は、処理ループを抜ける。
[0052] [2]無線通信が途絶した場合、表示装置 2は第 2の記憶部 205から別の設置情報 3 を読出す。また、選局装置 13は、第 1の記憶部 106から別の設置情報 3を読み出す( S402)。
[0053] [3]次に、表示装置 2は第 2の記憶部 205から読み出した設置情報 3を更新し、表 示装置 2内の各部の設定を変える。同様に、選局装置 13は第 1の記憶部 106から読 み出した設置情報 3を更新し、選局装置 13内の各部の設定を変える(S403)。
[0054] [4]表示装置 2及び選局装置 13は、各途絶えた通信が確立したか否かを確認する
(S404)。通信が確立しない場合は、ステップ S402へもどり、さらに別の設置情報 3 を読み出す。
[0055] [5]通信が確立した場合は、その無線通信が復旧したときの設置情報 3を恒久的に 設定する(S405)。
[0056] 表示装置 2と選局装置 13とで上記の処理を行う周期を異ならせることにより、表示 装置 2の設置情報 3と選択装置 13の設置情報 3との組合せが全て確認できる。なお 、一定時間内に通信が確立しな力つた場合は、強制的に処理ループを抜けるように してもよい。このときは、表示装置 2において通信が確立しな力つた旨の表示をする。
[0057] 以上の処理を実行することにより、表示装置 2と選局装置 13との無線通信の途絶が 発生しても、自動的に途絶えた無線通信を復旧させるテレビ受信システムが実現で きる。
産業上の利用可能性
[0058] 本発明に係るテレビ受信システムは、家屋内、あるいは、庭などに設置される選局 装置との無線通信が可能な範囲内において、異なる条件で発生しうる BSZCSチヤ
ンネル選局の高調波による無線通信への妨害を回避することができる。よって、無線 を介してテレビ放送などの放送信号を受信して利用できるようにするテレビジョン受 信技術として有用である。