WO2007119577A1

WO2007119577A1 - バッテリフォークリフト用ドライブユニット

Info

Publication number: WO2007119577A1
Application number: PCT/JP2007/056762
Authority: WO
Inventors: Kazunori Ueno
Original assignee: Komatsu Utility Co., Ltd.
Priority date: 2006-03-24
Filing date: 2007-03-22
Publication date: 2007-10-25
Also published as: KR20080111496A; RU2008142136A; RU2425265C2; CN101427045A; US7980364B2; US20090277727A1

Abstract

ドライブユニット付近におけるブレーキを配置するための大きな空間を不要としてドライブユニット及びドライブユニット付近のコンパクト化を図ることができる、バッテリフォークリフト用ドライブユニットを提供することを目的とする。そのために、ドライブユニットのドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置すると共に、この湿式ブレーキ部は、セカンドギヤに内周全体が取付けられたインナーディスクと、ドライブケース側に外周全体が取付けられていて、インナーディスクに向き合うアウターディスクと、互いに向き合ったインナーディスクとアウターディスクを押圧するプレッシャプレートとから構成されている。

Description

明細書パッテリフォークリフト用ドライブュニット技術分野

[0001]

本発明は、パッテリフォークリフト用ドライブユニットに関し、さらに詳細には、このドライブユニットの内部にブレーキを配置して、パッテリフォークリフトにおけるドライブュニット付近のコンパクト化を図ったバッテリフォークリフト用ドライブュニットに関する。背景技術

[0002]

従来、バッテリフォークリフトにおける一対のドライブュニットとしては、図 1 9に示すように、車体 8 1に固着された左右のドライブケース 8 2をそれぞれ備え、この左右のドライブケース 8 2に走行用モータ 8 3をそれぞれ固着してこれら左右のモータが相対するようにしている。そして、この左右のドライブケース 8 2内において、左右の走行用モータ 8 3のモータ軸 8 4にファーストギヤ 8 5を嵌合すると共に、このファーストギャ 8 5に嚙合するセカンドギヤ 8 6を備え、このセカンドギヤ 8 6がさらに複数のギヤを介してキヤリア 8 7につながる構成となっており、走行用モータ 8 3より発生する動力をファーストギヤ 8 5 , セカンドギヤ 8 6及びその他のギヤを介してキヤリア 8 7に伝達するようにしている。そして、このキャリア 8 7にはハブ 8 8を固着し、ハブ 8 8にタイヤ 8 9を装着したホイール 9 0を装着している。

[0003] '

また、左右の走行用モータ 8 3にあっては、それらの相対する側に乾式単板ブレーキ 9 1をそれぞれ装着しており、この乾式単板ブレーキ 9 1によって制動を行うようにしていた。また、左右の走行用モータ 8 3は、コントローラにより同期動作するように制御されていた。

[0004]

上述のように、従来のバッテリフォークリフトにおける一対のドライブユニットにあっては、左右の走行用モータにおける相対する側に乾式単板ブレーキを装着していたが、この乾式単板ブレーキが大型であるため、それらの装着のために左右の走行用モータ間に大きな空間が必要となり、このため、ドライブュニット全体が大型化してしまうといった問題があった。特に、車体幅方向である左右方向の寸法が大きくなるという問題があり、バッテリフォークリフトにおけるドライブユニットイ近のコンパタト化に支障を来たすということがあった。

[0005]

本発明は、前述の各問題等を解消するため、バッテリフォークリフトにおけるドライブュニットにおいて、このドライブュニットの内部にブレーキを配置することにより、バッテリフォークリフトにおけるドライブュニット付近のコンパクト化を図ることを、その課題とする。発明の開示 '

[0006] - 第一の発明は、ドライブケース内に、走行用モータのモータ軸に嵌合するファーストギヤと、このファーストギヤに嚙合するセカンドギヤとを備えていて、このファーストギヤとセカンドギヤを介して走行用モータより発生する動力をキヤリアに伝達するようにしたパッテリフォークリフトのドライブュニットにおいて、ドライブケース內に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置すると共に、この湿式ブレーキ部は、セカンドギャに内周全体が取付けられたインナーディスクと、ドライブケース側に外周全体が取付けられていて、ィンナーディスクに向き合う 7：ウターデイスクと、互いに向き合ったインナーディスクとアウターディスクを押圧するプレツシャプレートとから構成されていることを特徴とする、バッテリフオークリフト用ドライブユニットである。

[0007]

第二の発明は、第一の発明において、アウターディスクのラジアル方向への移動を制限し、かつプレツシャプレートからの押圧力と、アウターデイスクとィンナーディスクとがプレツシャプレートの押圧により密接して発生する摩擦制動トルクとをすベて受け止める取付け用プロックを、ドライブケース側に固定したことを特徴とするものである。

[0008] .

第三の発明は、第一又は第二の発明において、ドライブケース側に固着したシリンダブ口ックの内部にビストンを備え、このビストンの先に湿式ブレーキ部のプレツシャプレートに当接する口ッドを固着し、かつビストンにおける口ッドと反対側にプッシュ口ッドを備えた構成とし、サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、前記ビストンを動かし、口ッドの先端を介してプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとィンナーディスクとが密接してアウターデイスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにし、パ一キングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレバーを介してプッシュロッドを押し込むことにより、前記ピストンを動かし、ロッドの先端を介してプレツシャプレートを押すことで、ァウタ一ディスクとィンナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えたことを特徴とするものである。

[0009]

第四の発明は、第三の発明において、押し出し機構部のプッシュロッドを押し込むレバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のィンナ一ディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とするものである。

[0010]

第五の発明は、第一又は第二の発明において、サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、リジグ状ピストンを介してプレツシャプレ一トを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレバーを介してこのレバーの揺動によってプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のィンナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とするものである。 '

[0011] '

第六の発明は、第一又は第二の発明において、サービスブレーキ作動時及ぴパーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤ一とブレーキペダルの操作に連動するワイヤーとに連結したレバーを介してこのレバーの揺動によってプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーデイスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のィンナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とするものである。

[0012] '

本発明によれば、ドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置したことにより、従来のようなドライブュニット付近におけるブレーキを配置するための大きな空間を不要とし、ドライブュニット及ぴドライブュニット付近のコンパクト化を図ることができる。

[0013]

また、ブレーキ部をドライブケースによって完全に覆われた状態にすることができ、外部から泥や水等が浸入するのを無くして、ブレーキの故障といった問題を大幅に低減することができる。。

[0014] - また、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことにより、組み立て時または使用中のインナーディスクやアウターディスク等が摩^した時でも、切れ代を極めて容易に適正な値に調整することができ、湿式ブレーキ部における各種の不具合を無くすことができる。しかも、このように湿式ブレーキ部の切れ代の調整は切れ代調整部による調整のみで良いことから、組み立て時または使用時における切れ代の調整作業の大幅な簡易化を図ることができ、常に最適な切れ代に調整することで、作業者が安心して車両を運転することができるようになる。図面の簡単な説明 .

[0015]

図 1は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットの第 1の実施形態の説明図である。

図 2は、第 1の実施形態の湿式ブレーキ部のアウターディスクの取付け状態を示す説明図である。

図 3は、上記湿式ブレーキ部の、保護ブーツを有した押し出し機構部の説明図である。図 4は、上記湿式ブレーキ部の切れ代調整部の説明図である。図 5は、上記湿式ブレーキ部の切れ代調整部の他の例の説明図である。図 6は、上記湿式ブレーキ部の押し出し機構部の他の例の説明図である。図 7は、上記湿式ブレーキ部のプレツシャプレート及び押し出し機構部の他の例の説明図である。

図 8は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブュニットの第 2の実施形態を示す説明図である。 - 図 9は、図 8における K _ IX線断面図である。 - 図 1 0は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブュニットの第 3 実施形態を示す説明図である。

図 1 1は、第 3の実施形態の湿式ブレーキ部の押し出し機構部を説明する概略分解斜視図である。

図 1 2 Α及び図 1 2 Bは、上記押し出し機構部におけるボール体によるプレツシャプレートとリングプレートの動作状態を示す説明図である。図 1 3は、図 1 0における A方向矢視図である。

図 1 4は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブュニットのだい 4の実施形態を示す説明図である。

図 1 5は、図 1 4における B方向矢視図である。

図 1 6は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブュ-ットの第 5 実施形態を示す説明図である。

図 1 7は、本発明のバッテリフォークリフト用ドライブユニットの第 6 の実施形態を示す説明囪である。

図 1 8は、図 1 6又は図 1 Ίにおける C方向矢視図である。

図 1 9は、従来のパッテリフォークリフト用ドライブュニットの説明図である。発明を実施するための最良の形態 [0016]

本発明によるバッテリフォークリフト用ドライブユエットの第 1の実施形態について説明する。なお、このドライブユニットにあっては、その一対を車体の左右両側に相対するように配置するものであるので、説明では左右の一方側のみについて説明し、同じ構造の他方側につては説明を省略する。，

[0017]

図 1に示すように、車体 1にドライブケース 2を固着し、このドライブケース 2は略円錐台筒状のケース 3 とこのケース 3に固着する略板状の力バー 4とからなり、内部に空間を形成して中空状にしている。このドライブケース 2の上側部分において、カバー 3の車体内方側に走行用モータ 5 を固着して、走行用モータ 5のモータ軸 6をドライブケースの内部に向けて突き出るように配置する。

[0018]

そして、このドライブケース 2内において、走行用モータ 5のモータ軸 6にファーストギヤ 1 1 をスプライン嵌合する。このファ ^ストギヤ 1 1 はドライブケース 2のケース 3とカバー 4とに軸受け 1 2を介して回転自在に支持される。そして、ファーストギヤ 1 1の下側にこれと嚙合するセカンドギヤ 1 3を備える。このセカンドギヤ 1 3は内側に空間を形成した形状にする。

[0019]

さらに、このセカンドギヤ 1 3の中央部の車体外方側にサンギヤ 1 4を固着し、このサンギヤ 1 4の回りをリングギヤ 1 5を介して公転するプラネタリギヤ 1 6を備え、このプラネタリギヤ 1 6をキャリア 2 1に回転自在に取付ける。このキャリア 2 1の外周にはハブ 2 2をスプライン嵌合しており、ハブ 2 2は軸受け 2 3を介してドライブケース 2のケース 3に回転自在に支持される。そして、このハタ 2 2にタイヤ 2 4を装着したホイール 2 5をボルト 2 6及ぴナツト 2 7にて装着する。 [0020]

以上の構成により、タイヤ 2 4を装着したホイール 2 5の駆動にあっては、走行用モータ 5より発生する動力が、ファーストギヤ 1 1からセカンドギヤ 1 3、サンギヤ 1 4に伝わり、このサンギヤ 1 4からプラネタリギャ 1 6を介してキャリア 2 1に伝わる。そして、キャリア 2 1に嵌合するハブ 2 2を介してホイール 2 5へと伝わることで、ホイール 2 5及びタイャ 2 4が駆動されるようになる。 . [0021]

なお、セカンドギヤ 1 3とサンギヤ 1 4については、キャリア 2 1の中心を中心にして回転する。

[0022]

また、ドライブケース 2にあっては、内部にファーストギヤ 1 1、セカンドギヤ 1 3、サンギヤ 1 4ゃプラネタリギヤ 1 6等の複数のギヤを配置しており、これらのギヤの潤滑のための潤滑オイルを入れている。このため、ドライプケース 2は適宜位置にオイルシールを備えている。

[0023]

一方、このような構成となるドライブュニットにおいて、 ·ドライブケース 2内に備えたセカンドギヤ 1 3は内側が刳り貫かれて、その内側に空間が形成されている。

[0024]

そして、このセカンドギヤ 1 3の内側に形成した空間に湿式ブレーキ部 3 1が配置され、この湿式ブレーキ部 3 1は、基本的には、セカンドギヤ 1 3に内周全体が取付けられてセカンドギヤと共に回転可能なィンナーデイスク 3 2と、このインナーディスク 3 2に向き合うようにしてドライブケース 2側に外周全体が取付けられて固定状態となるアウターディスク 3 3と、互いに向き合ったィンナーディスク 3 2 とアウターディスク 3 3を押圧して当接させるプレツシャプレート 3 4とから構成されている。 [0025]

この湿式ブレーキ部 3 1について具体的に述べると、ィンナーディスク 3 2はリング状の薄板であり、これを複数用意して、セカンドギヤ 1 3の内周側に形成したディスク取付け部 3 5にそれぞれ取付ける。このとき、インナーディスク 3 2はディスク取付け部 3 5に内周全体が取付けられており、セカンドギヤ 1 3と共に、キャリア 2 1の中心を中心にして回転可能となっている。

[0026]

また、アウターディスク 3 3もリング状の薄板であり、これを複数用意して、複数のィンナーディスク 3 2の間にィンナーディスク 3 2に向き合うように配置しつつ、ドライブケース 2のカバー 4に固定されたリング状の取付け用ブロック 3 6に取付ける。このとき、アウターデ¹ィスク 3 3はドライブケース 2側となる取付け用プロック 3 6に外周全体が取付けられており、取付け用プロック 3 6に取付けることにより、アウターディスク 3 3は固定状態となっている。この取付け用プロック 3 6へのアウターデイスク 3 3の取付けは、図 2に示すように、アウターディスク 3 3の外周に外側に突き出るようになるつめ部 3 3 aを例えば 6個等間隔で形成すると共に、このアウターディスク 3 3のつめ部 3 3 aに対応する溝部 3 6 a を 6個取付け用ブロック 3 6に形成して、取付け用ブロック 3 6の溝部 3 6 aにアウターディスク 3 3のつめ部 3 3 aを嵌合させることにより行われる。この取付け状態では、取付け用ブロック 3 6の溝部 3 6 a以外の部分で、アウターディスク 3 3のラジアル方向 (放射方向：アウターデイスク 3 3の外周外側）への移動を制限している。 '

[0027] - また、ドライプケース 2側である取付け用ブロック 3 6には、内フランジ部 3 6 bを形成されており、この内フランジ部 3 6 bに、プレツシャプレート 3 4により押圧される側と反対側であるィンナーディスク 3 2の一面全体が当接するようにしている。なお、インナーディスク 3 2とァウタ一ディスク 3 3を交互に配置して、端部にアウターディスク 3 3を配置した場合は、前述のィンナーディスク 3 2の代わりにアウターディスク 3 3 の一面全体が取付け用プロック 3 6の内フランジ部 3 6 bに当接するようになる。

[0028] "

このように構成された、ドライブケース 2側すなわちドライブケース 2 のカバー 4に固定された取付け用プロック 3 6は、アウターディスク 3 3 のラジアル方向への移動を制限すると共に、プレツシャプレート 3 4からの押圧力と、アウターデイスク 3 3 とィンナーデイスク 3 2とがプレツシャプレート 3 4の押圧により密接して発生する摩擦制動トルクとを全て受け止めることができる。

[0029]

なお、このインナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3との組み合わせの例においては、インナーディスク 3 2の表面のみに摩擦材を固着している。 [0030]

また、インナーディスク 3 2を取付けたセカンドギヤ 1 3は、軸受け 3 7を介してドライブケース 2側の取付け用プロック 3 6に回転可能に支持されている。

[0031]

インナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3を押圧するプレツシャプレート 3 4は略円板状であり、その中心をキヤリア 2 1の中心と同じ位置にして、ドライブケース 2のカバー 4に形成した円柱状のプレート支持部 3 8に摺動自在に取付けられている。このプレツシャプレート 3 4の外周部にはその全周にわたって複数箇所に外周側に突き出た突出部 3 9が設けられ、この突出部 3 9に戻し用スプリング 4 0を備えている。これにより、プレツシャプレート 3 4は、戻し用スプリング 4 0によってドライブケース 2の力パー 4側に押し付けられている。

[0032]

そして、このプレツシャプレート 3 4によりィンナーディスク 3 2 とァウタ一ディスク 3 3を押圧するために、プレツシャプレート 3 4をインナ一ディスク 3 2及びアウターディスク 3 3側に押し出す押し出し機構部 4 1を備えている。

[0033]

この押し出し機構部 4 1にあっては、内部にビストン 4 2'を備えたシリンダブ口ック 4 3をドライブケース 2のカバー 4に図示していないボルト等によって固着し、このビストン 4 2には口ッド 4 4を一体的に固着しており、このロッド 4 4の先端がカバー 4のプレート支持部 3 8を貫通してプレツシャプレート 3 4に当接している。また、ピストン 4 2はロッド 4 4の反対側にプッシュロッド 4 5を一体的に備えている。なお、このビストン 4 2.、ロッド 4 4、プッシュロッド 4 5は、そらの中心をキャリア 2 1の中心と同じ位置にして、ロッド 4 4の先端がプレツシャプレート 3 4の中心に当接するようにしている。

[0034]

そして、このシリンダブ口ック 4 3には流体例えば油等を注入 ·排出する流体用通路 4 6を形成して、ここに油等が注入されるとピストン 4 2が動いて口ッド 4 4がプレツシャプレート 3 4を押して、プレツシャプレート 3 4をィン^ ~一ディスク 3 2及ぴアウターディスク 3 3側に押し出す。この流体用通路 4 6への油等の注入 ·排出は、サービスブレーキ作動のための図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。また、ロッド 4 4側の空間の空気を逃がすための空気孔 4 7がカバー 4に形成されている。なお、この逃げ用の空気孔 4 7はシリンダプロック 4 3に形成するようにしても良い。

[0035] また、ロッド 4 4側の空間の空気を逃がしたり入れたりするための空気孔 4 7をカバー 4あるいはシリンダブ口ック 4 3に形成した場合、この空気孔 4 7よりダストや雨水、泥水等が進入し、押し出し機構部 4 1のビストン 4 2の摺動面を破損させるおそれがあるが、これを防止するために、図 3に示すように、ロッド 4 4の外周側からシリンダブロック 4 3側にわたって環状のゴム製の保護ブーツ 5 7を装着し、ダストや雨水、泥水等が空気孔 4 7より進入してもビストン 4 2の摺動面には行かないような構造にしても良い。なお、押し出し機構部 4 1のロッド 4 4の摺動面（ドライブケース 2のカバー 4との）を保護するために、ロッド 4 4とカバー 4との間にリング状のシーノレを備えるのも良い。

[0036]

一方、シリンダブ口ック 4 3には一対のプラケット 4 8を介して揺動レバー 4 9が備えられており、このレバー 4 9の上端側はピストン 4 2に備えたプッシュ口ッド 4 5に当接してプッシュ口ッド 4 5を押し込むようになると共に、下端側はパーキングレバーに接続するワイヤー 5 0に連結されている。 '

[0037]

この押し出し機構部 4 1では、ドライブケース 2に固着したシリンダブロック 4 3の内部にビストン 4 2を備え、このビストン 4 2の先に口ッド 4 4を固着し、且つピストン 4 2においてロッド 4 4と反対側にプッシュロッド 4 5を備えた構成とすることで、サービスブレーキ作動時、パーキングブレーキ作動時どちらの作動時にもビストン 4 2及び口ッド 4 4を介してプレツシャプレート 3 4を押すことができる。しかも、押し出し機構部 4 1は、それ自体の構造を非常に単純かつ簡単な構造にすることができ、故障といった不具合の発生を抑えつつ、安価に提供することができる。

[0038]

また、湿式ブレーキ部 3 1のインナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調整する切れ代調整部 7 1を備えている。なお、この切れ代とは、湿式ブレーキ部 3 1において、ィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とが密接していないすなわちィンナーディスク 3 2 とアウターディスク 3 3との各間に間隙が存在してィンナ一ディスク 3 2 とアウターディスク 3 3とにおいて摩擦制動トルクが発生していない状態であるブレーキ動作していない状態から、インナーディスク 3 2とァウタ一ディスク 3 3とが密接してインナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおいて摩擦制動トルクが発生する状態であるブレーキ動作する状態までの、ィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3 との軸方向の総動き量である。そして、この切れ代において、その値が適正でないと、サービスブレーキ作動のためのブレーキペダルの操作において、ブレーキぺダルの踏み込み量が深く（大きく）なって、作業者がブレーキペダルを踏んでもなかなかブレーキが作動しないといった不具合が起こるおそれがあつたり、あるいはパーキングブレーキ作動のためのパーキングレバーの操作においても、作業者がパーキングレバーを操作してもブレキの効きが悪いといった不具合が起こるおそれがあった。，

[0039]

そこで、これらの不具合を無くすために、容易に切れ代を調整するための切れ代調整部 7 1を備えるようにした。この切れ代調整部 7 1にあっては、図 4に示すように、押し出し機構部 4 1のシリンダブロック 4 3の下部に突出量を変更可能とする調整ボルト 7 2を設け、この調整ボルト 7 2 を所定の突出量で固定するためのロックナツト 7 3を備えると共に、この調整ボルト 7 2が突き当たる小突起状の突き当て部 7 4をレバー 4 9に形成する。そして、この切れ代調整部 7 1における調整ボルト 7 2がレバー 4 9に形成した突き当て部 7 4に突き当たることで、レバー 4 9の図 4左方向の揺動を規制し、この規制により、押し出し機構部 4 1.のピストン 4 2とプッシュ口ッド 4 5と口ッド 4 4とを介して湿式ブレーキ部 3 1のプレツシャプレート 3 4の図 4右方向の移動を規制し、このプレツシャプレート 3 4が所定の間隔以上インナーディスク 3 2及ぴアウターディスク 3 3から離間しないようにプレツシャプレート 3 4を押さえるようにしている。そして、この切れ代調整部 7 1における調整ボルト 7 2の突出量を調整することによって、湿式ブレーキ部 3 1のイン^ "一ディスク 3 2とァゥターディスク 3 3とにおける切れ代を適正な値に調整する。この時、カバ一 4とプレツシャプレート 3 4の間には、調整に必要なスキマ δを設ける必要がある。

[0040]

このように押し出し機構部 4 1のプッシュロッド 4 5を押し込むレバー 4 9の揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部 3 1のィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調蠱する切れ代調整部 7 1を備えたことで、湿式ブレーキ部 3 1のィンナーデイスク 3 2とァゥターディスク 3 3とにおける切れ代を常に適正な値にすることができ、前述したブレーキペダルの操作における不具合やパーキングレバーの操作における不具合を無くすことができる。これにより、湿式ブレーキ部 3 1における切れ代を適正な値に調整するために、従来行っていた厚みの少し異なるいろいろなィンナーディスク 3 2やアウターディスク 3 3を全体の厚さが標準値となるように組み合わせて切れ代を調整する等の面倒な作業を無くすことができる。

[0041]

しかも、湿式ブレーキ部 3 1では、従来、切れ代を適正な値にするために組み立て時において、湿式ブレーキ部 3 1のイン^ "一ディスク 3 2ゃァウタ一ディスク 3 3ゃプレツシャプレート 3 4の規格適合度（厚さ方向の寸法精度）を高め、また、押し出し機構部 4 1のビストン 4 2ゃロッド 4 4やプッシュロッド 4 5、さらにはレバー 4 9の規格適合度（寸法精度）までも高める必要があつたが、切れ代調整部 7 1を備えたことで、組み立て後に切れ代調整部 7 1により切れ代を調整できることから、組み立て時の作業を容易なものにして、面倒な作業を無くすことができる。また、湿式ブレーキ部 3 1において使用を重ねるとインナーディスク 3 2ゃァウタ一ディスク 3 3等が徐々に摩耗して、切れ代が大きくなつてゆくが、インナーディスク 3 2やアウターディスク 3 3等の磨耗が許容限界内であれば、切れ代調整部 7 1により切れ代を調整することにより、最適な切れ代に調整することができ、わざわざドライブケース 2を分解してィンナーディスク 3 2やアウターディスク 3 3等を交換するといつた作業を無くし、ィンナーディスク 3 2やアウターディスク 3 3等をそれらの磨耗が許容限界に達するまで使用することができ、無駄なく効率良く最後まで使用することができる。

[0042] '

なお、この切れ代調整部 7 1における調整ボルト 7 2及び突き当て部 7 4の位置については、レバー 4 9の揺動中心位置から当該レバー 4 9がプッシュロッド 4 5に当接する位置までの寸法 αに対して、レバー 4 9の摇動中心位置から調整ボルト 7 2及び突き当て部 7 4の位置までの寸法 ;3が大きくなる位置にするのが良い。このように寸法を寸法 αより大きくすることで、湿式ブレーキ部 3 1のィンナーディスク 3 2とアウターデイスク 3 3とにおける切れ代の変化量に対する調整ボルト 7 2の突出量の変化量が大きくなるので、該突出量の調整が容易なものになり、これにより、湿式ブレーキ部 3 1のィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代の微調整を容易に行うことができる。

[0043] .

ただし、この切れ代調整部 7 1にあっては、これに限定されるものではなく、前述の切れ代調整部 7 1とは逆の構造、すなわち押し出し機構部 4 1のシリンダブ口ック 4 3の下部に小突起状の突き当て部 7 4を形成すると共に、このシリンダプロック 4 3に形成した突き当て部 7 4に突き当たる突出量を変更可能とする調整ボルト 7 2をレバー 4 9に設けて、この調整ボルト 7 2を所定の突出量で固定するための口ックナット 7 3も備えて、レバー 4 9の図 4左方向の揺動を調整ボルト 7 2によって規制するようにし、湿式ブレーキ部 3 1における切れ代を適正な値に調整するようにしても良い。さらに、図 5に示すように、レバー 4 9の上部であって押し出し機構部 4 1のプッシュロッド 4 5と同一高さとなる位置に小突起状の突き当て部 7 4を形成すると共に、レパー 4 9の上部に形成した突き当て部 7 4に突き当たる突出量を変更可能とする調整ボルト 7 2 ¾びロックナツト 7 3を車体 1側のブラケットに設けるようにしても良い。 '

[0044]

次に、この押し出し機構部 4 1及ぴ湿式ブレーキ部 3 1の動作について説明する。

作業者がプレーキペダルを踏んでサービスブレーキを作動すると、シリンダプロック 4 3の流体用通路 4 6に油等が注入され、ピストン 4 2及びロッド 4 4を介してプレツシャプレート 3 4を動かして、プレツシャプレート 3 4によってィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3を押圧することで、このィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とが密接してィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおいて摩擦制動トルクが発生し、セカンドギヤ 1 3の回転を止める。これにより、タイヤ 2 4 、ホイール 2 5 、ノヽブ 2 2、キャリア 2 1、プラネタリギヤ 1 6、サンギャ 1 4を介して伝達される車両の慣性エネルギーを遮断して、制動を行うようになる。

[0045]

そして、作業者がブレーキペダルを離してサービスブレーキの作動を解除すると、シリンダブ口ック 4 3の流体用通路 4 6への油等の注入が停止され、戻し用スプリング 4 0によってプレツシャプレート 3 4がドライブケース 2のカバー 4側に戻り、インナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3の押圧を解除することで、セカンドギヤ 1 3を回転させる。これにより、走行用モータ 5より動力がキヤリア 2 1に伝達して、ハブ 2 2及びホィール 2 5が回転するようになる。

[0046] '

一方、作業者がパーキングレパーを引いてパーキングブレーキを作動すると、ワイヤー 5 0を介してレバー 4 9が摇動し、プッシュロッド 4 5を押して、ビストン 4 2及ぴロッド 4 4を介してプレツシャプレート 3 4を動かして、プレツシャプレート 3 4によってインナーディスク 3 2とァゥターディスク 3 3を押圧することで、このインナーディスク 3 2とァウタ一ディスク 3 3とが密接してィンづ "一ディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおいて摩擦制動トルクが発生し、セカンドギヤ 1 3の回転を止める。これにより、タイヤ 2 4、ホイール 2 5 、ノヽブ 2 2、キャリア 2 1、プラネタリギヤ 1 6、サンギヤ 1 4を介して伝達される車両の慣性エネルギ一を遮断して、制動を行うようになる。

[0047]

また、作業者がパーキングレバーを戻してパーキングブレーキの作動を解除すると、レバー 4 9によるプッシュ口ッド 4 5が押されるのが停止され、戻し用スプリング 4 0によってプレツシャプレート 3 4がドライプケース 2のカバー 4側に戻り、インナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3の押圧を解除することで、セカンドギヤ 1 3を回転させる。これにより、走行用モータ 5より動力がキャリア 2 1に伝達して、ハブ 2 2及びホイール 2 5が回転するようになる。

[0048] - なお、前述した第 1の実施形態の中で、押し出し機構部 4, 1において、ピストン 4 2と口ッド 4 4及びプッシュ口ッド 4 5を一体的にした構造としていたが、これを、図 6に示すように、ピストン 4 2とロッド 4 4に対してプッシュロッド 4 5を別体とした二分割構造のものにしても良く、また、ピストン 4 2、ロッド 4 4、プッシュロッド 4 5をそれぞれ別体とした三分割構造のものにしても良い。このように分割した構造にすることで、加工及び製作を容易なものにし、製作コストを低減することもできる。一方、押し出し機構部 4 1を、ピストン 4 2とロッド 4 4とプッシュロッド 4 5とから構成するのではなく、図 7に示すように、ピストン 4 2とプッシュ口ッド 4 5とから構成すると共に、プレツシャプレート 3 4に前記ロッド 4 4に相当するロッド部 5 9を一体的に形成し、プッシャプレート 3 4におけるロッド部 5 9が押し出し機構部 4 1におけるビストン 4 2 に直接当接する構造にしても良い。

[0049]

このような構成となるバッテリフォークリフト用ドライブュニットにあつては、ドライブケース 2内に備えたセカンドギヤ 1 3を内側が刳り貫かれた形状にして内側に空間を形成すると共に、このセカンドギヤ 1 3の内側に形成した空間に湿式ブレーキ部 3 1を配置することにより、従来のようなブレーキを配置するための大きな空間を不要とし、ドライブュニット及びこの付近のコンパクト化を図ることができ、強いては、バッテリフォ一クリフトとしての小型化及び軽量化を行うことができる。特に、従来の走行用モータに乾式単板ブレーキを装着したものでは車体幅方向における寸法が非常に大きくなるといつた問題があつたが、本発明のようにドライブケース 2内のセカンドギヤ 1 3の内側に湿式ブレーキ部 3 1を配置することで、車体 1の幅方向における寸法を小さくすることができる。

[0050]

また、湿式プレーキ部 3 1をドライブケース 2内に備えたセカンドギヤ 1 3の内側に配置したことにより、湿式ブレーキ部 3 1はドライブケース 2によって完全に覆われた状態となり、この湿式ブレーキ部 3 1に外部から泥ゃ水等が浸入するのを無くすことができ、ブレーキの故障といった問題を大幅に低減することができる。しかも、湿式ブレーキ部 3 1を潤滑するためのオイルとしては、ドライブケース 2内に入れた各種のギヤを潤滑のための潤滑オイルで兼用することで、湿式ブレーキ部 3 1'専用のオイルを不要とし、湿式ブレーキとしては非常に安価に製造することができる。

[0051]

—方、湿式ブレーキ部 3 1におけるインナーディスク 3 2とアウターデイスク 3 3にあっては、セカンドギヤ 1 3のディスク取付け部 3 5及ぴドライプケース 2のカバー 4に固定する取付け用ブロック 3 6に、ィンナーディスク 3 2内周全体及びアウターディスク 3 3の外周全体をそれぞれ取付けたことにより、ィンナーディスク 3 2及びアウターディスク 3 3を強固にかつ確実に取付けることができ、ここでの強度上の問題を無くすことができる。しかも、この取付け用ブロック 3 6の内フランジ部 3 6 bにプレツシャプレート 3 4により押圧される側と反対側であるィンナーデイスク 3 2の一面全体を当接して、この内フランジ部 3 6 bによってィンナーディスク 3 2を保持するようになることで、この取付け用ブロック 3 6によって、プレツシャプレート 3 4から受ける押圧力と、アウターディスク 3 3及びイン ^ "一ディスク 3 2がプレツシャプレート 3 4の押圧により密接して発生する摩擦制動トルクとを全て受け止めることができ、プレツシャプレート 3 4からの強い押圧力を受けても確実にこれを受け止めることができるので、プレツシャプレート 3 4からの押圧力を強くすることができ、強力なブレーキ力を安定して発揮することができる。

[0052]

また、表面に摩擦材を固着したインナーディスク 3 2をセカンドギヤ 1 3側に取付けて、セカンドギヤ 1 3と共にィンナーディスク 3 2を回転させるようにしたことにより、ィンナーディスク 3 2の表面に固着された摩擦材の偏った減りを抑えることができ、ィンナーディスク 3 2表面の摩擦材の減りを遅らせることで、インナーディスク 3 2の交換時期を伸ばしてインナーディスク 3 2を長期にわたって使用することができ、湿式ブレーキ部 3 1のメンテナンスコストを低減することができる。

その理由は次のとおりである。従来、ドライブケース 2内に入れた潤滑オイルが湿式ブレーキ部 3 1におけるィンナーディスク 3 2またはァウタ一ディスク 3 3の 2分の 1程度の高さまでしか満たされていないため、ィンナーディスク 3 2またはアウターディスク 3 3の上端に所望の量の潤滑オイルがなかなか達しなかった。このため、例えば、摩擦材を固着したィンナーディスク 3 2を固定して、アウターディスク 3 3を回転させる構造 (方式）の場合、インナーディスク 3 2の上端への潤滑オイルが不足して、このィンナーディスク 3 2の上端の摩擦材がすぐに減ってしまいィンナ一ディスク 3 2の摩擦材の偏った減り（上側が減る）が発生する。これにより、インナーディスク 3 2を早期に交換しなければならなくなる。しかしながら、本実施形態のように表面に摩擦材が固着したィンナーディスク 3 2を回転させることで、インナーディスク 3 2は一回転する度に全体が潤滑オイル内に浸るため、常に全体に潤滑オイルが行き渡るようになる。これにより、ィンナーディスク 3 2の表面に固着した摩擦材の減りを抑えることができるのである。

[0053]

なお、潤滑オイルを増やすことで上記のインナーディスク 3 2の摩擦材の偏った減りという問題を解消することは可能ではある力 '潤滑オイルを増やすと、ディスクのつれ回りトルクが大きくなることにより、走行用モータ 5の消費電力が大きくなる他、油もれを起こし易くなる等の問題が生じる。

[0054]

次に、本発明によるバッテリフォークリフト用ドライブュニッ 1、の実施形態における別の例について複数説明する。基本的には、前述した実施形態と略同様であるが、押し出し機構部 4 1において大きく異なる。

[0055]

第 2の実施形態としては、図 8や図 9に示すように、まず、プレツシャプレート 3 4は、ドライブケース 2のカバー 4のプレート支持部 3 8に摺動自在に取付けられていて、プレート支持部 3 8の周囲に配置する戻し用スプリング 5 1によってドライブケース 2のカバー 4側に押し付けられている。

[0056]

そして、押し出し機構部 4 1にあっては、カバー 4におけるプレート支持部 3 8の周囲に摺動自在なリング状ビストン 5 2を備えており、このリング状ビストン 5 2の先端がプレツシャプレート 3 4に当接している。そして、カバー 4に形成する流体用通路 5 3に油等が注入されるとリング状ビストン 5 2が動いてプレツシャプレート 3 4を押して、プレツシャプレート 3 4をィンナーディスク 3 2及びアウターディスク 3 3側に押し出す。なお、この流体用通路 5 3への油等の注入 '排出については、図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。

[0057]

一方、カバー 4にはブラケット 5 4を介して揺動レバー 5, 5が備えられていて、このレバー 5 5の上端部は二つに分岐し、各分岐部にプッシュ口ッド 5 6をそれぞれ備えている。この一対のプッシュロッド 5 6はカバー 4を貫通してプレツシャプレート 3 4に当接している。' また、レバー 5 5 の下端側はパーキングレバーに接続するワイヤー 5 0に連結している。

[0058]

また、湿式ブレーキ部 3 1のィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調整する切れ代調整部 7 1を備え、この切れ代調整部 7 1は、前述した第 1の実施形態と略同様の構成であり、ドライブケース 2のカバー 4に調整ボルト 7 2及び口ックナット 7 3を設けると共に、レバー 5 5に小突起状の突き当て部 7 4を形成して、レバー 5 5の図 8 左方向の揺動を調整ボルト 7 2によって規制するようにし、，湿式ブレーキ部 3 1における切れ代を適正な値に調整する。

[0059]

このようにプレツシャプレート 3 4をィンナーディスク 3 2及びァウタ一ディスク 3 3側に押し出す手段として、ブレーキペダルを踏んでサービスブレーキを作動したときに作動するリング状ビストン 5 2を用いた手段と、パーキングレパーを引いてパーキングブレーキを作動したときに作動する一対のプッシュロッド 5 6を用いた手段の二つの手段とし、これらの手段を全く別物にしたことで、何らかのトラブルで一方の手段が故障しても、残りの手段によってプレツシャプレート 3 4をィンナーディスク 3 2 及びアウターディスク 3 3側に押し出して制動を行うことができ、極めて安全な構造にすることができる。

[0060]

次に、第 3の実施形態としては、図 1 0に示すように、まず、プレツシャプレート 3 4は、ドライブケース 2のカバ一 4のプレート支持部 3 8に摺動自在に取付けられ、プレート支持部 3 8の周囲に配置する戻し用スプリング 5 1によってドライブケース 2のカバー 4側に押し付けられている

[0061]

そして、押し出し機構部 4 1にあっては、前述の第 2の実施形態と同様に、カバー 4におけるプレート支持部 3 8の周囲に摺 1¾自在なリング状ピストン 5 2を備えており、このリング状ビストン 5 2の先端がプレツシャプレート 3 4に当接している。そして、カバー 4に形成した流体用通路 5 3に油等が注入されるとリング状ビストン 5 2が動いてプレツシャプレート 3 4を押して、プレツシャプレート 3 4をィンナーディスク 3 2及ぴァウタ一ディスク 3 3側に押し出す。なお、この流体用通路 5 3への油等の注入 ·排出については、図示しないブレーキペダルの操作に基づいて制御されている。

[0062]

一方、カバー 4にはプレツシャプレート 3 4に相対するようにしてリング状のリングプレート 6 1をノックピン 6 2を介して取付けており、このリングプレート 6 1 とプレツシャプレート 3 4の間に全周にわたって複数のボール体 6 3を配置している。図 1 1や図 1 2 Aに示すように、リングプレート 6 1 とプレツシャプレート 3 4におけるこのボール体 6 3を配置する箇所にはそれぞれ半楕円体状の傾斜溝 6 4を形成し、相対する傾斜溝 6 4内にボール体 6 3が収納される。そして、カバー 4の下端に軸体 6 5 を備えて、この軸体 6 5の一方には揺動レバー 6 6を固着し、このレバー 6 6の上端側にパーキングレバーに接続するワイヤー 5 0に連結する。また、軸体 6 5の他方には揺動アーム 6 7を固着し、このアーム 6 7はその上端の U溝 6 8を介して、プレツシャプレート 3 4の下端に固着されたピン 6 9に係合している。

[0063]

また、湿式ブレーキ部 3 1のインナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調整する切れ代調整部 7 1を備え、 'この切れ代調整部 7 1は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図 1 3に示すように、車体 1側のブラケット 7 5に調整ボルト 7 2及ぴロックナツト 7 3を設けると共に、レバー 6 6の側面に小突起状の突き当て部 7 4を形成して、レパー 6 6の図 1 3左方向の揺動を調整ボルト 7 2によって規制するようにし、湿式ブレーキ部 3 1における切れ代を適正な値に調整する。

[0064]

この押し出し機構部 4 1の動作について説明する。作業者のブレーキぺダルの操作により、カバー 4の流体用通路 5 3への油等の注入 '排出が行われ、リング状ピストン 5 2を介してプレツシャプレート 3 4を動かして、プレツシャプレート 3 4によるインナーディスク 3 2とアウターデイスク 3 3の押圧または解除を行うようになる。 .

[0065]

一方、作業者がパーキングレバーを引いてパーキングブレーキを作動すると、ワイヤー 5 0を介してレバー 6 6が揺動し、レバー 6 6の揺動に連動してアーム 6 7も揺動する。このアーム 6 7の揺動によりプレツシャプレート 3 4が力パー 4におけるプレート支持部 3 8の回りで僅かに回転する。そして、プレツシャプレート 3 4の僅かな回転により、図 1 2 Bに示すように、プレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1の相対する傾斜溝 6 4内に収納されたボール体 6 3が傾斜溝 6 4内よりずれ出し、プレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1 との間隙を広げる。このボール体 6 3におけるプレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1.との間隙を広げる動作により、プレツシャプレート？ 4を動かして、プレツシャプレート 3 4によってィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3を押圧するようになる。

[0066]

また、作業者がパーキングレバーを戻してパーキングブレーキの作動を解除すると、今度はレバー 6 6が元に戻り、アーム 6 7を介してプレツシャプレート 3 4も元に戻る。これにより、プレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1 との間に配置されたボール体 6 3もプレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1の相対する傾斜溝 6 4内に収納されて、プレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1 との間隙が狭まり元に戻る。そして、プレツシャプレート 3 4とリングプレート 6 1 との聞隙が元に戻ることで、プレツシャプレート 3 4によるィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3の押圧が解除されるようになる。

[0067]

次に、第 4の実施形態について説明すると、図 1 4に示すように、プレッシャプレート 3 4とリングプレート 6 1の間にボール体 6 3を配置するのではなく、リングプレート 6 1 とカバー 4とに半楕円体状の傾斜溝 6 4 をそれぞれ形成し、このリングプレート 6 1 とカバー 4の間で相対する傾斜溝 4内にボール体 6 3を配置する。そして、軸体 6 5に固着したアーム 6 7もプレツシャプレート 3 4に係合するのではなく、リグプレート 6 1の下端に係合させる。これにより、レバー 6 6の揺動によりリングプレート 6 1が僅かに回転するようになり、このリングプレート 6 1の僅かな回転により、ボール体 6 3が相対する傾斜溝 6 4よりずれ出し、リングプレート 6 1がカバー 4に対して間隙を広げるように動いて、プレツシャプレート 3 4を動かすようになる。

[0068]

また、この第 4の実施形態においても、湿式ブレーキ部 3 1のインナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調整する切れ代調整部 7 1を備えており、この切れ代調整部 7 1は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図 1 5に示すように、車体 1側のブラケット 7 5に調整ポルト 7 2及び口ックナット 7 3を設けると共に、レバー 6 6の側面に小突起状の突き当て部 7 4を形成して、レバー⁶ 6の摇動を調整ボルト 7 2によって規制するようにし、湿式ブレーキ部 3' 1における切れ代を適正な値に調整する。

[0069]

次に、第 5及び第 6の実施形態としては、基本的には、前述した第 3及び第 4の実施形態と略同じであるが、図 1 6及び図 1 7にそれぞれ示すように、押し出し機構部 4 1の一部が異なる。これは、前述した第 3及び第 4の実施形態では、カバー 4にブレーキペダルの操作に基づいて油等が注入 .排出される流体用通路 5 3を形成していたが、この第 5及び第 6の実施形態では、この流体用通路 5 3を無くした構成とするものである。そして、この流体用通路 5 3を無くした代わりに、ブレーキペダルの操作に基づいてレバー 6 6が揺動するようにレバー 6 6にブレーキペダルの操作に連動するワイヤー 7 0も連結するようにしている。 ·

[0070]

また、これら第 5及び第 6の実施形態においても、湿式ブレーキ部 3 1 のィンナーディスク 3 2とアウターディスク 3 3とにおける切れ代を調整する切れ代調整部 7 1を備えており、この切れ代調整部 7 1は、前述した各実施形態及び例と略同様の構成であり、図 1 8に示すように、車体 1側のブラケット 7 5に調整ポルト 7 2及ぴロックナット 7 3を設けると共に、レバー 6 6の側面に小突起状の突き当て部 7 4を形成して、レバー 6 6 の揺動を調整ボルト 7 2によって規制するようにし、湿式ブレーキ部 3 1 における切れ代を適正な値に調整する。

[0071] '

このようにカバー 4に流体用通路 5 3を形成するのを無ぐした構成とし、ブレーキペダルの操作もノーキングレバーの操作も共に一つのレパー 6 6に伝わるようにして、このレバー 6 6の揺動によりプレツシャプレート 3 4を動かし、プレツシャプレート 3 4によってィンナ一ディスク 3 2とアウターディスク 3 3を押圧可能にしたことで、流体を供給するための各種の油圧機器を無くすことができ、構造を簡単かつ単純なものすることで、故障等の不具合の発生を大幅に無くすことができ、しかも、これを極めて安価に提供することができる。

Claims

請求の範囲

1 . ドライブケース内に、走行用モータのモータ軸に嵌合するファーストギヤと、このファーストギヤに嚙合するセカンドギヤとを備えていて、このファーストギヤとセカンドギヤを介して走行用モータより発生する動力をキヤリァに伝達するようにしたバッテリフォークリフトのドライブュニットにおいて、

ドライブケース内に備えたセカンドギヤの内側に空間を形成して、ここに湿式ブレーキ部を配置すると共に、この湿式ブレーキ部は、セカンドギャに内周全体が取付けられたインナーディスクと、ドライブケース側に外周全体が取付けられていて、インナーディスクに向き合うアウターデイスクと、互いに向き合ったィンナーディスクとァウタ一ディスクを押圧するプレツシャプレートとから構成されていることを特徴とする、バッテリフオークリフト用ドライブュニット。

2 . アウターディスクのラジアル方向への移動を制限し、かつプレツシャプレートからの押圧力と、アウターディスクとィンナーディスクとがプレッシャプレートの押圧により密接して発生する摩擦制動トクとをすベて受け止める取付け用ブロックを、ドライブケース側に固定たことを特徴とする、請求項 1に記載のバッテリフォークリフト用ドライブュニット。

3 . ドライブケース側に固着したシリンダブ口ックの內部にビストンを備え、このピストンの先に湿式ブレーキ部のプレツシャプレートに当接するロッドを固着し、かつビストンにおけるロッドと反対側にプッシュロッドを備えた構成とし、サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、前記ピストンを動かし、ロッドの先端を介してプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとィンナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレバーを介してプッシュ口ッドを押し込むことにより、前記ピストンを動かし、ロッドの先端を介してプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとィンづ "一ディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えたことを特徴とする、請求項 1又は 2に記載のバッテリフォークリフト用ドライブュニット。

4 . 押し出し機構部のプッシュロッドを押し込むレバーの m動を規制することにより、湿式ブレーキ部のィンナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とする、請求項 3記載のバッテリフォークリフト用ドライブュニット。

5 . サービスブレーキ作動時には、流体用通路を介して流体を注入することにより、リング状ビストンを介してプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとィンナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにし、パーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーに連結したレパーを介してこのレバーの揺動によってプレツシャプレートを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してアウターディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの摇動を規制することにより、湿式ブレーキ部のインナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とする、請求項 1又は 2に記載のバッテリフォークリフト用ドライブュニット。

6 . サービスブレーキ作動時及びパーキングブレーキ作動時には、パーキングレバーに接続するワイヤーとブレーキペダルの操作に連動するワイヤ一とに連結したレバーを介してこのレバーの揺動によってプレツシャプレ一トを押すことで、アウターディスクとインナーディスクとが密接してァウタ一ディスクとインナーディスクにおいて摩擦制動トルクを発生させるようにした押し出し機構部を備えると共に、レバーの揺動を規制することにより、湿式ブレーキ部のィンナーディスクとアウターディスクとにおける切れ代を調整する切れ代調整部を備えたことを特徴とする、請求項 1又は 2に記載のバッテリフォークリフト用ドライブュニット。